リンバスアーカイブっ!!!!!   作:粉末蜜柑

4 / 21
アコ...誕生日おめでとう...結婚しような...


1-3 大人の力ってすごい!!!

「カタカタヘルメット団残党、校外エリアに撤退中。」

 

『戦闘終了…かな?』

 

ロージャの一撃がリーダーらしき少女を数メートル先へと吹き飛ばしたのを最後に、目の前のヘルメット団と呼ばれた集団は脱兎の如き速さで撤退を始めた。

 

 

パリンッ

 

 

 

戦闘終了と同時に、重ねた人格は『硝子窓』へと還っていく。

ロージャの姿が屈折し元の姿へと戻るやいなや、彼女は顔に満面の笑みを張り付けながらアビドスの皆の下へと走っていった。

 

 

「お疲れ様~おチビちゃん達!!」

 

 

ディエーチの人格が剥離されたといっても、戦闘時の記憶を失うわけではない。

彼女の眼から見た少女たちの雄姿と洗練された動きは、もれなくこの彼女の記憶に刻まれている。

 

 

「ん、先生たちのおかげ。」

 

「あはは!!どうよ!思い知ったか、ヘルメット団め!!」

 

 

嬉しそうに勝利を称えあう彼女たちの姿を後ろから眺めていると、いつの間にかその輪を抜け出していたホシノに気づいた。

 

最低限の労いの言葉だけを残して、まるで自然な事の様にひっそりと。気の抜けた欠伸と共に彼女はこちらに近づいてくる。

 

 

『お疲れ様、ホシノ。』

 

「あ、時計先生お疲れ様~。先生の指揮やり易かったよ~。」

 

『それはよかった。ホシノは先に戻るの?』

 

「おじさん年だからさー。ちょっと疲れちゃった。それに、もしかしたらまたすぐにあいつらが来るかもしれないし、準備を早くするに越したことはないでしょ?」

 

 

ははは、と笑って校舎に入っていくホシノの笑顔と後ろ姿は、不自然なほど自然だった。

 

 

 

 

戦闘も終わり、私たちは再び対策委員会の部室へと戻って話をしていた。

 

 

「いやーまさか勝っちゃうなんてねー。ヘルメット団もかなりの覚悟で仕掛けてきたみたいだったけど。」 

 

「まさか勝っちゃうなんて...じゃありませんよホシノ先輩...私たちが負けたら学校が不良たちのアジトになっちゃうじゃないですか。」

 

「時計先生の指揮がよかったね。それに、ロージャ先生も強かった。」

 

「えぇー!?ちょっとシロコちゃん、そんなに褒めたってなんもでないよー?」

 

 

シロコに褒められてうれしくなったのか、ロージャはニヤニヤとした笑顔を浮かべて私の肩を何度も叩く。囚人たちに比べて身体能力がかなり劣っている自分からすれば、生徒含め彼女たちの普通の力はかなり強いものに感じる。まぁつまる所結構痛い、やめてくれロージャ。

 

 

「先生がヘルメット団のリーダーを地面に叩きつけた時は殺したのかと思ったわよ...なんか出ちゃいけない音出てたし...」

 

「いやー、あたし加減ってのがよくわからないんだよねー。でも思ったより手ごたえはなかった。やっぱここの子たちってみんな不自然なくらい丈夫よね。銃弾受けてもアタシと違って血の一滴すら流さないんだもの。」

 

 

ロージャの言う通り、この世界の少女達はこちらの人間とは比べ物にならない程頑丈だった。

 

銃弾を受けようがかすり傷で済む体というのは、都市でもそれなりの技術を注ぎ込まなければ実現はできない。

 

先程重ねたディエーチ協会の様に、概念的な防御機構(バリア)を用いて弾丸を防ぐことはできても、命中したときのダメージを軽減するには肉体そのものに何かしらの技術を刻むしか無いのだが……

 

 

