ジョナス(以下ジ)「ミオ、もう寝たか?」
ユウリ(以下ユ)「ああ。今日は見張りをしないと自分で言ってたからな。テントに入ったらすぐに寝たぞ」
ルカ(以下ル)「アネキの奴、一度怒るとしばらく根に持つタイプなんですよね」
ユ「普段怒らない奴がそうなると手がつけられないってのは本当みたいだな」
ジ「ミオ、どうしてあんなに怒ってる? 精霊と出会った人間、私初めて見た。精霊に気に入られた、それとてもすごいこと」
ル「いや、ジョナスさん。アネキにとってそれは重要じゃあないんです。おれたちや精霊に、食い意地の張った奴だって見られたことが嫌だったんですよ。まあ、笑ったおれたちも悪いんですけど」
ユ「それは仕方ないだろ、ルカ。あいつがあのタイミングで腹を鳴らすのが悪い」
ジ「それ、ミオすごいと思った。奇跡近いタイミング。感動した」
ル「ジョナスさん。それ真顔でアネキに言ったらさらに怒ると思いますよ」
ジ「なぜ? 私ミオを尊敬してる」
ユ「むしろそんなことを言ったらバカにされてると思われるぞ」
ジ「そうなのか? ……うーん、女性の心、複雑」
ル「……えーと、ジョナスさんはちょっと、女心を勉強したほうがいいと思います」
ジ「オンナゴコロ?」
ル「おれ、ジョナスさんちでテスラちゃんの相手をしていたとき、アネキとジョナスさんの奥さんの会話を聞いてたんですよ。そしたら奥さん、ずっとジョナスさんの愚痴ばかり言ってました」
ジ「!? メイリ、何言ってた!?」
ル「テスラを産んでから、家にいることが少なくなった。もしかしたら私との生活が嫌で、逃げてるんじゃないか。大雑把に言うとそんな感じですかね」
ジ「違う!! メイリもテスラも愛してる!! 今、里に私より強い戦士いない。里を守るため、外に出てる。だから家にいられない。それだけ!!」
ユ「だったら二人に直接そう伝えればいいだろ。今まで言わなかったから、相手も蔑ろにされてると思ってるんじゃないのか?」
ル「ユウリさんの言うとおりですよ。それだけストレートに愛情表現出来るんなら、簡単じゃないですか」
ジ「……ユウリたちの言うとおり、かもしれない。次、メイリにちゃんと伝える。でも私、毎日メイリに『愛してる』伝えてる。それに、私が他の女といるとき、メイリとても怒る。少しでも帰り遅い、すぐ怒る」
ル「……典型的なヤキモチ焼きですね、奥さんは」
ユ「今の話を聞いてると、ジョナスに否があるとは思えんな」
ル「そうですね……。むしろ奥さんのほうが色々と直してほしいところがありそうですが」
ジ「メイリに直すところ、何もない!! メイリは世界一可愛い、完璧な妻!!」
ル「えっ、あ、ごめんなさい」
ユ「ジョナス。興奮してルカに当たるな」
ジ「す、すまないルカ……。メイリのこと言われる、自分でも止まらなくなる」
ル「いえ、ジョナスさんがいいのなら別にいいんですけど……」
ユ「お前が家族を大事にしてることはわかった。それにジョナスは、案外女心をわかってると思う」
ル「そうですね。なんか余計なことを言ってしまってすいません」
ジ「ルカ、悪くない。ルカが教えてくれた、そのおかげでメイリの気持ち、少しわかった」
ル「ジョナスさんて……、すごくいい人ですよね」
ジ「ルカも、いい奴。テスラ、ルカと一緒に遊んで、とても喜んでた」
ユ「あのとき一晩中ひっついてたな。随分と気に入られてたみたいだったが」
ル「まあ、おれも下に妹とかいるし、扱いには慣れてるっていうか……」
ユ「いや、お前の姉よりも年下の扱いに慣れていたぞ。天性の素質なんじゃないのか?」
ル「その言い方だとおれ、女たらしに聞こえるんですけど」
ユ「何を言ってる。褒めてるんだ俺は」
ル「うーん、素直に喜べない……」
ジ「テスラ、ルカと結婚したい言ってた。私
少し複雑」
ル「なっ、何言ってるんですか、ジョナスさん!! いくらなんでも早すぎますよ!! ユウリさん、そこ笑わないでくださいよ」
ユ「いや、案外お似合いだと思うぞ?」
ル「やめてくださいよ! どっちかって言うとおれは年上の方が……」
ジ「ルカ、テスラ駄目なのか?」
ル「あーもー、ジョナスさんもしょんぼりしないでください!!」
ユ「年上か。確かにドリスも年上だもんな」
ル「師匠の名前を出さないでください!! 思わず一瞬想像しちゃったじゃないですか!!」
このあと3人の会話は夜更けまで続いたという……。
おしまい