ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話   作:主義

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配信

ライバーさんによっては何かしらの事情でスタジオで配信をするということがある。各故、今日は月ノ美兎さんが自宅のパソコンの調子が悪いらしく配信をスタジオでやっている。

 

配信内容は昆虫食のレビューらしく、たくさん買い込んで持ち込んでいた。僕は別に昆虫を触ったりすることに関しては問題ないんですが、食べるという行為に関してはかなりの抵抗感がある。

 

 

 

「あ、お疲れ様です」

 

 

「ありがとうございます」

 

 

「本当に月ノさんはすごいですね」

 

本人はなんで自分が褒められているのか分かっていない感じでポカンとしている。

 

 

「まさか…昆虫食を食べるなんて」

 

 

「あ、そのことですか!ほとんど出しちゃいましたけど」

 

 

「…そ、それは大変でしたね」

 

やっぱり昆虫食って美味しくないのかな。よくタンパク質が取れるとか聞くけど。

 

 

 

 

「スタッフさんも食べますか?」

 

 

「いや、遠慮させてもらいますよ」

 

 

「遠慮しなくて大丈夫ですよ」

 

 

「いやいや、もう夕食も食べちゃったのでお腹減りませんしね」

 

 

「私も食べたんですよ。スタッフさんもどうぞ」

 

 

「いやいやいや、月ノさんが食べたので、僕はもういいですよ」

 

 

「私は社員さんに食べて欲しいんですよ~」

 

 

「ちょっとお腹一杯で!」

 

 

「え~~スタッフさんに食べてくれないと私は帰りませんよ」

 

 

「…そう言われましても」

 

どうにかしてでも食べたくない。これだけは絶対に食べたくない。食べたとしても戻しちゃうのは確実ですし。

 

 

「スタッフさんは私が泣いてもいいんですか!?」

 

 

「い、いや、それは困りますよ」

 

ライバーさんを泣かせたなんて知れたら色々と面倒になるのは目に見えているし。

 

 

「じゃあ、昆虫を食べてください!」

 

 

「いやです!」

 

 

「なんでですか?スタッフさんはタバコを吸っているし、お酒も飲んでるし。私はスタッフさんの体のことを心配してタンパク質を取った方がいいと言っているんですよ!!」

 

 

「心配してくださるのは有難いです。でも、なんでタンパク質を?」

 

僕はタバコもかなり吸っているし、お酒も最近はかなり飲んだりするから、肺も肝臓も確実に悪くなるのは自分で分かっているつもり。でも、その結果としてタンパク質を取ってくれというのは分からないですね。

 

 

「そんなことは気にしなくていいんです!!!私はあなたのことが心配なんです!」

 

いや、なんか切羽詰まっているような言い方ですけど、この人は僕に食べさせたいだけなのが分かる。自分は苦しさを味わったからお前もその苦しさを味わえと言われている気がした。

 

 

「…いやです!」

 

 

「食べてください!!食べてくれないとリゼさんに『スタッフさんに襲われそうになった』と言いますよ!」

 

 

「なぜリゼさんなのかは知りませんが、どちらにせよ止めてください!」

 

 

「なら覚悟を決めて食べてください!」

 

 

「…やですって…」

 

 

「スタッフさん、覚悟を!!」

 

すぐにでも逃げ出したい。でも、そんなことをしたら月ノさんにどんなことを言いふらされるか分からない。月ノさんはエンターテインメントのためならどんな手でも使って来そうな人なんですよね。

 

 

「どうしても食べさせる気ですか?」

 

 

「もちろん!!あなたに食べさせなくてはいけないと私の直観が言っているんです」

 

 

「いや、どんな直観ですか!?」

 

このまま押し問答を続けても…どちらも譲ることなく終わらない。だけど僕も食べたくない。

 

 

数分の間、お互いに自分の気持ちを言うだけでどちらも引かないので…やっぱり終わらなかった。そろそろ時間も遅いし、帰りたいから覚悟を決めようかなぁと思っていると同時に誰かが大声で叫んでいる声が聞こえてきた。

 

「な、なに!?」

 

 

「確か、収録もしていたのでその人たちの叫び声じゃないですかね」

 

 

「なんだぁ…」

 

 

 

 

 

 

そんな話をしていると急に扉が開いた。そこには切羽詰まったような顔をしている、リゼさんの姿があった。

 

 

「さっきの連絡本当ですか!?」

 

 

「え?」

 

 

「あ、やっべ…」

 

 

「美兎さんがスタッフさんに襲われそうになったって!!」

 

その一文の破壊力はすごい。この場に同僚が居ようものならすぐにでも解雇になってしまう。

 

 

「い、いや……月ノさん?」

 

 

「…な、なんというか…すいませんでした!!!」

 

いや、本当に洒落にならないですって。

 

 

 

 

 

 

 

それから、月ノさんがリゼさんが懇切丁寧に説明してくれたお陰でリゼさんの誤解は解けた。いや、これに関しては誤解というか、月ノさんが故意的に起こしたことですけどね。

 

「なんだぁ…焦っちゃいましたよ」

 

 

「スタッフさんにどうしても虫を食べて欲しくて!」

 

 

「…そ、それは…」

 

明らかにリゼさんも動揺していますよ。この人、虫を食べさせようとしてくる人だって。

 

 

