ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話 作:主義
『JK組』と呼ばれる人は月ノさん樋口さん、静凛さんの三人のこと。それぞれがにじさんじを初期からずっと引っ張ってきた人たちで…『先駆者』という言葉が相応しいかもしれない。
今のボクはそんな『JK組』の方々に囲まれている。四方八方を囲まれていて動くことが出来ない。まずどんな目的でこんなことをしているのか全然分からない。
今日はJK組の方々と収録だった。そして準備が整うまで控室で待っていてもらったんですがやっと準備が整ったのでお迎えに上がった。でも控室に入った途端、誰かに後ろから羽交い絞めをされて身動きが取れなくなってしまった。そしていつの間にか床に座らされてそこをお三方に囲まれてた。
「JK組の皆さん…」
三人は笑顔。その笑顔が崩れることはなくてずっとニッコリと笑っている。それがちょっと怖いと感じてしまう。
「なんの御用でしょうか?」
「分からないですか。私たちがなんでスタッフさんにこんなことをしているのか」
そう言われるともしかして自分の方になにか問題があったのかもしれないと思って必死に考えてみるものの何かをした記憶はない。それに月ノさんとお会いすることはそれなりにありますが樋口さんや静凛さんに関しては片手で数えられる程度しかお会いしていない気がするんですが…。
「…分からないです」
「そうか。スタッフさんは忘れてもたんやな」
え…本当になにかやっちゃったかな。樋口さんに睨まれているだけですごく怖い。
「スタッフさんのこと信用していたのになぁ…」
静凛さんまで…。これってかなりヤバい事をしちゃったのかも。こうなってくると何か分からないが謝っておくのは重要なのかもしれない。まず謝って済むことなのかも分からないですけど。
「すいませんでした」
一応謝ってみたもののこれで解決するのかな。
すると三人はなぜか急に笑い始めた。僕はなんで笑っているのか分からず困惑していると月ノさんが僕の頭を撫で始めた。
「やっぱりスタッフさんはダメですね。何もしてないのにこれだけで謝っちゃうなんて」
「そうやな。もっとしっかりと自分を持っておいた方がええ。ライバーの中にはスタッフさんのことを狙ってる奴もいるって聞いてるし」
「優しい所はスタッフさんの魅力でもあるんですけど欠点でもあるんですね」
僕は三人に騙されたということなのかな。だったら僕は三人に対して何か失礼なことをしたということはない。それだけで安心した。自分としては失礼なことをしていないつもりでも相手がどういう受け取り方をするかは分からないですし。
「…こういうのは心臓に悪いので止めてもらえると有難いんですが」
「そらダメやな。だってスタッフさんの反応がおもろいもん。こういう人をおちょくるとむっちゃ楽しいんよね」
「楓ちゃんが悪い顔をしてる…」
「これはマズイね。スタッフさん、目を付けられちゃったかも」
いや不吉なことを言わないでくださいよ。樋口さんには怖いイメージと歌が上手いイメージしかない。でも怖いイメージの方が強い。さすがに暴力をふってくることはないと思いますが言葉はすごそう。樋口さんに言葉で責め続けられたら多分、僕の精神は持たない。
「まあ、だから私たちはスタッフさんに対して何も怒っていないってことです」
「それはよかったです」
それから僕はJK組の方々の世間話に付き合わされた。自分たちの予定などこれからのコラボ、ライバーさんのことなど様々。僕が聞いてしまってもいいのかなぁと思ったが今更立ち去れる感じでもないので相槌を打ちながらその場に居た。
「そう言えばスタッフさんって配信に出るんですね」
「…あ、新春生放送のことですか?」
「はい。私もあのことについては知らなかったので」
「いや僕も知りませんでしたよ。急にディレクターから行って来なさいと言われて」
あれに関しては本当に打ち合わせがなかったので驚いた。やるんならもっと前から教えて欲しかったというのが本音。結果的にそこまで問題なく終われたのは本当に良かった。
「それなら私も見たよ。スタッフさんが一位のチームにプレゼントを渡した奴だよね」
「あたしもそれは見たな。ぎょうさん切り抜かれとったし。確かメッセンジャーが一位を取ったんやっけ」
「はい、そうですね」
あの企画は今振り返ればかなり盛り上がってくれたようですが、さすがにちょっとキツイ。あんな無茶振りが飛んでくるとは思ってもいなかった。
それに結果だけ言えば、僕が出たことでどっちの意味でも注目を集めた。だってホロライブのえーちゃんとかならまだしも、僕に関しては名前も知らないようなスタッフが急に配信に出て来るわけですし。
「もう出る気はないですけどね」
「え~~もう出ないんですか?」
なぜか月ノさんは少し残念そうな顔をしているけど、それはそうでしょう。僕のようなスタッフが配信に出るようなことはあんまりしない方がいい。僕はあくまで裏方の人間だから。
「おもろいと思うけどな」
「面白くないですよ。僕みたいな素人の人間が出ても何も出来ないですし」
「え~そうかな。私はスタッフさんが出たことで面白かったけどな」
静凛さんはちょっと面白がってる。
「全然だめですよ」
「スタッフさんはもっと自信を持った方がいいと思います」
「それはあたしも思った」
「うん、もうちょっと自信を持てばいいのに」
「そうですかね……ってよく考えたら僕はお三方のことを呼びに来たんですよ!」
「あ、そうだったの?」
「そうですよ!皆さん、用意は出来ていますか?」
「もちろん、出来てますよ」
「うん、こっちも大丈夫」
「私も大丈夫ですよ」
「それじゃあ…今日もよろしくお願いします!」
そして僕はJk組の方々を連れて収録現場に向かった。
あとで…「なんで呼んでくるだけでこんなに時間が掛かるんだよ」と怒られた。
―――――――――――
「スバル…社員さんがどこに行ったか分かった?」
「一応…おじおじに掛け合ってにじさんじに行ってみる予定だよ」
「にじさんじ?」
「うん、なんか社員さんに似ている声がにじさんじのライバーさんの配信に入ってて。そんなことないと思うけど、にじさんじに行って確かめてみるよ」
「わかった…」
「まあ、気を落とさないでよ。絶対にスバルが母ちゃんのために見つけ出して見せるからさ」
「…ありがとう、スバル」
電話を切った彼女はベッドへとダイブした。顔を枕にうずめながら…今までのことを思い出す。
彼と自分が初めて会った日。
大学時代のこと。
サークルの飲み会でお話をした時。
趣味の話で意気投合した時。
サークルを崩壊させてしまった時。
勇気を出してお出掛けに誘った時。
「早く会いたいよ…」
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