ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話 作:主義
そして本当であればこの日にログインしていない人など、色々とあると思いますが、そこら辺はご了承ください。
このイベントもそろそろ終わりに近付いてきた。
今日は竜胆さんに誘われていた『ホスキャバ』で働くことになっているのだ。なので今日はお店を休業することにして、ホスキャバで一日を費やすことになるのだ。
一応昨日はパン屋に来てくれたお客さんに対して…お暇があれば来てくださいとだけ伝えておいた。今更ながらライバーでもない自分がそんなことをして面白いのかと思ってしまうが、折角お誘い頂いたわけだし頑張るしかない。それに少しは取れ高というものが取れるかもしれない。
そして今の自分はホスキャバへの道を歩いていた。するとそこで見知った顔のライバーさんに出会った。
「あれ…リゼさんもやっていたんですね」
今まで一度もお会いしていなかったから、てっきり参加されていないものと思っていた。
「あ、スタッフさん!!」
「こんにちは」
「こんにちは!私もスタッフさんが参加しているって知った時は驚きました」
「まぁ…そうですよね。普通に考えても裏方の人間がここまで表に出ることほとんどないですからね」
「…で、でも、私もスタッフさんが参加するって知ってれば…もっと頑張って予定を合わせたのに」
「リゼさんにそこまで無理をさせる訳にはいきませんよ。どうにか少しは馴染めているとは思うので、そんなに心配しないでください」
リゼさんは本当に優しいから、僕は孤立しないようにしてくれようとしてくれたんだと思う。でも、僕が思っているだけかもしれないけど、どうにかやってこれてる。
「それにしてもリゼさんは今日が初めてのログインですか?」
「一応そうですね」
「これからもログインされる感じですか?」
「たぶん、今日ともう一日ぐらいだと思います」
「そうなんですね。では楽しんでください」
「はい、楽しみます…ってスタッフさんはこれからどこかに行くんですか?」
「あ、そうでした、これからホスキャバで働くことになってるんです」
「…え、ホスキャバでスタッフさんが!?」
「はい。竜胆さんから少しお誘いみたいなものがありまして、今日はお店を閉めてホスキャバで勤めることになったんです」
「…まじですか?」
「マジですよ」
「それってスタッフさんがホストみたいなことをするってことですよね?」
「そうだと思います」
「スタッフさんはそれに対して抵抗とかないんですか?」
「ないと言えば嘘になりますけど、自分も色々とあるので参加しておいた方がいいかなぁと思いまして」
さすがに公式で上がる動画でずっとパン屋というのは絵替わりしなさすぎる。少しは違うところも見せたいし。
「…そ、そうですか。それなら私も一緒に行ってもいいですか!?」
「それは別に構わないと思いますよ」
そして僕とリゼさんは一緒にホスキャバへ向かうことになった。リゼさんのブランディング的に連れて行っていいものかと悩みはしたものの、このゲームの世界はあくまでゲームの中で現実の本人とは関係がないみたいなことを言っていた気がするし、大丈夫のはず。それに何より、隣のリゼさんが行く気満々ですし。
「す、すたっふさんがホストを…」
それからしばらくすると竜胆さんが運営している、ホスキャバこと「CLUB HOZUKI」に着いた。
「あ、あの…今日だけ働くことになったものですけど…」
「スタッフさん!よくぞ来てくれたぞ!!」
「それで途中で会ったリゼさんも連れて来ちゃったんですけど、大丈夫ですか?」
「大丈夫じゃよ。スタッフさんにはすごく働いてもらわなくちゃいけないからのう!」
「え、そんなにですか?」
「そんなにじゃ。うちは完全予約制になったのをまずは説明しておくか」
「予約制?」
「うむ、そうじゃないとお客さんがたくさん来てしまってお店が回らなくなってしまってな」
確かにお客をさばくだけのキャストがいないとパンク状態になってしまう。それにホストとキャバクラを同時に行えるような施設はここしかないと聞いたので、人が集まるのは必然と言えば必然なのかもしれない。
