機動戦姫ガンダムSG   作:鍋の中の白い奴シラタキ

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放て!!真・石破天驚拳!!!

 デビルノイズを取り込みショルダーミサイルを増設したネロスガンダムであったがミラービットを大量に放った未来のレーザー光線によって消し飛ばされる。

 

「もう好きにはさせない!ヒビキも誰も苦しませない!」

「ガキがぁ!」

 

未来と同じく神獣鏡の力を宿したビームを放つがそれを未来はミラービットによりネロスガンダムに反射し武装を消し飛ばす。

 

「なんだとぉ!?」

「だらぁぁぁあああ!!!」

 

そしてバランスを崩したネロスガンダムがヒビキによってハシュマル部分のテールブレードを引きちぎられる。

 

「馬鹿な!?何故だ、何故追い詰められている!?」

「分からないはずだ!」

 

先ほどまでは優勢であったはずなのにデビルガンダムの次の生体ユニット候補が参戦した程度で手も足も出なくなっている自分に対して疑問を叫ぶミケロを下半身を押さえ込む込むことで動きを封じたエレクライトガンダムからの接触回線で教えられる。

 

「DG細胞に飲み込まれて自分を失った!胸の歌を無くしてしまった貴方達には!」

「歌ぁ!?」

「それは悲しいことだ、あっちゃいけないことなんだ。誰かを思いやることのできる気持ちを消されるのは・・・。」

「お前は何を言っている!?」

「解放すると言っている!貴方をデビルガンダムから!」

「ふざけるな!俺は俺の意志でこの力を手に入れたんだよ!」

 

勝手に同情するなと憤るミケロがネロスガンダムを操作しエレクライトガンダムを殴りつけようとするが目の前のエレクライトガンダムに夢中になってしまったが為に周囲に展開していたデビルノイズとデスアーミーがヒビキと未来によって蹴散らされていることに気づくのに遅れる。

 

「俺の軍団が!」

「ぜやっ!」

「ぐおぅ!!」

 

ネロスガンダムの頭部がアッパーカットをくらいモビルトレースシステム故にダメージが伝播しコックピットのミケロも顎に衝撃を受け仰け反る。

そうして大きな隙を晒してしまったことで腰部に神獣鏡の光を照射されることで装甲を消し飛ばされると取り込んでいた未来の姿が露わになる。

 

「ヒビキ!」

「掴んでみせる!」

 

手を伸ばしたヒビキが神速の早さでもって未来へと飛翔する。

 

「さぁせるかぁ!!!」

「もう私から何もっ!何も奪わせない!お前達の好きにはさせない!絶対に!絶対にぃいぃぃい!!!」

 

早すぎるが故にネロスガンダムの今の性能ではヒビキを動きを捉えきることができずに通過した後の残像に対して攻撃を仕掛ける。

 

「未来!手を!」

 

力の限り叫んだヒビキの声が未来へと届くと彼女は目を開き夢うつつながら力を振り絞り手を伸ばすとヒビキがその手を取ると未来をネロスガンダムから引きずり出すとそのままの勢いでネロスガンダムの内部へと蹴りを放ち向こう側へと内部機構を破壊しながら突き抜け翼達の近くに着地する。

 

「・・・もう離さない。今まで忘れててごめん。」

「ごめんね・・・ヒビキ、私のせいで・・・。」

「未来は悪くない。ただ、世界が少し残酷だっただけ。」

 

ライブに誘った事を未来は謝るとヒビキの腕の中で今まで身体に掛かっていた負担からか眠りに落ちる。

 

「未来!?」

 

まさか間に合わなかったのかと焦るヒビキを落ち着かせるために翼は未来の脈を測るとヒビキに安心するように伝える。

 

「安心しなさい立花、疲れで寝ているだけ。貴女の友は無事よ。」

「良かった・・・。」

 

安堵からかヒビキは未来を抱きしめた。

未来を奪われた事に内部を破壊された事により機体の再生にエネルギーを割かれたネロスガンダムに明鏡止水ハイパーモードを発動したエレクライトガンダムが殴りかかる。

 

「オラァ!!!」

「あっぐぁあ!!」

 

宙に浮いたネロスガンダムに対して響は怒濤のラッシュ攻撃を仕掛ける。

 

「オラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラァァァアアア!!!!」

「こ、この拳っ!貴様まさかドモ――。」

 

