愛を謳歌する幸せなアイの話   作:京猫

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だだだ大統領になった暁には国民全員にメンバーシップ加入義務を課す気満々な星野アイ系SS


★真夜中のアイドル

 

 

 

 

 メン限から4日後に行われた通常の復帰配信は、終始明るい雰囲気の内に幕を閉じた。

 

 メン限と同じくたままちゃんが隣にいてくれたんだけど、こちらでは敢えて養子の件は報告しなかった。あくまで自然にたままちゃんのことをママと呼んだり、ヤネ君も会話には参加して一族団らんな様子をみせることでそれが事実と匂わせただけ。

 

 ただいま〜、良い休暇だった〜★ みたいなテンションで笑顏を見せれば、リスナーもそれに乗って喜んでくれたしね。やっぱり普通の配信はこれで良かった気がするよ。一般リスナーはとにもかくにも楽しい時間を期待して来るわけで、私の事情…ましてや不確かな情報の真偽なんて興味ない人もたくさんいるんだろうしね。知ったところで、へぇ〜ってな反応しかしないだろうし。

 

 それに旅行帰りだから話題が豊富で、リスナーもそちらに気を取られた様子だった。まあこれはメンバー達の誘導のお陰なんだろうなぁとは思うんだけど。なんか熱心な人達がファンクラブチャットで作戦会議的なもの開いてたんだよね。

 

 実際配信では、奈良京都と言えばやっぱここか? いやここだろ? みたいなコメから始まり、そこは何々が凄いからオススメだよねーとか、俺もつい先日アイちゃんと同じ所に行ってきたよ!とか私に賛同するコメントをすることで話題を温めてくれた。

 

 なんとこのメンバー兼会員のアイ★リスたち、私が訪れた可能性がある関西の名所を各自割り振って突発観光しに行ったみたいなんだよね。私が話すであろう内容をフォローする為に、盛り上げる為だけにそこまでしてくれたんだ。

 

 凄いね、これが推されるってことなんだ。

 

 幾ら復帰初の通常配信が肝心とはいえ、流石にそこまでされると…胸にグッとくるね。私の涙腺良く耐えた。メンバーに正直に話したのは間違いじゃなかったと思えるよ。

 

 ちなみに私は神社仏閣巡りをしたことや、巫女体験をしたこと、鹿の大群に囲まれてそのまま拐われそうになったことをゴキゲンに話した。嵐山も回ったし祇園でお茶屋遊びも体験したことも伝えた。

 

 本当に話題はたくさんあったからね、何だか私も話してて楽しかったな…

 

 たままちゃんとヤネ君がテンポ良く口を挟んでくれるから配信が身内の会話を垂れ流しているようなものになり、進行とかほとんど考える必要がなかった。加えてリスナーの反応も良いもんだから、私としてはかなり上手く喋り続けることが出来たと思う。

 

 やっぱりね、一人で喋っていると自分の思考に沈んでしまう時があるんだ。気付いたら口が止まりかけで、考え事の方に集中していることがあるんだよ。最初の頃なんかはふとした瞬間に我に返ってしまうこともあったかな。私、カメラ相手に一人でなにテンションあげて喋ってるんだろ…みたいにね。

 

 まあ配信だとそんな時コメント見れるから何とかなってはいるんだけどさ。ウチのスタッフさんも何故か楽しそうに私の話を聞いてくれるんだ。熱烈なまでの身振りや手振り、フリップなんかでリアクション取ってくれるんだよねー。たまに面白過ぎて笑いが堪えられないことがある。

 

 

 ――何かさぁ、配信が仕事じゃなくて遊びの場になってないかな★

 

 

 結局ヤネ君にとって配信は自身がしてたように気まぐれに歌ったり作曲したり好きなことするもので、私にとっては他人と好きなようにコミュニケーションを取る場、という扱いなんだよねー。

 

 だから何したって何言ったって、何バラしたって構わない…自分がそうしてきたから。

 

