リンバスアーカイブっ!!!!!   作:粉末蜜柑

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作者の深夜テンションで産まれたクロスオーバー、はっじまるよーーー!!!!



第一章 対策委員会編
1‐1 蒼い、青い空


「〜♪」

 

カロンの鼻歌混じりの荒い運転で、騒がしいバス車内がぐらりと揺れる。いびきをかくヒースクリフと、車の振動をまるでアトラクションかのように楽しむホンル。その他の囚人たちも、いつも通り十人十色の様子を演じて狭いバスの中で日常を構築していく。これから先もいつ終わるのかすらわからない黄金の枝の回収任務が待っているのだと考えると、少し憂鬱だ。私の頭の時計が少し侘しさを含んだ音を出した。

 

「ヴェル。前に障害物あり。ぶるんぶるん、してもいい?」

 

前方から聞こえてきたカロンの声で、私はこれから起こる惨状と、恐らく消えるであろう幾つかの命に向かって心の中で手を合わせた。

 

「...あぁ、そのまま乗り越えていこうか。」

 

ヴェルギリウスの了承と共に、後ろのシンクレアが怯えた様子で目を閉じたのを見て私も視界を遮断する。きっと以前見たのと同じように、バス内の激しい振動と共に私の視界の中心には赤黒い肉の塊が映し出されるのだろう。既に肉塊となった人間を見ることに対しての恐怖心は薄まっていたが、それでも人間に元来備えられている倫理観が麻痺したわけではない。記憶を失ったことですべてが0にリセットされた私は、その部分が顕著に表れているのだろう。

 

 

ガァンッ!!

 

ぐちゃりと暗闇の中で生命が弾け飛び、赤黒い塊が白い泡に押し流され地面に落ちる。目を閉じていても脳内で勝手にその光景が保管されていくのも、これが普通の日常になっている自分も、両方とも自分の中の何かが、徐々に弛緩していくようでなんだか嫌な気分だ。

 

ガンッ

 

『あれ、また障害物?』

 

不意に走った不可解な振動に、私は誰に向かって言うわけでもなくそう呟いた。まぁ、呟いたって言っても同期してない人から見ればただカチコチ言ってるだけだろうけど。

 

「岩でも踏んだんじゃないのか?うちの運転はいつも少し荒いからな。」

 

少しどころじゃない気がするけど…と思いながらグレゴールの方を見ていると、先程までヴェルギリウスが立っていた方向の床がより一層激しくガタンと揺れた。

 

『いったい何が…』

 

そうして私が振り向いた瞬間。

 

バァァァァンッ!!

 

『!?』

 

激しい爆発音とともに、バス全体に大きな振動が走った。

 

「な、なんですか今の?」

 

「大丈夫ですか管理人様!!」

 

「う・こ・さ。」(五月蠅い、このぐらいで騒ぐな。)

 

 

現在の情報を脳内処理するファウスト。真っ先にこちらの心配をするウーティス。やたらでかい声で騒ぐドンキホーテに、最悪の目覚めで憤激するヒースクリフと困惑するイシュメール。震えるシンクレアに声をかけるホンルとロージャ、そしてこのバスの惨状にため息を吐くグレゴールと私。そもそも大した反応を示さない良秀とムルソー。それら全てを何とか収めようとする頑張るイサン。

 

十人十色...いや、十三人十三色というべきだろうか。

囚人たちはそれぞれ自分の人格に沿った反応をしている。知らぬうちにヒートアップして誰かしら死ぬ前に早いところ落ち着かせないと…

 

 

「………これは…少々厄介な事になりますね。覚悟しておいてください、ダンテ。」

 

『…え?』

 

パリ―ンッ

 

ファウストの水晶のような瞳が私に向けられると同時に、鏡が割れるような音が車内に響き渡り、体が重力から解放され平衡感覚が失われていく。脳内に走るノイズと囚人たちのつんざく様な悲鳴を聞きながら、私は意識を失った。

 

 

「ーーはい、ではその様な方向で……」

 

 

…ヴェルギリウスの低く掠れた声が、暗闇の中鼓膜へと響く。背中のふかふかとした感触から推測するに、ここはバスの中ではないだろう。

 

「えぇ。我々シャーレは、そちらのリンバスカンパニーの探している『黄金の枝』の回収に全面的に協力します。ただしその過程でうちの生徒には正当防衛の範囲内でしか手を出さないこと。いいですね?ファウストさん。」

 

「えぇ、私達も余計な争いをしたくは無いですから。」

 

シャーレ?生徒?

