ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話   作:主義

38 / 72
すいトワとご対面

 

家に着くとそこには…満面の笑みの星街さんと申し訳なさそうな常闇さんが立っていた。なんでこんなところに2人が立っているのか理解できない。

 

 

まず僕は自分の家に誰かを招待したりしたことはない。そして場所に着いて話したこともない。

 

 

なのに僕の家の前に彼女たちがいる。それがどうしても理解できない。

 

 

 

 

「社員さん」

 

 

「あ、はい」

 

 

「社員さんに会いたくて会いに来たよ」

 

 

「…そ、そうですか…会いに来ちゃいましたか…」

 

なんで会いに来れたのかについては聞からない方がいいのかな。それに常闇さんの申し訳なさそうな顔からしても僕が何かしたというよりも星街さんが何か行動に移したという考え方にした方がいい。

 

 

「このままだと寒いですし、中に入りますか」

 

 

「え、いいんですか?」

 

 

「いいですよ。さすがに星街さんと常闇さんの様子を見る感じだとかなりここで待たせてしまったみたいですし」

 

今はにじさんじのスタッフと言っても元は彼女たちのスタッフでもあったわけだしね。それに星街さんがここまで特定したことを考えれば「帰って欲しい」と伝えたとしても帰ってくれそうにないし。

 

 

本当はスタッフとタレントの関係性からしても家に招待とかはしたくないんだけど、今回はにじさんじのタレントさんじゃないからセーフということにしておこうかな。

 

 

 

 

そして星街さんと常闇さんを家の中に入れて、リビングのソファーに座るように促す。僕は彼女に飲み物の好き嫌いがないかを聞いたりした後にリンゴジュースを持って行くことにした。

 

 

「それで星街さんと常闇さんがここに来たのは何か目的があるんですか?」

 

 

「ううん。私はただスタッフさんの顔が見たかっただけ」

 

 

「そうですか。あのこの家の場所については他言無用でお願いしたいんですが、大丈夫ですか?」

 

 

「もちろん、すいちゃんは誰かに漏らしたりしない」

 

 

「トワもスタッフさんの迷惑になるようなことはしないですよ」

 

 

「それは助かります。夏色さんとかに知られると凸して来そうなので」

 

 

「確かにまつりちゃんなら何も考えずに突撃してきそう」

 

夏色さんに関しては僕がホロライブのスタッフとして働いていた時に一番積極的な人。あそこまで積極的な人は僕の人生でもあんまり会ったことがないようなタイプ。なので初対面の時は驚いたのを今でも覚えているぐらいに衝撃的だった。

 

 

「はい、あの性格からして知られたらマズいので」

 

 

「わかりました、トワがまつりちゃんには知られないようにする」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

 

 

「今さらホロライブの人に色々と迷惑を掛けることになってしまったことは本当にごめんなさい」

 

 

「なんで謝るの?」

 

 

「自分が黙ってにじさんじで働いていたことに対して怒っている人もいると思うので」

 

 

「まぁ…トワが知る限り、怒っている人はいないと思う。逆にスタッフさんの居場所が分かって安心している人と今か今かと突撃していきそうな人たちがいるぐらいかな」

 

 

「すいちゃんも驚いているけど、スタッフさんのことがバレてからホロライブとにじさんじのコラボは尋常じゃないくらいに増えたよね」

 

 

「そうですね。コラボが増えてくれることに対しては別にいいんですが、僕のことを話題に出すのはなるべく控えてもらいたいんですけどね」

 

だって、視聴者の方は僕のことを知らないでしょうし。僕はえーちゃんさんや春先さんみたいにスタッフとして矢面に立っているわけではないのだ。そんな名前も知らないようなスタッフの話をタレントさんたちがしている。それに対して視聴者は何も興味も分からないだろう。

 

 

「トワ、思うけどそれは無理だと思う。にじさんじの椎名さんとか笹木さんの配信を見てる感じだとさ、スタッフさんのことが大好きで過ぎるしさ。話したくてたまらないって感じだもん」

