クソゲーやります   作:クソゲー専用アカウント

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一度ある事は百度ある

 

「よっしゃぁぁぁああ!!!これで百個目!

"クソゲーお百度参り"終わりだァァ!!」

 

俺は椅子から立ちあがり、ガッツポーズを決める。それと同じ様にモニターのモデルもガッツポーズを決める。

 

《コメント》

 

・やっとかぁ!!おめでとうぅ!!!

《クソゲー仙人》来たんじゃな、高みへ

・逝かせたのはお前だろ

・めでてえなぁ…正直無理だと思ってた。ごめん

・俺も。クソゲー百個をいくら期間無しとは言え、な。普通頭がおかしくなるのが先だよ

・良かったな、履歴書に書けるぞ。クソゲー百個クリアしましたって

 

 

コメント欄も頑張った俺を祝福する文字でいっぱいで嬉しい。俺は涙を拭きながら、ブーブーと煩い電話に視線を向ける。

 

相手の表示は《クソゲー仙人》。俺はそれを見て怒りが湧き上がって来た。コメントを良く見るとそんなに祝福されてないし……。

 

俺の名前は淀峰慎吾(ヨドミネシンゴ)。この世界で多過ぎるほどいる普通のゲーム配信者だったのだが、コイツのせいで俺はすっかりクソゲー配信者になってしまった。

 

そもそも何で俺がクソゲーお百度参りをしているか。それは少し前に戻る事になる。

 


 

『よっし!ワシの勝ちぃ!!なんで負けたか明日まで考えておいてくださいぃ』

 

「うっわまじっすかぁ。詰みだぁ…神様ぁ助けてください」

 

「も、もう一回だ。誰かが言ってた!勝つまで勝てば勝てるって」

 

聖なるクリスマスの日。世の中の恋人達はイルミネーションを見てオシャレな場所で過ごしている中、俺たちはと言えばゲームをやっていた。しかも

 

《コメント》

 

・クッソ。サブカルクソゲージジイのくせに強え……

・クソゲーで磨かれた熟練のテクニックの前では、舎弟系バ美肉シスターや恋愛脳のゴリ押しヤンキーじゃ歯が立たないか。

・名前も出されない四人目の一般人参加者君可愛そう

・またクソゲー仙人の一人勝ちか

 

配信をしながらだった。一応、同じ事務所の配信者同士のコラボ配信って言う感じだった。誰だ一般人とか言った奴。勝者には最新ゲーム機と人気ソフトを、敗者にはクソゲーと言う天国か地獄かの究極の二択で俺達は負けた。やっぱり人生はクソゲーだ。

 

『さぁ!敗者には罰ゲームを。さあ引け、箱の中には三枚の紙が入っているからのう』

 

そう言って何処からか箱を持ってきて俺らに差し出した。中に蛇とか入ってない?

 

そう思いながら俺達は恐る恐る箱に手を入れ、紙を掴んだ。

 

その結果、バ美肉シスターがクソゲープレイ券×1とか書かれたチケットを、そして恋愛脳ゴリ押しヤンキーは×5のチケットを。

 

そして何故か俺は×100だった。おかしいだろ明らかに。なんで5の次が100なんだよ。そう聞くと

 

『最近のソシャゲはいっぱいガチャを配っているから、対抗してみたんじゃよ』

 

などと言う意味が分からない答えが返ってきた。大半は詐欺に近い様な物なんだからコレも詐欺であって欲しかったのだが。

 

『このクソゲーをお前に預ける、いつかきっと返しに来い。立派なクソゲープレイヤーになってのう!』

 

とか言うセリフで渡されたのと、カメラを回されてるせいではい、やりませんと言う訳にも行かず。クソゲーお百度参りと言う企画で消化する事にした。

 

いやー地獄だった。毎日、毎日クソゲー浸りの日々だった。俺の頭が壊れるのが先か、ゲームがを壊すのが先かの心理戦が始まる所だった。

 

まあ、もう終わった事だ。どうでも良いと思いながらも俺は配信画面を見つめる。思えば、コレほど盛り上がったのはいつぶりだろうか。開設して以来、初めてかもしれない。また見てくれるのならやっても良いかもなとほんの少しだけ思った。

 

まあ何十年後の話になるのやら。俺はシメの挨拶をして配信を終了させた。昼夜逆転の日々が続いていて、クソゲーから解放されたからか。何だか眠くなってきた。少し寝るか。

 

俺はベッドに入り、そのまま目を閉じた。やっぱりクソゲーは暫くゴメンだ。いや一生お断りだ、共演NGにしとこう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


 

 

目が覚めると知らない場所で寝ていた。何処だここ?周りを見渡すと、俺と同じ様に男女三人が寝ていた。いや、死んでるかも。南無。

 

「なんか会議室みたいな場所だな」

 

ホワイトボードに長い机が並べてあり、同じ様に椅子も置いてある。the・会議室って言う感じだった。

 

ホワイトボードの上に時計が掛けてあったので見てみると、寝た時間と同じだった。一日経ったのか?

