ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話   作:主義

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タイトルに2日目と書いてありますが、にじGTAが始まって4日目からです。

そして本当であればこの日にログインしていない人など、色々とあると思いますが、そこら辺はご了承ください。


【2日目】にじGTAのお店は本当に騒がしい

 

「スタッフさん、クロワッサンを100個!」

 

 

「じゃあ、私には200個」

 

 

「それならこっちは300個」

 

このお店は少しずつ繁盛していっているのは肌感覚で感じている。それぐらいに買いに来てくれるお客さんの数は多くて、こちらとしては有難い限りですけど、ここまで来てくれるとは思っていなかった。

 

 

するとまた入口の扉が開く音が聞こえてきた。

 

 

「あれ、魔使さんに伏見さん」

 

 

「本当にスタッフさんが経営しているんすね」

 

 

「そうなんですよ。最初はどうなることかと思いましたけど、予想以上に営業できていて良かったです」

 

 

「へぇ…色々売ってるんだねぇ~」

 

 

「売ってますけど…パン系だけですよ」

 

このゲームについてあんまり詳しく把握していない。だからあんまり分からないけど、もしかしたらパンって空腹を和らげる効果が他の食品よりも高いんだろうか。

 

 

「そ、それであのお話って本当なの…?」

 

 

「あの話というのは?」

 

 

「あ、あのぉ…スタッフさんが何でもお願いを叶えてくれるっていう話…」

 

 

「それは本当ではありますね。叶さんの提案でほぼ無理矢理決まってしまったものなんですが、200万円以上の買い物をしてくれた方にお礼として差し上げています」

 

 

「へぇ…じゃあもし、ボクが200万円以上買ったらその券を貰えるってこと?」

 

 

「もらえますよ。でも、こんなことを自分で言ってしまうのはあんまりよくないのはわかってますが、僕にお願いできる券なんていらないって言う方もたくさんいると思いますのでその場合は50万分くらいのパンを特典として渡すことにしています」

 

いらないって言う人はライバーさんが優しいので今のところは出てきていないけど、いずれ絶対に出て来ると思う。その時のためにしっかりとこういうのも用意しておかないと。

 

 

「スタッフさんがなんでもいうことを聞いてくれるんだよね?」

 

 

「何でもと口にしてしまうと少し語弊がある気がしますが、叶えられる範囲のことであれば頑張るつもりです」

 

さすがに僕の手じゃ絶対に無理なことを言われても…何もできない。例えば、所得税をなくして欲しいとか言ってくる人がいそうなので。

 

 

「じゃあ、ボクは200万円分のパンを貰おうかな」

 

 

「ありがとうございます。それで券か50万円分のパンかどちらにしますか?」

 

 

「もちろん…券だよ!」

 

 

「分かりました」

 

魔使さんの分を用意しながら伏見さんに問いかける。

 

 

「伏見さんはどうしますか?」

 

 

「じゃあ、俺も200万円分のパンで券を」

 

 

「分かりました。すぐに用意しますね」

 

最初の頃は200万円分のパンの用意に手間取ることも多かったけど、さすがに何度もやっているのでもう慣れてきた。

 

 

「あ、そう言えば、ボクはスタッフさんに言いたいことがあります!」

 

 

「ど、どうしたんですか?」

 

 

「ボクは数カ月前に…スタッフさんと一つ約束したんだけど、覚えてる?」

 

 

「約束ですか…?」

 

 

「うん!ボクはずっとスタッフさんから声を掛けてくれるのを待っていたんだよ」

 

え…なにか魔使さんと約束なんかしていたかなぁ…。必死に頭を回転させて…過去を遡ると一つだけ思い当たるものがあった。

 

 

「あの楽屋で抱き着いてきた時のお話ですか?」

 

 

「そう!そうだよ!!ボクがスタッフさんから離れたのは『ボクを家に招待してくれる』って言ってからだよ!それなのにいつまで経ってもスタッフさんからお呼び掛からないし…」

