Monster Hunter:Wind Ark   作:カリオロス亜種

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絶島の主④

荒れ果てた地面とひしゃげた錨、血と硝煙の匂い。

 

「何人生き残った……?飛空船の人達は──」

 

切り札の破龍砲を発射し、その後不時着した飛空船、アルカ。もし彼らが戻ってこなければ或いは……

 

 

 

大巌竜のブレスが直撃し、牙二本と引き換えに船は甚大な被害を受けた。

「う、うわぁあっ!!!」

「船体にモロに喰らった!相打ちか!?」

「動ける人間はすぐに被害状況を確認してくれ!落ちれば終わりだ!!」

「甲板に火が!」

「……!!すぐに消化だ!凍結袋をぶちまけてやれ!」

「操舵手のフォルンは無事なのか!?不時着でも撤退でも、動かさなきゃまずいぞ!」

「負傷者達は全員無事か!?」

 

ラヴィエンテに動く気配は見られない。相当効いているようだ。

 

「フォルンはなんとか無事だ!怪我が酷いが……」

 

意識が朦朧としている。だが、この飛空船を動かせるのは彼女しか居ない……

 

「すまないが気をしっかり持ってくれ……!このままだとこの船は墜ちる……!!」

「あぁ、……わかっている」

「船は半壊状態だが辛うじて飛行は出来ている 操縦頼むぞ…!」

「えぇ……この船に乗っている人間は誰も死なせない…… タンジアまで撤退するわ、負傷したハンター達を降ろして、燃料を積んでもらう……!」

「燃料だって?まさか、この状態の船で帰ってくるつもりか!?」

「この船での支援をやめてしまえば、この作戦の成功率は絶望的になるわ、なんとしてでも戻ってこないと……!」

「それはそうだが……しかしどうする、仮に往復できたとしても、火薬の大部分が誘爆して焼失してしまった以上できる支援は限られているぞ、それに戻ってきた頃には既に手遅れになっている可能性もある……」

「必ず持ち堪えると信じましょう……!この作戦には間に合わなかったあの兵器がタンジアには置いてあるはず。あれをこの船に載せて帰ってくるのよ」

「破龍砲か……ドンドルマから取り寄せたばかりで未だ組み立てが完了していない筈だが……往復の時間で組み立てを何としても完了させよう!」

「頼んだわ、絶対に生きてこの作戦を終えましょう……!」

 

なぜ飛べているかも分からないほどボロボロの状態でタンジアを目指す。船員の必死の補修作業によって何とか高度は維持され、出血の影響で途切れそうな意識をなんとか保ちながら操舵を続けた。

 

タンジア周辺の空には暗雲が立ち込め、視界が妨げられたが、そのおかげで火の手が回ることは防がれた。

 

「あと少し……!」

 

なんの変化もない鈍色の海に、高く聳え立つ黒龍祓いの灯台が見えた。

タンジアが近い証拠である。

 

「見ろ!飛空船だ!作戦はどうなった……?」

「……おそらくはまだ終わっとらん。船の状態を見る限り、やむなく撤退か或いは……」

 

タンジアに飛空船が降り立つ。数時間前とは全く違う様相だ。

 

「無事かあんたら!待ってろ、すぐに医療班を……」

「待って!時間が無いの、今すぐに追加の燃料と例の破龍砲を船に載せて欲しいとギルドに伝えて!」

「なんだって……?あんたらこの状態でまだ……!?」

「そう来ると踏んでおったぞ、フォルン殿」

「ギルドマスター!」

「形はどうあれ途中で補給の為タンジアまで戻ってくると予想しておったのじゃ。タンジアに残った人員で既に破龍砲は組み立てておる。」

「……!助かります……!!」

「ほれ、お主らは負傷者を運んでくれ、破龍砲もすぐに設置するんじゃ。……フォルン殿、今ここにおらんハンター達は今もあそこで戦っておるのか?」

「はい。牙を折る事には成功しましたが、それでも状況はかなり厳しいと思われます。一刻も早く向かわないと……!」

「そうか。我々も全身全霊で準備に取り掛かる。お主らも気張っておくれよ」

「わかりました……!」

 

破龍砲の整備と燃料の補給が完了した。

タンジアの迅速な支援のおかげで、かなり円滑に準備が整った。

 

「ではな、必ず生きて帰ってくるのじゃ」

「頑張れよォ!お前ら!!」

 

タンジアギルドに見守られながら、大雨と強風の中を飛び立つ…… 帆が軋み、悲鳴を上げるが、なんとかまだ飛べそうだ。

負傷していたフォルンだが、タンジアでの簡易的な治療と、服用した秘薬の効果によってなんとか操縦が可能な状態で維持出来ていた。

 

「私達が戦場を去ってからもうすぐ一時間近くになる……お願い、持ち堪えていて……!」

 

ひどい嵐に揉まれながらも飛び続ける。

戦場まではあと少し。破龍砲もいつでも撃てる状態だ。

ふと、天に昇るような巨大な何かがみえた。

あれは間違いなく、ラヴィエンテだ。

「……!!!見えたぞ、破龍砲用意!」

「あいつらまだ無事だ!少なくともミンチにはなってねぇ!」

「照準良し……!撃て!!!」

「うおぉぉ!!!」

 

凄まじい威力が炸裂する。暗雲をも丸ごと吹き飛ばすその爆風は、ラヴィエンテをしっかりと捉えていた。

 

発射した影響で船が破損し、爆風で船体のバランスが崩れる。

 

「不時着するぞ!船にしがみつけ!!」

 

船は半分墜落する形で不時着し、船員は激しい振動に曝された。

 

「くっ……ラヴィエンテは……!?」

 

爆煙の中から姿を現したラヴィエンテ、未だ絶命には至っていない。

しばらくの間シウニ達ハンターを睨みつけ、その後別の方向に向かった。

 

「撃退……成功だ……!!」

「動ける者はハンター達の生存確認だ!急げ!」

 

あの大巌龍を退けた。その事を喜べたのはつかの間、戦場のあまりの状態に救護班は息を詰まらせる……

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