機動戦姫ガンダムSG   作:鍋の中の白い奴シラタキ

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クリスちゃんの誕生日なのに翼さん回というね


月煌の羽ばたき

 シンフォギアやモビルスーツを扱う装者に定期的に訪れる検査のために響は泊まりがけで病院へと来ていた。

 

「あぁ~目の前が真っ暗だよぉ。」

「もう、おとなしくしてて。」

 

患者衣に着替える響であったが病院に同伴してきた未来に着替えさせて貰うと言うなかなか凄まじい甘え方をしていた。

 

(親がいちゃつくのを目の前で見せられるのって中々だな・・・。)

 

その光景をハロの中に収まりながら見ているカナデは暇だからと着いてきたことを割りと後悔していた。

 

「検査入院なのに大騒ぎすぎだよ。」

「響の所為で大騒ぎしてるんでしょ。」

 

着替え終った響が未来に着替える際に乱れた頭髪を手ぐしで直して貰っていると彼女のスマホに電話が掛かってくる。

 

「・・・。」

 

画面の表示されている『お父さん』という文字を見て響は躊躇いもなく通話を拒否すると検査へと向かう。

 

「じゃ、検査行ってくるね。」

「良かったの?」

「うん、だって今は未来が居るカナデが居る。それにみんなが居る。だからへいき――。」

「へっちゃらじゃないよ。今の響はきっと泣いてるよ。」

 

そう言われ部屋の外に向かう足が一瞬止まるが直ぐに歩みを再開すると扉に手をかけて響は検査へと向かう。

 

「本当に大丈夫だから。どうせ、お金がないだけなんだから。」

 

検査へと向かっていった響を見て未来がぽつりと言う。

 

「昔は仲が良かったのに・・・。」

「そうだったのか?とてもそうには見えなかったぞ。」

「壊してしまったのはきっと私のわがままなんだ。あの時ライブに誘わなかったら響は今も家族みんなで居られたのに。」

 

カナデはそう聞くと少し考えた後に未来に言う。

 

「そこら辺の事情は知らないけどさ。未来のわがままで壊したってんなら未来のわがままで直しゃいいんじゃないのか?」

「私のわがままで?」

「おうよ。あの時母さんと殴り合った時みたいに貪欲に行こうぜ!」

「あ、あれは結構恥ずかしいからあんまり言わないで・・・。」

 

神獣鏡を纏った時みたいにガンガン行こうぜと言われた未来は当時口走っていた事を未だ鮮明に覚えていた為に恥ずかしさで顔が熱くなった。

 

 

 

 

 

 

 検査入院のため離脱している響を除いた装者達は現在司令室へと集合していた。

首都圏にて優先的に電力が回されている日本政府管轄の重要施設群の位置がモニターの地図上に表示される。

 

「たくさんあるデスよ」

「特に目立っているのが。」

 

誰もが思ったことを声に出して言った切歌と調であった。

調の言う特に目立つ最も多くの電力が回されている施設の名を弦十朗が告げる。

 

「深淵の竜宮。異端技術に端を発する物を数多く収容している最重要拠点だ。」

「残党が場所を探っていたとなると狙いはそこにある危険物ね。」

「だったら話しが早い、先回りしてぶっ潰せば良い。」

 

マリアが与えられた情報を元にした予測から言ったキャロル一派の狙いを聞いたクリスがそう言う。

 

「しかしだ、襲撃予測地点はもう一つあるのだ。」

「この場所は・・・!」

 

弦十朗が示した襲撃予測地点に翼が驚きの声をあげる。

 

「此処を襲撃予測地点の最有力候補に挙げたのには訳があります。報告で神社仏閣が多数破壊されていました。そしてその破壊された神社仏閣の位置はいずれも明治政府の帝都構想によって霊的防衛を担っていた場所。レイラインのコントロールを担う要所だったのです。」

「なるほど確かにあそこには要石がある。奴らが狙う道理があるというわけか。」

 

狙われる理由に納得の言った翼は頷いた。

 

「検査入院の響君を欠いているが打って出る好機か。」

「お願いしますキャロルの怨念を止めてください!」

 

無論始めからそのつもりだと装者達は頷いた。

 

「良し、チームを編成するぞ!」

 

弦十朗がそう言うと装者達は二つのチームに分けられた。

 そして数刻後にて翼とマリアは襲撃予測地点へとやって来ていた。

 

