ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話   作:主義

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健康診断

 

健康診断をすれば確実に引っかかるのは分かっていたこと。タバコもかなり吸ってますし、お酒も最近は飲んでいる。そうであれば確実に体が悪くなるのは決まっていることですし。

 

 

でも、まさかこんなことになるなんて。

 

 

 

「分かってますか?」

 

 

「…あ、はい。分かってますけど…なんで健屋さんに怒られているんですか?」

 

 

「健康診断の結果が悪いからですよ!」

 

 

「い、いや、それは分かっていますけど…改善しようとしてますし…」

 

 

「じゃあ、最近はタバコを吸っていないんですか…?」

 

 

「いや…十本程度…」

 

 

「お酒はどれくらい飲んでいるんですか?」

 

 

「…三本くらい…」

 

 

「それのどこが改善しようとしているんですか?健屋はスタッフさんに健康になって欲しいから言ってるんですよ」

 

 

「……はい、すいません」

 

一度習慣付いてしまっているものは簡単に取れるものではないということを改めて実感させられている。

 

 

「でも、スタッフさんも忙しいだろうし、お付き合いとかでお酒を飲むこともあるはずだし。さすがに今すぐ止めろとは言いませんよ。ちょっとずつでもいいので少なくしていきましょう」

 

 

「はい、わかりました」

 

 

 

 

 

それから健屋さんは僕の食事管理からタバコの管理までしてくれた。さすがにタレントさんにそこまでやらせるのはまずいと思ったので何度か「やめましょう」と言ったんですが、健屋さんに「スタッフさんが健康になったら止めます」と言われてしまった。元々の元凶は僕。僕がもうちょっとお酒とかタバコとか偏った食生活を送っていなければ、健屋さんの手を借りることもなかったですしね。

 

 

 

そして今の僕は休憩室でコーヒー片手に休んでいる。すると収録終わりの不破さんが隣に腰を下ろした。

 

 

「最近のスタッフさんってお酒とか飲まなくなったっすよね」

 

 

「まぁまぁ…そうですね。ちょっと健康診断に引っかかってしまいまして」

 

 

「あ~~そういうことだったんすか。俺もそろそろ健康診断だめかもしれないんすよね」

 

 

「気を付けてくださいね。でも、不破さんってタバコは吸いませんよね」

 

 

「吸わないですね」

 

 

「じゃあ、僕よりひどくならないと思いますよ。僕はタバコにお酒とダブルパンチに食生活の乱れでトリプルパンチみたいなところがあるんで」

 

 

「でも、スタッフさんがタバコを吸うって聞いた時は俺も驚きましたよ」

 

 

「あ、それはよく言われますね。なんか第一印象だとタバコとかを吸うようなタイプに見えないみたいですね」

 

これに関しては不破さん以外のタレントさんいもよく言われる。例えば、月ノさんや樋口さんとかにもタバコを吸うと打ち明けた時はすっごく驚かれたのと、樋口さんからは「やめた方がいい」と何度も言われた。

 

 

「見えないっすね。正直、お酒もあんまり飲むような感じに見えないですし」

 

 

「やっぱそうですか」

 

それから不破さんが所属している、ROF-MAOで起こったことや辛かった企画などの話になった。やっぱりROF-MAOとしての活動もそれなりに行ったことで色々とあるんだと思う。

 

 

「不破さんも色々と大変ですね」

 

 

「そりゃ色々とありますから」

 

 

「お互いに頑張っていきましょうね」

 

 

「そうっすね」

 

 

その日はそこで話は切り上げて…終わったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

不破さんと話して数日後の今日は早く出勤して休憩室にいると健屋さんがなぜかいて、今は隣同士で腰を落としている。

 

僕は日に日に健康になっている感じがする。だけど…一つだけ気掛かりなことがある。それは健屋さん。

 

 

「僕のことを気にかけてくれるのは嬉しいですけど…」

 

明らかに隣の健屋さんは…寝不足だ。目にクマも出来てるし、足元もおぼつかない。

 

 

「だ、だいじょうぶです」

 

 

「どう見ても大丈夫そうには見えないですよ。僕の体を気にかけてくれて、献立を作ってくれるのは有難いですけど、その所為で健屋さんが倒れたら」

 