何かを言いかけていたミケロであったがエレクライトガンダムが石破天驚拳の構えを取った事で息を呑む。

 

「あれは!?」

「流派!!!東方不敗が!!!最終奥義ぃぃぃいい!!!」

 

赤熱したマニピュレータ同士の間に極限まで高まったフォニックゲインが凝縮される。

 

「石破天驚拳!!!」

 

かつて師である東方不敗より不完全であると言われていた石破天驚拳が遂に完成の域へと達した。

ルナアタックやフロンティアショックの時に放たれたギアの力を借りた無理矢理なものではなく響自身の純粋な力によって放たれたそれがネロスガンダムを亀裂の向こう次元の狭間へと叩き込みそこに犇めくデビルノイズとデスアーミー諸共塵へと還していく。

 

「うぉぁああぁぁああぁああぁああ!?追いつかないぃぃいいいぃいぃ再生がぁぁああぁあああ!!!」

 

断末魔を上げるミケロ諸共ネロスガンダムは次元の狭間で盛大に爆発し塵へと還った。

世界にデビルガンダムの尖兵を送り込む楔となるミケロが消滅したことで空間の亀裂は閉じ世界に居たデビルノイズとデスアーミーもそれに応じ塵へと還り世界から消えた。

 

「フィーネ・・・。」

 

それを見届けた響は戦いに終わりを告げた。

 

 

 

 

 

 

 ネロスガンダムの撃破以降デビルノイズを始めとした尖兵達は観測されなくなっていた。

 

「叔父様、奏の姿が見えないのですが・・・。」

「奏なら確か今は響くんが義手の最終調整をしているはずだ。俺も先ほどまで手伝っていたがあれはなかなかのできだ。」

「叔父様がそこまで言うほどの。」

 

弦十朗も手伝った事もあり作成された義手の出来は本物と見間違うレベルの物であった。

 

「旦那!見ろよこれ!ギアがなくても右手がある!」

「奏!」

「翼も居たのか!」

 

完成したのか奏が義手を生身と遜色ない動きで駆動音も然程させずに稼働させている。

 

「凄い・・・本当の腕みたい。」

「しかもこれ感覚もある。」

「嘘でしょう!?」

 

感覚もあると言われたことで翼は奏の義手をふにふにと触る。

 

「やめてくれくすぐったいから。」

「ご、ごめんなさい。」

「調整は済んだようだな。それで、響くんは?」

 

奏が来たなら響も来るのではと聞いた弦十朗に奏はよく分かっていないながらも答える。

 

「なんでもお土産?を作ってるんだと。」

「お土産?」

「だってさ。」

 

丸い何かを作っているのだけは分かったが何を作っているのかは皆目検討が付かなかった。

 二課が保有している病院にてヒビキは未来の側に居た。

 

「毎日、来てくれるんだね。」

「当たり前だよ。もう、離れたくないから。」

 

DG細胞にもガングニールの欠片にも浸食されることのなくなり暖かさを感じることのできるようになった手でヒビキは未来の手を取る。

 

「私ももうヒビキと離れたくない。」

「ごめん、今まで未来の事忘れてて。」

「良いの、私はヒビキが一番辛いときに側に居てあげられなかったから。」

「気にしてないよ。私と一緒に居たら未来もあいつらに奪われてた。」

 

そこに辛気くさい話題は終わりだと言わんばかりに白い球体が突入してくる。

 

『ハロハロ!ウロタエルナ!ウロタエルナ!』

「なにこいつ。」

「可愛い。」

 

乱入してきた球体はマリアみたいな声をしたハロだった。

 

「もう少ししたら私も帰るからその子は置き土産みたいなもの。」

「もう一人の響。」

「こんにちは、こっちの未来。」

 

入院している未来のお土産に先ほど完成したシロハロを伴ってきた響は元気そうな未来を見て顔を綻ばせる。

 

「何も後遺症がなくて良かったよ。」

「うん、ヒビキと響に不思議だけどもう一人の私やいろんな人が頑張ってくれたから。」

『ピンシャン!ピンシャン!』

「こいつの語彙なんか、不思議。」

「一応マリアさんを参考にしたんだよ。」

「え゛!?」

 

シロハロの謎語彙の元がマリアと知ってヒビキは軽く驚いた。

 

