ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話   作:主義

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コラボ

夏色まつり×社築

 

 

 

社築にとって…夏色まつりと言えば『下ネタ』。まあ、もちろんそれだけではなくて真面目な部分もあり、ふざける部分もありと実に高校生らしい。

 

いつも明るいというイメージが強かった。夏色まつりが明らかに落ち込んでいる。それはもう何度もコラボしてきたし、ある程度は分かる。それに今日はオフコラボだし、露骨に分かる。

 

 

「何かあったのか?」

 

 

「…ちょっと…」

 

 

「まあ、良ければ話してくれ。俺もそれなりに年を食っているし、人の悩みなんて腐るほど聞いてきたからな。適切なアドバイスが出来るかは分からないが、話すことで楽になることもあるだろうしな」

 

さすがにこのままだと心配だし、コラボとして重い空気になりかねない。それに夏色まつりという人間がどんなことで落ち込んでいるのか、逆に気になる。

 

 

「…悩みを聞いてくれるの。やしろん?」

 

 

「まあな。さすがにこのままだと色々と支障が出そうだしな」

 

 

「ありがとう~やしろん~~」

 

 

「おい、抱き着いて来るな!」

 

 

「やっぱり、やしろんはやさしい~~」

 

 

「いいから離せ!」

 

それから、まつりを引きはがしてから悩みを聞いた。そしてその内容を簡単に纏めると…大好きな人が勝手に居なくなっちゃってすごく落ち込んでいるという感じだった。

 

 

「お前はその人のことが好きなのか?」

 

 

「うん!大好きだよ!!」

 

 

「お、おう…さすがだな、即答とは」

 

 

「だって大好きなんだもん!その気持ちは恥ずかしいことじゃないし」

 

本当にこういうところは素直に尊敬する。自分の気持ちを偽らず、素直に伝えられる力は誰でも持っているものではない。言ってしまえばそれは…一つの才能と言ってしまってもいいかもしれない。

 

 

「そうか…連絡先ぐらい知らないのか?」

 

 

「知らないんだよ。あの人、何も教えてくれないんだもん。スタッフがライバーさんと関わるのはあんまり宜しくないのでとか言って全く連絡先を教えてくれなかったの!!」

 

 

「え、スタッフなの?」

 

 

「うん!」

 

 

「まあ、そりゃ教えないよな。ライバーに危険が及ぶような行為をスタッフがやるわけないし。もしかしたら、お前の気持ちに気付いて連絡先を教えるとマズイと思ったのかもな」

 

ホロライブはアイドルとして売っているのだろう。それならスキャンダルが立ちそうなことはNGだろうし、ライバーとの色恋沙汰なんてもっての外だろう。

 

 

「え~~なんで~」

 

 

「いや、さすがにスタッフとライバーが付き合いみたいな話はだめだろ。もし、それが外に漏れ出れば会社にとっても大きなダメージになるのは目に見えているしな」

 

 

「まつりはとっても大好きなのにぃ~」

 

 

「いや、お前の気持ちは分かるが、社会人としてリスクはなるべく取りたくないんだよ。どう考えてもかなりハイリスクだし」

 

 

「え~~」

 

 

「でも、お前の話だとそのスタッフは辞めたってことでいいのか?」

 

 

「うんとね…分からないんだよね。他のスタッフさんに聞いても「知らないです」としか言われないの」

 

 

 

 

 

 

「逆にやしろんは悩みとかないの~?」

 

 

「悩みか……今はないな」

 

 

「え~~やしろんだけずるい~」

 

 

「いや、別にずるくないだろ。それに今はそれなりに充実しているな」

 

 

「そうなの~?」

 

 

「ああ、新しい友人もできたしな」

 

 

「友達?」

 

 

「お前は分からないかもしれないが、この年になってくると新しい友人が出来るなんてことはほぼないんだよ。だから、この年になって新しく語れる友人が出来たのはまじですげぇんだよ」

 

 

「そうなの?」

 

 

「ああ、だから今はそれなりに充実しているな。まだ最近、にじさんじのスタッフになったばかりの人なんだけど、かなり馴染んでいるからすげぇと素直に思っちゃうけどな」

 

