ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話 作:主義
リゼアンと別れてやってきたのは「SYMPHONIA」が行われる予定になっている、スペシャルステージの方に来ていた。今は「さくゆい劇場」が終わったのでお客さんはほとんどいなくなっているという状況。
そして呼んだ人と会って自分のやるべきことを聞くと「疲れているのに呼び出して悪いな。お前にはライバーと会ってモチベーションを最高潮にまで持って行って欲しい」と言われた。
そんなこと頼まれてもとは思ったものの、言っている本人は真剣そうなのでさすがに断るわけにもいかずに了承してしまった。そしてその人と別れる時に「「これを持っていって」と渡された。渡されたものは紙袋でどうやら有名なお店のお菓子らしい。
その紙袋を持って皆さんの楽屋へと足を運ぶ。今回の楽屋はそれなりに広く、全員が同じ場所にいるらしい。なので一つの楽屋に行けば全員と顔を合わせられる。
楽屋に着いて、深呼吸をしてから入って行く。
入って行くとそこにと葉加瀬冬雪さん、フレン・E・ルスタリオさん、レオス・ヴィンセント、レイン・パターソン、緑仙がそれぞれのことをしていたり、話していたりという感じだった。どうやら伏見さんと剣持さん、りりむさんに関してはどこかに行っているんだと思う。
そして一番最初に反応してくれたのは葉加瀬さん。
「あれ…社員さんじゃん!」
「はい、ちょっと皆さんの様子を見に来ました」
「なに、私たちのライブを見たくなっちゃったの?」
「そうですね。皆さんが努力をしていたのを知っているので、この目に焼き付けておこうと思いまして」
すると今度は緑仙さんが話し掛けに来てくれた。
「それにしても忙しいのによく来ましたね」
「いや、僕が忙しかったのはフェスが始まる前ですから。今に関してはそこまで忙しくないんです」
「それでも僕たちは嬉しいよ。キミが来てくれることはモチベが向上するからね」
「緑仙さんにそう言ってもらえると来た意味がありました」
「まぁ…キミは特殊じゃん」
「特殊ですか?」
「うん、キミと話していると話し込んじゃうんだよね。それになんか近くに居てくれると安心するんよね」
「安心…ですか?」
「なんか居てくれるだけで『頑張れる気』がする」
「少しでも緑仙さんの力になれているなら嬉しい限りです」
そして緑仙さんと話しているとレオスさんとレインさんが近付いてきた。
「スタッフさんってこの後の予定とかあるんですか?」
「ないですよ。皆さんのステージを見させてもらった後は決まってないです」
またどこで何を言われるか分からないので、しばらくはそのことを気にしつつ、会場内を見て回るぐらいしかやることはない。
「それなら私たちと一緒に行動しませんか?」
「行動?」
「うん!パタちもスタッフさんと一緒にいたいしさ!」
「…別に断る理由はないですけど」
「じゃあ決まりね!」
レインさんの勢いに押される形で決まってしまった。そしてそんな様子を見ていた、レオスさんは少し憐みの視線を僕に対して向けていた。
「本当にあなたは人を引き付けますね」
「そうですかね。でも、自分としては両親の方がたくさんの人に囲まれたりしててすごかったので」
「え、これって遺伝だった!?」
「そのことについては分かりませんが、少なくとも両親はすごかったですよ。なので色々と問題が起こったもしましたけど」
「あなたもすごい家庭に生まれましたね」
「そうですね、色んな意味で壮絶な家族だったと思いますよ」
今でもそこまで両親たちのことを特別視していないけど、周りの家庭の話を聞いている限り、僕の家は少し普通ではなかったみたいだと最近気付いた。
「レオスさんってタバコを吸ってますよね」
「もちろん吸ってますよ!私がタバコを止めるわけないでしょ」
「ですよね。じゃあ、レオスさんにはタバコを何箱かプレゼントするので頑張ってくださいね」
レオスさんのやる気を最高潮に持って行くにはこういう方が一番いいはずだ。
「え、まじですか!?」
「はい、それでレオスさんのパフォーマンスが向上するんであれば」
「約束ですからね。私が最高のパフォーマンスを披露した暁には……」
「分かってます。プレゼントしますよ」
「え、じゃあパタちにも何かくれるの?」
「…レインさんには………」
全然考えていなかった。確かに目の前にレオスさんとプレゼントの約束をしているのを見てしまったら、レインさんがプレゼントを欲しがるのも必然と言えば必然かな。
「お金とかですか…」
何も思い付かなくて現ナマしか出てこなかった。
