ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話   作:主義

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ロリとスタッフ

月ノさんの一件で上司から注意を受けましたが、それだけで済んだのが驚きだった。何だかの処分が下されたとしてもおかしくないと思っていましたし。今回の場合はそれほどマズイ内容を配信してなかったんですが、下手したら機密情報を漏らしてしまっていた可能性だってあるわけですしね。

 

それにああいうのはあっという間にトレンド1位になってしまうもの。アーカイブに関してはすぐに非公開にしたけど、やっぱりリアルタイムで見ていた人が録画してしまっていて残っている。そればっかりはどうしようもないですし、仕方ないと諦めている。

 

 

ーーーーーーーー

 

そして今はあるライブの控え室。この控え室には僕と天宮さんと魔使さんの三人がいる。

 

 

僕みたいな、ただのスタッフがここにいるのかと言うとお二人のサポート的な感じで来ている。

これからステージに立つ人は緊張していたりしているので色々と張りつめている。なので、あんまり干渉はせずに何かやって欲しいことがあればするぐらいでいいと個人的には思っている。

 

 

 

「天宮さんは何か食べたいものとかありますか?」

 

 

「…あまみゃはいらないかな」

 

 

「そうですか…」

 

 

そしてもう一人の出演者に声を掛ける。

 

 

「魔使さんは何かして欲しいこととかありますか?」

 

 

「ぼくはねぇ~~」

 

そう悩む素振りを見せてから急に僕の方を指差してきた。

 

 

「キミかな!」

 

 

「…?」

 

 

「キミかな!」

 

 

「…ん?」

 

 

「え、つ、つたわってない!?」

 

 

「い、いや…どういう意味かなぁと思いまして」

 

 

「その言葉の意味だよ!!ぼくはキミが欲しい!」

 

 

「どういうことですか…?」

 

魔使はなんで理解してくれないのみたいな顔で僕のことを見ていますが、理解できないですよ。急に自分のことを欲しいと言ってくる人を完全に理解しろという方が無理な気がするんですけど。

 

 

「だ~か~ら、こういうこと!」

 

すると、魔使さんは急に抱き着いてきた。さすがに僕も魔使さんの行動の意味も分からず、どうしていいのか分からない。脳がショートしてしまうのはこういうことを言うのか。

 

「わかった?」

 

 

「わかりません…なんで僕がこんな状況に置かれているのかも」

 

 

「あの…離してくれませんか?」

 

このままだと他のスタッフがこの控室に来たときに誤解を生みかねないですし。ライバーさんに抱き着かれているというだけでもかなりマズいのに。それにここには天宮さんもいますし、天宮さんがこのことを配信なので話されると僕はファンから叩かれることになるのは目に見ている。

 

 

「やぁ~だって言ったら」

 

 

「僕は待つしかないですね。魔使さんの出番が来るまで」

 

出番が来れば絶対に離れてくれますけど、それまではまだ時間がある。それまでこの状況が続くのは勘弁したいというのが本音ですね。

 

 

「まちゅかいだけ…ず、ずるい!」

 

そんな声が聞こえてきたのとほぼタイミングで背中から誰かに抱きしめられた。それが誰なのかは声を聞けばわかりますし、まずこの部屋には僕を入れても三人しかいないですしね。

 

 

「天宮さんまでどうしたんですか?」

 

 

「まちゅかいが抱き着くんだもん。あまみゃだって…」

 

この状況に置かれたらどうすればいいんだろう。

 

 

「…あまみやもボクと同じでスタッフさんを抱きしめたかったんだよ」

 

この二人に好かれているのかは分からないけど、少なくとも嫌われていないのは喜ばしいこと。でも、それはあくまで嫌われていないぐらいでいい。

 

それ以上に行く必要は全然なくて、適度な距離を見極めつつ守っていくのが関係を長持ちさせるコツですし。

 

 

 

 

 

 

 

本当は出番が来るまで待つ予定でしたが、これはさすがにまずい状況。誰かが来る前にこの状況を打破しなければならない。

 

「まずはお二人とも、一旦放れてください」

 

 

「あまみやが放れたら、ボクは放れるよ」

 

 

「まちゅかいが放れたら、放れるよ」

 

お互いにどちらかが離れてくれないことには離れてくれないらしい。僕としては今すぐにでも放れて欲しいんですけどね。

 

 

「僕って汗っかきですし、臭いと思いますよ」

 

そう言うと魔使さんと天宮さんはほぼ同タイミングで匂いを嗅ぎ始めた。誰かに自分の匂いを掛かれるという体験をあまりしたことないので、かなり体が強張った。

 

二人が離れてくれることを望んではいつものの、『臭い』と言われたらしばらく心にくるものがある。

 

「そうかな?少なくともボクはそう思わないけどな。逆になんか落ち着く感じするし」

 

 

「あまみゃもそうおもう。なんかいいにおい~」

 

この二人の鼻がおかしいのか、僕の鼻がおかしいのか。自分の匂いをお世辞にも良い匂いだとは感じられないんですけど。

 

 

 

 

腕時計を確認すると二人の出番までまだ時間があることに絶望した。

 

「二人共、そろそろ本当に放れてくれませんか?」

 

 

「やぁだ。あまみやが放れてないのに放れちゃったら負けだもん」

 

 

「あまみやもまちゅかいが放れないと放れないよ」

 

