目覚めると提督は執務室のベッドで寝ていた。
壁に掛けている時計を見ると時刻はすでに1930。ざっと5時間ほど意識を失っていたことになる。
執務室から出るとそこには瑞鶴と龍鳳がいた。
しかも二人とも言い争っていて提督が出てきたことにすら気づかない。
「…だから何度も言ってるけど提督さんの面倒は秘書艦の私が見ておくの!」
「こちらも何度も言っている通りいきなり爆撃するような人に提督は任せられません!」
口喧嘩で収まっているのが不思議なくらいに二人は白熱していた。
このままではいつ終わるか分かったものじゃないと思い提督は二人の間に入った。
「お前らはいきなり何をやっているんだ」
「だって…」
龍鳳はうなだれているが瑞鶴は特に反省していないようだ。
「まあとりあえず話を聞かせてもらおうか」
~10分後~
「…そういうわけなんですよ」
「ああ、よく分かった。説明ありがとう」
二人は特に責任を擦り付け合わず自分の非を認めた。
そんな二人をみて提督は特に処分は下さないと告げた。
「そんなことで言い争うんだったらいっそのこと秘書艦は二人でするか?」
「え?二人で?」
「ああ、例えば月、火、水曜日を瑞鶴がしたら木、金、土曜日は龍鳳がするとか」
「提督、それはいいアイデアですね。というわけで瑞鶴さん、三日ごとに秘書艦を交代することにしましょうか」
「…仕方ないわね。じゃあ私が木、金、土に入らせてもらうわ」
「ええ、いいですよ。って今日水曜日じゃないですか!それはズルいんじゃ…」
龍鳳は最後まで言葉をつづけることができなかった。
「いいよね?」
瑞鶴が笑顔でプレッシャーをかけてくる。
「は、はいい」
龍鳳は了承した、いやさせられた。
「じゃあこの件も片付いたところで飯でも食べにいくか?」
「うん!」
二人とも了承してくれた。
まだ鳳翔の店は開店していなかったので提督たち三人は食堂に向かうことになった。
提督がカレー、瑞鶴がハンバーグ、龍鳳が鮭の塩焼きを頼んだ。
注文を受けて五分後提督たちは料理を受け取った。
間宮さん、速すぎるだろとか提督は考えていた。
周りから心配そうな視線を受けながら提督たちはテーブルに座った。
瑞鶴は提督の向かいに座った。
しかし龍鳳が提督の隣に座るのを見て瑞鶴も提督のとなりに移動した。
提督は何か起きてしまうんじゃないかと心配するあまり食事に集中できなかった。
翌日、間宮と鳳翔は龍鳳の歓迎会のためにとても忙しくしていた。
昼に食堂に行くとおにぎりが乗せられた大皿があり
「勝手に食べてください。ただし赤城さんは5個までです」
と書いてあった。ついでに赤城への注意文は赤字でとても大きく書かれていた。
それで赤城は死にそうな感じで歩き回っていたのかとか考えながら提督はいくつか食べて瑞鶴と共に午後の執務に向かった。
そして1800から龍鳳の歓迎会が食堂で行われた。
立食形式で間宮と鳳翔が作った料理が所狭しと並べられていた。
ついでに赤城への警告文がしっかりと貼ってあった。
まずは一言龍鳳が挨拶した。
「初めまして、龍鳳です。お役に立てるよう頑張ります」
食堂全体から拍手が聞こえてきた。
続いて提督がマイクを手にした。
「さて龍鳳の配属について説明させてもらう。龍鳳は当面の間第三艦隊旗艦を務めてもらう」
第三艦隊と聞き龍鳳は少しがっかりしたような表情を見せた。
「龍鳳、言っておくがうちは実力順で艦隊を組んではいない。第三艦隊はサブで主力じゃないんだという偏見は持たないように」
「はい!」
龍鳳の顔は少し明るくなったような気がした。
30分後、龍鳳はすっかり周りになじんでいた。
昨日の件があり提督は少し心配していたが(主に瑞鶴とのけんかを)無用だったようだ。
さらに一時間後、うかつにも酒をだしてしまい酔っ払いどもが暴れだしたせいで歓迎会は慌ただしくお開きとなった。
先日、コメントつきで評価を頂きとても励みになりました。
感想を言っていただけると大変うれしいです。
さて、次の話は戦闘描写が入ります。
次の章は戦闘描写入らないとか言ってたのにな…。
まあしょうがないですね。
*29話投稿後しばらくは以前の投稿を見直したいので30話以降はしばらく投稿しません