「さ、さすがにパタちもスタッフさんからお金を貰うのは……」
「そ、そうですよね。レインさんが何か欲しいものとかあれば?」
「…欲しいものっていうわけじゃないんですけど、お願いをしてもいいですか?」
「大丈夫ですよ」
「じ、じゃあ、私と競艇とかやりませんか!?」
「競艇ですか?」
「はい!私はたまにやるんですけど、誰かと一緒にやりたいなぁと思って!」
「大丈夫ですけど、それでいいんですか?」
「いいです!ていうか、スタッフさんと一緒にやりたいんです!」
次はフレンさんと葉加瀬さんが一緒に近付いてきた。
「私はスタッフさんに褒めて欲しいです!」
「褒めるですか?」
「はい!前に一度褒められからすっごく自己肯定感も上がって調子がいいんです!」
「そ、そうなんですね。それじゃあ褒めればフレンさんのパフォーマンスが向上するってことですか?」
「そうです!!絶対に」
「フレンさんはやっぱり愛嬌もあって話も上手ですし、人を引き付ける力があると僕は思ってます。あなたのパフォーマンスを見ていると勇気が貰えて、明日も頑張ろうという気持ちにしてくれるんです。だからそんなフレンさんであればたくさんの人を笑顔にできるパフォーマンスができると思います。それはフレンさんにしかできないことです!」
「そ、そっかぁ……私ってすごいんだ…」
「すごいです。フレンさんはとってもすごい人なので、もっと自分に自信をもって大丈夫です!」
「わかりました!!わたし、頑張ります!!」
どうやらフレンさんの自己肯定感が高くなってくれたようで自信満々。そんな風になっているフレンさんを横目で見た、葉加瀬さんは何かを訴えるような目で僕のことを見て来る。
「な、なんですか?」
「私はスタッフさんのことを信じてます」
「…どういうことですか?」
「信じています」
なぜか葉加瀬さんはずっとこっちを見つめて来る。一瞬たりとも視線を外すことがなくて、圧がどんどんのしかかってくる。
「褒めて欲しいってことですか?」
恐る恐る、そう問いかけてみると葉加瀬さんは静かに首を縦に振ってくれた。
「葉加瀬さんはたまにポンなところもありますが、友達想いでしっかりしている人だと僕は知っています。葉加瀬さんは努力家で皆さんのことを楽しませようと頑張っているところ、相手のことを考えて行動できるところもすごいと思います。なのでこれからも葉加瀬さんにはその良さを発揮してもらって、頑張って欲しいんです。葉加瀬冬雪という一人の女性はとても魅力的な人です」
人を褒めるという経験はそんなに多くないので上手くはないので本当に心配になる。これで相手が喜んでくれるのかと…。
「スタッフさんって私のことをそんな風に思っていたんですね!」
「まぁ…そうですね。本当に葉加瀬さんのことを尊敬していますよ」
少しして剣持さんと伏見さん、りりむさんが楽屋へと帰って来た。
「剣持さんと伏見さんも頑張ってくださいね」
「頑張りますよ!」
「僕も頑張るんで、スタッフさんはなにか面白いのことを言ってください」
「そんな無茶振りを急にしてこないでください」
本当に剣持さんは僕に対して…ちょっと無茶振りをし過ぎな気がする。前にハッピートリガーのメンバーで企画会議のようなものをした時も僕への無茶振りが多かった気がする。
「あ、そう言えばこれをどうぞ」
今まで人と話しているだけで渡されたお土産を渡すチャンスがなかった。なのでここでしっかりと渡しておかないと。
「え、これはどうしたんですか?」
「あの同僚の方がこれを皆さんに渡しておいてと言われたんです。一応、皆さんへお土産という形で」
「へぇ…ありがとうございます」
「終わった後にでも皆さんで食べてください」
そんな話を剣持さんと伏見さんと話していると…誰かが服の袖の部分を掴まれているように感じた。誰だろうと思って、視線を向けるとそこにはりりむさんがいた。
「どうしたんですか、りりむさん?」
「りりむに構って!」
「はい…りりむさんもステージ、頑張ってくださいね」
「がんばる!!ちゃんとやったらりりむのこと褒めてくれる!?」
「褒めますよ。なので、りりむさんはお客さんに努力の成果を見せてきてください」
「うん!!りりむの頑張ったところを見てもらう!」
「その意味で頑張ってくださいね」
そんな風な会話が繰り広げられていた。
感想があれば
主人公は誰かと結ばれて欲しいですか?
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結ばれて欲しい
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結ばれないで欲しい