ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話   作:主義

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珍しい組み合わせ

 

今日は珍しいメンバーで食事に来ている。そのメンバーとは剣持さん、アルスさん、西園さん、エバンスさん。少なくとも四人で話しているところは見たことないです。一対一とかなら全然あると思いますけど、四人となるとないはず…。

 

 

 

なんでそんな四人と僕が食事に来ているのかというとそれは誘われたからです。どうやら公式で配信をしていたようで帰りに食事に行く人みたいな感じで集まったのがこの四人。

 

そしてなぜか、それから僕のことを呼ぶような感じになったと聞いている。

 

 

 

正直、僕は『なんで』という言葉を言いかけたけど、それを聞いたところで納得できるような説明はなさそうだったので諦めた。

 

 

 

 

それにこんな風に呼んでもらえることは決して悪いことではないですしね。それぐらいタレントさんに信用というか、距離が近いということですからね。あまりにも距離が近すぎるのはダメですが、たまに食事に行くぐらいの関係性であればそこまで仕事に支障は出ないはずですしね。

 

僕たちが来たのは懐石料理店。

 

さすがに多くの人の目に触れるのはまずいので個室。

 

 

 

 

 

僕とオリバーさんが隣同士で向かい側に剣持さんとアルスさん、西園さんが座っている。

 

 

「じゃあ…まずは乾杯と行きますか。剣持さんお願いします」

 

 

「え、ぼく?」

 

 

「はい、ここで一番の先輩ですし」

 

僕がやるよりもライバーさんがやった方がいいと思いますし。

 

 

「いや、こういうのはスタッフさんが率先してやってくれるもんじゃないの?」

 

 

「僕は遠慮させてもらいたいので」

 

 

剣持さんはちょっとめんどくさそうな顔をしていましたが、僕がやってくれなさそうなことを悟ると仕方ないかぁという感じの顔つきに変わった。

 

「じゃあ…まあ、今日も一日お疲れさまでした。乾杯!」

 

剣持さんの掛け声と共に乾杯をする。

 

 

 

 

 

 

「スタッフさんもお疲れ様です」

 

 

「いや、オリバーさんの方こそお疲れ様です」

 

お互いに乾杯をしてまた飲み干す。

 

 

「それにしても今日はかなりお疲れの様子ですけど、どのような撮影だったんですか?」

 

 

「今日はですね。人間は飛べるのかという疑問に答えを出すという感じの企画だったんですよ」

 

 

「た、たいへんそうですね」

 

それは企画を聞くだけでもかなり疲れそうな企画。でも、本当によくネタ切れを起こさないなぁと個人的には思っているんですよね。僕も何度か企画会議に参加させてもらうことがあるんですが、本当に色々な企画が飛び交ってますし。どの企画が採用されたとしても面白いだろうと思いましたもん。

 

 

「それじゃあ今日はゆっくり休んでください」

 

僕はオリバーさんのグラスにお酒を注いでいく。

 

 

「ありがとうございます」

 

 

「先生とばっかり話してずる~い~」

 

視線を西園さんの方に移すとなんか…顔が赤い。でも、西園さんはお酒を飲んでいないはずですし、まだ飲めない。

 

 

 

そんなことを気にしているとアルスさんが急に席を立って、僕の方へと歩いて来る。そして何よりも足元がおぼつかない様子で顔も赤い。その様子は本当にお酒に酔っている人みたい…。

 

「そうだ~そうだ~~ボクとお話しようよ」

 

すると僕の隣に腰を下ろしてしまう。やっぱり目が座っているんですよね。もう完全にお酒が入っている人と同じ気がしますけど、場に酔ってしまうとこんな風になってしまうんだろうか。

 

「はい、アルスさんとも西園さんもお話がしたいですよ」

 

僕がそんなことを話しているとオリバーさんが今の様子を見て、話し始めた。

 

 

「本当にスタッフさんって好かれやすいですよね」

 

 

「そうですかね?」

 

 

「はい、僕は思うんですけど、もしかしたらスタッフさんには何か人を引き付けるような特殊な能力があるんじゃないですかね。だとしたら、うちの大学でもサンプルとして研究してみたいですね」

