ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話 作:主義
僕はいつものように会社に出勤したはずだった。いつものように仕事をして、いつものように昼食を食べて、眠くなるのを耐えながら午後の仕事をして、そして帰路に付くといういつもの日常のはずだったのに今の僕は見渡す限り暗闇の中にいる。
「大丈夫ですか?お三方」
「私は大丈夫」
「よるみも~」
「私も大丈夫ですが、これからどうしましょうか?」
元々こうなってしまった経緯を振り返るには僕が出勤した頃に戻る。僕は出勤をして今日使う予定のものを探すためにある部屋に向かった。その途中でSMC組の方々と遭遇して話していると僕の探し物を手伝ってくれるという話になって四人で探し物をするために
そしてこの部屋は倉庫とかしているので色々なものが置かれている。この倉庫のような部屋の特徴としてはもう一つあって内側からは開かないという仕組み。なので社員は倉庫で探し物などをする時はドアを固定してドアが閉まらないようにしておくのが鉄則。
でも、僕はそれをつい忘れてしまってSMC組の方々に関してはこの倉庫に関しては全く知らないのでそういう扉だということも何も。
このSMC組の方々も事務所に来るということは何かのお仕事だろう。急いでここから出さないと。
「すぐに同僚に連絡するので五分もすれば出られると思います。本当にすいません」
そう言ってポケットから携帯を取り出して同僚に連絡する。すると少し笑われたけど開けてくれるということだった。
「それにしてもここって暗いですね」
姿は見えないけど声からして加賀美さんがそんなことを呟いた。そこからは焦っている感じも何もなく、逆にちょっとワクワクしている印象すらも受けてしまう。
「そうですね。ここは本当に光すらも入ってこないで。僕もお三方がどこにいるのか全く分からないですし」
そんな話をしていると夜見さんがいつもの口調で話を始めた。
「そう言えば、唯華が言ってたんだけど嘘に騙されたって本当ですか?」
「ああ、リリムさんですね。社さんと椎名さんが付き合っていると言われてそれを鵜呑みにしてしまい、本人たちに聞いたらそんなことはなかったと…」
「社員さんって本当に何でも信じちゃうもんね。さすがの私でもその嘘は見破れるよ」
葉加瀬さんはちょっと自信たっぷりな感じですが…絶対に騙されると思う。葉加瀬さんも僕と同じで人から言われたことをそのまま鵜呑みをするタイプだと勝手に思う。
「まあそれも社員さんの良い所だと夜見も思うけど。さすがにちょっと心配だよ。なんか悪徳商法とかに引っかかって有り金を全てむしり取られないか」
「いやさすがにそんなことなりませんって。確かに僕が信じやすい人間なのは認めます。でも、そこまでにはなりませんって」
そんな僕の言葉に反論するように葉加瀬さんが強い口調で話す。
「なるよ!絶対に!」
「…なんでそんなに断言するように言うんですか…?」
「だって社員さんが騙されない理由なんてないよ。ここまで人が良い人って広い世の中を探してもそうは見つかるようなもんじゃないし。詐欺師からしたらカモがネギをしょってきた感じだよ」
葉加瀬さんは遠慮なくどんどん言ってくる。散々な言われよう無くがするけど、絶対に騙されないとは言えないし。
「…大丈夫です。しっかりと注意するので」
すると今度は加賀美さんは話始めた。
「社員さんは怪しい話を聞いたら人に相談した方が絶対に良いタイプかもしれないですね。社員さんの人柄を引き寄せる力もありますがその力は決して良い人だけが近づいて来るわけではないですしね」
確かに加賀美さんの言う通り。僕に人を引き寄せる力はないですが話し掛けて来る相手が善人とは限らないというのは事実。だって僕は人の心を読める力があるわけじゃないんだしね。あんまり人は疑わないようにしてきたけどたまには疑うことも大事かも。
「わかりました。さすがに皆さんに心配を掛けるのは本望ではないので」
そしてまた夜見さんは全然違う話を始めた。
「それはそれとして今度の公式の生放送のことについて聞いて良いですか?」
「僕に答えられる範囲のことであれば」
「次の生放送の『クリスマスプレゼントを奪い取れ!』っていう放送のプレゼントってどういうものなんですか?」
まさかそんなことを聞かれると思っていなかったので一瞬、返答が遅れてしまったが答えた。
「まだプレゼント内容については決まっていないですね。そんなに内容を知りたいですか?」
「そりゃあ、知りたいよ。そのプレゼント内容によってはモチベーションが変わるもんね!」
「確かに欲しいものだったらすごい頑張れちゃうかも!」
夜見さんと葉加瀬さんが言うようにプレゼント内容に関してはしっかりと考えなくちゃいけないかもしれない。
「しっかりと考えますね。今回のプレゼントは僕が決めることになっているんです」
生放送はまだ二週間後だからすぐに決めなくちゃいけないわけじゃないけど…モチベーションのことも考えるとそれなりに良いものの方がいいですよね。でも、予算もあるわけだしそこら辺を上手くしないと。
なぜか夜見さんの驚く声が聞こえて来る。
「え…スタッフさんが決めるんですか!?」
「はい」
「まじで?」
「はい」
そんなに意外なのかな。僕もスタッフの一人だし、こういうことには関わるんですよ。
「これは頑張るしかないですね。あとプレゼントはカードで」
加賀美さんは自分が欲しいものを口にして用意してもらおうという考えなのかな。カードとかとなると本当に好きな人はいいけど、全く興味のない人にとっては……。
「…加賀美さんの期待に応えられるかは分からないですけど商品はしっかりと用意するので当日の楽しみに」
さすがにSMC組の方々にだけプレゼントを教えるわけにはいかないですしね。それにまだ決まっていないし。
すると今度は葉加瀬さんが煽るような口調で言ってくる。
「スタッフさんだったらセンスのいいものを選んでくれるだろうなぁ~~」
「そうだよ、冬雪。スタッフさんがセンスの悪いものなんて買ってくるわけないじゃん!」
「そうだよね、夜見!」
こんなに言われるともし、期待外れのものでも買ってきてしまったらどんなことを言われるか…。想像するだけでも寒気がしますね。
「…が、頑張ります…」
「期待してるよ」
最後にそんな葉加瀬さんの声が聞こえてきて…それとほぼ同時にドアが開き、光が倉庫内を照らす。
それからSMC組の方々に謝ってこの一件は全て終わった。
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「社員さんに関して知っている情報があったら教えて!」
「いや…ないって」
「なんでもいいの!」
「だからないって」
常闇トワは天音かなたから社員さんの情報を教えて欲しいとせがまれていた。もちろん彼女がそんな情報を持っているわけないが、今の天音かなたは社員さんに会いたいという気持ちだけが先行してしまっている。
「逆にトワの方が教えて欲しいって!」
「そっかぁ…」
さすがに天音かなたも諦めたようで去っていった。
最近のホロライブは前よりも活気がない。それは社員がいないことが大きくモチベーションの低下を招いている。それは皆が分かっているものの対処の使用がない。だって社員はいないのだから。
一人になった部屋で常闇トワは呟いた。
「早く帰ってきてよ…」
感想があれば。
主人公は誰かと結ばれて欲しいですか?
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結ばれて欲しい
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結ばれないで欲しい