機動戦姫ガンダムSG   作:鍋の中の白い奴シラタキ

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プルーマ「「「わしゃわしゃ。」」」


羽ばたきやまず

 バイザーに表示される熱源反応を元にクリスは視界を前方に向けたままで有りながら周囲360度から迫ってくるノイズを撃ち抜いていく。

 

「キリがねぇ!」

『プルーマ接近。プルーマ接近。』

「こいつもこいつだ!どっから沸いて来やがる!!」

 

また一定周期でどこからともなく現われ出てくるごとにクリスの戦い方を学習しているいるのか手強くなっていくプルーマ相手に危険と分かりつつも零距離射撃を敢行し破壊していく。

感情を覗かせないモノアイを貫通弾が貫き爆発すると散弾がばらまかれ付近のプルーマを撃破する。

 

「てめぇで最後だ。」

『熱源消失。熱源消失。』

 

最後のプルーマが破壊されハロから敵を全て撃破された事を報告されたクリスがギアを解除する。

 

「カディンギルが何処にあるか分かったか?」

『詳細不明。詳細不明。』

「変わんねぇか。」

 

あれから自身に着いてくるハロを抱えながらクリスは人気のない道を歩く。

 

「お前本当に唯のオレンジボールか?」

『気にしたら負け。気にしたら負け。』

 

釈然としないながらもクリスは雨が降りそうな空模様を見ると屋根がある場所を探し始めた。

 

 

 

 

 

 

 赤い機影が彗星の如く暗黒の宇宙を駆け抜けながらファンネルを放ちウィングビートを包囲するとオールレンジ攻撃を仕掛けながらビームサーベルを抜き放ち斬りかかってくる。

 

「流石のシャア専用νガンダム!」

『見せてやろうネオジオンのガンダムを。』

「この声、シャアじゃない!!」

『似てるだろ?なんせ失敗作だからなぁ!!』

 

GNランスを抜いたウィングビートがオールレンジ攻撃を躱しながらνガンダムと斬り結ぶ。

いつもとは違いハロのサポートが無いためファンネルの攻撃を躱しきることができずに右脚を破壊されてしまい機体のバランスが崩れた所にビームサーベルを放り捨てたνガンダムがビームバズーカを構える。

 

「しまった!」

 

モニターを閃光が染めるが響には焦りはない。

 

「だけど、今日の私は一人じゃない!未来!」

 

応えるかのようにウィングビートの周囲をGNビットが包むとGNフィールドを展開しバズーカを防ぐとSDのスローネツヴァイとクシャトリヤをベースとした機体が舞い降りる。

 

「突出しすぎだよ響。」

「未来なら追いつけるって信じてるから。」

 

会話をしている所にνガンダムがビームライフルを撃ってくるのを二機は散開することで躱し両サイドから攻撃を仕掛ける。

 

「スローネローズ。一緒に来て。」

 

ファンネルとGNビットがドッグファイトを開始しνガンダムに二対一を強いる。

 

『俺ばっかに気を取られたちゃ、地球がさっぱりしちまうぜ。』

「あれは、ヘリウム3の貯蔵タンク!」

「大丈夫、まだ臨界に達してない。ミッションのクリアには問題ないよ響。」

 

モニターにヘリウム3の貯蔵タンクの推進器の点火時間までの残り時間が表示されると共にギラドーガが三機現われるとファンネルを失ったνガンダムにメガバズーカランチャーを渡すと響達に襲い掛かってくる。

 

『地球より先に連邦諸君には先に逝って貰おうか!』

 

高レベルに設定されているギラドーガ相手に接戦を強いられている中後方の連邦の戦艦から黄金のMSユニコーンガンダム3号機フェネクスが発進する。

フェネクスは通り抜け様にギラドーガを撃破するとνガンダムの持つメガバズーカランチャーをビームトンファーで破壊するとビームサーベルを再び握りしめたνガンダムと斬り結ぶ。