前々から健屋さんは色々と無理をしてしまう傾向にあった。僕への献立は色々と考えていて、摂取するカロリーから料理の作り方まで色々と書かれている。確かに僕としては有難いけど、これを作るのに健屋さんの時間が削られ過ぎているのだ。

 

 

「スタッフさんは心配し過ぎですって…」

 

 

「だめです。健屋さんが倒れたら嫌なので今はここで休んでください」

 

 

「だいじょ……」

 

健屋さんは立ち上がろうとしたタイミングで立ち眩みを起こしたようでまた椅子に席を下ろした。

 

 

「やっぱりだめですね。僕が仕事を始めるまでまだありますし、少し休んでください。そして始業時間になったら起こすので、そしたら家に帰って温かくして寝てくださいね」

 

 

「…あ、ありがとうございます」

 

 

「こちらの方こそ、ありがとうございますですよ。健屋さんのお陰で僕は健康になってきましたし。僕が出来るように調整もしてくれてましたし、健屋さん無しじゃこんなこと出来なかったです」

 

 

「そんなことないですよ。スタッフさんががんばったんです」

 

 

「いや、それだけじゃ無理ですって。健屋さんのお陰です。でも、健屋さんげ健康を崩しちゃったら本末転倒なのでこれからは無理しないでください。特に僕の所為で健屋さんが倒れたなんて、僕が病んじゃうかもしれないので」

 

僕の健康と引き換えに健屋さんが不健康になるんだったら全然、僕は不健康でいい。僕よりも健屋さんの体の方が大切ですし。

 

 

「僕は元気な健屋さんが好きなので」

 

 

「え……」

 

 

「だから健康でいてください」

 

隣に視線を向けると健屋さんの顔はどんどん体温が高くなっていて、顔が赤くなっていってる。

 

 

「医務室に行きましょう!」

 

 

「ううん、だいじょうぶ。すぐにひくから」

 

それから数分ぐらいで健屋さんの顔は赤くなくなっていった。やっぱり自分でも自分の体のことについて分かっちゃうのかな。

 

 

「休んで下さい」

 

 

「ありがとう」

 

 

 

 

―――――――――――――

 

ここは控室。収録が始まるまでタレントが休む場所。今、ここにいるのは宝鐘マリン、兎田ぺこら、不知火フレアの三人。

 

そして宝鐘マリンが興奮したテンションで二人に自分の携帯を見せる。

 

「マリンの社員さん!」

 

 

「こ、これはひどいぺこね」

 

 

「なにがひどいんじゃ!」

 

 

「いや、これはひどすぎるよ」

 

 

「ふ、ふれあまで…」

 

二人の辛辣な意見に宝鐘マリンはかなりメンタルを削られているようだ。

 

 

「いや、社員さんのことが好きなのはわかるし、恋しいのも分かる。でも、まさか写真を合成してマリンと社員さんが付き合っているような写真にするのはちょっと気持ち悪いよ」

 

 

「…そ、そんなぁ…」

 

 

「まあ、マリンのことだからいつかはやると思ってたけどね」

 

 

「そのマリンが逮捕されたみたいな言い方をやめてよ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「それにしても社員さんは本当にどこに行っちゃったんだろう」

 

不知火フレアのその言葉は言おうと思っていたんじゃなくて、口から出てしまった感じ。

 

 

 

「ぺこら…みたぺこ」

 

 

「なにを?」

 

 

「社員さん」

 

 

「へぇ………ってええええええええええええええええ」

 

 

「そ、それって本当なの?」

 

 

「うん。一昨日ぐらいにお買い物で外に出てたんだけど、その時に楽器屋さんに出入りしているところを見たぺこ」

 

 

「で?」

 

 

「でって?」

 

 

「その後はどうしたの!」

 

 

「いや、そこで終わりぺこ」

 

 

「なんで追いかけないの!やっと社員さんの尻尾を掴めたんだよ!」

 

宝鐘マリンはかなり兎田ぺこらに詰め寄る。そこには自分が会いたいという気持ちがあるんだろう。

 

 

「な、なに…ぺこ」

 

 

「じゃあ、後でマリンに社員さんを見た楽器屋さん、教えて!」

 

 

「いいぺこよ」

 

 

「やったぁ~~~」

 

 

宝鐘マリンの声が控室を飛び越えて廊下にまで響いていた。

 

 




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