ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話 作:主義
僕のお店は予想を上回る勢いで…繁盛していた。自分でもなんでここまで繁盛しているのか分からない。だって、訪れてくれた人はほとんど全員が200万以上の買い物をしてくれている。
そうなると来てくれる人がそんなに多くなかったとしても儲かってしまう。それなのにかなりの人がこのお店を訪れてくれて、もうこれ以上儲からなくてもいいところまで来てしまった。
そして今日は社さんが来てくれた。
「あれ、社さんも来てくれたんですか?」
「来ましたよ。すごい評判ですし、スタッフさんがやっているお店と聞いて来ないわけにはいかないですよ」
「ありがとうございます」
「それでオススメのパンとかありますか?」
「どれも買って頂いてますが、やっぱりうちはクロワッサンとかですね」
「じゃあそれを100個貰ってもいいですか」
「え、100個ですか!?」
「はい。それでちょうど200万円ですよね」
「あ、そうですね…。じゃあ、いらないと思いますが、『僕が出来る限りのことを叶えます券』も渡しておきますね」
「ありがとうございます」
本当にこの券だけは謎でしかない。それぞれ喜んでくれてはいるフリはしてくれるものの、本当に渡す瞬間がいつも申し訳ない。ライバーさんに無理をさせてしまっているのが。
この『僕が出来る限りのことを叶えます券』が200万円以上買った人が貰えるという話はもう広がってしまっている。そしてそれを知ってしまったので皆、気を遣って僕のお店で200万円以上買い物をしてくれている。
「正直、こんなものいらないと思いますが…」
「いや、いりますよ。スタッフさんにお願いが出来る権利なんて皆欲しがってるんじゃないですか?」
「…いらないと思いますよ。それでも皆さん、200万以上お買い物をしてくれてますよ」
「そりゃそうでしょう……ってそう言えば今日はやけに静かですね」
「あ、そのことなら、昨日…」
昨日のことを掻い摘んで社さんに説明した。今、思い出してもなんであんなことになったのか、本当に分からない。
「へぇ~そんなことがあったんですね」
「はい、その影響で叶さんと星川さんが特定のお客さんに対して『1日出禁』を言い渡したようで…」
さすがにそこまでしなくてもとは思ったが、叶さんが言うには「こういうことはしっかりしておかないとだめ。こっちもスタッフさんに来てもらっている身だから」と言われてしまって何も言えなかった。
「揉め事が起こるぐらいにこのお店は繁盛してるってことですね」
「そうですかね…?あんまりこのお店で揉め事を起こさないで欲しいんですけどね。叶さんか、星川さんの手を煩わせてしまうことになってしまうので」
あの二人は只でさえ、忙しいのに僕のことでもっと忙しくさせたくない。
そして社さんと話しをしていると新たなお客さんが入って来た。
「あれ…尊様も」
「築もここにおったのか」
竜胆尊さん。確かこのゲームではキャバクラの長として君臨しているという話を聞いた。これもここに来てくれた人からの情報。僕が外に出て、どこかに行ったりすることはほとんどないので情報はお客さんからのものが全て。
「スタッフさんがここに来ていると聞いて、来てみたが本当じゃったとは…」
「本当ですよ。まぁ…信じられない理由も分かりますが」
だってこのサーバーはにじさんじに所属しているライバーさんだけが参加できるものにしているから。
「急な話じゃが、スタッフさんはうちのホスキャバで働く気はないか?」
「え……」
「尊様もかなり思い切ったことをしますね」
「正直、人が多かったら場所を移そうと思っておったのだが、どうやら運は妾に味方してくれたようで築以外はいないからな。この時を流す手はないと判断したまでじゃ。それでどうだろうか?」
「…いきなりそう言われても…。パン屋でのお仕事もありますし」
「そのことなら大丈夫じゃ。二人から了承は貰っている」
「ってことは叶と星川は好きにしていいって言ったんすか?」
「そうじゃ。確か「ずっとパン屋をやっているのも疲れるだろうから、スタッフさんがやりたかったらやっても大丈夫ですよ」と「星川は反対です!スタッフさんがそんなところで勤めちゃったら行かなくちゃいけないですか!!それに仕事と分かってはいても、スタッフさんが他の女とか男に甘い声を使っていると思うと脳がやられる!」と言っておった」
「星川に関しては完全に私情丸出しじゃねぇか」
星川さんはともかくとして、叶さんが好きなようにやっていいと言ってくれたということは、自分で決めていいよということだろう。これに関しては選択肢が色々と示してくれたってこと。
「なのでスタッフさんが参加するって言ってくれてら、妾は受け入れる準備はできてるぞ」
「…それはもう一度入ってしまったらもう最終日までずっと勤める感じになりますか?」
「いや、そんなことはないぞ。空いている時間だけでも問題ない。それにスタッフさんが来てくれるんであれば全然なんでも構わん」
「そ、それなら…一日だけ働かせてもらってもいいですか?」
「もちろん!!」
あんまり関わらない方がいいとは思うものの、少しは何かに参加しておけば撮れ高的にも問題ないと思いますし。
「スタッフさんも参加するんすね」
「はい、なので社さんも時間が空いていたらいらしてください」
「そ、そうっすね…。空いてたら伺います」
そしてそこで社さんはお店を出て行った。
二人きりになった店内で最初に話始めたのは竜胆さんだった。
「スタッフさんの予定的にいつだといいかのう…」
「僕の予定としては…明後日以降であれば問題ないです。明日、急に休みにしてしまうのも悪いので」
「ではちょうど明後日の7日目に参加してもらう感じで大丈夫?」
「大丈夫です」
その後は竜胆さんとの打ち合わせなどを行った。全てが終わると竜胆さんは「200万円分のパンを頂いてもいいかい?」と聞かれたので承諾してパンと券を渡すのだった。
「ほ~やっぱり噂通り本当に貰えるんじゃな」
「あ、その券ですか。いらないとは思いますが、一応ルールなのでお渡ししています」
「いや、いるじゃろ。みんなこれを目的にパンを買っとるんだと思うし」
「そうですかね」
こんな券をもらっても何もないと思いますが…。
そしてパンを買い終わると竜胆さんは去っていった。
これで明後日、ホスキャバで働くことになったのでしっかりと明後日はお休みだと言っておかないと。
主人公は誰かと結ばれて欲しいですか?
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結ばれて欲しい
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結ばれないで欲しい