ミオ(以下ミ)「そう言えばシーラ、ダーマでノールさんと話してたとき、『ワーグナー』って言ってなかった?」
シーラ(以下シ)「あー、そうだね。ノールは息子が一人いるんだけど、その子がワーグナーって言うの。あたしと同じ、僧侶の修行をしてたんだよ」
ミ「へえ、そうなんだ。じゃああのとき、その人には会ったの?」
シ「ううん。だってもうダーマにはいないから。たしか何年か前に、修行のために他の神殿に行ったはずだよ」
ミ「他の神殿……?」
シ「そう。ええとね、うろ覚えだけど、なんかのへそってところが近くにある場所だよ」
ミ「……もしかしてそこって、ランシールにある『地球のへそ』?」
シ「えっ、ミオちん、何で知ってんの!?」
ミ「知ってるも何も、私たちそこで修行してきたんだよ。そこでワーグナーさんにも会ってきたよ」
シ「ホントに!? 元気だった?」
ミ「あー、うん。すごく親切にしてもらったよ。それに、すごく王子様みたいな人だった」
シ「ああ、外見だけは超イケメンだからね、ワーグナーは」
ミ「でも、普段は『へそにゃん』って言うマスコットキャラに扮して町興しに貢献してるみたい」
シ「……」
ミ「どうしたの、シーラ?急にテンション下がってるけど!?」
シ「あ、うん……。ワーグナーってば、相変わらず残念なイケメンだなあって」
ミ「どういうこと? ダーマでも着ぐるみ着てたの?」
シ「何て言うか……。そう言う役回りをするのが得意なんだよね、昔から」
ミ「昔から?」
シ「そう。ワーグナーって、修行中いっつもお腹痛いとか言って、しょっちゅうトイレに行ってたし」
ミ「ああ、そう言う人っているよね」
シ「僧侶の呪文の試験の時だって、本番に弱いのか緊張してミス連発するし。他の修行僧によくパシリにされてたし」
ミ「それは……」
シ「ああ見えて、字も汚いし、運動音痴だし、鈍感だし」
ミ「……」
シ「でも、ワーグナーのおかげで、人は外見で判断しちゃいけないって学べたからね、彼には感謝してるんだ☆」
ミ「いや……感謝するポイントが大分ずれてる気がするんだけど……」
シ「まあまあ、ミオちんも長い間一緒にいればわかるよ。ワーグナーの中身がいかにポンコツか」
ミ「それはちょっと言いすぎじゃない!?」
その頃ランシールでは、へそにゃんがくしゃみを連発していた。
「なんだろう……。誰かがボクの噂をしてる気がする……」
おしまい
おそらく今後本編では言及しなそうな小ネタ。
実はシーラの初恋相手はへそにゃんもといワーグナー。
僧侶の修行時代に一目惚れしましたが、その後ワーグナーのポンコツぶりを見てあっという間に彼に対する好感度が下がりました。
それ以来シーラはどんなイケメンでも中身が伴わなきゃ惚れない体質になりました。
これで第2部終わりです。
次からは第3部本編始まります。