ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話   作:主義

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空澄セナはスタッフと会う

 

僕の目の前には帽子を目深に被った人が立っている。

 

身長は150cm以上で性別の区別はつかない。

 

 

 

 

 

僕が避けて通ろうとすると移動して通せんぼをしてくる。

 

「僕に何か用ですか?}

 

 

 

 

 

 

「先生、私のことを覚えていませんか?」

 

 

「…先生?」

 

最初はその呼び方にピンとこなかったけど、数秒すればちょっとずつ思い出してきた。その呼び方をしてくるのはとても限られてくる。だってその呼ばれ方をしたのは本当に一定期間だけだから。

 

 

「もしかして、僕が教育実習に行った時に会った生徒さんですか?」

 

そう聞くと帽子を目深に被った人物は首を縦に振った。

 

 

「そうですか。お久し振りです」

 

それにしてもよく僕のことを覚えていたとちょっと感心してしまう。だって僕が居たのは二週間程度だ。それに生徒とはそれなりに関わった方だけど、たった二週間。三年間の二週間だ。すぐに忘れちゃってもおかしくないぐらいの人間。

 

それなのにこの人は僕の顔を覚えていて、話し掛けてきたのだ。

 

 

「本当に先生は私のことを分かりませんか?」

 

 

「ごめんなさい。ちょっと分からないです」

 

顔を見れば少しは思い出せるかもしれない。でも、ここまで帽子を目深に被られちゃったら分からない。

 

 

「先生にとってセナはその程度の存在だったんだね…」

 

 

「セナ?」

 

すると目の前の人物は帽子を取ってくれて、やっと顔が露わになった。

 

 

「…これで少しは思い出してくれますか?」

 

 

「……はい。覚えていますよ。空澄セナさんですよね」

 

 

「よ、よかったぁ…覚えられてなかったらどうしようって不安になったよ」

 

空澄セナさんはよく覚えている人の中の一人。だってあんなことに関わった人を覚えていないはずがない。

 

 

「覚えてますよ。本当にお久しぶりですね」

 

 

「お久しぶりです」

 

 

「今、空澄セナさんは何をやっているんですか?」

 

 

「セナはぶいすぽっ!っていう事務所でバーチャルユーチューバーとして活動してます」

 

 

「え…そ、そうなんですか…」

 

まさか自分と同じようにバーチャル関係のお仕事に就いているとは微塵も考えていなかった。てっきりゲーマーとしてどこかで賞金稼ぎでもしているものだと思っていた。それぐらいに空澄セナさんのゲームセンスは高い。

 

 

「先生はにじさんじでスタッフとして働いているんですよね」

 

 

「…な…いや、そうですよ」

 

なんでと言おうとしてしまったが、月ノさんの配信に声がのってしまったりしたし、空澄セナさんの交友関係にホロライブやにじんさんじのライバーが居ても何もおかしくない。そういう人たちから聞いたのかも。今の時代、どこで誰が繋がっているなんて分からないしね。

 

 

「セナはスタッフさんのこと探していたんだよ」

 

 

「探してた?」

 

 

「うん、だってスタッフさんって教育実習が終わる時に「連絡先、教えてよ!」って言っても全然教えてくれなかったし」

 

さすがに僕は教育実習生として来ているわけなので、生徒と個人的に連絡先を交換するのは道徳的にもダメな気がしたのでずっと断っていた。

 

 

「それで僕のことを探していたんですか?」

 

 

「そうだよ。有名になればいつかスタッフさんのことを見つけることもできるかなって」

 

 

「僕を探していた理由はなんですか?」

 

 

「そんなの…スタッフさんと一緒に居たい以外の理由ってある?」

 

 

「え…そうですか」

 

空澄さんはそれ以外の理由があるかよって顔で僕のことを見て来る。

 

 

「スタッフさんがいま、にじさんじで働いているのは知っているけど。ぶいすぽっ!で働かない?」

 

 

「…スカウト的なものですか?」

 

 

「そうだね、スカウトって考えてくれて大丈夫だよ」

 

 

「僕を誘ってくれるのはとても嬉しいことですが、それをお受けするわけにはいきませんね」

 

 

「どうしてもだめ?」

 

 

「どうしてもだめです」

 

 

「…なんで?」

 

 

「僕は今の会社で働くことが楽しいので。空澄さんが僕のことを誘ってくれていることに関してはとても嬉しいです。こんな自分のことを誘ってくれていることは…」

 

 

「セナはスタッフさんと一緒にお仕事をしたい」

 

 

「…その気持ちは有難いですよ。それに空澄さんのVTuberとして活動しているんであれば、いつか一緒にお仕事をすることもあると思いますし」

 

 

「やだ。セナはずっとスタッフさんとお仕事をしたい!」

 

 

 

 

「それは嬉しいですけど…現実的に難しいんですよ」

 

 

 

「じゃあ、連絡先だけ教えてください」

 

 

「教えないと…だめですか?」

 

 

「なに?セナには連絡先も教えたくないの?」

 

 

「い、いや、そういうわけではないんですけど…」

 

ここで空澄さんに連絡先を教えてしまったら後々面倒なことになってしまう気もするけど、ここで連絡先を教えずに空澄さんが解放してくれるとは思えない。

 

 

「セナは悲しい。スタッフさんがセナのことを嫌ってたなんて…」

 

 

「そ、そんなことないですよ!!わかりました、連絡先を交換しましょうか!」

 

変な誤解をされるのはマズいので、ここは連絡先を交換することにした。

 

 

「これでいいですか?」

 

 

「うん!」

 

どうやら空澄さんの機嫌はしっかりと戻ってくれたみたいで本当によかった。ここで泣かれでもしたら本当にまずかった。

 

 

「セナはスタッフさんと一緒にお仕事をするのは諦めてませんから…」

 

 

「…はい…」

 

最後に捨て台詞のように言って、空澄さんは立ち去ってくれた。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「ぶいすぽっ!には来てくれなかったけど…連絡先はGetできた」

 

さっき貰ったばかりのスタッフさんの連絡先を眺めながら…セナは愉悦に浸っていた。この連絡先はぶいすぽっ!のメンバーが喉が出るぐらいに欲しいもの。

 

 

メンバーの中には…「100万円出すから、連絡先手に入らないかな…」なんて話している人もいたぐらい。

 

 

それぐらいこの連絡先には価値がある。

 

 

 

「これでセナがぶいすぽっ!のメンバーの中では一歩リードってこと!」

 

 

 

 

――――――――――――――

ホロライブにいた頃のお話④

 

 

 

「社員さん、ちょっと両手を出してくれますか?」

 

 

「分かりました」

 

そして僕は沙花叉さんの言う通りに両手を差し出すとなぜか、その瞬間に両手を縛られた。

 

 

「なんで僕は縛られているんですか?」

 

 

「逃げないように…」

 

 

「逃げるようなことをこれからしようとしているんですか?」

 

 

「う~ん。そうかも。そのためにもしっかりと両手を縛っておかないといけないんすよ」

 

 

「解放してくれたりはしませんよね」

 

 

「絶対にしないよ。社員さんのことを沙花叉がちゃんと管理してあげるから」

 

 

「管理?」

 

 

「うん、管理!」

 

そしてそれから数日の間、僕は沙花叉さんに拘束された状態で過ごした

 

 

 

主人公は誰かと結ばれて欲しいですか?

  • 結ばれて欲しい
  • 結ばれないで欲しい
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