 私の魅力はそんなものに左右されないとも思っている。なんせ自分がそうだったから。

 

 既存のアイドル像は関係ない。どんだけぶっ飛んだ性格をしててもいい。どんな経歴でどんな過去を持っていて、例えどんな振る舞いをしようとも、それが魅力的に見えるなら何の問題もない。アイドルとはあくまで心の赴くままに歌って踊って輝いた結果、人々からそう讃えられたカリスマなのだから…と思っているみたいなんだ。

 

 うん、それやっぱり私が知ってるアイドルじゃないよ絶対★ 海外のシンガーさんとか、ロックミュージシャンとかじゃないかな? それってさ。

 

 

 

 アイの行く道こそアイドルの花道となり、いずれアイの生き様こそが――アイドルと呼ばれるようになるよ。

 

 

 

 古来より道を切り開くカリスマは、大スターとはそういうものだとも言っていたけど…本当かなぁ。まあヤネ君はそれで世界の音楽シーンを席巻したんだろうけどさ。ヤネ君にとってのアイドルって、あくまでカリスマの内の1つの呼び名…という感じなんだねぇ。

 

 ――でもさ、そういう人達ってかなりハチャメチャな人生を送ってるよね。アメリカ的というか、ハリウッドスターみたいな人達は。私もそうなるの? 最近映画も見ることあるから知ってるんだよ。

 

 富に名声に、結婚に離婚。お酒にパーティに、ドラッグにセ――

 

 

 げふん。…ま、まあ確かに私も似たようにメチャメチャな状況ではあるのか。爛れた生活を送っているもんね〜、今みたいにさ。

 

 私はヤネ君の胸にぴったりくっつけていた顔を起こして、少し唇を尖らせてみる。

 

 

 

 

 …辺りを照らすは、柔らかなオレンジ色した間接照明。そんな仄かに薄暗い部屋の中で、私とヤネ君は互いに全裸でベッドの上に身を寄せ合いながら横たわっていた。

 

「んー? どうかしたのアイ、そんなに可愛く睨まれると血が滾ってしまうんだけど」

「噓ぉ…」

 

 ヤネ君、いったい何回したと思ってるの…って、あっ。ほんとだ、凄い…

 

「休憩〜。今は休憩の時間…って、ちょっ…へ、変なモノで返事しないでっ」

「変なモノとは失礼だなー。いずれはこれがアイのつるつるで可愛い秘――」

「はいストップ、口にしたらダメっ」

「うーん、いいね。アイのその初心で奥ゆかしい所、堪らないな。いつまでもそうあってくれ」

「…もぅ。弄ると楽しいからでしょ、それ」

 

 私がまだ初心なのは当たり前じゃないかなぁ。まあそれは認めても良い。でもこの過剰な羞恥心は絶対ヤネ君に感情を育てられたせいだよ。私今までこんな恥ずかしがり屋じゃなかったもん。少なくてもシラっとかヘラっとした態度で流せはしたはずなんだ。ズルいよね。少しはやり返したいよ私だって。

 

 横から密着させていた身体を起こして、私はヤネ君のお腹の上に跨った。そのまま身体を倒して顔を抱え込み、深く舌を絡める。

 

「はぁ…まいった?」

「ん、大層まいったよ。…というかね、もう2,3年したら振り回されるのは俺の方になるんじゃないかな」

「えー、そうかなぁ」

「俺は特段そういう勘は働かないタチなんだけど、珍しくそんな予感がするんだよね。…とは言っても閨事で負けてやるつもりはないけど」

「ぐっ。それは…私も自信ないよ」

「はははっ。もうたっぷりとその身体に愛を刻み込んであげたからね、逃げられないよ」

「酷いねー。これは愛だったのかぁ…★」

 

 愛って大変なんだなぁ。私最初は自分の身体がおかしくなっちゃったのかと思ってさ、またゆたか御祖母ちゃんにこっそり相談しちゃったよ。「口でしてあげてるだけで自分が濡れちゃうんだけど…」って。

 