もういつまで経っても放してくれる感じがしない。こうなってくると本当に出番が来るまで放れてくれそうにないですね。

 

 

そこで僕は思考を巡らせて逆の発想をすることにした。このままいつ放れてくれるんですか?と聞いたところで返答は変わらない気がしますし。

 

「じゃあ、逆に何をすれば放れてくれますか?」

 

 

「う~~ん。じゃあ、ボクはキミのお家に招待してくれたら放してあげてもいいよ」

 

 

「天宮は一緒にご飯に行ってくれたらいいですよ」

 

この二人は本当にどういうこと?そんなことをしても彼女たちに何の得もないと思ってしまうけど、それで放してくれるのであれば今は受け入れるべきですね。まずはこの状況を打破するのが最初ですし。

 

 

「…いいですよ。お二人の言うことを聞くので今は放れてくれませんか?」

 

 

「しかたないな~」

 

 

「しょうがないな」

 

名残惜しそうな顔をしながらも二人はやっと放れてくれた。体がやっと解放されて安心したのも束の間で天宮さんが僕にあることを問いかけてきた。

 

 

「そう言えば…スタッフさんは大丈夫だったんですか?」

 

 

「なにが?」

 

 

「委員長とリゼさまの件…」

 

 

「あ、そのことですか。ちょっとお偉いさんに怒られちゃいましたけど、それだけで済んだのは本当に奇跡ですよ。もっと処罰が下ったとしてもおかしくないので」

 

 

「そ、そうなんですか!!よかったぁ……」

 

 

「ご心配をおかけしたようですいません」

 

 

「ううん。天宮よりも…まちゅかいの方が心配していたんだ~」

 

 

「あ、あまみゃ!!」

 

 

「まちゅかいなんてスタッフさんのことで天宮にまで連絡してきたんだよ。確か『だ、だいじょうぶかな?ボクにできることってないかな……少しでも力になりたいんだけど』とか言ってたもんね?」

 

それについては初耳だ。もし、それが本当だとしたら魔使さんにかなり心配を掛けてしまったみたいですね。スタッフがタレントを不安にさせてしまうことはあってはならないのに…。

 

 

「あまみや!それは言っちゃだめだって言ったじゃん!」

 

魔使さんは天宮さんの肩を掴んで左右に揺らしている。でも、この様子じゃ本当に魔使さんは…。

 

 

「魔使さん」

 

 

「な、なに?」

 

 

「僕のことで魔使さんに心配させてしまってすいません」

 

 

「……だ、だいじょうぶだったなら…いいんだよ……ボクは…」

 

視線を逸らされてしまったが、魔使さんに謝れてよかったです。自分のことで…人に不安を与えてしまうとは。

 

 

 

 

「天宮がその気ならボクだって暴露しちゃうおうかな~」

 

 

「な、なに…?」

 

 

「天宮だってスタッフさんのことで色々と言ってたよね。「あまみゃは…どうすればいいの。なにをすればスタッフさんは止めないでくれるかなぁ」ってね」

 

魔使さんが言ったことは本当らしくて、天宮さんは視線を床に向けてもじもじしている。その仕草だけでも本当なのは分かってしまう。

 

 

「………///」

 

 

「天宮さんにも心配を掛けてしまったのですね。本当に申し訳ございません」

 

 

「あ、あやまらないでください!!スタッフさんが無事なら…あまみゃは……いいので」

 

 

 

 

すると扉が開いて「天宮さん、魔使さん、そろそろ出番なので準備をお願いします!」と言ってすぐに消えていった。

 

「それじゃあ…二人共、頑張ってくださいね」

 

 

「うん!ボク、がんばるよ!」

 

 

「あまみゃもがんばる!」

 

 

「はい、その意気です。応援しているので二人らしさを前回に出して、お客さんを楽しませてきてください!」

 

 

「「うん!!」」

 

 

 

 

 

―――――――――――

同時刻

 

 

 

 

ホロライブはアイドル事務所。とても和気藹々としていて、誰もが羨むようなところのはず……。今の事務所の雰囲気はお世辞にも良いものとは言えなくて緊張感が走っている。

 

 

 

事務所のある部屋に大空スバル、百鬼あやめ、紫咲シオンがいる。

 

 

最初に口火を切ったのは大空スバルだった。ポケットから端末を取り出して、ある動画サイトを開き、特定の動画を二人に見せる。

 

 

「今からこの動画を見て欲しいんすけど、耳を澄まして!」

 

 

「…なんか、分からないけど…余、わかった」

 

 

「…面倒くさいけど、声を聞くだけなら」

 

そして動画を再生して…その動画が終わると大空スバルは二人に問いかけた。

 

 

「ねぇ…やっぱりこの声って…『社員さん』じゃないっすか?」

 

 

「余もスバルの言う通りで社員さんだとおもう余」

 

 

「シオンもそう思うけど、なんで社員さんが『にじさんじ』の事務所に…」

 

 

「そこなんすよ!最初は声が似ている人だと思ってたんすけど、明らかに社員さんの声だよね。でも、そう仮定するとなんで社員さんがにじさんじにいるのかの説明がつかないんだよね」

 

それから三人は何度も動画を見たが、やっぱり社員さんであるという結論は揺らぎなかった。

 

 

 

 

 




感想もあれば

主人公は誰かと結ばれて欲しいですか?

  • 結ばれて欲しい
  • 結ばれないで欲しい
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