 

「お助けが来ちゃった。」

「やっぱりこのミッション四人は欲しいね。」

 

デストロイモードとなったフェネクスによってνガンダムがコックピットを貫かれ撃破される。

 

『サイコフレームよ!俺の魂を喰らいなにもかもを--。』

 

爆発する瞬間妙なプレッシャーをνガンダムが放ったかと思うと貯蔵タンクの後ろからⅡネオジオングが現われるとフェネクスから通信が入る。

 

『あれはこの世にあってはならないもの。お願い私に力を貸して。』

「最初からそのつもりです。」

「大きい・・・。」

 

メガ粒子砲をやたらめったら撃ち放つネオジオングに接近しながら未来は響に話しかける。

 

「響、あれも試してみようよ。」

「確かにネオジオング相手なら丁度良いや!」

 

了承を貰った未来がスローネローズを0ライザー形態に変化させるとウィングビートの翼がスライドし開いた場所にセットされる。

 

「GNドライブ同調、いけるよ響!」

「行こう未来!トランザム!」

 

ウィングビートはGNランスを放るとGNソードを構えるとライザーソードを発生させるとフェネクスによって切り刻まれ内部が露出したネオジオングにライザーソードを突き刺す。

撃破判定が下されたのかネオジオングは活動を停止するとボロボロと崩れていく。

 

「D判定かぁ・・・。」

「でも限定パーツは貰えたよ。」

 

ミッションは何とかクリアできたも判定は低い部類であった。

 限定イベントである『彗星の残滓』を終らせた響達はログアウトした後、寮に向けて帰っていた。

 

「明日は翼さんとデートだよ。」

「デートと言うよりお出かけだと思うんだけどな私。」

 

雨を降らせる空を響が見上げる。

 

「明日は晴れると良いな。」

「快晴だって。」

「本当!?」

 

天気予報を見た未来の一言にテンションが上がった響であった。

 

 

 

 

 

 

 廃マンションの一室で毛布にくるまりながらクリスはハロが流す歌を黙って聞いていた。

 

(これは、あいつの歌か?)

 

歌を嫌いと口では言っていたが心のどこかではそうではないのかやめさせることはしなかった。

 

(だけどあたしの歌はあいつらと違って壊すしかできない・・・。)

『~♪』

 

だが何かに気づいたクリスがハロを見ながら言う。

 

「違う、それ誰の歌だ?」

 

確かにあの時響がクリスと戦う際に歌っていたものに酷似していたが所々が異なるそれに対する疑問にハロは何とはなしに答える。

 

『誰だろうな。誰だろうな。』

「あたしが聞いてんだぞ?」

『分かんない。分かんない』

 

更に問い詰めようとした時玄関が開く音がするとクリスは部屋の入り口近くの壁に立つと警戒する。

 

「静かにしてろよ。」

 

返答の代わりかハロは目を点滅させると静かになる。

 

「ほらよ。差し入れだ。」

「なっ!」

 

警戒するクリスを気にもせずに入ってきた弦十朗がコンビニのビニール袋を片手に部屋の真ん中にどっかりと座り込む。

 

「どうして此処が!」

「公安時代の伝手さ。それにあれだけ歌を垂れ流してたんだ。」

「くっ。それであたしをどうするつもりだ?捕まえにでも来たか?」

「違うさ、俺は君を助けに来たんだ。」

「助ける?」

 

今までの経験から大人を信じることができないクリスが弦十朗から距離を取りハロの後ろに行く。

 

「ああ、そうさ。腹減ってるんじゃないか?」

 

差し出されるあんパンをクリスは受け取ろうとしない。

 

「毒なんか盛っちゃいないさ。」

 

一口囓ることでそれを証明した弦十朗からクリスはひったくるように奪い取ると勢いよく食べ始める。

 