 これには流石の御祖母ちゃんも一瞬笑顏のまま固まってたね。すぐに気を取り直して優しいお医者さんらしく丁寧に説明してくれたけど。別に私が特別おかしいわけではないらしい。身体が事前に受け入れの準備に入るんだってさ。あくまで自然なことみたい。本能って凄い。驚きだよねー。

 

 でもそれで安心したのがいけなかったのか。私の身体は更に些細なことで反応を示すようになってしまい、ついにはヤネ君に意味あり気な視線を向けられるだけでジュンジュンする事態へと陥ってしまったんだ。

 

 もぉ〜。何でそう迂闊に、その金色な瞳で私を虜にするのっ。

 

 そのような危機的状況に陥り、私はマネさんたちにもその旨を打ち明けるという苦渋の決断を下さねばならなかった。三人の前で顔を真っ赤にし、屈辱に震えながらぐっしょりしたパンツを広げて差し出す私の気持ちが分かるだろうか。…否、決して分かるまいよ…っ。

 

 

 ――と、その時の私は随分とやけっぱちになっていたんだけど、しかしながらマネさんたちは意外にも笑ったりはしなかったんだ。むしろ、嗚呼…みたいに納得した表情で頷きあって速やかにブツを回収し、奇麗に拭き拭きした上で替えのパンツを履かせてくれた。…待って? あの時は気持ち死んでいたから気にしなかったけど、今考えると私凄いことマネさんたちにさせてるな…

 

 で、でも替えのパンツ出して貰うには正直に言うしかなくて…他にどんな理由ある? 似たりよったりな理由しか無いよねぇ。なら今後も続くことを予想して予め正直に伝えるしかなかったんだよ。

 

 まあ結局は結果オーライな話ではあるよね。…あるんだよっ★ 何でか知らないけどマネさん達にからかわれることもなかったしさぁ。――いやホント、何でなんだろうなー。まさかマネさん達にも似たような経験があるのかなー。そしてあるとするなら、それはいったい誰のせいだったのかなー。

 

 そんなことをやさぐれ気分で考えていたのがいけなかったのか。

 

 

 ――上記に加えまして、収録等による仕事の遠征でもアイちゃんには替えのパンツが大量に必要となります。つきましては同行の可能性がある皆様にはその心積もりでおられるよう、重ねてお願い申し上げます。またタオルの予備も確実に――

 

 

 ヤッてくれた。祈織さんが仕出かしてくれたよ。じゃあ早速対処に取り掛かるね〜とかテキトーなこと言い出したと思ったら、とんでもない文章をスタッフ向けに作っていたんだ。当然ながら私はメロスした。

 

 ――左の頬を差し出しなよ、このセリヌンティウスめ!

 

 私と祈織さんはぎゃあぎゃあとそれはもう仲良く戯れ合ってから、何とかこれは私とマネさんたちだけの秘密、ということで和解した。…みんなにはナイショだよ★ という話に落ち着いたんだ。いやー、めでたしめでたし。

 

 まあ目出度い割には、この間の旅行中におかしなことがあったんだけどね。

 

 行きの車の中でたままちゃんが「巫言〜、タオルとアイのパンツ出しなはって〜。あれがええわぁ、黒レース付きやのにかいらしいやつ」とか言い出したんだ。何故か巫言さんが手元に複数のパンツを用意していること知ってたし、それどころか種類まで把握していたんだけど…

 

 ま、まあ…ママだもんね。例外だよね★ ママだから娘の私がある意味下のお世話をされても極々当たり前の話だよね――

 

 

 

「くぅ…恥ずかし過ぎる★」

「こらこら。そんなに悶えて…あまり変なこと思い出して自分を責めなくて良いんだよ」

「だ、誰のせいだと思ってー」

「それは俺のせいでしょ。100%俺が悪いからこそ、悪くないアイが苦しむ必要はないんだよ。ね?」

「…そんな慰め方ってあるんだね。罪を理解はしても微塵も感じてない慰め方が、逆に凄い。暴君のお手本みたい」

「はははっ」

「だから笑うところじゃないって、それぇ」

 

