別れ   作:主義

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『一途な愛』


不知火フレア編

別れが来るのは分かっていたこと。いつかはこの日が来る。だってハーフエルフと人間の寿命の長さは全然違う。ハーフエルフは人間の三倍以上の寿命。出会った瞬間からこの日が来るのは決まっていたこと。

 

 

絶対に泣かないって決めてたのに…いざ、その日になったら……涙を抑えられない。口ではいつも通りにしようと頑張っても…心がもう…。

 

 

「本当にありがとう、フレアさん」

 

 

「……っ……な、なぁんで…」

 

 

「僕はフレアさんのお陰で今まで幸せに生きてこれたので。少しでもフレアさんとの時間を過ごせたことが僕の宝物です」

 

 

「…………」

 

なんでキミはいつものように…喋りかけて来るの。もし、キミが「死ぬのが怖い」とか「離れたくない」とか言ってくれたらまだ私も泣かずに済んだかもしれない。

 

でも、キミのいつも通りが……私には効く。毎日がとっても楽しくて、一日一日が本当に印象的。今までやれなかったこともキミと一緒だったらと思って色々とやった。人間のことは嫌いだったけど、キミのことはとっても好きだった。私が初めて信用して、好きになって、一緒に生きたいと思ったのはキミだけ。

 

 

「僕は本当にフレアさんに出会えてよかったと思っているんですよ」

 

 

「………」

 

 

「確かにお別れは悲しいですけど…それ以上にたくさんの幸せを貰いましたから。だから旅立っても全然寂しくないですよ」

 

私が涙を必死に抑えようとしても全然抑えられない。それでも私は頑張って言葉を紡いで伝える。

 

 

「……わ、わたしも…きみといっしょで…よ、よかった」

 

ここまで私の生活を彩ってくれたのはキミだから。キミが来るまでは同族もいないし、人間は嫌い。一人でずっと生きてきた。

 

そんな私に話し掛けてくれたのがキミだった。最初はちょっと警戒したし、信用もしていなかった。それなのにキミはいつも私に会いに来てくれて少しずつで閉ざしていた心を開いていった。キミの目的が私に会うことじゃないのは分かっていたけど、それでもとっても嬉しかったんだよ。

 

 

そして…私はキミに恋した。初めての経験でさすがに自分でも…この気持ちの正体を知るまで時間が掛かった。一世一代の勇気を振り絞って…告白をして……受けて入れてくれた。あの時の喜びは今でも忘れることは出来ないかな。

 

「フレアさん」

 

 

「なぁに…ぃ」

 

 

「大好きです。今でもこの気持ちが変わる事はないです。でも、僕はフレアさんの幸せを願っています。フレアさんはとっても優しい人なので僕が居なくなった後も僕を引きずってしまうことがないかが心配です。なので新しい人を見つけてしっかりと幸せになってください。それが僕の願いです」

 

 

「そ、そんなの無理だよ!私はキミのことが一番好きだもん!今からどんな出会いがあってもキミ以上の人は現れない!そう断言できちゃう…」

 

 

「…僕以上に良い人なんていると思いますけど…そんなことを言ってもフレアさんはすぐに反論してきそうですね。でも…やっぱり……大好きです」

 

 

その言葉を残して…キミは息を引き取った。本当に安らかな表情で眠りに付いている。

 

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

数年後

 

 

 

ある森で…ハーフエルフが目撃された。そのハーフエルフは綺麗な金色の髪だったという。でも、一つだけ奇妙なところがあったという。

 

そのハーフエルフは…ずっと…人の頭の白骨化したものを肌に離さず持っていたらしい。

 

 




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