 

確かにそんなことを言ってしまった気がする。

 

 

「…そうですね。では今度ご招待するので」

 

魔使さんの発言はやっぱり…荒れますね。配信中でこんなことを言われたらファンの中で憶測が飛び交うのを避けることはできない。僕も怒られる覚悟はある程度はしておいたほうがいい。

 

 

「ほんと?」

 

 

「本当です。今度は嘘は付きませんから」

 

 

「じゃあ、ボク待ってるね!」

 

そしてまずは魔使さんに200万円分のパンと券を渡したので、次は伏見さんの分の用意。

 

 

「伏見さんってこの世界で何をやっているんですか?」

 

 

「ドーラさんのところのカフェで働いています」

 

 

「カフェですか…」

 

 

「はい、スタッフさんも少しでも手が空けば来てくださいよ」

 

 

「そうですね。手が空いたら伺おうと思っていますよ」

 

出来る限り、たくさんのお店を伺いたところ。

 

 

「来てくださいよ。スタッフさんなら大歓迎っすよ!!」

 

 

「ありがとうございます」

 

そして、伏見さんにもパンを200万円分と券を渡すと二人は帰っていった。

 

 

 

 

 

その後も普通に営業をしていると外からすごい音が聞こえてきた。

 

外に出ると車が目の前のお店に突っ込んでいた。そしてその車に近付いていくとタクシーのようだった。中から出てきたのは…フレンさんだった。

 

「だ、大丈夫ですか?」

 

 

「あ…スタッフさんじゃないですか!」

 

フレンさんはお店に突っ込んだことなど気にも留めず、普通に話し掛けて来る。

 

 

「あ、そうですね。よろしくお願いします」

 

 

「やっぱり噂通り来てたんですね!会いたかったです!」

 

 

「は、はぁ…それでこの状況はどういうことですか?」

 

 

「いやぁ~ちょっとミスをしちゃいまして」

 

 

「それで突っ込んじゃったんですか?」

 

 

「はい…」

 

僕のお店の方に突っ込まれていたらさすがにやばかった。

 

 

「ちょっと寄っていきますか?」

 

 

「いいんですか!?」

 

 

「別に大丈夫ですよ。ではどうぞ」

 

フレンさんは突っ込んだままのタクシーはそのまんまにして、お店の中へと入って行った。

 

 

 

 

一応、お客さんという感じではないので普段はお客さんが使っている椅子に座ってもらってお話をすることにした。

 

「フレンさんは何をやっているんですか?」

 

 

「タクシー運転手です!」

 

あの運転を見ると少し心配にはなるものの、それなりに運転技術に自信があるからこそやっているんだと思うし、一回突っ込んだだけで全てを決めるのは可哀そうかな。

 

 

「スタッフさんはパン屋ですよね」

 

 

「そうですね。今はずっとパン屋を営業させてもらっています」

 

 

「儲かってますよね?」

 

 

「儲かっているかと問われると難しいですけど、皆さんそれなりに買い物をしてくれているので儲かっている方ではあると思います」

 

お客さんの数もそれなりに来てくれるのに一人一人の注文の金額がほとんど200万円以上ですし。

 

 

「やっぱりスタッフさんがやるんだもん、儲かりますよね」

 

 

「ありがたいことに」

 

 

「それじゃあ、お金とかに困ってないですよね?」

 

 

「困ってはいないですね。元々あんまり外に行って、買い物とかはしていないので」

 

今は利益だけがどんどん溜まっていっているという。いつかどこかで使う可能性があるのでしっかりと溜めておくことにしている。

 

 

「それじゃあ、スタッフさんが何か欲しいものとかありますか?」

 

 

「欲しいものですか……今の段階ではないと思いますよ」

 

 

「そ、そうですか…」

 

なぜかフレンさんは僕の欲しいものを聞いたり、お金に困っていないと聞いた時の残念そうな顔をしたりしている。

 

 