「ここが?」

「はい、此処は風鳴八紘邸。翼さんの生家です。」

 

共に来ていた緒川よりマリアが襲撃予測地点の正体を告げられる。

 

「十年振りに帰ってきたがまさかこんなことでとはな。」

「クリスさん達も間もなく深淵の竜宮へと到着するようです。」

「ならばこちらも伏魔殿に呑まれぬようにせねばな。」

 

三人の前の扉がゆっくりと開いていった。

 

 

 

 

 

 

 アルニム建造完了を知って機嫌の良かったキャロルであったが突如として苦しみに襲われる。

 

「ぐぅっ!」

「マスター。」

「問題ない、想い出の高速インストールに加え自死を行った記憶が拒絶反応を起こしているだけだ。」

「少し身を休めなくてよろしいのですか?」

「している暇などない、歌女共が揃っているのだ。この好機を逃す訳にはいかんのだ。」

 

キャロルの身を案じての提案をにべもなく断られたファラは呪いの旋律を刻まれに行くことをキャロルに告げる。

 

「譜面に新たな呪いの旋律を刻まれてくるとします。」

「ああ、果たしてこい。」

 

使命を果たしに向かったファラがチフォージュ・シャトーより消えるとキャロルは残ったレイアとフェルトに言う。

 

「お前達はオレと共にヤントラ・サラヴァスパの確保に行くぞ。」

「地味に了解だマスター。」

「オーダー、受諾。」

 

拒絶反応が起こらないのを確認したキャロルは二人と共に深淵の竜宮へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 八紘邸へと足を踏み入れた三人の前に要石が目に入る。

 

「要石・・・。」

「あれが。」

 

要石を見ている間に護衛を伴った翼の父親である風鳴八紘が現われる。

 

「ご苦労だったな慎次。それとA.B.E.L.に編入された君の活躍も聞いている良くやってくれているそうだな。」

「え、ああはい。」

 

曖昧な返事をマリアが返す。

 

「アーネンエルベよりアルカノイズの詳細な報告書が届いている。後ほど受け取りに来るように。」

 

そう言うと八紘は屋敷へと戻っていこうとする。

 

「お父様!」

 

思わず呼び止めてしまった翼は数瞬言葉に詰まると二の句を発する。

 

「沙汰もなく申し訳ございませんでした。」

「構わん、お前がおらずとも風鳴の家に支障はない。」

「・・・はい。」

 

予想通りであった返答に落ち込む翼であったが何故かマリアが怒りを露わにする。

 

「ちょっと待ちなさい!貴方翼のパパさんでしょ!?親なら子に労いの一つもかけてあげられないの!?」

「良いんだマリア!」

「だが!」

「良いんだ!」

 

八紘へ向かっていこうとするマリアを翼が留めていると空気の揺らぎを察知した緒川が察知した場所へと向け発砲するとファラが現われる。

 

「無粋な方。折角親子水入らずにしてあげたというのに。」

「オートスコアラー!要石を狙ってきたか!Imyuteus amenohabakiri tron.」

 

ちょうど良いとばかりにギアを纏った翼が刀を構えるとファラへと向かっていく。

 

「ダンスマカブル。」

 

アルカノイズが召喚されると狙いをファラから変えた翼が背後の八紘に叫ぶ。

 

「お父様!」

「務めを果たせよ!」

 

そう言い八紘は護衛と共に退避していく。

 

「・・・っ。」

 

そして分かってはいるものの娘として見てくれない八紘に対して翼は寂しげな顔を見せるもギアを纏ったマリアがアルカノイズを倒しに行ったのを見ると気を斬撃を飛ばしアルカノイズを倒しファラへの道を作ると大剣を構え駆ける。

 

「主を喪って居るのに何故未だ動く!」

「全てはマスターの為ですから。さぁ剣ちゃんの歌を聴かせて前のように詰まらなかったら嫌よ。」

 

ファラの構えたソードブレイカーと数合い打ち合った末に翼は飛び上がると巨大な剣を蹴りファラへと放つ。

 

「変わらないのね。」

 

つまらなそうにそう言ったファラによってロンドンの時と同じようにいとも容易く翼の剣は砕かれる。

 

「何故っ!?」

「私の剣はソードブレイカー。それが剣と定義されていれば硬さも強さも関係なく破壊する哲学の牙。」

 

