ホロライブのスタッフを辞めて、にじさんじのスタッフになるお話   作:主義

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急なこと

 

「はぁ…どうしよ」

 

今の僕は頭を抱えている。この状況をどうにか打破しないと…。

 

 

 

 

 

今日はある番組の収録を行う予定だった。だけど…今になってゲストとして来るはずだった二人が体調不良で出れない事になってしまった。体調不良に関してはどうすることの出来ないし、仕方ない。でも、収録的にも今日を逃すと編集とかのことを考えるとかなり厳しくなる。

 

「今日は他のライバーさんで代用ってことにしますか?」

 

 

「…それが一番ですけど、今から来てくれる人がいますかね。こんな急な話になってくると…」

 

 

「まあ、ダメ元で連絡してみますよ」

 

私は自分の携帯を取り出して…連絡先を知っているライバーさんの中から掛けていくことにする。今、ちょうどお仕事の人もいるだろうし、予定的に会わない人のことを考えるとかなりの時間が掛かるのは目に見えている。

 

 

 

最初に電話を掛けるのは…『社』さん。

 

「もしもし…」

 

 

「もしもし」

 

 

「急に電話を掛けてしまってすいません」

 

 

「いや、こちらは全然大丈夫なんすけど…どうしたんすか?」

 

 

「今って何されてますか?」

 

 

「今は案件配信の打ち合わせをしている感じですかね」

 

 

「え、それって電話を使っていい状況ですか?」

 

 

「大丈夫っすよ。今は休憩時間なんで」

 

 

「あ、そうですか。急な電話に出てくれてありがとうございます!案件配信、頑張ってください!」

 

 

「は、はい…」

 

あんまり時間を掛けるのも悪いので電話を切った。初っ端から交渉するまでもなく、絶対に無理な人を引き当てちゃうとは。

 

 

 

 

 

気を取り直して次の人に電話を掛けることにする。

 

三回ぐらいコールが鳴っても出る気配がないので切ろうとしたタイミングで…出てくれた。

 

 

「もしもし」

 

 

「…も、もしもし…」

 

 

「リゼさんですか?」

 

 

「は、はい!」

 

 

「今って何をされてますか?」

 

 

「今は…実家にいますね」

 

 

「…そっかぁ……」

 

 

「え、なにかマズかったですか!?一応、マネージャーさんに言ってお仕事は受けていなかったと思うんですけど…」

 

 

「いや、こちらのお話で…。急に電話を掛けちゃってすいません」

 

 

「…え、なにか用があったんじゃないですか?」

 

 

「そうなんですが…大丈夫です」

 

 

「…え、ほんとうに大丈夫ですか!?私に出来ることなら手伝いますよ」

 

 

「リゼさんのその気持ちだけで嬉しいですよ」

 

 

「…そうですか…」

 

 

「それでは…またお仕事で一緒になった時はよろしくお願いします!」

 

 

「…はい」

 

そしてすぐに切ったが、本当に僕は運が悪い。掛ける人がことごとく絶対に無理な環境にいるという。でも、今はもうどんどん掛けていくしかないですし。時間のことも考えていると…一刻にでも早く見つめないといけないですしね。

 

 

 

 

 

次に目が付いたのは…笹木さん。この流れだと笹木さんも無理な気がしないでもないけど、掛けないことに始まらないし。

 

電話を掛けるとワンコールで出てくれた。

 

 

「あ、笹木さんですか?」

 

 

「そうやよ~」

 

 

「…あの今って何をされていますか?」

 

 

「いまは…家でのんびりしてるかな」

 

 

「そ、そうですか!」

 

 

「…な、なに…」

 

 

「これから宜しければ事務所に来てくれる…ことは可能でしょうか?」

 

 

「こ、これから!?」

 

 

「はい、今日収録予定のもので二人ほど体調不良が出てしまって。どうしても今日のうちに収録をしたいので代役を探しているのという感じでして…」

 

 

「……そ、そういうことか……」

 

 

「笹木さんのご都合が合わなければ断ってくれても大丈夫なので」

 

 

「そんな事情を聞いたら断りづらいし」

 

 

「…そうですよね。急にこんな話をしてしまってすいません」

 

 

「まあ、ええよ。今日はどっちにしろ予定があった訳やないし」

 

 

「ほ、ほんとにいいですか!?」

 

 

「うん。やけど、一つだけお願いを聞いてくれるっていう状況を飲んでくれたらやけど」

 

 

「条件ですか?」

 

 

「うん、ウチがしっかりと収録をやり遂げたら一つだけウチのお願いを聞いてくれるならね」

 

 

「それぐらいなら…大丈夫ですよ」

 

 

「絶対に忘れんとってな」

 

 

 

そして笹木さんとの電話は切れた。急いでこちらに向かってくれているようなので…一人は確保。あと一人、確保できればどうにかなるかな。

 

 

でも、笹木さんとある程度、相性がいい人を選んだ方がいいかも。二人には協力してやってもらわなくちゃいけないわけだし。急に言われたとしてもある程度、上手くやっていける人という条件も付いているし、かなり難しくなってくるかも。