別にライバーとスタッフがそれなりに和気藹々とやっている方だが、あのスタッフさんと他のライバーの距離感はすごく近い。別にスタッフさんが詰めている訳じゃなくて、いや、むしろかなり詰めない人なのかも。自ら仕事以外でライバーに話し掛けているところを見たことがないしな。

 

 

だけど、ライバーの方からすごく距離を詰めているように見える。特に笹木と椎名はかなりスタッフさんのことを気に入っているんだろう。あの距離の詰め方は異常だしな。

 

 

 

「へぇ~そんな人がいるんだ」

 

 

「ああ、だから、悩みはない」

 

 

「ずるい~~」

 

 

「いや、だからずるくないだろ。それにお前も早いうちに想いを伝えちゃえば良かったじゃないのか?」

 

 

「だ、だって……言えなかったんだもん…///」

 

 

「…おまえ」

 

 

「もし、断られちゃったらとか考えちゃったら…言えないし」

 

あのまつりが…顔を赤らめてる。まじで普通の女子高生みたい。今までこいつのことを下ネタで頭一杯の奴と思っていたが、こいつにもしっかりと…本当に好きな人の前では普通なんだと感じた。

 

 

「そうか。まあ、そうだよな」

 

 

「うん…」

 

 

「無責任なことはあんまり言えないが…いつかは会えるんじゃないか」

 

 

「え、ほんと!?」

 

 

「まあ、分からないけどお前が会いたいと思っていればいつかは会えるんじゃないか」

 

自分でもかなり無責任なことを言っていると思うが…それでも少しはこいつのことを安心させてやりたい。

 

 

「そ、そっかぁ……じゃあ、まつりはずっと願うよ!」

 

 

「ああ」

 

 

「ありがとね、やしろん」

 

 

「……ああ」

 

 

 

―――――――――――――――

猫叉おかゆ×椎名唯華

 

 

僕と椎名さんは『神岡家』ラジオというものをやっている。不定期なので1ヶ月に1回はやる時もあれば3か月とか開く時もあったりする。本当にまったりとしている。

 

「おかゆ!!!」

 

 

「ど、どうしたの!?」

 

 

「たのしい!」

 

興奮している椎名さんを落ち着かせつつ、何でこんな状態になっているのかを聞いてみるとなんか新しいスタッフさんが入ったらしくてその人をからかうのが楽しいらしい。

 

 

「椎名さんにからかわれるそのスタッフさんが可哀そうだよ」

 

 

「そんなことないと思うけどなぁ」

 

 

「いや、だって椎名さんのおもちゃにされちゃうんでしょ?」

 

 

「うん!」

 

 

「大丈夫?そのスタッフさん、きつくなってやめちゃうんじゃない?」

 

 

「さすがにないやろ。あたしにからかわれたぐらいで…」

 

 

「いや、案外…椎名さんは辛辣なことを言う時もあるし」

 

 

「大丈夫やて。そんな柔な人やないし」

 

 

「そうかな。ちょっと心配だけど…。その人はどんな人なの?」

 

 

「優しいんよ。本当にマジでくそ真面目だし、優しい」

 

 

「へぇ~そうなんだ」

 

 

「うん、それに奢ってくれるし」

 

 

「椎名さんはそれが目当てじゃないの~?」

 

 

「まあ、それもあるけど…やっぱりいい人なんよ」

 

 

「そうなの?」

 

 

「…あの人と近くにいるとなんか落ち着くんよ。どんな時でも力を貰える気がしてさ。それにあたしらがどんな下らないことを話しても聞いてくれて…反応もおもろいし」

 

 

「そうなんだよね」

 

話している時の椎名さんは本当に楽しそうだった。椎名さんが本当にそのスタッフさんのことを気に入っている…というか好きな気持ちが伝わって来る。

 

 

僕にもそんな人がいた。僕の知りうる限りでとてつもなく優しくて…とてつもなく真面目な人。そして僕がとっても大好きな人。あんなに優しいと誰かに騙されちゃうんじゃないかと思っちゃうぐらいの人。

 

 

「僕もちょっとだけど、椎名さんの気持ち分かるかも」

 

 

「そうなん?」

 

 

「うん。僕にも椎名さんと同じでとっても優しい人が身近にいたから。今はどこで何をしているのか全く分からないけど…」

 

 

「へぇ…そうなんや。おかゆもかなり優しい方やない?」

 

 

