ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話   作:主義

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新年会

にじさんじで新年会が行われた。時期的にはもうとっくに年は越しているので…新年会という言葉が正しいのか、ちょっと分からない。

 

 

 

そしてその新年会は会社をあげて行われるのだ。

 

 

社長なども参加したり、ライバーさんやお世話になった方など様々な人がいる。そしてお世話になった人の中には絵師さんも含まれる。

 

 

そう聞いた時からこれは分かっていたこと。

 

 

 

「しぐれ先生、いつもお世話になっています」

 

 

「はい。これからもよろしくお願いします」

 

 

 

「堅苦しい挨拶はこれぐらいで」

 

 

「そうですね。今日は今年の労をねぎらう場所ですからね」

 

しぐれ先生に気を遣わせるようなことはしない方がいい。

 

 

「あなたの隣に座っても良いですか?」

 

 

「い、いや、事前に席は決まっているんじゃないですか?」

 

 

「いえ、そのお席はお断りしました」

 

今回の新年会はホテルで行われることになっていて、それぞれの座るべき場所に関しては事前に決まってる。

 

 

スタッフはスタッフと卓を囲み、ライバーはライバー同士で、絵師さんは絵師さん同士でという感じで。こういうことになったのもあんまりごちゃ混ぜにし過ぎると色々と馴染めなかったり、気まずかったりするのではないかということでこんな感じになっている。

 

 

そういう感じなのでしぐれうい先生は絵師の方々と共に卓を囲むことになったと聞いていた。正直それを聞いて少し安心した自分がいた。先生と話したくないわけではないが、関わらないで済むならそれが一番だ。

 

 

「なぜお断りしたんですか?」

 

 

「だって私はあなたの近くの席が良かったので」

 

 

「そ、そうですか…」

 

 

「あなたの近くじゃないと私は参加しないと言ったらすぐに変えてくれました」

 

それは遠回しに脅しているんじゃ。

 

 

 

 

「そう言えば、あたしはまだ持っているんですよ」

 

 

「なにをですか?」

 

 

「これをです」

 

そう言ってしぐれ先生は自分の携帯を操作し始めて、数秒後に音が漏れて来る。

 

 

『俺がういの彼氏だから手を出すなよ』

 

その声が高校時代の自分であるということはすぐに分かった。何よりもそれがしぐれ先生の携帯の中に残っていることの方が問題だ。

 

 

「そ、その消してくれませんか?」

 

 

「嫌です」

 

 

「…なんでそれが…」

 

 

「あの時、すぐに録音したんです。今になって思えばあの時の私の判断は正しかったってことですね」

 

高校時代の自分はちょっとおかしかったんだ。今の自分を知っている人が昔の自分を知ったら驚くレベルだろう。逆もしかりで。

 

 

「まさか残っているなんて…」

 

 

「今でもこれはよく聞くんですよ」

 

 

「…ま、まじですか?」

 

 

「うん。これを聞くとなんか勇気出るし、キミが側に居るように感じれるからさ」

 

 

「そうなんですね」

 

 

そんな話をしていると新年会はスタートした。僕の席にはしぐれ先生、天宮さん、月ノさん、剣持さん、伏見さんに僕を入れた六人。

 

 

なんでこんなメンバーになったのかは正直分からない。しぐれ先生は直談判でどうにかなったんだと思うけど、他の人たちは全員ライバーだ。まわりを見渡せばライバーはライバーで固まっているし、僕みたいなスタッフはスタッフで集まっている。それなのに僕だけこんなところに。

 

 

そして社長とかお偉いさんの挨拶を終えると幹事が乾杯の音頭を取って新年会が始まる。

 

 

 

 

僕は隣の伏見さんと少し会話をしながら食事を進める。剣持さんの視線はずっと天宮さんの方に。月ノさんと天宮さんとしぐれ先生は仲良さそうに話している。

 

 

「伏見さんってパチンコとかやったりしますか?」

 

 

「パチンコならやったりしますけど、なんでですか?」

 

 

「いや、イブラヒムさんにパチンコを一緒にやらないかと誘われて承諾したんですが、本当に初めてなので何か知っておくべきことがあれば教えて欲しいんです」

 

 

「知っておかなくちゃいけないことか…」

 

 

「あるのあれば最低限は知っておきたいなぁと思いまして…」

 

 

「…特にはないと思いますよ。一つだけ注意するとしたら一万円ぐらいじゃ一時間も遊べないと思うぐらいですかね」

 

 

「え、そうなんですか?」

 

 

「はい、パチンコは知らぬ間にお金が溶けていると思ってしまうほどですから。スタッフさんは大丈夫だと思いますよ。もしものことがあってもイブラヒムさんがある程度はセーブしてくれると思うので」

 

 

「わかりました、しっかりと肝に銘じたまま、パチンコに行って来ます」

 

 

「楽しんできてくださいね」

 

そんな話をしていると急に「俺はういのことが好きだよ」という声が聞こえてきて、頭の中がフリーズしてしまった。

 

 

 

少しフリーズしている間になぜか…しぐれ先生のところがすごく盛り上がっている。

 

 

 

 

 

 

やっと脳が正常に動き出したので恐る恐る、しぐれ先生に問いかけてみることにした。

 

 

「な、なにしてるんですか…?」

 

 

「鑑賞会ですよ」

 

 

「鑑賞会?」

 

 

「これです」

 

そう言うとしぐれ先生は自分の携帯をタップした。そこから漏れ出てきたのは「俺と付き合ってくれるか?」と…。

 

 

 

まじで最悪だと思った…。しぐれ先生の携帯から出ているのは僕の声だ。

 

 

「あの…止めてくれませんか?」

 

 

「だめです。今、鑑賞会しているんですから」

 

 

 

 

 

「これがスタッフさんって本当っすか!?」

 

 

「本当ですよ。彼の高校生の頃です」

 

 

「へぇ…一度聞いただけじゃ分からないですね」

 

 

「あまみゃも驚いた。今のスタッフさんとこんなに違ったんだ~」

 

 

「全然違いますよね。私も久し振りに会った時は話し方に驚きましたよ。驚くぐらいに丁寧になっていたので…」

 

 

 

 

「その声のデータって私に送ってもらってもいいですか!?」

 

 

「あ、あまみゃもほしい!!」

 

 

「いいですよ」

 

 

「し、しぐれ先生…何でもするのでその音声を広げるのだけは勘弁してください」

 

まじでこれ以上広がすのはまずい。完全に黒歴史のようなものなんだから…。

 

 

「え、いいじゃないですか。私はこの時のあなたもとってもカッコいいと思いますよ」

 

 

「そ、そういう話ではなくて…もうそれを貰っていることはいいのでこれ以上広げないでください。この通り、本当にお願いします!」

 

僕は両手を合わせるが、これでもダメなら土下座をする準備もある。これが広がるのだけは本当に阻止しなくてはならない。広がり過ぎるとこれからライバーさんとどんな風に話せばいいのか分からなくなる。

主人公は誰かと結ばれて欲しいですか?

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