 

 

 

 

そこら辺を加味して考えると…剣持さんが一番いいかも。急なことであってもどうにかしてくれる感じがするし、笹木さんと二人でもやってくれそうだしね。あとは剣持さんの予定がどうだかというところだけ。

 

僕は剣持さんに電話を掛けてみることにした。

 

「もしもし」

 

 

「もしもし」

 

 

「剣持さんですよね?」

 

 

「そうですけど…どうしたんですか?スタッフさんから電話が掛かって来るなんて珍しいですね」

 

 

「…そうですね。今って何していますか?」

 

 

「今は…ろふまおの撮影の合間ですね」

 

 

「…そ、そうですかぁ…」

 

 

「すいません。なのでスタッフさんの方には行けなさそうです」

 

 

「え、僕って何で剣持さんに電話を掛けたのか話しましたっけ?」

 

 

「僕の予想としては収録で来れなくなった人がいて、代役候補として電話を掛けてきたって感じですかね」

 

 

「…え、えすぱー?」

 

 

「僕にそんな力はありませんよ。ただ、あくまで予想を口にしただけですよ」

 

 

「…え、凄すぎますよ」

 

 

「そんなことないですよ」

 

 

 

 

それからちょっと話してすぐに電話を切った。さすがに撮影の合間にそんな長電話はまずいですしね。それにしても剣持さんもダメとなるといよいよどうしようかな。急にこんなことをお願いするのは難しいと分かっていた事ですし。

 

あと、いけそうな人で笹木さんとの相性がいい人はと…調べていると僕は適任の人を見つけた。なんでこの人を忘れていたんだろうか。

 

 

 

 

その人は椎名唯華さん。彼女であれば笹木さんとの相性も抜群ですし、経験値もかなりありますし。急なことであってもどうにかしてくれるだろうという安心感がある。

 

なので僕は椎名さんに電話を掛けてみることにした。

 

六回目ぐらいのコールで椎名さんは出てくれた。正直もう無理かなぁと思っていたところだった。

 

 

「もしもし」

 

 

「もしもし」

 

 

「そうだぁよ…」

 

 

「眠そうですね」

 

 

「いま、おきた」

 

 

「それはすいません」

 

 

「別にええで。どうせそろそろ起きなきゃいけへんかったし」

 

 

「それは良かったです」

 

 

「ほんでスタッフさんが電話を掛けて来るなんて珍しいね」

 

 

「はい、色々とありまして」

 

 

「なにかあったん?」

 

 

「無理だったら全然断って頂いて構わないんですが」

 

 

「うん」

 

 

「ちょっと今日収録予定だったものが出来なくなってしまいまして、その代役のライバーさんを探しているんです」

 

 

「そういうことね」

 

 

「それで椎名さんに電話を掛けたということで。どうでしょうか?」

 

 

「あたしは行ってもええで」

 

 

「ほ、ほんとうですか?」

 

 

「ここで嘘を言うほどあたしは悪い性格やないって」

 

 

「良かったです。では、笹木さんと椎名さんにお願いしますね」

 

 

「え、笹木は行くって言うたん?」

 

 

「はい、ちょっと一つお願いごとを聞いてくれれば来てくれると言ってくださいました」

 

 

「やっぱりね、じゃあ、あたしも一つだけお願い事を聞いて」

 

 

「はい、分かりましたけど、ほんとうに椎名さんは予定とか大丈夫なんですか?」

 

 

「大丈夫、大丈夫。あたしが大丈夫って言うてんやから」

 

 

 

 

そしてその後すぐに切った。どうやら椎名さんも急いでこっちに向かってくれるという話だった。これで代役の二人がやっと確保できた。

 

どうにか無事に収録は出来た。

 

 

 

 

――――――――――――――

 

 

三人組で街中を歩いている。その三人とは大空スバル、紫咲シオン、百鬼あやめ。

 

「やっぱりスバル行ってこようかな」

 

 

「どうやって?」

 

 

「普通に」

 

 

「いや、通してくれないでしょ」

 

 

「スバルはちょっと脳筋なところがあるのは今に始まったことじゃない余」

 

周りからは美少女三人ということだけ視線を浴びているが、本人たちはまるで気にしていないようだった。

 

 

「でも、にじさんじにいることは分かってるんだよ。社員さんがいるところが分かっているなら突撃意外にないっス!!」

 

 

「だからそれだともう一生、コラボとかの面でも難しくなっちゃう余」

 

大空スバルのやり方だと多くの遺恨を残す結果になるかもしれない。

 

 

「シオンは事務所の前で張り込むとか刑事っぽくていいかも」

 

 

「シオンちゃんが名案を出すなんて…ありえない余」

 

 

「それはシオンのことをバカにしてる!?」

 

 

「いや、してないよ。ただシオンちゃんが良い案を出したなぁって思っただけ」

 

 

「え~スバルはやっぱり突撃がいいと思うっス!!」

 

 

三人はどうやってにじさんじにいる社員さんと会うのかという議論を街中を歩きながら続けるのであった。

 

 




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