ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話 作:主義
今日もいつもと同じように起きて、身支度を整えて、仕事場に着き、仕事をして帰る。この繰り替えしだと思っていた。
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最近は色々と年末が迫ってきたこともあって忙しい。もう毎日が…残業みたいな感じになりつつある。でも今日も今日とて仕事をしていると…
「あの…ちょっといいですか?」
「はい、どうしたんですか?」
「あのお二方がスタッフさんのことを待っている用なんですが」
女性のスタッフの方が指差した方向には…笹木さんと椎名さんが立っていた。
「あ、わかりました。態々知らせてくださり、ありがとうございます」
僕は一度手を止めて彼女たちの元へと行くことにした。
これ以上、待たせるわけにもいかないですし。
さすがに立ち話をするわけにもいかないので休憩室で話すことになった。
「それで話ってなんですか?」
「今から買い物に行けますか?」
「さすがには今からは難しいですね」
「え、むりなんすか?」
「急は無理ですよ。僕も最近は色々と立て込んでいて仕事があるので」
「スタッフさんはあたしたちのことを蔑ろにする気やねん!」
「ウチらのことなんてどうでもいいんだ!」
「そ、そうじゃないですよ。笹木さんも椎名さんも大切なタレントさんですよ。でも今はちょっと時間が割けないんです」
「スタッフさんはウチたちと仕事どっちが大事なん?」
「その質問には答えられませんね。どっちも大切なことには変わりありませんから」
もちろんタレントさんのことも大事。仕事の方も雇われている以上は大事。この二つを天秤にかけられても答えは出ないですよ。
「ウチらよりも仕事を取るってこと?」
「そうは言ってませんよ」
「だって結果的にそうなるんじゃないの?」
「そうですね。今はどうしても仕事の方を優先することになってしまいます」
ここ最近は只でさえ、忙しい。にじさんじも周年が近くなってきているので準備をすることが多い。タレントさんに関しては少し前からスケジュールは抑えているので大丈夫。でも周年でやる企画など準備は色々とあって、にじさんじに入って一番忙しいと言えるぐらいの忙しさ。
「あたしらのことを蔑ろにする気や!」
「そ、そんなことないですって」
このまま話していても埒が明かない。どうにかここを穏便に済ませて仕事に戻らないと…。
僕の頭で必死に考えた末に…
「お昼休みならどうですか?」
「お昼休み?」
「はい、お昼休みの一時間ならお二人と買い物に行けますよ」
これ以外に良い案は思いつかなかった。さすがに定時まで待ってもらうのは悪いですし。
「どうですか…?」
「それで」
「本当ですか?」
「うん、あたしらとしてはスタッフさんが一緒に来てくれるなら」
「じゃあ、それでお願いします」
それから二人と集合場所などを確認してから仕事に戻った。
昼休憩になると僕は急いで会社のエントランスまで降りた。降りると分かりやすいところに二人は入れてくれて、見つかるのに時間は掛からなかった。
「お待たせしてしまってすいません!」
「ううん。大丈夫」
「全然待ってへんし」
「そうですか、それは良かったです」
そして僕とさくゆいのお二人は歩いて行ける距離には限界があるので近くのお店ということになった。
「それでお二人はどんな買い物をしたいんですか?」
買い物がしたいとは聞いていたけど、どんなものかは聞いてなかった。
「そりゃ…服でしょ」
「逆にそれ以外にない」
「…え、服ですか?」
「うん、服よ」
「それなら僕が行く意味ってないんじゃないですか」
「あるよ。ウチらは社員さんが来てくれないと困るんよ」
「そうなんですか?」
「そうなの」
「そうですか」
これ以上、二人に聞いても無駄だと思って納得することにした。
だってもうお二人に付いてきちゃったし、今更引き返すのも面倒くさいですし。それにお二人が僕のことを簡単に逃がしてくれるとは思えませんしね。
アパレルショップに着くと二人はそれぞれ自分に似合う洋服を探しに行った。もちろん僕は外で待とうとしたものの、二人に中で待っててと言われたので店内にいる。
しばらくして二人は選び合った服を持ってきた。
「これから試着室に行くから、スタッフさんもあたしらに付いて来て」
「え、僕もですか?」
「そうやよ」
僕が二人に引きずられる感じで試着室に連れてかれた。
まずは椎名さんが試着室に入って行った。今はちょうど混んでいて、試着室が一つしか空いていないから交代交代で試着をするらしい。