「そうですか。それで予約制になったということですね」
「そうじゃ。それでスタッフさんのことを宣伝したら予想以上に予約が来てしまってな、こちらで抽選させてもらった」
「…抽選ですか……」
なんか物珍しいから見たい人がたくさんいるのかな。正直、人と話すことは嫌いではないけど、相手を楽しませるようなトークができるかは分からないんですよね。一応この日のために昨日はコミュニケーション系の本を読み漁った。少しでも来てくれたお客様に満足してもらうには…やれることをやっておきたいと思って。
「うむ!それでは準備をしてくれ。あと数分もすれば最初のお客様が来ることになってる」
「え、そんなに早く来るんですか?」
「すまんのう。なるべくたくさんのお客を入れたいからスタッフさんのスケジュールは分刻みじゃ」
「…そ、そうなんですね」
僕は急いで準備に取り掛かることにした。
そして最初のお客様はオリバー・エバンスさん。
「ご指名頂きありがとうございます」
どのお客様も予約をしてくださった方。しっかりと感謝をしておかないと。
「いえいえ、私もスタッフさんに接待してもらいたかったものですから」
「そう言ってもらえると嬉しいです」
「僕のことはオリバーと呼び捨てで呼んでください。それと敬語もなしで」
「…分かったよ、じゃあ、オリバーって呼ぶよ」
ここでは僕とオリバーさんの関係はライバーさんと裏方というものではなく、お客さんとキャストという関係性だ、お客様がそうしろとおっしゃるんであればそうするのがキャストだ。
「オリバーはどんな仕事をしてるの?」
「色々やりましたね。ブラックなこともかなり増えてきたつもりですよ」
「そうなんだね。僕はそういうことはできないから、オリバーみたいな人は尊敬するよ」
「尊敬すると言われると少しむず痒いかな。私のやっていることはそんな人に誇れるようなことじゃ…」
「いえ、僕はどんなことでも頑張るオリバーは素敵だと思ってるよ」
「そ、そうかな…」
「そうだよ。だからオリバーはもっと自信をもって大丈夫だよ」
「あなたにそう言われてると本当に大丈夫な気がするのが、すごいですね」
「だって大丈夫だから」
その後も他愛のないような話をしていると時間はどんどん進んで行く。
するとあっという間に、予定の時間になってしまう。
「これからもこんな風に話してくださいよ」
「そうはだめ。この喋り方はホストの時だけ。それ以外の時はいつもの僕だよ」
「私はこの喋り方好きだけどな」
「ありがとうございます。気に入ってくれたならこれからも「CLUB HOZUKI」をよろしく。僕は次出れるか分からないけど、オリバーが来てくれるなら頑張って時間を作るようにするからさ」
そしてオリバーさんが帰っていくと僕は次のお客さまの元へと足を運ぶ。
休憩もなく、2人目のお客様が待っていた。
「お待たせしてすいません、椎名さん」
「そうだよ~あたしのことを待たせるなんてこのお店はどうなってるの!」
「すいませんでした」
「じゃあ、お詫びとして私にもエバンスさんにしていたような喋り方で」
「え、聞いていたんですか?」
「そりゃあ、あたしがいつからここに来てたと思っているんよ」
竜胆さんの方に視線を向けると答えてくれた。
「ほぼ開店と同時からここで待っとった。唯華の番はもう少し後だと散々言ったんじゃが、全然聞く耳を持ってくれなくてな」
「そうなんですね。椎名さんのことをそこまでお待たせしてしまったのは本当に申し訳ないです」
「い、いいってあたし別にそんな怒っているわけじゃないしさ。それよりあの喋り方をしてよ」
「…わかったよ。これでいい?」
「うん!」
そして僕は椎名さんのことを席まで案内して席に付くとすぐに椎名さんが「ねぇ、あたしのこと好き?」と聞いてきた。
「大好きだよ、唯華」
ここで求められているのはこの答えだと思う。普段だったら絶対にヤバい発言だけど、このホスキャバの中であれば大丈夫のはずだ。だってホストの役目はお客さんを楽しませることですし。
「……いいなぁ……これいいわ!!!」
「ど、どうしたんだ?」
「スタッフさんに言われる好きやわ。まじでここにずっと出勤してくれない?」
