ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話 作:主義
にじさんじではそろそろ有名なクライムアクションゲームを行うイベントのようなものが開かれる。にじさんじサーバーのようなものを作って、にじさんじライバーだけで都市を運営していくというものらしい。
僕はあんまりこういうゲームは詳しくないのであまり分からないけど、
もちろん、僕もそういうことをする予定があることは知っていた。でも、それはあくまでもにじさんじのライバーが行うことだけだ。
まさか自分がやることになるとは微塵も考えていなかった。
叶さんに呼ばれた時から悪い予感がしていた。
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今の僕は叶さんと二人きりで事務所の会議室に向かい合わって座っている。
「ちょうどいま、僕がやっていることをスタッフさんも知ってる?」
「知ってますよ。かなり大規模のイベントの主催を叶さんと星川さんがやる予定になっているんですよね」
「そうなんだよ」
叶さんと星川さん主催で大きなことをしようとしているのは…にじさんじに勤める者として知っている。でも、なんでその主催の叶さんが僕を呼んだのかが分からない。
「それで僕がなんで呼ばれたんでしょうか?」
「僕はスタッフさんにも参加してもらおうと思っている」
「…それはさすがに遠慮したいんですが」
「なぜ?」
「いや、今回のイベントはにじさんじのライバーさんだけが参加するという形で行うことになっています。そこにただのスタッフである、自分が行ったとしても何も出来ないです。それに見ている視聴者の方にとっても…知らない男が参加しているというのはやっぱり嫌でしょうし、不安感を持たれてしまうかもしれない。折角、イベントが盛り上がろうとしているところで水を差すような真似はしたくないんです」
「まぁ…スタッフさんがなんと言ってもこれは決定事項なんだけどね」
「え、決定事項!?」
「うん。もう色んな人に許可は取ったよ。スタッフさんを借りることもね」
どうなってるの…この会社。確かに僕はにじさんじという組織に属している一人だけど、僕の意見は完全無視でストーリーが進められている。
「で、でも…」
「でもはなし。スタッフさんに関しては出ても問題ないと僕は思ってるんだよ」
「それこそなんでですか?」
「たぶん、スタッフさんのことだから自分では分かってないと思うんだけど、スタッフさんってかなり視聴者から人気なんよ」
「人気…?」
「うん。最近の切り抜き動画とか見てみるとよくわかっていると思うんだけど、スタッフさんと話したこととかをライバーが色々話しているんよ」
え、ほんとうに…。別に話されて困るようなことは一度も話したことはないけど…。
「それもかなり好評だしさ。何より僕は視聴者の皆にも楽しんで欲しいけど、ライバーの皆にも同じ位楽しんでほしんだ」
「…それで僕ですか?」
「うん。スタッフさんが来てくれれば絶対に盛り上がるしさ」
「…もう拒否権とかってないんですもんね」
「ないね」
「そうですか…」
ここで僕が断る可能性が少しでもあるなら、考えるけどないなら答えは決まっている。
「では参加するしかなさそうですね」
「そうだよ。よろしくね」
叶さんは満面の笑みを浮かべながら僕に語りかけてくる。
「それにもし、スタッフさんが批判されるようなことがあったら僕がどうにかしてあげるからさ。スタッフさんも楽しんでみてよ。それでこそ、意味があるんだから」
「はい…わかりました」
「あと、スタッフさんも配信というか…収録してもらうことになってるの」
「え…?」
その後、叶さんが話している内容を総合すると僕の視点もしっかりと録画しておき、後々編集して公式のチャンネルで出ることになるそうだ。僕の声も加工せずに世に放たれるらしいけど、今更反対してもどうにもならなそうなので止めることにした。
それからもこれからのことについて叶さんと話していると急に会議室の扉が開かれて、息が荒い星川サラさんが入ってきた。
「ま、まに…あったぁ…」
「あれ今日は仕事があるって言ってなかったっけ?」
「あ、ありましたよ…。おわらせてきたに決ま…ってるじゃないですか…」
「それにしても早かったね」
星川さんは息を整えてから叶さんに問いに答えた。
「そりゃあ…スタッフさんが参加することを承諾してくれたと知って、のんきに仕事をしている場合じゃないですからね!」
急に星川さんは僕のところまで歩みを進めてきた。
「スタッフさん、まじでありがとうございます!」
「いや…もう参加しないわけにはいかなそうなので」
星川さんは叶さんの隣の席に腰を下ろした。
そして僕はずっと疑問に思っていたことを問いかけてみることにした。
「それで僕は具体的に何をすればいいんですか?」
「スタッフさんがこういうゲームをほぼ初心者なのは知っているから、出来る限りサポートはするつもり。僕か星川のどちらかを呼んでくれればどんなに忙しくても絶対に駆けつけるから」
「それはありがたいですけど、かえって迷惑になりませんか?」
僕の問いに答えてくれたのは星川さんだった。
「なに言ってんすか?」
「いや、僕は本当に何も知らないので迷惑を掛けてしまうと思うので」
「そんなのスタッフさんが気にする必要ないです。星川と叶先輩がスタッフさんの意見を無視して全て決めちゃったんだし、こっちの方が謝るべきなの。だからスタッフさんが困った時は私たちに頼るのは当たり前のこと」
「そ、そうですか」
そして次は僕がゲームの中でどんな役職に就くのかという話へと変わっていった。
「それでスタッフさんにはパン屋をしてもらおうと思っているんだ」
「パン屋ですか?」
「うん。あんまりスタッフさんに負担を掛けないためにも『パン屋』にしようって話になったんだ」
色々とパン屋の経営については教えてもらえるらしいので、そこら辺はどうにかなりそうだ。
「あと、叶先輩とも相談したんですが、あんまり負担を掛けないためにスタッフさんがパン屋をやっていることを伏せておくことにします。それに伏せていたとしてもそんなに経たないうちにバレちゃうと思いますし」
「でも、それだとお客さんとか来てくれないんじゃないですか」
「それは大丈夫です。星川が保証してあげてもいい」
「…来てくれますかね」
僕の使命としてはしっかりと撮れ高とかは言わないまでも、ボツにならないぐらいの映像にしなくてはならない。それなのに誰もパン屋に来てくれないのだけが一番困る。引き受ける以上はしっかりと仕事をこさないと。
「絶対に来てくれます!!それは星川が本当に保証するんで。もし、誰も来てくれなかったら星川がしっかりと責任を取るので!!」
「いや、ライバーさんに責任を取らせるわけにはいかないですよ。まあ、たまにパン屋から出て色々とあの世界を見て回れば、撮れ高と呼べるようなものも撮れるかもしれないですね」
撮れ高のことばっかり考えてしまうのはやめよう。どうにかなると信じよう。
「撮れ高とかも含めてあんまりスタッフさんはストレスを感じないでくださいね。適当でいいんすよ。なのであんまり気にせずに、この世界を少しでも楽しんでください」
「…そうですね。ありがとうございます」
そしてその後も僕と叶さんと星川さんの間で話し合いが行われた。
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