「どうですか?リゼさんも食べませんか?」

 

 

「わ、わたしは遠慮させて…いただきたいなぁ…なんて」

 

今にも逃げ出したそうなのが伝わって来る。多分、リゼさんもかなり虫を食べることにかなりの抵抗感があるんだろう。

 

 

「え~リゼさんにも私は食べて欲しいですよ!」

 

 

「……ち、ちょっと、美兎さん!」

 

 

「私は皆さんにも虫を味わって欲しいんです!!」

 

同じ苦しみを誰かに味わわせたいという想いが先行させすぎている。余程、昆虫食は酷かったんだと簡単に予想出来てしまう。

 

 

「あ、あの…た…すけてぇ…」

 

リゼさんは最後の希望を託すように僕の方を見ている。もう泣きそうになっちゃっているし、ここで助け舟を出さなくなったら一生恨まれそうだ。

 

 

「じゃあ…僕が食べますよ」

 

 

「え、ついにスタッフさんが覚悟を決めてくれたんですか!?」

 

 

「はい。なのでリゼさんは勘弁してあげてください。さすがに本気で苦手そうですし」

 

まじで僕も絶対に嫌だけど。体はまじで昆虫食を拒否っている。

 

 

「…じゃあ、すぐに探してきますね」

 

そして月ノさんは自分の置いてあったカバンの中を色々と探っている。

 

 

「あ、ありがとうございます…」

 

 

「いや、いいですよ。もしかしたら、明日は屍になっているかもしれないですけど」

 

 

「…が、がんばってください…」

 

 

「はい、頑張りますよ。明日も仕事がありますし」

 

 

「…す、すたっふさんなら…だいじょうぶです…」

 

 

「そうだといいんですが…」

 

 

すると月ノさんが昆虫が入っているであろう袋を持ってきた。そこには本当に様々な昆虫が居て、見ているだけでも絶対に食欲を減退させる。

 

 

「…だいじょうぶ」

 

これは食用だと思い込めば…どうにか体を納得させられるかもしれない。必死に食用だと思い込んで…

 

「う……お、おいしいです…」

 

 

それからどうにか飲み込んで…すぐに水で流し込む。それでも口の中にはまだ虫が残っている気がして…何度も何度も水を飲む。

 

 

 

そこで僕はある違和感に気付いた。それは…月ノさんが配信をしていたパソコンのOBSがまだ開かれていること。

 

「あの…月ノさん?」

 

 

「なんですか?」

 

 

「あの…これって本当に生放送終わっているんですよね?」

 

 

「はい、終わっていますよ」

 

僕はまさかと思って、自分の携帯で月ノさんのチャンネルを見てみるとそこには生放送とあって真っ黒な画面の中だった。

 

 

「月ノさん、一言だけ発して貰っていいですか?」

 

 

「はい!」

 

すると僕の携帯から月ノさんの良い返事が聞こえて来る。

 

 

 

 

「…切れてないですよ。これ」

 

 

「え、そ、そんなことあるはずないじゃないですか!私はもうかなり古参と呼ばれるような人ですよ………って…本当ですね…」

 

さすがの月ノさんも固まってしまっている。

 

 

 

「…何よりも今までの会話が全て世界中に配信されていたってことですよね。それはマズイですね」

 

これは後で…怒られることは確定ですね。こういうことは事務所で配信している以上はスタッフが確認すべきことですしね。

 

 

「…ど、ど、どうしましょう!!」

 

 

「大丈夫です。まずは落ち着いて…月ノさんはしっかりとリスナーさんに謝って配信を切りましょう。さすがにこれ以上はマズいので」

 

 

「そ、そうですね」

 

僕とリゼさんは急いで…部屋を出てこれ以上、声が入らないようにした。

 

 

 

「これはまずいですね」

 

 

「だ、だいじょうぶですよ!美兎さんもスタッフさんもわざとじゃないですし」

 

 

「ありがとうございます。月ノさんにも悪い事してしまった」

 

多分、これでマネージャーさんなりから怒られることになっちゃう。それも確認さえしておけば…。

 

 

「わ、わたしも…謝りますから!」

 

 

「いや、リゼさんが謝る必要はありませんよ。逆にこっちの方がすいません!」

 

 

「…頭を上げてくださいよ」

 

 

「リゼさんも声も入っちゃっていると思いますし」

 

 

「私は大丈夫です。私としてはスタッフさんの方が心配ですよ……ほ、ほんとに大丈夫ですか?」

 

 

「…心配してくれてありがとうございます」

 

どうにか謝って…怒られるだけで済むことを願うしかないですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ホロライブ事務所

 

 

「すたっふさんにあいたいよぉ~」

 

 

「いないんだし、仕方ないじゃん!」

 

 

「やぁだぁ~~あいたいんだもん~~」

 

 

「…こよだって会えるんだったら会いたいし。すぐにでも抱き着きたいよ」

 

 

「沙花叉の方があいたいもん!」

 

 

「こよの方があいたい!」

 

 

「あいたいなぁ…もしかして!だれかに…何かされてるのかな。だったら、沙花叉がそいつのことを掃除する」

 

 

「…こよの実験台に…」

 

 

「たすけてあげるからね。スタッフさん」

 

 

 

 




感想もあればよろしくお願いします!

主人公は誰かと結ばれて欲しいですか?

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