外伝はオリジナルよりも過去のお話です。
なのでまずはオリジナルを読んだ後に戻って来てもらえた方がいいと思います。一応、どっちから見ても大丈夫な感じの作りになっているとは思いますが……。
あと、AZKiさんの表記をアズキにしています。
『夢を一緒に』
AZKi編
キミは熱を出した。
たぶん、最近頑張り過ぎていたんだと思う。帰って来る日も遅かったし、食欲もあんまりなかったのでさすがにアズキも心配になっていった。
「今日はごめんなさい」
「ううん。いいんだよ」
「でも、自分の所為でアズキさんが急にお仕事を断ることになっちゃいましたし」
「そんなこと気にしなくていいんだよ。アズキはキミの彼女なんだからさ。こういう時ぐらいはちゃんと甘えてよ」
こんなことを言ったらだめだけど、アズキは嬉しい。今までキミはアズキのことをたくさん助けてくれた。それなのにアズキはまだキミに返せていない。
「だけど、アズキさんもこれから自分のことで忙しい時期だって言ってたじゃないですか」
「それはそうだよ。それでもアズキはキミが元気じゃなくちゃいやなの。キミにはずっと元気でアズキのことを見守って欲しいし、支えて欲しいと思ってる」
アズキの夢はアズキ一人で叶えても意味がない。その隣にキミが居てくれないと意味がないんだ。キミと叶えてこそ、意味のある夢なんだから。
「だから今日はアズキに甘えてよ…」
「…わかりました。ありがとうございまず、アズキさん」
それからまずは家事のことをしたり、キミのお世話をしたり、お薬を買ってきたりとやることはたくさんあった。そしてそれらのことが一通り、終わるとキミが可愛い寝息を立てている部屋で様子をみる。
「ほんとに…かわいい」
キミはあんまり可愛いとか言われるのが好きじゃないみたいだけど。たぶん、男の子だから『カッコいい』とか言ってもらえた方が嬉しいんだと思う。でも、アズキから見たらキミは可愛い。もちろん頼れるところやアズキのことを簡単にお姫様抱っこ出来ちゃうところとか、男の子らしいところはたくさんあるけどね。
「しっかりと治してね。そしたらまた一緒に夢に向かって頑張っていこうね」
いつかアズキとキミの夢が叶う時が来たら…その時はアズキからキミにプロポーズするんだ。アズキが夢を諦めずに頑張って来れているのはキミが支えてくれているからだ。
だからその夢が叶った時には自分の気持ちを正直に伝えたい。その答えがもし、否定的なものだったとしてもいいの。それでも自分の想いをキミに受け取って欲しい。
それからアズキはキミのお世話をし続けた。
誰かのことを支えるのが久し振りのことで少し不安なこともあったけど、どうにかキミのことを支えられていて少し安心した。
そして次はキミの洋服を着替えさせないといけない。もう服は汗で濡れているだろうし、寝る時は新しい服に。
「ほら、脱いでよ」
「じ、じぶんでできますよ」
「だめだよ。恥ずかしがってないでアズキにキミの体を見せてよ」
「…へんたいですか…?」
「変態じゃないよ!アズキはただキミの汗を拭いた方が良いと思っているから言っているだけで、決してキミの体に触れたいとか匂いを嗅ぎたいとか思っているわけじゃない」
「……ほんとに変態だったりしますか?」
「アズキは変態じゃないって!!」
「ほんとうですか?」
「本当だよ。ほら汗を早く拭いておかないと風邪引いちゃうかもしれないからさ」
「そうですね、アズキさんお願いします」
そう言うとキミは上半身の服を脱いでくれた。アズキとキミの関係性でも上半身が裸の姿を見たことはない。だからちょっとだけ…興奮した。
キミの体はとっても引き締まっていて触りたいと思っちゃうほど。
アズキはキミの汗をタオルでふき取った後に背中から抱きしめてしまった。
「あ、あずきさん?」
「ちょっとだけごめん。あんまりこうしてちゃダメなのは分かっているけど、ちょっとだけ許して」
「…分かりました。アズキさんの気が済むまで」
「ありがとう」
キミの肌の熱が直にアズキに伝わって来る。その感じはとても気持ち良い。だってこの瞬間はアズキとキミが繋がっているように感じるんだ。
「アズキはキミのためだったらどんなことでも出来るからね」
これからも色々と大変なことがあるかもしれないけど、キミと一緒だったら乗り越えていける気がする。
そしてその後はしっかりと離れて、アズキはキミの看病に専念することにした。