「雪音雅律とソネット・M・ユキネ二人が南米に難民救済のNGO活動に行って戦火に巻き込まれ亡くなったのが八年前そして二人の一人娘は行方知れずとなった。」

 

先ほどと同じように牛乳を毒味した弦十朗からクリスは受け取ると一息に飲み干す。

 

「良く調べてるじゃないか、それで何が言いたい?」

「俺は君の保護を任じられた最後の大人だ。大人として俺は君を救いたい。」

「大人があたしを?いつも余計な事しかしない奴がべらべらと!」

『べらべらと。べらべらと。』

「お前は静かにしてろ!」

「それは、確か未来君が持っていた。」

 

こちらを見る弦十朗に気づいたハロが喋る。

 

『よお、旦那。よお、旦那。』

「どうなっている?」

 

先ほど聞こえた歌、そして今のハロの反応に弦十朗が動揺しているとクリスがハロを抱きかかえ窓ガラスを体当たりで割るとそのまま落下していく。

 

『任せとけ。任せとけ。』

「Killter Ichaival tron.」

 

ギアを纏ったクリスが離れていくのを弦十朗はただ黙って見ていることしかできなかった。

 

 

 

 

 

 

 予報通りに抜群の晴天に青空が広がる中待ち合わせ場所に約束の時間の十分前に響と未来が向かうと既に翼が待っていた。

 

「早かったわね。」

「そう言う翼さんこそお早いご到着で。」

「存外私も楽しみにしていたみたいね。揃ったなら行きましょう?貴女達のエスコート期待してるわよ。」

 

そして三人はショッピングモールで衣服を見たりゲームセンターを楽しんだりした後にカラオケに行ったりした後に翼がカラオケ店を出た後にふと言う。

 

「貴女達は確かGBNでダイバーと言うものをしているのよね?」

「そうですね、私と響でやってます。」

 

未来の言葉を引き継ぎ響が続ける。

 

「最近はもっぱら傭兵プレイなんですよ。もしかして翼さん始めるんですか?」

「そのつもりよ、あまり時間は取れないかもだけど貴女達と一緒にしてみたくなって。」

「大歓迎ですよ!そう言うことならアカウントを作るのは今度にしてもどういう機体が好みか見に行きましょう!」

 

手を引き走り出す響に翼が少し慌てる。

 

「そんなに急がなくても。」

「思い立ったがなんとやらです!」

「それもそうね。」

 

例の如くガンダムベースに来た響達はいつかクリスにしたようにレクチャーをすると翼が一つのキットを手に取る。

 

「これにするわ。」

「その心は?」

 

アストレイレッドフレーム・改を掲げながら翼は一言告げる。

 

「防人の魂と通じる何かがあるわ。」

「防人?侍みたいなものですか?」

「簡単に言えばそうね。」

 

防人がよく分からなかったのか問いかける未来にノイエジールを見たガトーみたいな事を言った翼は響から聞いた他の機体と混ぜ合わせるミキシング用にその後数点お買い上げになった。

 帰路についた所で翼が二人にチケットを差し出す。

 

「翼さんこれって。」

「復帰ステージのチケットね。倒れたせいで中止になったライブの代わりにアーティストフェスに無理矢理ねじ込んで貰ったの。」

 

チケットを受け取った未来が横で感激している響をちらと見た後に翼に聞く。

 

「でも良いんですか?貰っちゃって。」

「今日のお礼よ。」

 

開催場所が記されている裏面を見た響があっと声を上げると翼を見る。

 

「翼さん、この場所って。」

「立花にとっては辛い場所になると思う。」

「そんな事ないです。確かに辛い目にあいましただけど私はあの時あの場所でツヴァイウィングの歌を聴けた事は良かったって思います。それにどれだけ辛い過去でも乗り越えられない過去はないと私は思うんです。」

「私も・・・。」

 

トランザムカラーにライトアップを始めたエクシアの立像を見た後翼が言葉を続ける。

 

