ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話   作:主義

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星川サラとスタッフの電話

 

星川はスタッフさんの気が引きたい。どんなに甘えようとしてもいつもあしらわれている感じがする。もちろん、スタッフさんは星川のことをタレントの一人しか見ていないと思う。それはスタッフとしては当たり前。でも星川としては少しぐらいドキドキさせたい。

 

 

 

こんな可愛い女子が抱き着いているのにいつも平気な顔をされるとこっちとしては納得いかない。別に惚れさせたいとかじゃないけど少しぐらいは星川にドキドキして欲しい。

 

 

 

 

それで星川は色々と考えた。どうすればスタッフさんのことをドキドキさせられるのかと。抱き着いても無理だし、スキンシップをしたところで無理。そこで星川は一つの結論に至った。

 

 

『もしかしたらスタッフさんを男の方に興味があるんじゃないか』と。スタッフさんはよく社さんとかとご飯に行ってたりするし。笹木さんとか椎名さんがご飯に誘っても来てくれないと嘆いていた気もするし。

 

 

だったら星川に全く反応してくれていないのも納得がいく。男しか興味がないのなら。

 

 

 

 

それなら星川も男になればドキドキさせられるんじゃないか。でも男になるなんて難しい。そこで星川が思いついたのは『イケボで電話をする』だった。これならスタッフさんをドキドキさせられるんじゃないか。

 

でも一つだけ問題があって。これだとスタッフさんがドキドキさせられたとしてもその時の表情を見ることが出来ない。やっぱり星川としてはその瞬間のスタッフさんの表情が見たいし。それに星川からの電話をって分かってイケボがしても…ドキドキさせられない。

 

 

 

 

というわけで星川は新しいスマホを買うことにした。これで電話してもバレちゃうし。

 

 

 

―――――――――――

 

そして新しい電話を買ってすぐに電話を掛けることにした。

 

電話を掛けると3コールぐらいでスタッフさんは出てくれた。

 

 

「もしもし」

 

電話越しにスタッフさんの声が聞こえて来る。それだけでも星川は幸せ。でも、今回はスタッフさんの声を聞くために電話をしたわけじゃなくてスタッフさんのことをドキドキさせるためにやるんだ。

 

 

「ねぇ、オレのことが誰だか分かる?」

 

星川が精一杯のイケボでスタッフさんに話し掛ける。自分で言うのもなんだけど、かなりうまくできた方だと思う。今までイケボを出すなんてあんまりしない。それなのに今日のためにずっと練習してきた。

 

 

「星川さん、どうしたんですか?」

 

 

「…お、おれはほしかわじゃない!」

 

 

「なにか迷っていることがあるなら後で聞きますよ。僕であれば時間を取ることも出来るので」

 

なんかバレた上に心配されているじゃん。

 

 

「ち、ちがうし…」

 

 

「何か深刻な相談でも大丈夫ですよ。自分に出来る範囲のことは行うつもりなので。僕ではあんまり頼りないかもしれないけど」

「そ、そんなことないよ!スタッフさんは普通に頼りになるし!!」

 

 

「そ、そうですか。そう言ってくださると有難いです」

 

そこで星川は気付いた。あ、普通に答えちゃったと……。

 

 

只でさえ、バレているのに自分もキャラクターを作り切れていなかったという…。

 

 

「なんで…星川だって分かったの?」

 

 

「いや、分かりますよ。僕が星川さんの声をどれだけ聞いていると思っているんですか?」

 

 

「…そんなに聞いてるの?」

 

 

「聞いてますね。星川さんとはお仕事をご一緒することも多いですし」

 

 

「じゃあ、星川の声ってどう思う?」

 

 

「どう思うとは?」

 

 

「なんか…星川の声ってスタッフさんにはどんな風に聞こえているのかなぁって」

 

 

「とてもキレイな声だと思っていますよ。とても星川さんに合っている声だと思いますし、いつも星川さんの声を聞いていると明るくなりますしね」

 

 

「そ、そっかぁ……」

 

ちょっとイメージしていたのとは違うけど、スタッフさんから褒めてもらえた。これはいい。

 

 

「じゃあさ!星川ってスタッフさんにがどんな風に映ってるの?」

 

 

「…可愛い人ですか。あんまり女性に対してこういうことを言うとキモいと思われるかもしれないですけど」

 

 

「ぜんぜんだよ!星川はスタッフさんに褒めてもらえて嬉しいよ!まじで!!」

 

 

「そうですか?」

 

 

「そうだよ!」

 

 

「それならよかったです。男性ライバーさんに対してカッコいいとか言うことは別に抵抗感はないんですが、女性ライバーさんに対して可愛いというのはちょっと抵抗感がありまして」

 

 

「なんで?」

 

 

「それはさっきも言ったようで男性が女性に対して『可愛い』とか言うと変な勘違いをされて拒絶されることもあるって聞きますし。それにちょっと昔に『可愛い』っていって問題になったこともあったので」

 

 

「え、可愛いって言っただけで問題!?」

 

 

「はい。まぁ…このことも遠い昔の記憶ですけど。でも、そんなこともあって女性に対して可愛いということに抵抗感があるんです」

 

 

「…そうなんだぁ…星川はスタッフさんに言ってもらえるのは嬉しいけどね」

 

ご褒美というか……そんなこと言ってもらっていいのかというぐらいだよ。スタッフさんに褒めてもらえるんだったら星川はお金だって惜しまない。まぁ…さすがに無理だろうけど、スタッフさんの全肯定ボイスとかが出たら絶対に買いたい。

 

それにこれは本人があんまり気付いていないみたいだけど、スタッフさんの声って普通にいいんだよね。別にすごく特徴的な声をしているわけじゃないけど、普通にイケボって感じだし。

 

 

 

 

その後も星川はスタッフさんと雑談的なことをした。こんな風にスタッフさんと二人きりで話せる機会なんてないから、知りたいことはほとんど質問した。

 

休日の日は何をしているのか、好きな食べ物はなにか、お気に入りのスポットはあるか、映画を見るんだったらどんなジャンルか、普段何時ぐらいまで会社にいるのかなどなど。この際、知れることはなんでも。

 

本当に幸せな時間だった。

 

 

 

主人公は誰かと結ばれて欲しいですか?

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