機動戦姫ガンダムSG   作:鍋の中の白い奴シラタキ

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魔神降臨

 巻き起こった炎によって性能を十全に発揮する前に超高速分裂増殖型アルカノイズが瞬く間に消失したことで工場長が石になったように動かなくなると国連軍の兵士によって捕縛される。

 

「う、嘘だ・・・新型だぞぉ・・・。」

「貴様異端技術を何処ぞより手に入れた。」

「知らない・・・俺はただ上からの命令で・・・。」

「トカゲの尻尾か。」

 

アルカノイズをどこから手に入れたか聞く東方不敗であったが工場長でさえもはっきりとした出自を知らなかった為に東方不敗は工場長から興味を消す。

 

「師匠はどうしてバルベルデに?」

「儂の未熟が招いたこの地獄変を終らせる為よ。」

「てことは師匠がこんなことをしたんじゃないって事ですね!」

「当たり前よ!にしても響よしばらく見ぬ間に腕を上げたな!」

「はい!」

 

東方不敗と会えたことが心底嬉しい様相の響に翼がうっすらと察しながらも訪ねる。

 

「この御仁は一体?」

「儂が気に掛かるか訃堂の孫娘。」

 

纏っていたローブを脱ぎ捨てた東方不敗は堂々と名乗りをあげる。

 

「儂こそがパヴァリア光明結社二代目統制局長東方不敗!!マスターパヴァリアよ!!!」

「パヴァリア光明結社!」

「てめぇが親玉か!」

「まぁ落ち着け小娘共よ。」

 

身振りも加えていきり立つ翼とクリスに気を静めるように言った東方不敗が続ける。

 

「さきも響に伝えたように儂は自らの不始末のけりをつけにこの地へと来た。」

「不始末だぁ?」

「そうとも、本来儂は武闘家故にな。前統制局長のように人心掌握などは得意でないが故に此度の地獄変を巻き起こしてしまった。なればこそ儂自ら事態の解決に乗り出したというわけだ。」

 

銃を突きつけ東方不敗を警戒するクリスを響が宥めている傍らで翼が東方不敗に言う。

 

「貴方の扱いを司令に仰ぐ。私たちはあくまでも戦闘員ゆえに。」

「それが常套よ。」

 

そうして翼がソット・ヴォーチェに通信をかけ弦十朗に指示を仰ぐ。

 

「――とのことで司令判断を。」

『以前現われたアダム・ヴァイスハウプトの言とも一致するな。一度艦に来て貰おう。』

「よろしいので?」

『心配するな。俺がいる。』

「分かりました。」

 

俺がいるから万が一の際も問題はないと言う弦十朗に従い翼が東方不敗にそう伝える。

 

「司令は貴方と話しをしてから最終的に判断を行うとのことだ。」

「言の葉で語り合うか良き事よ。」

 

クリスが他の二人の反応もあってか銃をおろした瞬間に捕縛されていた工場長が奥歯に仕込んでいたアルカノイズの召喚結晶を噛み砕く。

 

「儂も詰めが甘かったか!」

 

召喚されたアルカノイズにより工場長がプリママテリアへと分解され彼の近くに居た国連軍の兵士をも分解された段階で装者と東方不敗が動く。

 

「自爆かよあの野郎!」

 

その目にしっかりと嫌らしい笑顔で自害した工場長の顔を納めていたクリスが召喚され続けるアルカノイズを撃ち抜き倒していっていると逃げ遅れた他の人間を庇った事で足を掴まれたステファンが悲鳴があげる。

 

「くそったれの現実がぁ!!!!」

 

瞬時の判断でクリスは覚悟を決めると引き金を引いた。

 

 

 

 

 

 

 同時刻にてバルベルデ某所のディーシュピネの結界が張られ隠匿されているオペラハウスにて大統領を始めとしたバルベルデ現政権の重鎮が一同に介していた。

 

「大統領このままでは幾ら我が軍に異端技術がもたらされていたとしても敗色は濃厚です。せめて我らだけでも国外へ。既に航空機を秘密裏に手配しています。」

「仕方がない、後の事は――。」

 

自分達の命大切さに国外逃亡しようとする政府重鎮達に頭上から声がかけられる。

 

「そいつはできねぇ相談だな。」

「誰だ貴様達は!」

 

女一人男二人の組み合わせで現われた者に護衛が銃口を向けると大統領が喜びを露わにし彼らの名を告げる。

 

「お前達はソネット!ミケロ!チャップマン!このパヴァリア光明結社の協力者の印があれば願いを叶えてくれるはずだ!」

「そうだがここで戦争がお仕舞いはつまらねぇだろ。」

 

ソネットがそう言うとオペラハウス内に銀色のノイズそう並行世界のヒビキ達に災厄をもたらしていたデビルノイズが現われると大統領達にDG細胞を感染させると同化していく。

 

「な・・・なぜぇ・・・。」

「もう分かるだろ?」

「あぁそう言うことか・・・。」

 

世界の隔たりを超えて彼方に座するデビルガンダムにより流し込まれた情報により何かを理解した大統領達は悶えながら同化するとオペラハウス内にはデビルノイズ一体が鎮座しているのみとなるとソネット達は地下に存在する聖遺物の隠し保管庫へとデビルノイズを引き連れて向かっていった。

ソネット達の姿が完全に地下へと消えたのを確認した後にフェルトを伴った藤尭と友里達も地下へと向かっていく。

 

「本当に良いのかい彼は君の。」

「今のマスターは姉さん。命令は貴方たちに従うこと私は任務を違えない。」

「だったら良いんだけど。」

 