自らを剣と定めていたからかソードブレイカーによる力が身体にも作用したことによって翼の意識は闇へと沈んでいった。

それを見たファラは翼から要石へと狙いを変える。

 

「させるものか!」

 

無数の短剣をファラへと放ち要石の破壊を阻止しようとしたマリアであったがソードブレイカーの力の乗った竜巻の一撃によってアガートラームでさえ砕かれ背後の要石を破壊される。

 

「呪いやゲッシュと同じく概念に干渉する哲学兵装が此処まで厄介だなんてっ!」

「あら、アガートラームは剣と定義されていたかしら?まぁ良いわ剣ちゃんに伝えておいて目が覚めたら改めて歌を聴きに行かせて貰いますと。」

 

人的被害こそ出なかったもののこれは完膚なきまでの敗北であった。

 

 

 

 

 

 

 深淵の竜宮へと向かうソット・ヴォーチェに緒川より連絡が入る。

 

『要石の防衛に失敗しました。申し訳ありません。』

「二点を攻められるのがこうもきついとはな。」

『二点?まさか!』

「ああ、セキュリティが奴らを捕捉した。」

 

弦十朗の言う通り深淵の竜宮の監視カメラはキャロル、レイア、フェルトの三人の姿を捉えていた。

 

「閻魔様に土下座して蘇ったってのかよ!」

「クリス君には調君と切歌君と共に深淵の竜宮に向かって貰う。」

「任せとけ!」

 

グランドガンダムとなることのできるレイアも居るとあって三人はモビルスーツ積載可能の潜水艦で深淵の竜宮へ向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 戦いの後にしばらくして翼は目を覚ます。

 

(そうか、私はファラと戦って負けたのか。夢を捨ててなお私には何もできない・・・。)

 

意識が覚醒していくと共に先の敗北が翼の身にしみていく。

悔しさに身を焼いていると障子越しにマリアが声をかける。

 

「翼のパパさんが呼んでいるわ。大丈夫なら直ぐに来て欲しいそうよ。」

「ああ、参ろう。」

 

八紘の求めに応じ彼の書斎へとやって来た翼達はアーネンエルベよりの報告書に目を通す。

 

「これは?」

「アルカノイズの攻撃によって生じる赤い粒子をアーネンエルベに調査依頼を出していたらしいのです。」

「アーネンエルベ、シンフォギアの開発にも関わりの深い独国の研究機関か。」

 

マリアの疑問に緒川と翼が答えると報告書に記されている中でも重要と判断した部分を八紘が口頭で伝える。

 

「報告によれば赤い物質はプリママテリア。アルカへストによって分解還元された物質の根源要素らしい。」

「物質の根源?分解による?」

「錬金術とは、分解と解析。そこらの構築による異端技術の理論体系と聞いていますが。」

「構築・・・キャロルは一体世界を分解した後に何を構築しようとしていたというの?」

 

アルカノイズの攻撃によって生じる赤い粉の正体が分かったことで新たな疑問が湧くなか八紘が翼に声をかける。

 

「翼、傷の具合は?」

 

そう問われた翼は防人としての翼として答える。

 

「痛みは殺せます。」

「そうか、ならば然るべき施設にて情報の精査を行え。此処にはもうお前の守る要石はないのだから。」

「分かりました。」

 

やはりと言うべきか翼に対して冷たい態度を取る八紘にマリアが苦言を呈する。

 

「人はそれを合理的と呼ぶのかもしれないが、自分の娘に対してあまりにも冷たすぎる!」

「良いんだ、マリア!」

「しかし、翼!」

「・・・良いんだ。」

 

玄関前でも行われたやりとりと同じようなものの後に翼達は書斎より退室した。

 

「なんだあれは!いくら国家安全保障のスペシャリストとはいえあれはあまりにも家族の繫がりを蔑ろにしている!」

「だがあれが私たちのあり方なのだ。」

 

八紘の翼に対する態度に怒りを露わにするマリアに対し翼は寂しそうにしながらもそう言うと自身の部屋の前に着いたことで襖に手をかける。

 

「ここは子ども時分の私の部屋だ話の続きは中でしよう。」

「敵襲か!?また人形が!」

 

部屋の中を見てそう言ったマリアに釣られて視線を向けた翼の目に物が散乱した自室の姿が入る。

 

「私の不徳だ。だが十年もそのままとはな、幼いときは此処でお父様に流行歌を聴かせたりもしたのだが。」

「昔からなの?」

「私が片付けられない女って事!?」

 