「なにか僕にお願いがあるんですか?」

 

フレンさんが急にお金に困ってないとかして欲しいことがあるとか聞くってことはそういうことだと思う。

 

 

「か、かなえてくれるんですか!?」

 

 

「いや、それについてはまだ何も聞いていないので」

 

聞く前に承諾してしまったらヤバいものだった時に断れなくなってしまう。なのでしっかりと内容を聞いた上で判断したい。

 

 

「あ、そうですね。私がスタッフさんに叶えて欲しい願いは『褒めてもらうこと』です!」

 

 

「褒める?」

 

 

「はい、前にメイフで一緒に居た時にスタッフさんが褒めてくれましたよね」

 

 

「…そんなこともありましたね」

 

 

「あれから私の自己肯定感が爆上がりしたんです。なのでもう一度スタッフさんに私のことを褒めて欲しいんです!!」

 

立ち上がったわけでもないのに声の圧がどんどん強くなっているのを感じる。それだけフレンさんが褒めて欲しいってことだろう。

 

 

「べ、べつに褒めるぐらいはいいですよ」

 

 

「…え、うそじゃないですよね?」

 

 

「ウソじゃないですよ。ちゃんと褒めますよ」

 

 

「やったぁ~~」

 

それからしばらくフレンさんは「よっしゃあ!」と言ったり「この時のために私は頑張って来たんだ」とか色々と言っていたので、僕はしばらくその様子を眺めていた。

 

 

ただ褒めるだけでここまで喜んでくれるところを見るとあんまり褒められたりしないのかな。まぁ、僕もそうだけど、大人になると子供の頃に比べると誰かから褒められることはほとんどなくなる。

 

なのでフレンさんが誰かに褒めて欲しいと思うのは普通のことかもしれない。

 

 

 

 

一通り、喜び終わるとフレンさんは急に不安そうな顔になった。

 

 

「でも、私はスタッフさんに何をすればいいですか?」

 

 

「何もしなくて大丈夫ですよ。自分はスタッフなのでライバーさんのモチベーションアップも仕事のうちなので」

 

 

「いえ、そういうわけにはいかないですよ!ちゃんとやってもらう以上は対価を支払わないと!」

 

 

「対価と言われても…欲しいものとかはないですし」

 

それからしばらく沈黙が流れたが、1分ぐらい経ってフレンさんが提案してきた。

 

 

「じゃあ、パンを貰います!」

 

 

「パンですか?」

 

 

「はい!スタッフさんはパン屋を営業しているわけですし、やっぱりパンを買うのが一番いいのかなって」

 

 

「買ってくれるのは有難いですけど、無理はしなくて大丈夫ですよ」

 

 

「無理じゃないですよ。私はこれからスタッフさんに『最高の時間を提供』してもらうわけですから」

 

 

「…さ、さいこうのじかんですか?」

 

そこまでハードルを上げられるとさすがにこっちも緊張してくる。

 

 

「はい!!私はスタッフさんに褒めてもらうためならどんなことでも!!」

 

なんかフレンさんの勢いが凄すぎる。

 

 

 

 

その後、僕がパンの用意とかをしていると急にフレンさんが叫び始めた。

 

 

 

「え、スタッフさんって200万円分のパンを買うと何でもやってくれるんですか!?」

 

 

「…そうですね。200万円分を買うと『僕が出来る限りのことを叶えます券』っていうのが付いて来るんです」

 

 

「じゃあ、私は200万円分を買います!!」

 

別にそこまでしなくてもいいと言ったけど、フレンさんは「しっかりと対価は払います!」と言って引き下がらなかったので仕方なく承諾した。

 

 

そして200万円分のパンと券を渡し終わった。その後はもちろん、フレンさんのことを褒めた。どうやらすごく満足してくれたようで満面の笑みで帰っていった。

 

 

主人公は誰かと結ばれて欲しいですか?

  • 結ばれて欲しい
  • 結ばれないで欲しい
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