『そういえば気になってたんだけど…ここの子達ってみんな頭に変な輪っかが浮かんでるよね。君たち生徒が頑丈なのはそれのおかげ?』

 

 

何となく、気になった二つの要素を結びつけただけの質問を投げかける。あの大きいビルから出てここに来るまでの間にも、この世界の少女たちはもれなく、光る輪っかを頭につけていた。(まぁ、当たり前のように歩く犬とかもいたからその時は大して気にならなかったけど。)

 

あれが強化施術や特異点の一種なのだとしたら彼女たちの耐久性にも納得がいくが、あそこまで普及している技術も珍しいと思ったし、それにただの技術というには年頃の少女達にのみ浮かんでいるというのもおかしな話に思えた。

 

 

「輪っか…。あぁ〜ヘイローのことですか~?」

 

 

ヘイロー

聞いた事の無い単語に、私とロージャは揃って首を傾げる。

 

 

『ヘイロー…その光の輪っかが、君たちの力の源なのか?』

 

「力の源っていうか...私たちからすれば逆。弾丸とか戦車とかの兵器は、最初から私たちにとってはあんまり脅威じゃなかった。ただ、外から来た人にはヘイローが無くて、私たちが普段使ってる武器が脅威になり得るっていう事実だけがあるの。多分、育ちの違いみたいなものなんだと思う。」

 

「育ちの違いかぁ...まぁ、そういうものよね?」 

 

(そんなノリで片づけられるものなのかな?)

 

 

そんなことを一瞬思ったけれど、確かに私たちが過去行ったD社もK社もU社もその他の翼も、文化様式によって異なる技術が普及し、常識化していた。

 

今の話を聞く限りだと彼女たちからすれば『ヘイローがない事』の方が異常なのだ。ただその違いを、そういうものとして受け入れているだけで。

 

私たちの元居た世界でも、説明できない不思議に対してできることは結局のところ論理的な理解の放棄だったから。きっと、今回もそういうものなのだと納得するしかないんだろう。

 

 

「さて、改めてありがとうございました。ダンテ先生、ロージャ先生。先生が居なかったらさっきの人たちに学校を乗っ取られてたかもしれませんし...感謝してもしきれません。」

 

『ロージャはともかく、私は指揮をしただけだよ。それも独学の拙いものだし。』

 

「いいえ、『シャーレ』からの支援がなかったら、今ごろ万事休すってところでした。」

 

「いやー、補給品もそこをついてたし、さすがに今回は覚悟したねー。なかなかいいタイミングで来てくれたねー、先生。」

 

「うんうん!もうヘルメット団なんてへっちゃらですね。大人の力って凄いです☆」 

 

 

少女達から向けられる、一切の穢れ無い純粋な尊敬と称賛。

 

…思い返せば、入社してからどれだけ命がけで任務を成功させても、こんな風に称賛される機会なんて一度たりとも無かった気がする。大抵はヴェルギリウスの小言だ。

記憶を失った私からすれば初めての経験だが、誰かに素直に感謝されることがこんなにも嬉しいとは知らなかった。私にまだ顔ってものが残っていたら、きっと今ごろ横のロージャみたいなにやけ面を晒すことになっていただろう。

 

 

『...まぁとはいっても、あの様子じゃまた来そうだね?。』

 

「あー、やっぱりわかる?しつこいのよあいつら。」

 

「うう...ヘルメット団以外にも色々問題はあるのに...一体いつまでこんな消耗戦を続けないといけないんでしょうか...」

 

 

アヤネが悲しげな顔をしながら、そう泣き言をこぼした。

幾ら学校が主体となっている都市だからと言って、まだ未熟な子供たちにここまでの責任を負わせる必要はあるのだろうか。

 

 

「私たちは一介のフィクサーであって、正義のために前に出るヒーローじゃないですから。」

 

 

いつかの囚人の言葉が、頭をよぎった。

 

確かにここは私たちの常識とは違う世界で、外の世界から来た部外者の私たちがあまり深入りするべきじゃないのかもしれない。けれども、こんな状態の子供達に手を差し伸べないという選択は、『先生』として正しいんだろうか。