馴染みのない単語に頭の中に無数の疑問符が浮かぶ。

 

流石にこのまま気を失ったふりをしていてもことは進まないだろう。ゆっくりと、なるべく自然に体を起こし視界を起動すると、突如として視界が藍に染まる。

 

都市の灰色とは似ても似つかないどこまでも広がる蒼穹と、窓の下に広がる地面と並行に靡く大海原。記憶がなくなってから初めて見た海という物は、知識として知っているものの何倍も美しかった。

 

「ダンテは考え事をする時、寝ながら眼を瞑るんですね。」

 

『…さっきまでの寝たふりには、結構自信があったんだけどな。』

 

渾身の狸寝入りが見透かされていたことに少しのショックを受け、ファウストには敵わないと思いながら時計に変わってしまった頭を数度掻く。別にかゆいとかはないのだが、何というか癖みたいなものだろうか。

 

「ファウストは全てを知っています。ですが…私たちの常識、そして知識が一切通用しない世界があるということも、理解しています。」

 

『……?それってもしかして、今の状況と関係あるのか?』

 

「…………管理人様の相手はファウストさんにお任せしますか。私では何を言ってるのかわかんないんでね。」

 

そう言ってこちらに背中を向け、知らない青年と再び会話を始めるヴェルギリウスの顔は、心なしかいつもより真剣に見える。普段仏頂面の彼だが、やはり特色フィクサーとして様々な経験を積んできただけはあるのだろう。今の状況に対してはファウストが説明してくれる様だし、今は彼女の話を聞こう。

 

「ダンテ、目覚めたばかりで混乱するでしょうが落ち着いて聞いてください。結論から言うと、私達はバスごと『鏡』の中に入ってしまいました。」

 

『は?』

 

「あの時作動した爆弾の衝撃で硝子窓のシステムに異常が発生し、バス周囲のごくわずかな空間を鏡の中へのポータルとしてしまった様です。囚人達に異変は見られませんでしたが、代わりに硝子窓から新たに人格を抽出することが出来なくなりました。」

 

『ちょっと待ってくれ‼︎つまり今私たちがいるところって…』

 

「ダンテの想像している通りです。つまりは異世界ーーいえ、もはや別次元と言うべきでしょうか。」

 

 

絶句。

もう口なんて物は存在しないが、それでも言葉を失った。

 

鏡の中の世界には今までも何度か迷い込んだが、まさか丸ごと全員異世界に行くとは思わなかった。先ほどからファウスト以外の囚人の姿が見えないのも、どうも不安が煽られる要素ではある。グレゴールやシンクレア、ロージャ等は問題ないだろうが、怖いのは良秀とヒースクリフだ。皆んな、どこで何をしているんだろう。下手な事をしていないと良いんだけど。

 

「ここは学園都市キヴォトス。幾千の学園が集まって出来ている都市で、行政、自治なども全てそれらの学園の生徒が行っています。」

 

窓の先に向かって手を伸ばしたファウストが、さも当然の事実かの様に私に向かってそう言った。

 

『これほど広い都市を子供たちで?それは凄いな。大人は一体何を…』

 

「ダンテ。ここは私たちの世界とは違う世界です。世界の全てが違うのですから、こことは違う世界で育った私たちの常識、思考、倫理感などは全てまともに機能しないと思った方がいいでしょう。」

 

食い気味にそう言うファウストだったが、私はその時の彼女の言葉に妙に納得してしまった。

 

私達の世界の話だが、隣り合ってるはずの『巣』ですらそれぞれ全く違う文化様式によって作られ、全く違う常識が適用されていた。世界線を跨げば、私達は自分の常識を盲信するよりかは別の常識に適応したほうが、何か事が進むには早いかもしれない。郷に入っては郷に従えというのはこういう事だろうか。 

 

 

「あなたが『管理人』ですね?」

 

『え?』

 

「ユニークな仮面ですね。ミレニアムの子たちが好きそうだ。そのチクタクって音も仮面から出てるんですか?」

 

 

声をかけられ振り向いた先には、黒縁のメガネをかけ白衣を身に纏った爽やかな青年が立っていた、見たところ身長は私と近い。180より少し低いくらいだろうか。

 

「私は『先生』…まぁこのキヴォトスってところで色々やってます。急な来客で驚いたけど、まぁ困ってる時はお互い様って事で、しばらくよろしく。」

 