 何だか力が抜けてしまった私は上半身をペタンと倒してヤネ君の首筋に顔を擦り付けた。ほにゃららしたほにゃららが際どいとこに当たったり滑ってたりしているけど気にしない。むしろこのまま抑え込みに入って今日はもうお預けさせてやるんだ、絶対に。

 

「うーん。実に心地良い感触だな」

「そだねー。心地良いと何だか眠くなってくるよねー」

「俺はますます血が滾ってきたんですが」

「そだねー。じゃあこのまま安静にしてた方が身体にいいよー」

「…よし、久々に2本いくか」

「ごめんなさい」

「はははっ、随分とあっさり降伏するね。まあ1本でも吸い付くような感触だからなぁ、まだ怖いのもちゃんと分かってるよ」

「う、うん…」

 

 いやぁ、私も怖がってる場合じゃないのは分かってるんだけどね。気持ち昂ぶった時なんかはいっそ一気に奪って欲しいとさえ思うんだけど…まだちょっと圧迫される感、あるんだ。何だか自分が自分じゃなくなってしまいそうな怖さも少し感じる。

 

 やれやれ、大切にされ過ぎるのも困ったもんだねー。中だけで到れるようになって偉い、なんて褒められても気持ち複雑なんだよ★

 

 それに実は私、1本の時の指捌きが癖になってるんだよね。本当に好みとして、1本のが好き。1番良い所に当てたまま優〜しく円を描く様にくにくにされるのも好きだし、長い中指がちょっと奥から1番良いところへ引いてくる時なんかはホント声が漏れてしまう。総じて指を引く時の快感が凄い。

 

 ああ〜もぅ、こんなこと正直に言えるわけないよ。

 

 でも絶対バレてるんだよねぇ。今だってヤネ君…うん、ダメだ。例によって今絶対にヤネ君の顔は見ちゃだめだ。だってきっとあの清廉な瞳が輝いている。楽しげに上がった口角も合わさって私の心を撃ち抜いてしまう。あの表情を見るとそれだけで軽く気をやってしまいそうになる。

 

「も、もう少しお話タイム」

「くくっ、分かったよ」

「笑っちゃダメ」

「はいはい」

 

 趣味が悪いよヤネ君。女の子を困らせて喜ぶのは悪癖だよ。でも実際はそんな人のがモテるのかな? …うーん、考えるのやめとこ。私に恋愛を語らせても的を射た答えが出るとは思えない。だって私のお相手は特別な人だから。そんなことより今後の予定でも話し合おう。

 

「近々カウントアップTVの収録があるんだっけ」

「そうだね。とはいってもいつもの部屋で歌うだけだけど」

「結局テレビ局に行くような歌番組は断ったんだ?」

「勿論。そんなの年1,2回の大型番組ぐらいで…いや、それも中継で済まそう。全部中継で済ませばいいだけだ。これは配信者として1つのモデルケースになるなー」

「またテキトーなこと言って」

「いやでも実際アイの後に歌う奴らは悲惨なことになると思うよ。アイが現場にいたら余計そいつらの惨めさが際立つと思うんだが…逆にアイは出たい番組あるの?」

「ん、無いね。1つも無いよ」

「なら決まりでしょ」

「もう。また隔離アイドルなんて言われちゃうなぁ」

「構わない。それでもアイをあんな所へは行かせない。係らせる理由なんてどこにもない。何が大物歌手との対談だ巫山戯るな。どこが相応しいオファーだ死ねよクソプロデューサー。そもそも何故お前が上からアイを評価する? みっともなく業界にしがみ付くゴミの…」

「はいはい。どうどう」

 

 あー話題のチョイスを間違った。ヤネ君を興奮させてどうする私、自分で自分の首を締める気か。私はヤネ君の頭を優しく撫でながら、首筋に何度もキスの雨を降らせる。

 

 