 

 

「いやいや、僕なんかを研究しても何もないですって」

 

実験台にされるのは勘弁したいですね。それに僕にそんな特殊な力みたいなものはないですし、普通に生きているだけですしね。

 

 

「でも、本当にスタッフさんは好かれやすいですよ。だって…天宮とか魔使からも抱き着かれたりしたんですよね」

 

すると向かい側から鋭い目で僕のことを睨んでいる人がいる。

 

 

「…そ、そんな殺人鬼みたいな目でこっちを見ないでくださいよ。剣持さん」

 

天宮さんや魔使さんに好かれているわけではないと思いますけど、剣持さんは特に幼い方が好きなようなので僕が二人に抱き着かれたというのが許せないのかも。あれ、それにしてもなんで二人が抱き着いた話を剣持さんが知っているんだろう。

 

 

あの話をもちろん、僕はしてないですし…。天宮さんや魔使さんが剣持さんにしたのかなぁ。それとも配信で言っていたとか。いや、そんなことを言ったらファンの方を心配させるので言うことはないと思うんですが。

 

 

 

 

 

だけど、ここで剣持さんにそのことを言及したら後悔することになりそうなので止めることにした。

 

 

 

「剣持先輩はそこだけなんですよね。あとはほとんど完璧な人なのに『ロリ』好きというだけが欠点すよね」

 

西園さんはちょっと酔ってしまっていることもあって、普段は言わないようなことを言ってしまっている。

 

 

「僕は確かにロリ好きだけど、それを欠点とは思わないけど。人には好みがあって当たり前じゃないのかな。僕はロリ好きだけど、ショタ好きだっていれば、ゴキブリ好きだっているんだ。人間はそれぞれ価値観が違うんだから、僕のロリ好きもただの個性だよね。それに僕はチグサさんにロリ好きを受け入れて欲しいとは思っていないしね」

 

これでもかと言うほどに剣持さんは西園さんのことを言いくるめる。どうやら剣持さんにとってそこは地雷があったらしいですね。僕もこんなに剣持さんがまくし立てるように話しているところを見るのは初めて。

 

 

さすがの西園さんもちょっと酔っていることもあるのか、涙目になっちゃっている。でもその気持ちは分かります。僕も剣持さんにあんな感じで言われたらキツイですし。

 

 

「大丈夫ですよ。西園さん。ちょっと剣持さんも熱くなっているだけなので泣かないでください」

 

 

「こ、こわかったぁ~~」

 

西園さんはそんなことを叫びながら僕の服に顔をうずめて来た。普段の西園さんならこんなことにはならないと思いますが、今はちょっと…。

 

 

「大丈夫ですから安心してください」

 

僕は西園さんの背中をさすって少しでも落ち着かせる。

 

 

 

 

西園さんの背中をさすっているとなぜか反対のアルスさんが頬を膨らませてこっちを見ていた。

 

「ボ、ボクもスタッフさんに背中をさすられたい!!」

 

 

「いや、アルスさんは別に泣いていないですし、大丈夫ですよね」

 

 

「ボクだって泣けるもん!!」

 

アルスさんはどうにかして泣こうとしているのか、瞬きをせずにずっと瞳孔を開き切ってる。

 

 

「そこまでしなくても。それに背中をさすられたからと言っても何もありませんよ。僕に背中をさすられたら大金が手に入るとかならまだ分かりますけど」

 

 

「ボクはさすられたいの!!」

 

なんか、アルスさんはちょっとムキになって泣こうとしているし。

 

 

 

 

 

そして僕が西園さんやアルスさんのことに時間を割いている間にオリバーさんはどんどんお酒を頼んじゃってますし、剣持さんは一人だけ普通に懐石料理を楽しんでいる。

 

「なぐさめてよ~~」

 

 

「はいはい、西園さんはカッコよくて可愛い人ですよ」

 

 

「ボクも~~」

 

 

「アルスさんもとっても頑張ってていつも偉いですね」

 

 

ここまでは予想が出来ましたが、まさか…

 

 

「私もいいですか?」

 

 

