機動戦姫ガンダムSG   作:鍋の中の白い奴シラタキ

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うい、新章やで

プロローグだから短めなのは許して


翳り裂く閃光
悪魔の胎動


 三年前、どこかの並行世界。

此処でもツヴァイウィングのライブではノイズによる襲撃が発生していた。

 

「その子を連れて逃げろ翼!!!お前はもう絶唱を歌ったろ!!!居ても足手まといだ!」

「だけど奏!!!」

 

割れた空間から溢れ出す銀色のノイズ後にこの世界でデビルノイズと名付けられるものを単騎で押しとどめながら奏は先ほど絶唱を使用し通常のノイズを一掃した翼に退却を促す。

そしてその翼の腕の中にはデビルノイズによって半ばより折られた自身のアームドギアの破片が胸に突き刺さった響が居た。

 

「もうリンカーの効果時間はとっくの前に!こふっ・・・。」

 

絶唱の反動で血を吐く翼に奏はより強い口調で言い募る。

 

「あたしよりもアンタだろ!!幾ら正規適合者でも絶唱を使えばやばいんだろ!?了子さんもそう言ってた筈だ!!!」

 

リンカーによる適合係数の上昇時間が終り既にシンフォギアによるバックファイアに襲われながらも奏は折れた槍を振るいデビルノイズを打ち倒していると空間の亀裂が更に広がりガンダムヘッドが現われると奏に牙を剥き襲い掛かる。

 

「なぁっ!?」

 

槍を握っていた右腕だけを残し奏はガンダムヘッドの口の中に消えるとガンダムヘッドが亀裂の中へと帰っていく。

 

「奏!!!かなでぇぇぇえぇえええええ!!!」

 

翼の絶叫が響く中帰って行くガンダムヘッドと共に亀裂の向こうへと消えて行った。

 

 

 

 

 

 

 エレクライトガンダムのコックピットの中でギアを解除し隻腕となった奏から何故彼女がここに居るのかの説明を受けていた響は疑問に思ったことを聞く。

 

「巨大な顔・・・ガンダムヘッド。でもどうして奏さんが?」

「あたしもなそこが分かんねぇんだよだよな。結局あの後口ん中で暴れたら荒野みたいな場所に落ちたしな。まぁそこであったT.E.C.って奴らに怪我は治して貰ったんだが流石に蜥蜴みたいには生えなくてな。ま、戦うときはアームドギアで誤魔化してるから大丈夫だ。」

「助けて貰ったって事は今はその人達の仲間って事ですか?」

「いや違うよ。スターリットって奴からこれちょろまかしてあたしは自分の世界に帰る為に旅してる。」

 

奏はそう言いながら左腕に嵌めたリングを見せる。

 

「ま、これは試作品で並行世界を渡る機能しかないみたいだけどな。なぁ、響が此処に居るって事はこのガンダムだっけか?これにも並行世界を渡る力があるんだろ。」

「だと思うんですけど。ちょっとこの前の戦いで感情を燃やし過ぎちゃったみたいで力が出ないんですよね。」

「感情を?」

「錬金術です。ちょっと禁じ手を使った副作用みたいな物なんで心配しないでください。ご飯食べて寝れば直ぐに元通りですから!」

「でも食い物何もないんだろ?」

「・・・はい。」

 

何も食べるものがないとしょげる響に奏は持ち物からカロリー重視の携行食を幾つか渡す。

 

「これでも食べな。まだ結構あるからさ。」

「ありがとうございます!!!これでしばらくは耐えられますよ!!!」

 

許可が出された事で勢いよく食べ始めた響に苦笑しながら奏は水も手渡した。

 

 

 

 

 

 

 響が雪山でであった奏の居た世界では灰色のパーカーを羽織った響が手足に包帯をきつく巻き付けデビルノイズとそれの浸食により変貌させられた人間ゾンビ兵がただの人間を襲う様子をビルの上から眺めていた。

 

『――殺せ。』

「殺さない、私は人殺しじゃないっ!!」

 

いつの頃からか自身に囁きかける声を強く否定し彼女はビルから身を投げると聖詠を歌う。

 

「Balwisyall nescell gungnir tron.」

 

高鳴る心臓の鼓動が響に理不尽な厄災をもたらす悪魔に抗う力を与える。

 

「お前達には誰も殺させないっ!」

 

ガングニールのシンフォギアを纏い降り立った響が化け物と人々を隔てる壁となる。

 

「私は此処に居るぞぉ!!!」

 

初めてガングニールを纏った時に響は奴らが明確に自身を狙って居ることを理解した。

この悪魔達は理由は分からないが響を狙って世界に湧き出して人々を襲う。

それが彼女にはどうしても許すことができなかった。

誰のせいでもなく自分のせいで人が死ぬのならそれは声の言うとおりの人殺しであるからだ。

だから彼女は拳を握りデビルノイズを、ゾンビ兵を砕く。

 

「砕け散れぇぇえええ!!!」

 

しかし既に人ではなくなっていると言ってもゾンビ兵はその名が示す通りにゾンビであるために響は返り血を浴び赤く染まる。

 

(歌っている間、その間だけは私は私で居られる。)

 

赤く染まりながらも響は歌うことをやめない。拳を振るうことをやめない。

シンフォギアを纏っている間だけは頭の中に声が響かないからだ。

やがて残ったデビルノイズがゾンビ兵に寄り集まりデスアーミーと成るが既に戦いの経験値を積んでいる響の敵ではない。

 

「固まってくれた分、やりやすい。」

 

脚部のジャッキを起動し宙を飛んだ響がデスアーミーの撃ち放つ銃弾を足場にして駆けると機体の頭部に降り立ち殴りつけメインカメラを破壊し蹴り飛ばすと転倒させるとコックピットをこじ開け中のゾンビ兵を砕きデスアーミーを撃破する。

念を押してデスアーミーを粉砕したことにより舞い上がる炎を眺めていると背後に気配を感じ振り返る。

 

「・・・アンタか。ふぅん、お仲間できたんだ。」

 

そこには響を警戒の眼差しでみる翼とガンダムの存在する世界とは別の世界を渡る完全聖遺物ギャラルホルンの現存する世界より来たクリスとマリアがいた。

 

「・・・立花響。」

「お前がこっちをやってくれたんだな!」

 

自分が知る響との違いに戸惑い名を呟くマリアとは違い笑顔で近づいてくるクリスを響は睨み付ける。

 

「だとしたら?」

「いやだから助か――。」

「お前も私を人殺し言うのか。」

「は?」

 

他人を信じることができなくなった響が後ずさる。

 

「いやそんな事言わねぇって。」

「黙れ!」

 

伸ばされた手を振り払った響は跳躍するとビルの間の闇に姿を消した。

 

「何があったんだこの世界の馬鹿は。」

「翼、立花響は二課の仲間ではないのか?」

「彼女は我々の仲間ではない。デビルノイズとゾンビを倒すだけ倒して後はこの通りだ。」

「仲間ではない?」

「貴女達の事も聞きたい。続きは二課の本部にて。」

「それもそうね。こちらも聞きたいがあるしね。」

 

三人は二課の人員が戦いの事後処理に来たのを見ると本部へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 ギャラルホルン世界ではうなされ続け衰弱していく響を未来が看病していた。

 

「暗い・・・冷たい、誰も居ない。違う!!私は誰も・・・!!」

「大丈夫だよ響。私は此処に居るよ。」

 

うなされていることで譫言を言い続ける響の手を未来はギュッと握った。

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