ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話 作:主義
僕は誘拐された。
そして誘拐をした人はとても心配そうに僕のことを見ている。
「すいません、ちょっとの間大人しく従ってくれますか?」
「それは大丈夫ですけど、僕なんかを誘拐しても意味ないですよ」
そんな僕の言葉に対してレオスさんが反論した。
「いや、あなたを誘拐することに大きな意味があるんです」
今度はフレンさんがこの場にいる人たちに対して「私が警察には連絡を入れておきました」と話した。
フレンさんの言葉にレオスさんは少し笑みを浮かべながら話し始めた。
「ってことはそろそろ警察が動き出すようなところですね」
すると今度は葛葉さんが端末を手に取って「俺は電話を掛けるからしばらく話しててくれ」と言い出した。
「わかりました」
僕のことを気遣って狂蘭さんが話し掛けてくれた。
「スタッフはんを巻き込むことになっちゃってほんまにすんません」
「いえ、そこら辺は別に構いませんよ。このゲームをやっている以上はこういうことに巻き込まれるのも覚悟の上ですから」
逆に今まで巻き込まれなかったのが不思議なくらい。
それに僕を誘拐する時もフレンさんが「ちょっと私たちに誘拐されてくれませんか?」という謎の問いから始まった。僕はそこで了承して今の状況になる。
「こんなことを誘拐した人たちに聞くべきなのかは分かりませんが、何か企んでますか?」
そんな質問をすると葛葉さんがいい笑顔を浮かべて後に―――
「もちろん!」
――――――――
「至急、連絡する!スタッフさんが誘拐された。そしてその実行犯はフレン・E・ルスタリオ、レオス・ヴィンセント、狂蘭メロコ、葛葉の四人であり、現在逃走中!」
警察無線にそんな連絡が飛び込んできた。それを聞いた警察の面々は驚きながらも状況の把握を勤めようとするもの、勢いだけで進もうとする者など様々だ。
「え、スタッフさん、誘拐されたん!?」
「西園が絶対にスタッフさんを救い出して見せます!」
「いいむが向かいます!」
「いや、まだ詳しい場所を言ってないだろ。えっと……ここら辺らしいから一番近いのは神田さんとパタちだけど行けそう?」
「俺は行けると思う」
「パタちも迎えるよ」
「じゃあ…「なに言ってるん。ウチはスタッフさんのところに向かうで!」
「石神もスタッフさんの救出に向かいたいです」
「僕も向かいたいです、ローレンさん」
それからも警察無線には自分が行きたいという連絡ばかりが寄せられた。
それに対してローレンは苦悩するような顔を浮かべた後に――――――
「もういいわ。こうなったら警察の威信にかけて、スタッフさんを救出するぞ!全捜査員、スタッフさんの救出に向かえ!!今やっている仕事は放棄しても構わん!俺が許す!」
警察はこの誘拐事件以外のことを見ず、全ての力をこの事件の捜査に費やすことになった。
それから数十分もしないうちに街にもスタッフさんが誘拐されたという話は広がっていった。
―――――――――
ここでは社築と『めんや加賀美』で働いているメンツがスタッフさんの誘拐について話していた。
「スタッフさんが誘拐されたんですか?」
「うん、そうらしいよ」
社がそう答えると葉加瀬は良い笑みを浮かべ始めた。
「まじ?めっちゃ面白そうじゃん!」
「なんで葉加瀬さんはそんな笑顔なんですか?」
「だってスタッフさんが関わってるんでしょ。絶対に大事になって最後は誰も収拾が付けられなくなるのが目に見えているじゃん」
「まぁ…たしかに。あの人が関わると後先のことを考えずに行動する人は多いですからね」
スタッフという人間の好かれ具合は常軌を逸脱していると言ってもいい。そんな人間が誘拐されたとなれば自分の役職を忘れて救出に動く人も出て来るのだ。
「夜見もいく!絶対にいく!!」
「私も絶対に行くよ!」
行きたいと豪語する二人を交互に見つめてから加賀美は話し始めた。
「お二人がそう言うならお店を閉めて向かいますか!」
「いこう!」
「いこう!楽しくなってきた!」
「社さんもどうですか?」
「…そうだな。俺も行くよ。たぶん、今回の祭りの中で一番大きいものになると思うし」
そんな会話が『めんや加賀美』で繰り広げられていた。
