秘書艦 瑞鶴の日常   作:一枝光真

2 / 34
妖精さんかわいいですよね

天山妖精さんのラーメン食べたいです


2日目:工廠と妖精さん

「そうだ、工廠に行こう!」

 

提督は突然立ち上がって叫んだ。

 

「提督さん突然どうしたの?今日の任務分の開発はもう終わったよ。忘れたの?」

 

「いや、なんか突然妖精さんに会いたい気分になって」

 

瑞鶴は提督をじとっとした目で見ている。

 

「どうしたんだ、瑞鶴。そんな目で見ないでくれよ」

 

「うん、別に何でもないよ、何でも…」

 

「いや絶対なんでもあるだろ、どうしたんだ!?」

 

「ううん、別に提督さんがどんな性癖を持っていたとしても瑞鶴は気にしないから…」

 

瑞鶴の顔色がどんどん暗くなっていった。

 

「いや、ホントどうしたの⁉ついでに弁明しておくと俺は妖精さん可愛いとは思っているけど恋愛対象としては見ていないぞ!」

 

「な~んだ、ビックリした。てっきり提督さんは妖精さんが好きで好きで仕方ないのかと思って」

 

誤解にも程がある!

 

「あ、ああ、誤解が解けてよかったよ、うん」

 

「じゃあ工廠に行こっか」

 

瑞鶴は機嫌が治ったのか笑って提督を置いて駆け出して行った。

 

~工廠~

 

「こんにちは」

 

提督と瑞鶴が姿を現すと妖精たちがわらわらと集まってきた。

 

「提督、こんにちは」

 

妖精が口々に挨拶してくる中、大きな声が工廠中に響き渡った。

 

「コラお前たち、さぼってんじゃない!」

 

「あ、工廠長こんにちは」

 

「ああ、誰かと思えば提督か。急にどうしたんじゃ」

 

工廠長は大ベテランの妖精さんで最近は髭を伸ばすことにハマっているらしい。正直あまり威厳がない気がする。

 

「いえ、急に妖精さんの仕事をみたくなってですね」

 

「そうかい、でも任務分の開発と建造は終わってしまったから特にやることはないけどなあ」

 

「そうですか…あっじゃあ瑞鶴ちょっと開発してきてよ」

 

「え!?ま、まあ提督さんの命令ならいいけどさ…」

 

「?」

 

提督と工廠長は揃って首を傾げた。

 

「じゃあ何を狙うの?」

 

「そうだなあじゃあ戦闘機を頼む」

 

「分かった」

 

開発の工程は至って簡単だ。まず艦娘が燃料、弾薬、鋼材、ボーキサイトをどれだけ投入するかを決める。その後妖精さんが開発資材と一緒に何かよくしくみが分からない大きな装置に入れる。1分待ったら開発完了だ。ただし何ができるかは分量によってある程度調整できるかが出来てみないと分からない。たまにペンギンができたりするが何故できるかは不明だ。

 

ガタガタ、装置が音を立て始めた。コロコロと完成品が出てきた。

 

「お、おいこれって…」

 

「え、何ができたの、提督さん?」

 

「どれどれ見せてみんかってえええ」

 

工廠長は完成品を見て思わず飛び上がった。

 

「こ、これは震電だ…」

 

提督がそういうと工廠全体が静まった。全ての視線が提督に集まった。正確には提督が持っている機体に。

 

「震電…開発で出来た例は未だにないはずじゃ」

 

工廠長は未だにショックから抜け出せていないようだ、なんか後ずさってる。

 

「こ、これはすごいことなの、提督さん?」

 

「あ、ああ、よくやってくれた瑞鶴」

 

「提督よ、これは大発見だ。レシピを大本営に送れば報奨金も出るじゃろう」

 

*大本営…数多ある鎮守府を束ねるところ。横須賀鎮守府の隣にある

 

「え、本当ですか、それ。…よし、今すぐ大本営に電文を打つことにします。瑞鶴!」

 

「は、はいっ!?」

 

瑞鶴は飛び上がって驚いた。

 

「お前はここでもうちょっと開発して同じ機体ができないかどうか試してみてくれ」

 

「う、うん!」

 

「瑞鶴、ご褒美にあとで間宮さんのスイーツを1つ奢るよ」

 

それを聞いて瑞鶴の目が光ったような気がしたが提督は見なかったことにした。

 

「えっ、ホント提督さん?瑞鶴頑張る!」

 

「おう、頑張ってくれ!じゃあ行ってくる」

 

提督はそういうとやる気に満ち溢れた瑞鶴を残し通信室に走って行った。

 

~1時間後~

 

「す、すごいな。結局震電12機烈風20機紫電改二10機失敗18回。ものすごい戦力拡充だ…」

 

「ほ、ほんと!?じゃあ頑張ったかいがあったなあ」

 

工廠の出入り口近くで瑞鶴をほめていたら工廠長が来た。

 

「それで提督よ、大本営は何と?」

 

工廠長もやはり気になっていたのだろう、少ししつこく聞いてくる。

 

「ええ、少し審査に時間がかかるそうです」

 

「そうか、まあにわかには信じがたい話じゃからのう」

 

「まあきっと認めてもらえますよ。よし瑞鶴、間宮さんの所に行こうか」

 

「うん!なに奢ってもらおうかな~」

 

工廠長を残して二人は間宮のもとへ向かった。

 

~1週間後~

 

「お、大本営から電文だ。なになに、あなたが送ってきたレシピでの震電の開発は成功しませんでした。よって虚偽報告に対する罰として3か月の間給料を30%減らす…そんなああああ」

 

急にガクリときた提督に瑞鶴が話しかけてきた。

 

「ど、どうしたの提督さん?」

 

「あ、ああ、瑞鶴か。この前のな、大本営では再現できなかったらしい。それで減給だってよ…」

 

「そんな…あ、私がこの前奢ってもらった山脈パフェの代金返そうか?」

 

「い、いやいいよ瑞鶴。戦力拡充はできたしそのお礼と思えば…」

 

瑞鶴は気を遣ってくれてるようだが一度奢ったものだ。いまさら返せというのは性に合わない。諦めよう。

 

*山脈パフェ…間宮さん特製のパフェ。注文者の艦種によって量と値段が変化する。正規空母用約3万円

 

提督の財布の残額1200円  給料日まであと2週間




一話目よりよくなってるといいですけど…

よろしければ感想もお願いします
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。