東方幻想妖   作:犠牲者

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第六話:こと防御に関しては人間はすごいと思う(結論)

 あれから十数年が経過した。私たち妖怪連合は、此処よりさらに北にいる鬼真の盟友である水の大妖怪『水を支配する程度の能力』を持つクトゥリトル、東にいる時空の大妖怪『時空間を操る程度の能力』を持つヨグトース、西に住む風の大妖怪『風を支配する程度の能力』を持つハスラーやその眷属である『風に乗る程度の能力』を持つイクタアを仲間として取り込みそれ以外の妖怪達も傘下に加え領土を拡大し今では人間と妖怪の二大勢力がこの世界を構築していた。とはいえ妖怪側にも問題が出てきた。

 

 

 

 

 それは……………食糧問題である。

 

 

 

 

 だが、かといって妖怪同士で殺し合いをしてはその間に人間に殺されてアウト。その辺は人間たちのだまし討ちや奇襲などのおかげで他の妖怪達もよくわかっていた。かといって人間の集落を攻めようにも特殊な結界のようなものが展開されていて並の妖怪では機関銃で撃ち殺されるしヨグトースの能力すら弾いてしまう。どうやら強力な能力のみを封じる結界らしい。その証拠に私が擬態して入ってもなんともなかったのだから。人間たちもここ数週間全くと言っていいほど攻めてこない。そのせいで食料の確保ができない。 なので、現在緊急会議を開いているのだ。こと防御に関しては人間はすさまじいものである。逆に言えば、それだけ自分たちが弱い(・・)ことを知っているということでもある。

 

 

「さて、今現在の食糧問題についてだが……」

 

 

 因みに今ここにいるのは私、鬼真、クトゥア、クトゥリトル、ハスラー、ヨグトースの六人である。なぜこの六人かって?私たちが妖怪大将で知力がものすごく高いから。

 

 

「やはり無難に人間たちの里を攻めるべきではないか?」

 

 

 最初に手を上げたのは白髪で筋肉モリモリマッチョマンの鬼真だった。しかしそれに紅髪の少女のクトゥアが問題を突きつける

 

 

「でもそれはあの結界みたいなのを何とかしないと……」

「むう……」

 

 

すると今度は金髪の少女のハスラーが手を上げた

 

 

「私の下僕であるイクタアに敵情視察をさせてみたらどう?奴は目がいいし速い。人間にはまずとらえることは不可能だよ」

 

 

 これに今度は青髪の少女であるクトゥリトルが手を上げた

 

 

「だめよ、上空は防衛装置のせいでイクタアの能力が半減……いや下手をしたらそれ以下にされてしまう。そうなっては目も当てられない」

 

 

 これは前に下の妖怪に上空から敵情視察させて判明したものだ。いかにイクタアが速いとはいえあの装置の前では手も足も出ない。唯一の救いはあの装置は地上には作用していないことだろう。

 すると今度は紫髪をした端整な顔をした少女のヨグトースが手を上げた。

 

 

「そもそも人間はなぜ我らを突然攻撃しなくなったのだ?ここの資源は奴らからしたら喉から手が出るほど欲しいはず……それこそこの前まではひっきりなしに攻めてきたではないか。………どちらにせよ一度奴らの内情を見てみなければなるまい。」

「確かに……」

「言われてみればそうだな」

「的を射ている」

「そうね……」

 

 

 これには私を除く全員が賛成していたし私も賛成だ。人間たちが何をたくらんでいるかわからない以上今は情報収集が先だ。

 

 

「でも問題は誰が行くか………」

 

 

 疑問をいったクトゥリトルに対し、今まで何も言わなかった私が言った。

 

 

「なら私が視察してくるわ。」

「え?ですが……」

「この中で私ほど人間に成りすませ、なおかつ妖力を零にできる輩がいるの?」

 

 

そう言われれば他の五人は何も言えない

 

