ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話   作:主義

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感想があれば。


ましろとの邂逅

僕はほとんどのライバーさんと出会った。僕がにじさんじのスタッフとして勤めるようになってそれなりに経ちましたかね。

 

そして今日は初対面のライバーさんが一人だけいる。それはましろさん。今まで他のライバーさんからましろさんのことを聞いたりしたんですが会うのは初めて。ましろさんの配信と言ったら少しホラー寄りな感じの人。僕はホラーが苦手なので配信を見たりすることはないんですが。

 

どんな風に話し掛ければいいんですかね。やっぱり最初は大事ですし。変な人だという印象を抱かれなようにしないと。

 

 

「やぁ!」

 

そんな声と一緒に肩を掴まれた。さすがに僕も危機感を感じて急いで距離感を取ることにした。そして恐る恐る振り返るとそこには満面の笑みでましろさんが立っていた。

 

 

「な、なぁんだ…ましろさんですか…。驚かせないでくださいよ」

 

 

「驚かせているつもりはないんだけど」

 

 

「急に後ろから肩を掴まれたら身構えないなんて無理ですよ」

 

それに特に初対面の人から肩を掴まれたら…。

 

 

 

 

それから収録が始まるまで僕とましろさんは話すことにした。僕も初めて話すのでましろさんに対して興味もありましたし、どうやらましろさんの方もなぜか僕に対して興味を抱いてもらえているようだった。

 

「ましろさんってホラーがお好きなんですよね?」

 

 

「好きだね。配信とかでも心霊写真を一緒に見るとかホラー系のゲームをすることも多いからね」

 

 

「ましろさんに恐怖心というものがあるんですか?」

 

 

「そりゃあるよ。僕だって人間だし」

 

僕から見るとましろさんぐらいになるともう人間や幽霊に対して怖いという感情がないのかと考えていた。あそこまでああいう風な配信が出来ている人間はましろさんぐらいだと思う。もちろんホラーに強い人は他にもいますがましろさんはそのライバーさんたちと比べても少し異様。

 

 

「参考までに教えてもらってもいいですか?」

 

 

「人とか…」

 

 

「人ですか?」

 

 

「うん。何だかんだ言って人が一番怖かったりするんだよ」

 

 

「そうなんですか?」

 

 

「そうですよ」

 

そしてそんな会話を繰り広げていると収録を開始するということになった。

 

 

「今日はよろしくお願いしますね!」

 

 

「よろしく~」

 

そんな感じで挨拶を済ませると収録が始まった。収録は滞りなく進んで問題はなかった。

 

 

 

 

 

 

「ましろさん、お疲れ様です」

 

 

「お疲れ様~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それからは違う収録やデスクワークに移った。でもいつもと違うこともあってなぜかましろさんがことあるごとに驚かせて来る。何度か怒ってしまいそうになる時もあったけど必死に抑えて笑顔で対応する。こういう対応をされると驚かせる方もやる気をなくすと思うし、タレントさんに怒るわけにもいかないですしね。

 

 

でも僕はましろさんと関わりながらも仕事をしっかりとこなしていく。時期的にはこれからが忙しくなる。僕もこの時期から年末までは本当に忙しくて下手したら正月に家族のところに帰るのは無理かもしれない。飛行機に乗って実家まで帰る体力が残っていないと思うし。色々と忙しいことも相まってましろさんが驚かせにきても驚かなかったのかもしれない。

 

 

 

 

 

そしてある程度の仕事を終えて休憩室で休んでいるとましろさんが僕の隣に腰を下ろした。

 

「キミって驚かないよね」

 

 

「そんなことはないと思いますよ。ホラーは苦手ですし、ビックリ系だってもちろん得意じゃありませんよ」

 

 

「それにしては今日何度も僕が驚かせたのにずっと笑顔だったじゃん」

 

 

「驚かなかったわけではないです。内心はヒヤヒヤですけど、ましろさんがそういう方なのは知っていたので」

 

 

「…そういうもんかな。普通、あれだけ驚かされたら怒ってもおかしくないんだけどなぁ~」

 

 

「そうですか?」

 

 

「そうだよ。下手したら殴られてもおかしくないないかも」

 

 

「それはちょっとやり過ぎでは」

 

 

「でもそれぐらいだと僕は思うけどな。自分でやっておいて言うのもなんだけど」

 

だけど本当にホラーが苦手な人であれば反射的に殴っている人はいるかも。そう言えば、ましろさんは前にあるにじさんじの番組に呼ばれてドッキリをした時に出演者からキレられていたっけ。

 

 

「だから別に得意なわけじゃないですよ」

 

 

「ほんと?」

 

 

「本当ですよ。そんなことで嘘を付いても仕方がないですし」

 

 

「じゃあ苦手なものとかあるの?」

 

 

「やっぱりホラーじゃないですか」

 

これは本当にホラーは苦手。今回は驚かせて来る相手がましろさんだったから笑顔で受け流せたけど、ホラーゲームとかお化け屋敷とかになってくると絶対にだめ。学生の頃に友達と遊園地に行った時、お化け屋敷だけは最後まで拒否し続けたけど最終的には入ることになってずっと友人にくっ付いていた。本当に男としては情けないところもあるがこれだけはどうしても克服できないんですよね。克服できるものならしてますし。

 

 

「ホラーか。じゃあ来週にでも一緒にホラーゲームやる?」

 

 

「なんで僕が苦手なのもやらそうとしてくるんですか?」

 

 

「だって人の怖がる顔っていいじゃん」

 

ましろさんは今日一番の顔でそんなことを言うもんだからちょっと怖いと思ってしまった。この笑顔で多くの人を恐怖のどん底に落としてきたんですね。

 

 

「いやですよ」

 

 

「え~~いいじゃん」

 

 

「本当に苦手なんで絶対に無理ですよ」

 

 

「そういうスタッフさんの顔が見たいんですよ」

 

やっぱりましろさんはドSなのだろうか。人の怖がる顔を見たいというましろさんの考え方はドSの考え方だと思いますし。

 

 

「見せたくないですね」

 

 

「見せてもらうよ」

 

 

「見せないですよ」

 

 

「見せてもらう」

 

そんなやり取りがしばらく続いた。最後まで僕はホラーゲームをすることに反対して譲ることはなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――

 

事務所

 

「ロボち~」

 

 

「みこちも来てたんだ」

 

 

「うん。打ち合わせで」

 

 

「みこちは寂しくないの?」

 

 

「寂しくないわけじゃないよ」

 

 

「じゃあなんで?」

 

 

「社員さんがどこかに行っちゃったのもなんか理由がある。社員さんは何の理由もなくどこかに行ったりする人じゃないもん。その理由までは分からないけど今は無理に社員さんを探すんじゃなくて待つのがいいかなぁ」

 

 

「…みこちって大人だね」

 

 

「そうかな?」

 

 

「そうだよ。だってロボ子はやっぱり会いたいと思って探しちゃう。少しでも社員さんのことを見たいから」

 

 

「ロボちの気持ちだって分かるよ」

 

 

「そうかな?」

 

 

「うん。それにいつかはみこたちのところに社員さんは帰ってきてくれる気がしてるの」

 

 

「みこち…」

 

 

「社員さんは優しいからみこたちのことを捨てたりしないし。頑張っていればいつかは社員さんが来てくれると思うから、みこはねぇ頑張る!頑張って頑張って…そしたらいつかは社員さんが「頑張ったね、みこさん」って撫でてくれる日が来ると思うから。前みたいにさ」

 

そう話している時のさくらみこは昔を思い出して少し笑顔だった。

 




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