「なんで…そこにオリバーさんまで入って来るんですか?」

 

 

「え、面白そうですし。スタッフさんが褒めてくれるって言うんだったら褒めて欲しいですよ。この年になってくると人に褒められることが少なくなってくるので」

 

なんか悲しそうな話になって来たのでこれ以上聞くことを止めた。

 

 

「オリバーさんも本当によく頑張っていると思いますよ」

 

 

「じゃあ、僕もその流れにのって褒めてもらうかな」

 

 

「いや、剣持さんこそ全然落ち込んでないですよね」

 

僕はまだにじさんじに勤めてまだ浅いですが、剣持さんが落ち込むというイメージ自体が湧かないんです。なんでも自分一人で解決しちゃいそうなイメージすら持ってしまう。

 

 

「僕だって落ち込む時はあるんですよ…」

 

 

「そうなんですか。例えばどんな時なんですか?」

 

 

「パソコンのエラーでひどい時とかは二日間落ち込んだりしますよ」

 

あれ、案外…そんなことで。剣持さんが落ち込むぐらいだからもっとひどいことなのかと思っていたんですけど。

 

 

「剣持さんも普通の人ですね」

 

 

「その言い方だと僕をサイボーグか何かだと思ってたってことですか?」

 

 

「そうですね。正直なことを言えば、完璧超人だと思ってましたよ。MCをやってもらっても、ゲストとしてでても、配信をしても、普段の私生活も全てが完璧だと」

 

視線を移すと剣持さんはうっすら笑みを浮かべていた。

 

 

「スタッフさんはまだ僕のことを分かっていませんね」

 

 

「そうですね、まだ剣持さんという人間を理解できていないようです」

 

やっぱりこんな短時間で人を理解したつもりになるのはちょっと…傲慢過ぎますね。もし、このまま僕がにじさんじにこれからも務めていくなら剣持さんのことも…他のライバーさんのことも…にじさんじというグループのことも理解を深めていくことになるかな。

 

 

「そう言えば、そんな話じゃなくて僕のことを褒めてくださいよ」

 

 

「あ、そうでしたね。剣持さんはいつもエンターテイナーとしてリスナーさんを楽しませようとしていますよね。そういうところがすごいと思いますよ」

 

 

「……あ、ありがとう……」

 

 

「どういたしまして」

 

 

それからも僕はライバーさんを褒めることになった。

 

 

 

 

――――――――――

 

 

 

ある控室での会話

 

 

 

「ねぇ…フブキ?」

 

 

「なに?」

 

 

「なんか…社員さんの情報って入ってない?」

 

「入ってはいないかな。一度にじさんじの人の配信に社員さんの声が聞こえたみたいなことをスバルたちが言っていたけど、さすがにそれはないと思うし」

 

 

「そうだよね…」

 

 

「そんな落ち込まないでよ、まつりちゃん!」

 

 

「で、でも…」

 

 

「社員さんは大丈夫だって。それにまつりちゃんがそんな顔をしちゃったらダメだよ。白上たちは社員さんが帰って来るのを待っていればいずれ帰って来るから」

 

 

「…そ、そうだよね…」

 

白上フブキと夏色まつりは社員の帰りを静かに待っているのだ。

 

 

 

 

そしてそれから一時間後。はあちゃまが控室を開けるとそこには静かに椅子に座って、テーブルを眺めている二人の姿があった。

 

「はあちゃまっ……ってなにこの空気、おも」

 

さすがのはあちゃまもこの部屋の空気の重さに気付いたようだ。

 

 

「あ、はあちゃま…」

 

 

「なになに、どうしたの?フブキちゃんにまつりちゃん!」

 

 

「いや、社員さんが帰ってこない事を考えちゃってそしたら病んじゃって」

 

 

「ああ…大丈夫だって!ちゃんと帰って来るよ。だから今ははあちゃまみたいに元気いっぱいでいこうよ!」

 

それから、はあちゃまが二人のことをずっと励ますのだった。

 

 

 




感想もあれば

主人公は誰かと結ばれて欲しいですか?

  • 結ばれて欲しい
  • 結ばれないで欲しい
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