「ううん、僕よりも優しいよ。それにあの人には何か特別な力があるんじゃないのかなぁって。居てくれるだけでいいと思える人はそんなに多くないよ。別に何もしてくれなかったとしてもあの人が近くいるだけでいいの。それだけで……」

 

こんな風に想える人は両手で数えきれるぐらいしかいない。

 

 

「そうなんや」

 

 

「だから、椎名さんも大切にした方がいいよ。いつその人が自分の近くから居なくなっちゃうか分からないからね」

 

 

 

 

――――――――――――

星街すいせい×戌亥とこ

 

 

今日はすいちゃんとラジオの打ち合わせという名のお話会。

 

「とこちゃん!」

 

 

「なに?」

 

 

「人の居場所を特定する方法、知らない?」

 

すいちゃんの行動や言動でたまに理解でけへんことがあったりするけど、今のはほんまに分かれへん。この人は何を言うとるんや。

 

 

「どういうこと?」

 

 

「どうしても探したい人がいるの」

 

 

「さすがにその方法はないかな」

 

あたしの答えを聞くとすいちゃんは肩を落としとった。

 

 

「そ、そっかぁ…」

 

 

「そないに探したいってどういう人なん?」

 

すいちゃんがそこまで会いたい人ってどんな人なのかは気になる。ここまで熱心になって探そうとしているところから見てもかなり会いたい人なんやろうけど

 

 

するとすいちゃんはキラキラした瞳で答えてくれた。

 

 

「大好きな人!」

 

 

「…そ、そうなんや…」

 

 

「うん。すいちゃんが初めて本気で大好きになった人なの。あんなに誰かの事を好きになったのは生まれて初めての経験で」

 

もう言葉に熱がこもり過ぎてこっちが一歩引いてしまう。でも、すいちゃんってこの人が『好き』ってなったら暴走列車みたいに突っ込んでいく感じの人やしな。

 

 

「すいちゃんがそないな風になるなんて珍しい」

 

 

「うん!あの人は本当にに一瞬ですいちゃんの心を掴んでいったの。どんな時でも優しくて、いつでもすいちゃんの味方をしてくれて、頼れる人」

 

そう言えば、こっちにもすいちゃんの話のような人がおるな。

 

 

「…そうなんや。うちにも同じような人がいるかも」

 

 

「そうなの?」

 

 

「うん。人に好かれる人でまだ入社してそないに経ってへんのにライバーからの信頼はとっても厚くてええ人が」

 

 

「そうなんだ。すいちゃんも会ってみたいかも」

 

 

「すいちゃんはその人にお熱じゃなかったの」

 

 

「そうだよ。すいちゃんが好きなのはあの人だけだよ。誰にもその気持ちは絶対に揺るがないよ。でも、とこちゃんがそんな風に言う人の事も見てみたいかなって」

 

 

「そっかぁ。でも、スタッフはんやし、難しいかも」

 

さすがに事務所もちゃうし、あたしの方からスタッフはんのことを誘える感じもでない。前にリゼはんがスタッフはんのことを誘ったこともがあったみたいそやけども「あんまりスタッフとタレントが一緒に出掛けたりすると公私混同してしまいそうなので」と断られてしもたって言うとったな。

 

 

「じゃあ、すいちゃんがにじさんじに行こうかなぁ」

 

 

「用があるん?」

 

 

「ううん。何もないよ」

 

 

「それなのに来ようとしてるの?」

 

 

「うん!」

 

この行動力はほんまにすごい。自分の会いたい人が居ればその人に会うため。やりたいことをやるために。ここまで行動力がある人はすいちゃんだけ。ケルベロスとして長く生きとるけど。

 

さすがににじさんじも何も用がない他のタレントを入れる訳にはいかんやろうし。

 

 

 

そこであたしは一つの案を思い付いた。これならすいちゃんの望みも叶えられるかも。

 

「じゃあ…今度、うちの方でライブでもする?」

 

 

「え、いいよ」

 

 

「そないな二つ返事で了承してええもんなん?」

 

 

「いいんじゃないかな。すいちゃんが良いって言ってるんだし」

 

 

「いや、マネージャーはんに確認とかしておいた方がええの?」

 

 

「うん、大丈夫」

 

 

ホンマにすいちゃんはすごい

 

 

 

 




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