部屋の片付けを行っている翼にそう聞いたマリアに翼が思わず言い返す。

 

「違う、貴女のパパさんよ。」

 

そう言われた翼は風鳴の家について語り始める。

 

「私のお爺さま現当主風鳴訃堂は老齢の域に差し掛かると跡継ぎを考えるようになった。候補には嫡男である父八紘そしてその弟である弦十朗おじさまだった。」

「風鳴司令か。」

「だが選ばれたのはそんな二人を差し置いて産まれたばかりの私だった。」

「翼を?」

 

そして翼は何故自分が選ばれたのかを語る。

 

「理由は聞いていない。だが今日まで生きていると窺い知ることもある。どうやら私にはお父様の血が流れていないらしい。」

「なにっ!?」

「風鳴の血を濃く絶やさぬようお爺さまがお母様の胎より産ませたのがこの私だ。」

「風鳴訃堂は外道に落ちたかっ!」

 

翼の耳にかつて八紘より投げかけられた言葉がリフレインする。

 

『お前が私の娘であるものか!何処までも穢れた風鳴の道具に過ぎん!』

 

心に深く残る傷跡に悲しみを浮かべながらも翼は語る。

 

「それ以来少しでも認めて貰おうとこの身を剣と鍛えてきたがこの体たらくだ。ますますもって鬼子と疎まれてしまう。」

 

語り終った翼にかける言葉を見つけられないマリアは風鳴訃堂という人物に何故これほどまでの怒りを抱いたのかに気づく。

 

(風鳴訃堂・・・待て、この男は確か立花響の剣の師!不味い、あの子にまでも鬼の手が既にっ!)

「翼、風鳴訃堂は――。」

 

しかし最後まで言い終わる前に屋外より破壊音が響くとそれを聞いた翼が外に飛び出していく。

 

「翼!」

「話は後で聞く!」

 

仕方なしにマリアは翼の後を追っていった。

 屋外へと出ると破壊された屋根の上にファラがソードブレイカーを携え佇む。

 

「要石を破壊した今此処に用はないはずだ!何をしに来たオートスコアラー!」

「私はただ歌を聴きに来ただけ。」

「Seilien coffin airget-lamh tron.」

「Imyuteus amenohabakiri tron.」

 

ギアを纏った二人がそれぞれ剣を構えファラへと攻撃を仕掛けるが最初にマリアがお前には用がないとばかりに剣を砕かれ地面を舐めることになる。

 

「ぐぁっ!!」

「マリア!っ!この身は剣、ソードブレイカーなど!」

「その身が剣であるのなら哲学が陵辱しましょう。」

 

刀を構え突撃するもソードブレイカーの力の込められた竜巻により翼の身が砕かれていき吹き飛ぶ。

 

「夢破れ、その欠片に縋ってはいたが私にはなにもできないっ!」

「翼さん!」

「翼!」

 

膝を突き項垂れる翼の名を呼ぶ緒川とマリアであったが彼らの声ではもはや砕かれた翼を奮い立たせることはできない。

しかしそこに危険と知りながらも八紘が現われる。

 

「歌え翼!」

「お父様・・・ですがそれでは剣にも風鳴の道具にも。」

「ならなくて良い!夢を見ることを恐れるな!」

 

ただ翼であれと言う八紘に続けて先ほど翼の部屋を見て気づいたことをマリアが翼に告げる。

 

「翼!あの部屋は十年前のままなんかじゃない!誇り一つなく形を保っていた!それはきっと貴女のパパさんが貴女との想い出を残して貴女を身近に感じておきたかったからだ!どちらも不器用が過ぎる親子なのよ!」

「まさか、私に辛く当たっていたのは風鳴の家より遠ざけるために・・・。」

 

翼のその疑問に八紘は静かに頷く。

 

「ならば、聴いてください。私の歌を!イグナイトモジュール抜剣!」

 

剣が抜かれイグナイトモジュールが起動すると天羽々斬を黒く染める。

 

「出力を増したところでその身が剣ならば恐れるに足りません。」

「呆れたことを言う!未だこの身を剣と称するか!我が身は夢に羽ばたく翼だ!」

 

両の手の構えた翼の刀が炎を帯びるとファラのソードブレイカーを先ほどまでとは逆に砕く。

 

「あり得ないっ!ソードブレイカーを!ですがこの身は天剣絶刀!全てを迷いなく残酷に断ち切る剣!」

 

