天使の子   作:ぺてんし

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悲しみは怒りの感情と似ている。
貴方が怒っている時、その怒りは本当の怒りなのだろうか。
その仮面の下にある顔は本当に───


第三話 アイドル

 

 

私が悲しんでいる?違う…これは【怒り】だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれから10年。

 

あの日のドームは成功したと思う。後から知った話だけど…あの日、あれ(・・)の家に行っていなかったら私は死んでいたのかも知れない。

 

ドーム公演が終わった後、SNSの記事で知った。

 

私の家の近くで全身黒い服の不審者が、大きな花束を持ってほっつき歩いて居たらしい。それで私の家のインターホンを何度も押して居たところを近所の住民が不審に思い、警察に通報し捕えられたのだとか。その際、取り調べを受けている時にナイフなどが見つかり、殺人未遂の容疑で捕まったらしい。

 

その時は凄く安堵した。だけどその安堵も束の間、私の脳内に一つの疑問が浮かんだ。

 

…何で私の家の住所を知っているんだろう、と思った。

 

私が住所を教えたのは、社長とミヤコさん。それと(別れた男)だけ。

前者は間違いなくないはず…だってあれだけドームの成功で泣いていたんだもん。だとすれば、間違いなく犯人は彼だけ。

 

不安だ。もし…アクアやルビーに何かあったら…

正直分からない…この感情が何なのか。

 

だから、まだアクアやルビーには言えない。

 

【嘘】になって欲しくないから───

 

あの日、その答えを導き出してから私は───

 

 

 

死んだ(アイドルとしてのアイは)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねえ、ママ」

「何?ルビー」

 

私が一番…いや、何でもない。

大事な子供のルビーが私に話しかけた来た…言いたことは大体分かるけど。

 

「本当にもう、アイドルやらないのー?」

「ルビー、私…もういい歳だよ?」

 

私の言葉にルビーが目を見開いた。

 

「いやいや!ママはまだまだアイドルできるよ!」

「でも、B小町はもう解散しちゃったしなー」

「なら!

私が復活させるから!そしたらまた…また───」

 

ごめんね、ルビー…

私はもう、アイドルはできないんだよ。

 

 

「おい、そこまでにしておけ」

 

少し遠くの方から声が聞こえてくる。

きっとこの声はアクアだ。

 

「お兄ちゃんは分かってないなー、私はママの娘だよ!ママの娘の私ならB小町の復活なんておちゃのこさいさいだよ!」

「夢見るのもいいけど…お前、夏休みの宿題やったのか?」

「うっ…それは…これからやろうと思って…」

 

今日も私の子供たちは仲良しだ。それそうとこれからドラマの撮影があるんだった。時計の時刻を見ながらそろそろ家出ないとなー、と思いながら私は席を立った。

 

「ママ、どこ行くの?」

「アイはこれからドラマの撮影だ」

「何で、お兄ちゃんが答えるの!」

「何で怒ってんだよ」

 

うん、仲が良い。

 

「こらこら、喧嘩しない。

私は2人が笑ってる方が好きだなー」

 

そう言えば、2人は顔を赤くしながら嬉しそうにする。

最近になってやっと2人の事を分かってきたのだ。

 

「ママ!ドラマ、頑張って!」

「無理するなよ」

 

温かい言葉、家族の言葉。

2人は私に投げ掛けてくれる。だけど私は未だ2人に愛してるとかちゃんと言えていない。

 

だから、いつも思う…ごめんねって。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───撮影現場。

 

「アイさん、今日はよろしくお願いします」

 

そう私に言ってきたのは、同じ事務所の元城千世子ちゃんだ。最近は良く一緒に共演する機会が増えてきた子だ。私の子供たちと変わらない歳の子と仕事をするのは何だか不思議だ。

 

「うん、よろしくね。元城ちゃん」

「百城です」

「あはは、ごめんね」

 

昔から人の名前を覚えるのは、苦手だ。

そんな事を考えながら遠くの方を見つめていると百城ちゃんが話かけてきた。

 

「アイさん、来週私が出る舞台があるですけど…見に来ませんか?」

「へぇー、凄いね。良いよ!」

 

元気よく答える。

 

でも何で誘ってくれるんだろう。

良く一緒に共演する仲だけど、仕事の話以外あんまり話した事がないのに…

 

「何で、誘ってくれるの?」

 

私がそう言うと、百城ちゃんは笑顔で答えた。

 

「何でって…そりゃ、貴方に見て欲しいから」

 

ニッコリと笑う顔を見て改めて思う。この子は天使(悪魔)だと。

嗚呼、またこの顔だ…良くこの子は少し悪い顔をする。だけど凄く綺麗。だから分かる。この子の仮面は剥がせないと。何を考えているか全く分からない。

私も仮面を付けるけどそれ以上に分厚い仮面。

 

「じゃあ、その舞台楽しみにしておくね」

 

私はそう言って空を見上げた。雲一つない快晴の空。

ああ、早くこの撮影終わらないかな、と誰に言うわけでもなく私は呟いた。

 

 

 

 

 

 

 

 

撮影から帰り、夕食の時に2人に今日の話を話してみた。

 

「舞台?」

 

アクアが呟く。

それに対し、私も言葉を発した。

 

「そう。どう?

アクアとルビーも見に行かない?」

「俺は「行く!」…行くよ」

 

良かった。2人とも一緒に行ってくれるみたいだ。

 

私は少し席を外し、廊下にでた。

にしても舞台か…『彼』と会ったのもそう言えば舞台だった気がする。

嫌だなー、とは思いつつも私もいずれ舞台とかやる日が来るのかもしれないと思いながら、とある人に連絡をするためポケットからスマホを取り出した。

 

「あー、出た。カントク?」

〈アイか…、急にどうした?〉

「映画の件、どうだった?

あと実はさ、来週に───

 

 

 

 

 

 

 

 

 

───劇団ララライ主宰。

 

 

舞台、銀河鉄道の夜

 

 

 





※おまけ

???「何で家に居なかったんだい?」

???「ごめん、ごめん。
約束してたの忘れてたよー」

???「君が忘れるほどのことか…
一体何があったんだい?」

???「それはねー…、内緒だよ」

???「そうか、内緒か…
良いね、楽しみが増えたよ。ありがとう───


暗い公園で、2人の男女が仲良く話していた。


────────────────────────


アイがちゃっかり生存。
おかげでアクアとルビーが闇落ちしない可能性が生まれた。
だけどその代わりにアイが闇落ち確定コースに乗ったかも?


結局、全く話が進まない…
改めて思うけど、小説って難しい。
それに実はプロットが全く決まっていません。
次回の更新は1週間後です。
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