 

私は今、先生と管理人。どちらであるべきなんだろうか。

 

 

「まぁまぁみんな、そう思い詰めないで〜。おじさんも計画を練ってみたんだー。」

 

「えっ、ホシノ先輩が!?」

 

「うそっ...!?」

 

 

ホシノの突然の発言に、一年生コンビがそろって目を丸くした。恐らく普段から彼女のマイペースさは周りも理解しており、彼女がこのように自分から動く様な状況は珍しいことなのだろう。

 

 

「いやぁ~その反応は幾ら私でも、ちょっーと傷ついちゃうかな~。おじさんだって、たまにはちゃんとやるのさー。」

 

「さっすがホシノ!!で、どんな計画なの?」

 

 

ロージャがノリノリでそう聞くと、ホシノの周りに漂っていた呆けた雰囲気は一時的に鳴りを潜め、落ち着いた年長者の雰囲気へと変化する。

 

 

「ヘルメット団は、数日もすればまた攻撃してくるはず。ここんとこずっとそういうサイクルが続いてるからねー。だから、このタイミングでこっちから仕掛けて、奴らの前哨基地を襲撃しちゃおうかなって。今こそ奴らが一番消耗しているだろうからさー。」

 

 

突然のホシノの襲撃案に、アヤネが今ですか?と聞き返す。

 

 

「私はさんせーい。まさかあいつらも今から反撃されるとは思ってないでしょ♪」

 

 

そうノリノリで言うロージャの顔には、無邪気で悪魔の様な笑みが張り付いている。こういう時のロージャは、毎度のことながら妙に楽しそうだ。

 

 

「せ、先生はどうですか?」

 

 

いまだ話の進む速さに適応できていないのか、アヤネがおどおどしながら私に視線を投げる。私もアヤネとあまり変わらない状況ではあるが、まぁここで彼女たちを止めなければならない理由とかも特に見当たらない。

 

 

『…今がチャンスだって言うなら、逃す手立てはないね。行こうか。』

 

「それじゃあ先生のお墨付きも貰ったことだし、この勢いでいっちょやっちゃいますかー。」

 

 

私の同意と共に発したホシノのその一斉で、作戦の決行が確定した。ロージャ含めた他のメンバーがやる気満々な様子で外行きの準備を始め、私も全身を軽くほぐすなどしてみる。以前U社のクラブに襲撃まがいの事をしたことがあるが、その時の様子を思い出せば行けるだろうか。まぁ少なくともここには筋肉モリモリマッチョマンの変態みたいな人たちは存在しないだろうし、そう考えると幾分か安心...かな?

 

 

 

「あ、聞き忘れてた。それで、あいつらのアジトってのは何処にあるの?」

 

「ん、あいつらのアジトだったらここから30㎞ぐらい。そんなに遠くない。」

 

『へー、30㎞か。案外近いんだ...ね…』

 

 

「『30㎞!?』」

 

 

 

かくして、突発的な基地襲撃作戦が幕を開けたのだった。

 

 

to be continud...

 

 




さて、というわけで三話です。戦闘描写はまたの機会に。

ロージャは子供が好きそうなので生徒たちに褒められたりしたら結構調子に乗りそうですよね。かっわいいなこの大型犬。

さて皆様、本日12月22日は何の日かわかりますか?そうですね、天雨アコの誕生日ですね。この記念すべき日に彼女との絆レベル50を達成できたのはこれもう運命ですよね結婚ですよねSEXですよもうこんなの。まぁ私は性の六時間友達とヴァロやる予定なんですけどね、ハイ。

次回もそれなりの速さで上げられたらと思います。年内中にもう一話...出るかなぁ...?

感想、評価大変励みになってます!!!
こんな清涼飲料水に泥水ぶち込んだみたいな世界観の作品を読んでくれて感謝しかありません。

それでは。
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。