砕かれたソードブレイカーを手放したファラの身体がDG細胞によって変質しガンダムヘブンズソードへと変わる。

 

「私の羽根の一つ一つがソードブレイカー!すべて陵辱し尽くしてあげますわ!」

 

放たれるヘブンズダートを斬り返す翼であったがあまりの物量に押しつぶされそうになった瞬間ヘブンズソードの足元の地面が割れるとモビルスーツが飛び出しヘブンズソードを吹き飛ばす。

 

「下から!?」

「あれは灰色のガンダム!?」

 

驚愕する翼に八紘が叫ぶ。

 

「あれはお前のモビルスーツだ翼!FGMS-01ムーンセイバー!お前の夢へと飛ぶための力となってくれるだろう!」

「ありがとうございますお父様!」

 

ヘブンズソードが態勢を整える前にムーンセイバーに乗り込んだ翼はコンソールを操作し起動するとVPS装甲を作動させ機体を青く染めるとSEEDを発動させビームサーベルを抜きヘブンズソードに斬りかかる。

 

「さぁ舞おうか!」

「くぅっ!」

 

翼を切り落とされたヘブンズソードが脚部を虹色に輝かせ蹴りを放つも脚部にビームエッジを展開したムーンセイバーにより破壊されるとアタックモードになり大空に舞い上がり上空からのヘブンズダートの一斉射を行おうとしたがモビルアーマー形態となり上を取ったムーンセイバーの振るったビームサーベルにより細切れにされる。

 

「ふふふふふふ、あははははははは!!!」

「天剣絶刀何するものぞ!!!」

 

そして狂笑をあげるファラをヘブンズソードよりえぐり出し無数の剣を振らせることでヘブンズソードと同じく細切れにし撃破した。

 

 

 

 

 

 

 ムーンセイバーから降りた翼はファラの胸元から上が残っている所に居る緒川とマリアの元へ向かう。

 

「まだ動くかオートスコアラー。」

 

油断なくそう言った翼に応じるようにファラはギョロギョロと目を動かすと翼を見る。

 

「つまらないなんていってごめんなさいね。とても素晴らしい歌だったわ。まさしく呪われた旋律よ!」

「呪われた旋律・・・いつかキャロルの言っていた。」

 

聞き覚えのあるフレーズに翼が記憶を探っているとファラが喋り出す。

 

「ふふふ、知らず毒は仕込まれて貴女達も私たちも悪魔の傀儡となり踊る。世界は既に腕の中。」

「毒とは悪魔とはどういう意味だ!」

「DG細胞の原型より形作られたダインスレイブ、その欠片を使用したイグナイトが奏でる呪われた旋律を装者に歌わせマスターがその身を受けることで譜面を作り。後は私たちオートスコアラーが譜面に歌を刻むだけ。」

「イグナイトモジュールがDG細胞と同じ!?馬鹿なエルフナインを疑えるものか!」

 

笑い続けていたファラであったがふと笑いやむと呟く。

 

「でも不思議ですこと。今頃装者は全員悪魔の傀儡と化してもおかしくないのに。これも奇跡ちゃんの力かしらね。」

 

そう言うとファラは翼達を巻き込むように自爆するが緒川によって防がれる。

 

「司令!雪音達にっ!通信が!」

「こちらも駄目です。」

 

直ぐにイグナイトモジュールの使用を控えるように連絡しようとしたが自爆と共にファラが巻いた粒子により通信が阻害される。

 

「翼、この状況で伝えれば混乱を招くかもしれないが敢えて伝えるわ。」

「なんだ?」

「立花響の剣の師は風鳴訃堂だ。あの子は既に鬼の手に掛かっている可能性がある。」

「なん・・・だと・・・!?」

 

ここしか伝える暇はないと考えたマリアよりもたらされた情報はその場に居た翼と緒川に衝撃を与えるのには十分であった。

 

「何故そう言いきれるんですか?」

「以前伝えた通り私と立花響はガングニールの共鳴によりある程度の記憶を共有した。その時に見えたからよ。」

「通りで立花の剣筋が鋭かった筈だ。」

 

翼は此処に至って響の剣の強さに納得が行ったが訃堂の牙が既に響の首に掛かっている現実に顔を青ざめさせた。

 

 




十年もあれば地下にスペース作るくらい風鳴ならできるやろ
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