――――――――――――
それ以外にもcafe&kitchen DRAKEでもスタッフさんのことで話題は持ち切りだ。
「みんな、スタッフさんが誘拐されたらしいよ」
「え、まじですか?」
「うん。警察内部からの情報だから正しいと思うよ。それにさっきスタッフさんのお店に行ったけど、誰もいなかったし」
「じゃあ、まじでスタッフさんは誘拐されたってことか」
「皆はどうする?」
「俺は行きたいっすね」
「あたしが行かなくちゃいけない!それにそんな面白いこと起こってるのにじっとしてられない」
「山神もいきたいです」
「ボクも面白そうだし行きたい!!」
「じゃあ、総出で行くとしますか!!」
「え、いいんすか、店の方は?」
「まぁ大丈夫でしょ。それにキッチンカーで行けば何か売れるかもしれないし」
――――――――――――
場所を変えてホスキャバこと『CLUB HOZUKI』
今はお店のオーナーのこと竜胆尊と黒服として勤めている三枝明那がそれぞれの端末に掛かってきた電話に出ている。
「え、スタッフさんが誘拐されたじゃと?」
「ふわっちは行く?」
そしてお互いに相手から伝えられた情報に動揺はしているものの、しっかりと冷静に話を聞いている。話し終えたのがほぼ同タイミングで電話を切った。
「尊さんもスタッフさん関連のことですか?」
「じゃあ、明那も?」
「はい、ふわっちからの連絡で『CLUB.3』はスタッフさんの救出に向かうらしいです」
「そうか。まさか最後にこんな大事を起こしてくれるとはな」
「ほんとに最後に大きいことをしましたよね。特にスタッフさんに手を出すと血眼になって追って来るような人たちがいるのに」
「まぁ…葛葉たちもそれが狙いなんじゃないか。本気でスタッフさんを誘拐したというより最後に皆を巻き込んだ『大犯罪』をやったって感じじゃろ。それにこうやって人づてに連絡されて妾たちのところにまで情報が来ているわけだし」
「そうですね、それで尊さんはどうするんですか?」
「スタッフさんは妾の『CLUB HOZUKI』を手伝ってもらった恩があるからのう。もちろん、向かうよ」
「…じゃあ…俺も行きますか。どういう結末になるのか興味ありますし」
『CLUB HOZUKI』の面々とそこに居合わせたお客とホスト、キャバ嬢も行きたい人は向かうことになった。
――――――――――――
今度はメカニック「mec崖越え」での状況。この時点でスタッフさんが誘拐されてから20分が経過している。
「まじで誘拐したん?」
「あ、うん。スタッフさんのところで200万円分のパンを買ったら付いて来る券があるだろ」
「ああ、あるな」
「その券を使って『誘拐させてください』って言ったら誘拐できたわ」
「…本当にあの券があれば何でも従うのかよ」
「それでなんでそれを俺に連絡してきたの?」
「これから大きなことが起こると思うからイブもどうかなって?」
「最後の最後で本当に……まぁ…皆に相談してからだけど、行けそうなら向かうわ。場所を教えて」
「オッケー」
そして葛葉から場所を教えてもらってからイブラヒムは電話を切った。
その後、従業員のことを集めた。
「どうしました、社長」
「なんかスタッフさんが葛葉たちに誘拐されたらしい」
「…情報の信憑性は?」
「ありだな。なにせ本人たちからこのことを聞いてからな」
「そうですか。それで社長はどうしますか?」
「まぁ…行こうかなって。今日でこの世界も終わりだしな。大きなことが起こるならそれはしっかりとこの目に焼き付けておきたいし、面白そうじゃん」
そんな一声でメカニックの面々は向かうのだった。
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その日、最終日はスタッフの誘拐という大きな出来事が起こった。サーバーに入っていた全員がこれに巻き込まれ、最終的に救急隊も混ざったことで混沌として死傷者は数え気ないほどに至った。
主人公は誰かと結ばれて欲しいですか?
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結ばれて欲しい
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結ばれないで欲しい