「私もそうでありたいと思うわ。」

 

赤みを帯びトランザムを発動しているエクシアは前を向き始め心の有り様を変え始めた翼を表しているようだった。

 

 

 

 

 

 

 アーティストフェス当日開催時間が後もうすぐという所に迫っているとき響のスマホに着信がはいる。

 

「誰だろ。っ!」

 

それは二課からの連絡であった。

 

「響?どうしたの?」

「未来、やることができた。」

「怪我しないでね。」

「うん。未来は翼さんの勇姿を見届けてあげて。」

 

そう言うと響は通話に出ながら駆け出す。

 

「響です。」

『ノイズの反応を検知した。これから翼にも連絡を--。』

「私一人で行きます!」

 

弦十朗の言葉を遮った響がライブ会場を振り返ると直ぐに前を向き言葉を続ける。

 

「翼さんには翼さんの戦いをして欲しいんです!」

『いけるのか?』

「いけます!」

 

一言ただやれると言った響を信じた弦十朗は翼にノイズの事を伝えることをやめる。

 

「Balwisyall nescell gungnir tron.」

 

ライブ会場で翼が歌い始めると同じタイミングで響はシンフォギアを纏うとノイズの居る港の倉庫に向けて最短距離で向かい空に向かって放たれるガトリングの軌跡を見ると口角をあげる。

 

「クリスちゃんも居る!」

 

飛来してきたデュランダルを掴みブレードを展開しクリスの背後から迫るプルーマを両断しながら着地する。

 

「お待たせ!」

「別に待ってねぇ!!」

『待ち人。待ち人。』

「茶化すな!」

 

クリスのギアと合体しているハロを見た響が困惑の表情を浮かべる。

 

「どういうこと?」

「あたしが知るか!」

 

何故合体しているのかを疑問の答えを得る事はできなかったが響はプルーマに向かって構えながらクリスに言う。

 

「プルーマは私に任せて。ノイズはクリスちゃんが!」

「お、オイ!」

 

文句を言う前にプルーマへと向かっていった響を見るとクリスは舌打ちをするとバズーカを取り出しノイズに向けて放ち纏めて蹴散らし始める。

奥に陣取る要塞型を撃破しようとするも小型が無尽蔵に湧いてくることにより倒せずに居るとプルーマを倒し尽くした響がクリスの肩を足場にノイズの群れへと飛び込む。

 

「ちょっと失礼!」

「お前!」

「失礼って言った!」

 

そしてデュランダルの無尽蔵のエネルギーを解放し小型を一掃した響が叫ぶ。

 

「今!」

「指図すんな!!」

 

しかし隙を逃すことはせずに要塞型にバズーカを撃ち込みしっかりと撃破するとクリスは響がこちらに来る前に姿を消した。

 

「クリスちゃん。・・・仲良くはなれてる気がする!」

 

 

 

 

 

 

 歌い終わった翼が歓声に包まれる中観客に向けて喋りかける。

 

「ありがとうみんな!今日私の歌を聴きに来てくれて!こんなに良い気持ちで歌えたのは久しぶり。私が歌を好きだって事を忘れていた。それを思い出せてくれてありがとう!」

 

一呼吸置き翼は続ける。

 

「みんなにひとつだけお願いしたいことがある。もう知ってるかも知れないけど、実は海の向こうで歌ってみないかとオファーが来ている。私は歌いたい!例え言葉は通じずとも歌に込められた思いは伝わると思うから!私のたった一つわがままを許して欲しい!」

 

そう翼が言い終わると観客から背中を押すように歓声が響くと共に翼の耳に奏の声が響く。

 

『許すさ、当たり前だろう?あたしにも届くくらい思いっきり歌ってこい。』

「ありがとう・・・。」

 

例えその声が翼の心が作りだしたものだとしても彼女は一歩前へと進むことができた。




奏さんはしっかり死んでます

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