「さ、さすがにそれは難しいかな。僕も一応パン屋を営業しててさ、唯華が暇だったら来てよ」
「いく!!いく!!!絶対にいく!!!」
「あ、ありがとね」
椎名さんの圧に少し押され気味だ。食い気味過ぎてこっちが仕掛けるよりも先に仕掛けて来る。
「あとさ、あたしのこと罵って欲しいんよ!!」
「罵倒…?」
「うん!あたしのことどんどん罵って!!」
「え…さすがにいいの?」
「ええの!あたしが罵って欲しいって言ってるんやから!」
「わかったよ」
僕は椎名さんへ罵り方を必死に頭の中で考えている。なるべくお気に召すように……。こんなことをするのは月ノさんに言われて以来だ。
「唯華、僕はお前が嫌いだよ、クズ!」
「もっと!」
「え…っと……視界に入れるのも嫌なんだよ。さっさと僕の前から消えろ!」
「もっと、もっと!!」
「…クズはさっさとクズに相応しい場所に帰れ!」
「いいね!これはいいわ!!」
なぜか椎名さんは今まで付き合って来た中で一番の笑顔を浮かべていた。それにその笑顔は少し怖くて頬の筋肉が仕事をしていない感じだった。
「僕は唯華のことが好きだよ」
「…もう一度言ってくれたら…シャンパン入れるから言って!」
「唯華のことが世界で一番大好きだ」
「シャンパン何本でも持ってきて!!」
その日だけで椎名さんはどれだけのシャンパンを入れたんだろうか。あとでの会計が少し心配だが、僕はホストとしての仕事を全うすることに全てを捧げることにした。
椎名さんの接待も終わって3人目の方へと移っていく。
「ご来店頂きありがとうございます、天宮さん」
「きたよ~」
「それではお席に案内しますね」
天宮さんのことを先導してお席へと案内して、席に座る。
「天宮さんも僕のことをご指名してくれたんですよね」
「もちろん!」
「それはありがとうございます。ホストになったのは今日が初めてなので至らぬ点もあると思いますが、許してくれると有難いです」
「だいじょうぶ~」
「それよりあまみぁのことはこころって呼んで」
「分かりました、こころと呼ばせてもらいます」
「それとまずはあまみゃのことをなでてみましょう~」
「はい、こころがそう言うのなら」
なるべく優しく天宮さんのことを撫でる。天宮さんの顔を伺いながら力を調節していき、そろそろいいかなと思ったタイミングで撫でるをやめた。
「え~もうやめちゃうんですか~」
「もっとして欲しかったですか?」
「もっとしてほしい~」
「分かりました」
また撫でるのを再開して、さすがにそろそろ飽きたころ合いかなと撫でるのをやめても「まだまだなでて~」というのでそれを約10分以上も繰り返した。
「こころはメカニックで働いているんですよね」
「うん!!がんばってるよ!!」
「偉いですね。もうあと少しですけど、車を買おうと思っているのでその時は相談に乗ってくれたりしますか?」
「任せてよ!あまみゃがスタッフさんに車をプレゼントしてあげる!!」
「い、いや、プレゼントまではしてもらわなくて大丈夫ですよ」
「ううん!あまみゃがプレゼントするの!!!」
「そ、そうですか…」
「そうしたら車を使う時にあまみゃのことを考えてくれるよね!あと最初にドライブに連れて行くのはあまみゃにして」
「…あ、はい。でも無理にプレゼントしてもらわなくても全然大丈夫ですよ」
さすがにライバーさんにそこまで無理をさせる気はないですし。プレゼントとかをしてもらえる分には嬉しいけど、それは本当に適度ぐらいでいい。
「こころってとても素敵な女性ですね」
「そ、そうかなぁ…///」
「素敵ですよ。僕もこころのことが大好き」
「…だ、だいすき!?」
「うん、こころのことが大好き!」
「そ、そっか。あまみゃのことがだいすきなんだ~」
そしてその後も色々なお客さんを接待してその日は終わった。あとで竜胆さんから言われた話だと、売上が尋常じゃなかったらしい。
主人公は誰かと結ばれて欲しいですか?
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結ばれて欲しい
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結ばれないで欲しい