「スタッフさんって前はホロライブで仕事をしとったって本当?」
僕は少し躊躇ったものの嘘を付く訳にはいかないので答えることにした。
「…本当ですよ」
「そうなんや」
それからしばらくはお互いに喋らなかったこともあって周りの声が鮮明に聞こえて来る。数分が経って、笹木さんが問いかけてきた。
「にじさんじを辞めたりしない?」
「今のところ辞める気はありませんよ」
「今とかじゃなくてウチらのことを見捨てたりしないよね」
笹木さんの方向えを見るとそこには真剣な顔だった。
「大丈夫ですよ。そんなに心配しないでください」
そんな話をしていると椎名さんが着替え終わったようで見せてきた。ある程度の感想を言い終わ絵ると椎名さんはまた新たな服に着替えてきた。
「スタッフさんはどっちの方が似合うてると思う?」
「僕ですか?笹木さんに聞いた方が同じ女性として良いアドバイスを貰えると思うんですけど」
「いや、スタッフさんの意見を聞きたいから呼んだんよ」
「え…僕の意見なんて聞いてもよくないと思いますよ」
「あたしはスタッフさんに聞いてるんよ。どっちの方があたしに似合うと思う?」
「僕の個人的な主観でいいんであれば右の洋服の方が椎名さんに似合っていると思いますよ」
僕の意見が参考になるのかは分からない。でも言わないとダメな感じだった。
「そっかぁ…。社員さんはフリフリ系が好きなんか」
「そ、そういうわけじゃないですけど…。そちらの方が椎名さんには似合うと思っただけです」
「じゃあこっちにしようかな」
椎名さんは僕の似合うという言葉を信じてしまったようで決めてしまった。
笹木さんも僕に感想を聞いてきたので答えるとそちらを購入してしまった。そして二人は買った服をすぐに着たいらしく、店内で着替えた。
もう時間なので事務所へと少しずつ帰っていく。
「二人はもうちょっと距離を離してくれませんか?」
「なんで?」
「いやどう考えてもタレントとスタッフの距離じゃないですから」
「いやいや、今のスタッフとタレントはこんな感じでしょ。だからあたしらとスタッフさんお距離は普通ですって」
「こんなに密着していると周りの人に誤解を与えてしまうかもしれないですよ」
「ウチはスタッフさんとだったら誤解されてもええよ」
「よくありません。もし、僕とのことでファンに誤解を与えてしまって笹木さんに不幸が被るようだと僕はにじさんじを辞めますよ」
「それはいや」
「お互いのためにもしっかりと距離を空けるべきだとお……もいます」
僕は歩みを止めてしまった。いや、歩みを止めざる終えなかった。だって僕の目の前にいる人たちが衝撃過ぎて…。
「どうしたん?」
「いや…」
笹木さんと椎名さんも僕が急に足を止めたことに疑問を思ったのか、不思議そうな顔でこちらを見て来る。
二人も視線を僕から前の方に向けた。
「あれ、おかゆじゃん」
「あくあやん」
「椎名さん?」
「ささき…?」
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ホロライブ事務所の空き部屋
今、この部屋には星街すいせいと天音かなたがいる。二人は向かい合うように座っていてお互いに見つめ合っている。
「二人で話がしたいってどうしたの?」
「単刀直入に聞いてもいい?」
「いいよ。聞きたいことがあるんであれば聞いてよ。すいちゃんに答えられる範囲のことであれば答えるよ」
「すいちゃんって社員さんのこと何か知ってるんじゃない?」
そう問いかけられた、星街は表情を変えることなく答える。
「なんでそう思うの?」
「だって前までのすいちゃんは社員さんのことを血眼になって探している感じだったのに、ここ最近は社員さんのことを口にすることもなくなった。これって…すいちゃんは社員さんに関することを知ったんじゃないかって思ったの」
「…うん。当たりかな」
「やっぱり」
「さすがにバレバレだったかな」
「うん」
それからしばらくは静寂を二人を包み、数分して天音が口を開く。
「それで社員さんはどこにいるの?」
天音からの質問に星街はためることなくすぐに答えた。
「今はにじさんじでは働いているの」
「え、にじさんじ!?」
「うん。すいちゃんもあった時は驚いたよ。とこちゃんとコラボをするためにあっちに行ったらそこに社員さんが居たんだもん」
「そ、そうなんだ」
それから二人は話し合って社員さんに会う予定を立てるのだった。
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