差し出された手を何も考えずに握ると、外見からは考えられないほどしっかりした筋肉と、掌の生傷の感触を感じて少し驚く。向こうからは時計が鳴っている様にしか見えないから大丈夫だろうが。

 

「貴方達が探してる『黄金の枝』の捜索を手伝う代わりに、そちらの…囚人さん達?にシャーレ所属の先生として働いてもらう。連邦生徒会公認でそう言う契約になったので、これからよろしくお願いします。管理人さん。」

 

……………

 

『え。』

 

 

目の前の優しいがどこか威圧感を感じる笑みから眼を背け、ファウストの方に眼をやると彼女は悪びれもせず私に説明を始める。

 

「今そちらの方が言った通りです。この世界に漂流した『黄金の枝』を回収すれば私達は元の世界に戻る事ができ、そしてその捜索許可の対価として我々は対価の適切な労働力としてこのキヴォトスで『先生』となる。今回交わされたのは、そう言う契約です。」

 

聞いてないぞ。と言おうとしたが、音を出すよりファウストが部屋を出て行くほうが早かった。もう説明は終わった、と言う事だろうか。

 

よく考えればいつだってそう言う事は私が干渉する間も無く既に決まった状態で始まっていた。今更何を言ってもきっと無駄だろう。

 

諦めた私の顔から、ため息の代わりに短針が動く音が鳴る。

彼らが教師として、果たしてどんな問題を引き起こすのかを考えるだけで胃が…時計が痛む。

 

「……そんなに心配なら、様子を見てきたらどうですか?」

 

そう言って目の前の先生が差し出してきたのは、何かが印刷された一枚の紙だった。地図のような物の上に、囚人達の顔写真が点々と浮かんでいる。

 

『これは………?』

 

「それはスケジュールマップです。囚人の皆さんの位置情報は先ほどこっちのデータベースに記録したのでその際ついでに作りました。担当の学校も概ね決まっているし…まずは一人ずつ会いに行ってみるのが早いと思いますよ?」

 

『…ありがとう。』

 

差し出された紙を受け取り、秒針をカチカチと鳴らす。よく見れば、囚人たちの証明写真の上に学校名の様なものも書かれていた。あとでLCB-PDAに入れておこう。

 

「今の音はお礼って受け取って良いのかな?それじゃあ私は他の仕事があるのでこれくらいで。私もまだ赴任したばかりなので、今度ゆっくり話しましょう。」

 

そう言って部屋から出ていく先生と呼ばれた青年の背中を見送りながら、私は手元の紙に眼を落とす。割とバラけているな…なんて事を考えていると、最後に残ったヴェルギリウスが私に向かって話しかけてきた。

 

「…管理人様は、取り敢えず囚人達の管理といういつも通りの業務を遂行していただければ。何かあった時は例のボタンを押してください。私が“対処”します。ただし…」

 

「無駄なことに俺の時間を使わせるなよ。」

 

 

赤い視線が突き刺さり空間が凍りつき、遂には部屋に私だけが残った。

 

この美しい世界で、あの囚人達がどんな行動をするのか。

全く想像できない自分の想像力の低さと彼らへの理解の浅さを猛省しつつ、私はひとまず一人目の囚人の元へと向かった……

 

 

ーーNext prisoner ーー

 

『私、過去は全部忘れて前だけ見ながら生きていこうと決心したの』




というわけで囚人たちにどうしてもキヴォトスで先生をさせたかったので書いた作品です。あのゲーム囚人たちに対する情報がどうしても少ないから書きづらくはあるよちなみに。

まぁそれでもそこそこのやる気で頑張ります。心が折れたらそのうちひっそりと姿を消している可能性は大いにありえますともええ。何も言わないでください。

ところで私は生徒個人で言えばアコが一番好きなんですよね。ついこないだ思い出しましたが俺前世でアコと結婚してて、最後は手繋いで老衰で死んだんですよね。アコってめちゃくちゃかわいいんですよまず顔がいい。あのちょっと余裕ありそうな笑顔良いですよねまぁ一番好きなのは泣き顔なんですけど。それであのちょろい性格ですよ。賭け事クッソ弱いくせに何度も何度も先生に挑んでくるのほんと滑稽ですよね。頭のねじが何個か外れてるのも普通にチャームポイントですから。多分彼女は俺の事が好きなんだと思います。

まぁ彼女がいつ出てくるとかは決めてないんですけど。

というわけでみんなも!!!!!

ブルーアーカイブッッッッッ!!!!!!!!!!




補遺 誤字脱字あったら言ってください感想もついでに待ってます。
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