 

 

「それは私も感じた。スタッフさんってにじさんじの人にも好かれてるよね」

 

 

「そんなことはないと思いますよ」

 

 

「いや、好かれてるよ。とこちゃんもスタッフさんのことはかなり信用している感じだったしさ。アンジュさんとかに聞いたら「スタッフさんはウチのことすきよ」とか言ってたし」

 

アンジュさんは一体なにを言っているのだろうか。僕は一度たりともアンジュさんのことを好きなんてことを言ったことはないと思うんだけど。

 

 

「それはアンジュさんが勝手に言っているだけですから」

 

 

「そうだとしてもトワは好かれていると思うよ。それに社員さんは本当に良い人だからね。近くに居たら誰でも好きになっちゃう気がするしね」

 

 

「僕にそんな特殊能力はないです」

 

 

「能力とかじゃなくて…それはスタッフさんの性格だよ」

 

 

「性格?」

 

 

「うん。トワも助けてもらったことがあるからさ。スタッフさんは優しくて、どんな人に対しても手を差し伸べて、精一杯頑張っていて、一人一人に対して向き合ってくれて、いつも笑顔で話してくれて、少しでも相手を理解しようとしている姿はとても魅力的だよ。それでもって顔立ちだって悪くないんだもん。そりゃ好かれるよ」

 

常闇さんは僕のことを過大評価し過ぎている気がする。僕はただのにじさんじに勤めているスタッフだ。それ以上でもそれ以下でもないというのが答え。

 

 

「だからそんなすごくないですよ」

 

 

「じゃあ、今までさ問題とか起こったことないの?」

 

 

「問題ですか?」

 

 

「うん。スタッフさんの近くで人間関係のトラブルとかさ」

 

言われて記憶を遡ってみることにした。

 

 

 

「ありますね。特に学生の頃は色々とあった気がします」

 

最近は大学生や高校の頃の人たちと会っていないのでもう忘れそうだけど。あの頃は本当に色々と大変で毎日忙しかったのを今でも覚えてる。

 

 

 

学生の頃を思い出すとやっぱり……『夢』を思い出す。

 

もう諦めた夢だけど。

 

 

 

「ほらね。トワが言った通りじゃん」

 

 

「スタッフさんはとっても魅力的だからね。すいちゃんも初めてスタッフさんと話した時から引かれていた気がするし」

 

 

「本当に僕は皆さんが思ってくれるような人間ではないんですがね」

 

 

 

 

 

 

それから3人で今のホロライブのことなどを話したり、僕がホロライブに勤めている時のお話などをして盛り上がった。

 

星街さんが帰る時に「また来ます」と言っていたので…また来るんだろう。本当はリスクを冒したくないから来るのは控えて欲しいんだけど、星街さんを止めるのはとても難しいから。

 

 

「でも、次に星街さんが来る時のために何かゲームとか買っておこうかな」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

廊下で樋口楓と周央サンゴが立ち話をしている。

 

 

「社員さんがどこに行ったか知ってますか?」

 

 

「知らんよ。もう定時過ぎてるし、帰っちゃんじゃない」

 

 

「え~今日はンゴのお願いを聞いてくれるっていったのに~」

 

 

「お願い?」

 

 

「そうなんですよ。ンゴがやりたいことを何でも叶えてくれるって!」

 

 

「本当にそんなこと言ったん?」

 

 

「…い、いいましたよ」

 

 

「ちょっと言い淀んでない?」

 

 

「言い淀んでない!ンゴは嘘なんか言ってないし、スタッフさんは会ってくれるって言ったもん!」

 

 

「やっぱりただ会う約束をしただけか」

 

 

「そ、そう…です」

 

 

「まぁ、それでもスタッフさんがタレントとの約束を破るなんてあんまり考えられないけどな」

 

そんな会話が廊下で繰り広げられていた。

 

 

 

 

 




感想があれば

主人公は誰かと結ばれて欲しいですか?

  • 結ばれて欲しい
  • 結ばれないで欲しい
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。