 

『うっぐぅ……』

 

そう思っていると、一人が起きそうだった。訳が分からなくて狂いそうだし、話すかコミュ障だけど。

 

『お?ここ何処じゃ?』

 

起きたのは金髪の美少女だった。日曜女児向けアニメっぽいキャラがプリントされたTシャツを着ている。ピョコと立っているアホ毛が可愛い。

 

『おーそこの人。此処どこじゃ?』

 

そう聞かれたので、さぁ?と言うジェスチャーを返す。別に喋りたくない訳じゃない。初対面の人と喋るのが怖い訳じゃないからな。

 

『つっかえないのう……全く最近の若者は』

 

華麗なブーメラン発言のアホ毛失礼ロリは残りの二人をペチペチして起こして、全員が目を覚ました。

 

「うーん、皆さん此処に覚えは?」

 

茶髪のチャラそうな印象を持つ男がそう口を開いた。見た事あると言わればある様な気もするが、ココと言うのは分からなかったので俺は首を振った。

 

『ワシも無いのう』

 

「俺もねえ」

 

「僕も無いんスよね……」

 

立ちながら考えるのも何だし、折角椅子もあるのだから座って考える事にしたのだがどう考えてもミスマッチだ。

 

オシャレな私服のチャラ男に女児服ロリ、そしてコテコテスケバンのコスプレイヤー、そしてTシャツ長ズボンの俺。

 

どんな集まりだよっとセルフツッコミをしていると扉が開いた。自然に目線が扉の方向に向かう。

 

「ういっしょと!全員お目覚めした様でそれでは、説明の方を」

 

出来るキャリアウーマンみたいなメガネの女性は、それから説明を始めた。纏めるとこんな感じだ。

 

一つ、コレから皆さんにはデスゲームを始めて頂きます。

 

二つ、このデスゲームをクリアする方法は二つ。一つは全員のポケットに入っている紙を朗読して、裏切り者を探す事。二つ目は……

 

「私を落とす事です」

 

落とす?崖から?いや命をか。

 

「いいえ私の心です」

 

何言ってんだコイツ。いくらタイプの異性がいたからって公私混同すぎだろ。

 

ん?待てよ?何かこれ。既視感がある様な、何処かで見た様な。その感覚は横のロリのお陰で解決した。

 

『は?ラブデスのパクリか?』

 

そうだ、ラブデスだ。クソゲーお百度参りでやった所だ!

 

 

 

『ラブです!〜命を落とす前に心を落とそう〜』

 

通称ラブデスのジャンルは、恋愛シミュレーションの皮を被ったデスゲームだ。マルチバッドエンディング多数。パッと見、おっ?尖ったギャルゲーかな?と思ってしまうがそんな事はない。ドチャクソ普通にデスゲームである。後クソゲー。

 

まずこのゲームの始まりは、主人公が知らない場所で目を覚ます所から始まる。そして説明なあった通り、そこに居合わせた四人とポケットの中の紙を朗読するのだが、その紙に書いてあるのは自分では無く、他の三人のありもしない暗い(ウソの)過去と罪。

 

主催者の狙いは此処で一人になるまで殺し合って貰うのが狙いなのでそうなるように仕組んである。そして明かされるホラによって全員が疑心暗鬼になった所で、主催者から待ってましたとばかりに渡される()()()ナイフ。

 

こうして殺し合いが始まる。因みにナイフを持ってない主人公君は当然避ける事しか出来ず、此処でいきなり激ムズコマンドバトルが始まる。初見だと一発クリアはほぼ不可能だ。

 

このチュートリアルをクリアすると主催者の好感度が上がりギャルゲーが始まるので、やはりラブデスはギャルゲーなのかもしれない。そして主催者を無事落とすとそこからデスゲーム制作者全員を落とすと途方も無い恋の旅★が始まる。俺はそこで心が折れかけました。(一敗)

 

このゲームの何がクソかって、言えばキリがないぐらいだ。まずギャルゲーなのにヒロイン全員殺意が高いし、当たり前の様にセーブ機能は無いから死んだらナイフ回避level100からだ。

 

このナイフ回避、実は死ぬ度にどんどん難しくなる。後、全員落とさなくてもエンドには入れるのだが、その時はバッドヤンデレエンドで落とさなかったヒロイン達に磔にされて嫉妬の炎(物理)に焼かれると言うエンドだった。クソゲーの癖にそこに力入れてて泣きました。そんな所に力を入れるな。

 

最終的に一番良いのがデスゲームなのに、全員生存エンドがハッピーエンドなんだよなぁ。殺し合えよ。

 

「これにて説明は終わりです、最後にコレを。いつでも始めて貰って構いません」

 

そう言って渡されたのは四台のパソコンと見覚えのあるアバターが映っている。配信しろって事?

 

何で、またクソゲー配信を……。

 

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