ソネットを撃つことに躊躇いはないのかと聞き何とも思っていないとも取れる答えを返すフェルトに藤尭は情操教育しなきゃなぁとディーシュピネの結界の解析を行っているノートパソコンを抱えながら皆と共に地下へと向かっていった。

 地下の保管庫ではソネットが水晶の中のオートスコアラーを見て笑みを浮かべる。

 

「こいつか。」

「なんだぁこいつは。」

「デビルガンダムを稼働させるために作られた疑似パイロットだ。隠してやがったなあの大統領。」

「疑似?あれじゃなくて良いのか?」

「まだあれは未完成なんだとよ。」

 

呑気に会話を行うソネットとミケロの背後で上に通じる通路に陣取った藤尭達が無音カメラで保管庫の光景を納めていると藤尭のノートパソコンが結界の解析が終ったことで音を発する。

 

「しまったっ!」

「何やってるのよ!総員退却準備!」

 

音が鳴ったことでライフルを撃つチャップマンに応戦しながら友里が退却命令を出すとフェルトが閃光弾を放る。

 

「よぉフェルト久しぶりだな。」

「今の貴女はマスターじゃない。」

「だったらお互いに楽しもうや。」

 

フェルトが閃光弾を撃ち抜くことで保管庫に爆音と目を焼く光が満ちそれが晴れる頃には藤尭達は既に退却していた。

 

「逃がして良かったのか?」

「言われた仕事はしないといけないだろ?」

 

ミケロに問われたソネットはそう言うとヨナルデパズトーリの像をデビルノイズに吸収させるとデビルノイズが光を纏い天井を突き破ると増殖しながら地上へと躍り出た。

 

「神様ならぬ魔神様だ。」

 

デビルノイズが藤尭達を追跡していったのを確認した後にソネット達は水晶にテレポートジェムを投げつけ本拠地に転移させた後に実験の様子を見るために自分達も地上へと向かっていった。

 地上では車に乗ってデビルヨナルデパズトーリとなったデビルノイズから決死の逃走を行っていた藤尭と友里の乗る車の上でフェルトがイチイバルのファウストローブを纏いデビルヨナルデパズトーリに銃撃を行うがDG細胞の再生力により決めてを与えることができないでいた。

 

「敵に回ると厄介・・・。」

 

相手にしたフェルトが端的な感想を述べているとネフシュタンの鞭が高所より放たれフェルトを車から弾き落とすと共に車を横転させ逃走を阻止する。

 

「ソネット・・・!」

「戦い放題のこの場所だ!楽しもうや!」

 

A.B.E.L.になし崩し的に所属することになり善悪というものを学んだフェルトがソネットを苦々しい視線で見やると彼女に向けてデビルヨナルデパズトーリが顎を開き食らいつこうとするがそれを夜空から舞い降りたは白銀のガンダム、セレナーデが蹴り飛ばすことで阻止する。

 

「退避を!」

「了解!」

 

マリアからの命令を了承したフェルトが車から這い出てきた藤尭と友里を抱え上げると崖下へと飛び降りていくとデビルヨナルデパズトーリが何かに両断される。

だが両断された瞬間に合わせ鏡のようなものが現われると両断された事実が消え失せるが直ぐさまに再び両断されなかったことになるを繰り返す。

 

「こいつはずるだな。」

 

実験が成功したことでソネットがほくそ笑んでいるとデビルヨナルデパズトーリを斬り付けていた下手人の姿が露わになる。

それは新たにミラージュコロイドとハイパージャマーが搭載されたツインエッジであった。

 

「とんだインチキデスよこいつ!?」

「切ちゃん効果が!」

「時間切れデス!?」

「私がやる二人は引きなさい!」

 

調と切歌に対しての命令権を持つマリアからの命令により二人はデビルヨナルデパズトーリから離れるとビームソードを抜剣したセレナーデが斬りかかるがやはり先ほどと同じように全てが無かったことにされる。

 

「無法が過ぎるなんだこれは!」

『全『てを』救』う究『極』の神様『だよ。』

「人!?」

 

デビルヨナルデパズトーリの表面から滲むように現われた大統領達が異口同音に同じ事を述べていたがデビルヨナルデパズトーリの活動限界が迫ったことで残念そうな顔をすると消えそれと共にデビルヨナルデパズトーリは空間の亀裂を発生させるとそこに退却していった。

 

「奴らは・・・。逃げられたか。・・・神か、私には悪魔に見えたわよ。」

 

ソネット達が退却しているのを見てマリアはコックピット内で一息ついた。

 

 

 

 

 

 

 バルベルデから遠く離れた欧州にて入浴しているアダムの元に彼がパヴァリア光明結社をやめた際に着いてきた一人であるサンジェルマンが怒りながら許可も得ずに浴室に突入してくる。

 

「何故バルベルデに向かってはいけない!」

「使い時じゃないからね、今は。」

「彼の国で起こっている地獄は私たちの負の遺産の結果だ。ならば!」

「シンフォギア。」

 

アダムが告げた一言で意図を察したサンジェルマンが口を噤む。

 

「切り時ではないのさ、君たちという切り札は。それに炙りきっていないからね、悪魔を。」

「成長を続けるシンフォギアにバルベルデの事態の解決は託すと。」

「そうなるね。だから備えてくれ、決戦に。悪魔は来るよ、鎖がない今は。」

 

彼には彼の考えがあるとしてサンジェルマンが退室しようとするとアダムが一言言う。

 

「感じないのかい、恥じらいを。浴室だよ、此処は。」

「貴方に恥じらいを覚えれば頭の病気を疑います。」

「・・・手厳しいね。」

 

間の置き方から少し傷ついたようだった。

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