 

「とはいえ、流石に今までの顔じゃ流石に人間たちにも不審がられるだろうから顔をちょっと変えるわ。少し時間がかかるから二日後ね。…………じゃあ」

「「「「「「宴会と行こう!!!!」」」」」」

 

 

食糧問題は犠牲になったのだ……宴会の犠牲にな……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

二日後……

 

「じゃあ行ってくるね」

「「「「「いてら~(酔ってる)」」」」」

 

 

 

 

 

妖怪大将移動中

 

 

 

 

 

「さて………到着……ん?なんか慌しいな…どうしたんだろう?」

 

 

 新しい情報としてこの集落には『行政部』と『軍事部』そして『技術部』の三つで成り立っており、現在『行政部』の名家と『軍事部』の名家で権力争いしているらしい。『技術部』はそもそも研究さえできればいいというある意味、俗世に離れた者達しかいないらしいので興味がなく、むしろ“ある”場所に何があるのかに興味を抱いているものが多いらしい。

そして私は情報収集をしてある重要な単語を耳にした。

 

 

              月移住計画。

 

 三年ほど前に採決され、既に最終段階へと入った壮大な地上からの脱走計画。まるで図ったようなタイミングの実行日が告げられていた。

そしてその日に攻められることを想定して妖怪の進行を食い止めるために月移住組と残留組に別れることになった。『軍事部』は、間違いなく残留組である。

 

 

          主導は無論『行政部』の名家。

 

 この計画は一週間後に地上が氷河期とかいうせいで生命が生きていくには困難な土地になるらしい。だから月へ行く。それは理解できるのだが、『穢れとやらから脱却するため』というのがいまいちよくわからない。穢れというのは最初、妖怪のことかと思ったがどうやら違うようでなんでも『妖怪を生み出すこの星』のことを指しているらしい。

 ますます訳が分からない。前者の理由は氷河期が訪れるからということで生きる希望を月に見出したということで理解できるのだが、後者の穢れた星からの脱出というのが完璧に理解の外だ。だって妖怪もだが人間だってこの母なる星から生まれたのだ。この星が穢れているというのならそこから生まれた存在は皆穢れているということになる。人間だけが特別だなんてことはありえない。

 しかもこの期に及んで無駄な争いをしているのだ。醜いことこの上ない。

しかし流石に少し怒りが沸いた。自分たちの都合で私たちの住む山を襲い挙句の果てにはこの星のせいにして月に逃げるって……本当にこいつらはこの星から生まれた存在なのだろうか?と疑いたくなる。

しかしここで怒っていても仕方がない。いったん戻ることにした。

 

 

(そういえば、あの子今どうしているのかな……)

 

 

私は不意にあの三つ編みの銀髪の『神童』と呼ばれた子を思い出しながら山へ帰った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 さて山に帰り、皆にこのことを話しこれからのことを話した結果。集落へ攻めることになった。ついに妖怪達の堪忍袋の緒が切れた………プツンて感じに……そして協議した結果、私が集落の内部へ行き結界を解き、一気に責め立てるというものだ。しかしその内部に入ったことはないのでとりあえず一週間後の人類が月へ発つ日に総攻撃をかけることになった。おそらく氷河期が来れば私たちは全員死滅するだろう。ヨグトースの能力にも一つ制限があり、それは『能力の使用時に寿命を削るというものだ』故に生き残れない、死期を少し伸ばすだけだ。つまり、どっちを選んでも死ぬなら当たって砕けろというのが我々の最終的な結論だ。さらにいうと、そもそも最初に総攻撃したのはあいつ等なんだからお返ししてやろうという感じでもある。しかし闇雲に動いたって意味がないのだから私が結界を解くことになったというわけだ。

 

 

そして私は再度集落に赴いた再び顔を変えて………

 

 

 

 

 

 




今気づいた。妖怪大将、鬼真以外全員少女だな。
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