「じゃ、また会う機会があれば会おうね。私は私の未来の所に帰らないといけないから。」

「色々とありがとう。」

「良いって事だよ。」

 

最後にヒビキ達への挨拶を終えた響は郊外に置いていたエレクライトガンダムの元へと向かうと自分の世界へと向かっていった。

 

 

 

 

 

 

 アラートが収まったギャラルホルンのゲートからクリス、マリア、未来が出てくるとエルフナインと弦十朗が出迎える。

 

「お帰りなさい皆さん!」

「おう、終らせてきたぞ。」

「戦い詰めだったからしばらく休みが欲しいわね。」

「マリアくんがそこまでに言うほどに向こうでの戦いは激しかったのか。」

「ええ、小日向未来を連れて行った後にも色々驚きがあったのよ・・・。」

 

前触れなく現われた奏やまた別の響の事を思い出したマリアが思わずため息をつく。

 

「エルフナインちゃん!響は今どうなってるの!?」

「本人に聞いた方が早いかと。」

「それってどういう?」

 

症状が悪化していた響の現在はどうなっているのかをエルフナインに聞いた未来だがエルフナインにそう言われるとギャラルホルンの保管庫に響が入ってくる。

 

「お帰り未来!二人とも!」

「響!もう大丈夫なの!?」

「そんなに大きな声を出さなくてもこのとーり!へいきへっいたたた・・・。」

「響!?」

 

腹部を押さえてしゃがみ込む響に未来が駆け寄ると弦十朗が少し呆れた声で響に言う。

 

「起きたばかりなのに食べ過ぎだ響くん。」

「仕方ないじゃないですか師匠!だってお腹と背中が100回くっついても仕方ないレベルでお腹すいてたんですかがふっ!?」

『ノボセンナ!ノボセンナ!チョッセェ!チョッセェ!』

 

余計な心配をかけた罰と言うかの如きにアカハロが響に突撃する。

 

「なにこの子!?クリスちゃんみたいな事言いながら体当たりしてきたよ!?」

「あぁ、それな。」

 

どう説明しようかとクリスが考えているとマリアがアカハロを抱え上げる。

 

「それも含めてこの後しっかり説明するわね。」

『ハロハロ!モッテケ!モッテケ!』

「あ、ああよろしく頼む。」

 

ネフシュタンの鎧時代のクリスみたいな事を言っているアカハロを見ながらも弦十朗は何とか返事を絞り出した。

 

 

 

 

 

 

 モビルスーツの存在する世界にてA.B.E.L.ではギャラルホルンの欠片を何とか励起させようとしていたが欠片はウンともスンとも言うことはなかった。

 

「やはり欠片では駄目なのでしょうか・・・。」

「可能性はあるのよ、諦めては駄目。」

「そうですよね!」

 

結果が出ないことに憔悴していたエルフナインをまた調の身体で表に出てきているフィーネが激励しているとギャラルホルンの欠片が発光する。

 

「励起!?なぜ突然に!」

 

まさか起動したのかとフィーネが驚くも発光は直ぐに収まるとソット・ヴォーチェが揺れた。

 ソット・ヴォーチェが揺れた事で錬金術師の奇襲を警戒して装者達がいち早く甲板にでるとそこには飛行形態のエレクライトガンダムが不時着していた。

 

「わ、私です。A.B.E.L.所属の立花響です・・・。ただいま帰還しました。したよー。」

「立花!」

 

コックピットから手を挙げながら出てきた響を見て翼が直ぐに駆け寄る。

 

「皆お前の身を案じていた!なにより小日向とカナデは特にだ。二人とも艦にいる直ぐに行くぞ!」

「はい!」

 

そして翼は響を未来とカナデの元へと連れて行った。

 

『私はまたしばらく貴女の中で眠っているわね調ちゃん。』

「うん、お疲れ様フィーネさん。」

「調!あたし達も行くデス!」

「分かったよ、切ちゃん。」

「無事に帰ってきてくれて一安心ねクリス。」

「ま、一番気が気じゃなかったのはあの子だけどな。」

「それもそうね。」

 

未来の部屋に来た響は息を整えるとノックをして入室する。

 

「ただいま、未来!カナデ!」

「響!」

「母さん!」

 

魔法少女事変収束からおよそ一ヶ月世間で言えば夏休みも終わり間近にて響はようやく自分の世界へと帰ってくることができた。

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