「どうしたものだろうか・・・」
会議室では神妙な顔つきで少将たちが今後の策を練っていた。
新任提督希望者は今回の事案で大幅に減りそのために各泊地の再建もままならない。
今回生き残ったのはベテランばかりで新人は1時間ともたず消えていった。
このことも新人が来ない要因になっていた。
生き残った提督の中にもPTSDを発症する者が多く戦線を離れていった。
「このままでは本土の鎮守府すら元通りにならんぞ・・・」
ただでさえ暗い雰囲気だった会議室の空気はさらに悪くなった。
とりあえず休みにしようと言い少将は提督の車イスを押し海岸近くまで出た。
「なあ、これからここはどうなるんだろうな」
返ってこないとは分かっていてもやはり話しかけてしまう。
しばらく海を見つめてから少将は会議室に戻ることにした。
車イスの向きを変えた時、声が聞こえた。
「・・・提督?」
少将が視線を上げるとそこには赤城がいた。
少将は気づいた。
この赤城は提督のところにいた赤城だ。
赤城は事案の2か月前に提督の鎮守府から大本営直属の警備隊に移籍していた。
当然提督が廃人状態であることを知らない。
どうしたものかと少将が考えている間どうやら赤城はずっと提督に話しかけていたようだ。
反応がないことを不思議に思った赤城は少将を見た。
「少将、提督・・・いえ大佐はどうしたのでしょうか?」
話していいものだろうかと少将は心の中で葛藤していた。
これで赤城がショックを受けて警備任務に支障が出ては困る。
しかし提督の指揮下にいたことがいる赤城は自分が教えなくても自分で連絡を取り何があったか聞き出すだろう。
それなら、と思い少将は自分の口から話すことに決めた。
「実はな、赤城。提督はもう・・・」
「・・・」
少将の話を聞いた赤城は言葉を発せなかった。
あの高練度の第一艦隊が一撃で壊滅?そのショックで提督は廃人状態?
赤城はまったく頭の中を整理できなかった。
あまりにもショックな知らせだった。
艦娘には感情抑制装置があるために発狂したりすることはない。
しかし本当に発狂してしまうのではないかと赤城をみて少将はそう感じた。
「瑞鶴・・・あなたの仇は必ず取ります。そして提督を・・・」
10分してようやく赤城が口を開いた。
赤城のその表情には鬼気迫るものがあった。
「少将、私を警備隊から外していただけませんか?」
少将はその質問を予想していたので特に驚きはなかった。
「警備隊を外れたところでどうするんだ」
「あのレ級を沈めにいきます」
「やめておけ、無駄死にするだけだ。大体あの個体はいまどこにいるのかすら分かっていないんだ。どうしても行きたいならあの個体を見つけた時に大討伐隊を編成するからその時に改めて志願しろ」
「・・・」
赤城は少将の意見を考えているようだった。
その間にちらりと腕時計を見ると休憩は終わっていた。もう会議が始まっているだろう。
「赤城、私は今からまた会議があるから行かなければならない。答えはまたあとで聞かせてもらうよ。ああ、そうだ。2日ほど提督のこと見ていてくれないか?」
「え・・・私が?」
「ああ、3日後に提督はトラックに戻るからそれまで世話しないといけないが私は会議がかなり入っていてな・・・。なかなかそんな時間が取れないんだよ」
赤城はすぐに答えた。
「分かりました。私が提督の世話をします。3日後に港に行けばいいんですね?」
「ああ、そこで向こうの艦娘に引き渡すんだ。じゃあ私は会議に戻るよ」
少将は少し早足で会議室へと戻って行った。
残された赤城も提督の車イスを押してその場を去って行った。
また短くてすいません・・・
次の更新はおそらく年明けとなります