 結局の所、私は一度もテレビ局に顔を出したことがない。勿論それで良いんだけどね。自ら闇の渦中とやらに飛び込みたくないし。

 

 それにヤネ君が不満を漏らす通りで、テレビ系から来るオファーはどこか噓が下手くそなんだ。丁寧な文章からでも本音が読み取れてしまう。試しに使ってやろう、識別してやろうという思惑が業界に詳しくない私でも分かってしまうぐらいなんだ。ヤネ君からすればそれはもう、一目瞭然。堪えられるわけないんだよねー。

 

 大体春日プロでも時折遠くから好奇を滲ませた視線を浴びることあるんだけど、まあ気分いいものではないよね。イラッとする程ではないけど、良くもない。むしろ何とも思えない。…何だか私の中で明確に人のクラス分けが出来た気がするなぁ。

 

 上から順番にヤネ君、マネさんを含む春日ファミリー、スタッフさんを含む春日一族、メンバー及び会員、その他リスナー及びファン、そして他人…

 

 他人の枠組みが大雑把過ぎるかな…? でも私の魅力でみんなまとめてファンにしてしまえば最終的には同じことか。祈織さんから最近教わったんだよ。何だっけ…一億総中流ならぬ、一億総アイファンか。あははっ、それはやり甲斐あるね。それこそ血が滾るよね★

 

 まあ今の処、その実態はこんな風に厳然たる格差社会が広がっているわけなんだけど…

 

 現実は世知辛いね。他人を好きになるって大変だー★

 

 

「取り敢えずその収録で、余所からの仕事は一区切り? その後はシークレットギグになるのかな」

「…あ〜1件大手飲料メーカーのCMオファーが来たけど、これは今話を進めてるSTAR BOCKS…スタボと媒体違うけど競合するんだよな。アイはどっちがいい?」

「抹茶ラテ」

「そうだよね。まあスタボは短期キャンペーンでグッズを付けるだけだから…その後に飲料メーカーの方と1クール契約を結ぶのがオススメかな。まあSNSに上げる飲物までイチイチ気にするのダルいから、実際は交渉次第になるけどね。ただポッキーに続いてそこぐらいメジャーな会社と一度契約しておけば、アイの相場にビビって巫山戯たオファーも少しは減ると思うよ」

 

 ポッキーかー。そろそろスタジオで撮った方がお茶の間に流れるって言ってたね。ちょうど私の復帰に合わせて流せるから万々歳だって連絡あったみたい。お蔵入りとかならなくて本当に良かった。

 

「じゃあ、そうする」

 

 飲料メーカーは抹茶ラテ正直思い入れとかないから何でもいいね抹茶ラテ。1クールってことは3ヶ月間の抹茶ラテ放送だから、その後はまたチャンスがあれば抹茶ラテとお話したい。

 

「抹茶ラテ」

「はいはい、どうどう。落ち着いて。絶対明日飲みに行こうな。けど取り敢えず次の大きい仕事は、シークレットギグで合ってるかな」

「ん〜分かった」

 

 絶対だよ。じゃあもう今日は早く寝なきゃ★

 

 私はヤネ君からパッと離れてナイトブラにいそいそと足を通し…ていたところで、ゴロンと身体を転がされた。

 

「待て待て待って。気をせいても良いことないよ。そんな調子じゃすぐに寝付けないでしょ」

「は、な、し、て〜」

「調律した方がちゃんと眠気も来て結果的に時間立つの早いって。しかも万全の体調で抹茶ラテを堪能出来る」

「…何か、騙されてる気がするなぁ」

 

 眠気が来るも何も、毎日いつの間にか寝てるんだけど。意識飛ぶまでは散々にこの身を悦楽カーニバルさせるハメになるんだけど?

 

「そもそもさ、シークレットギグの件で何か俺に聞きたいことあったんじゃないの」

「んー」

 

 特にないです。

 

「コラコラ、黙って誤魔化そうとしない」

「――あっ!」

「ホラ。こんな垂れてくる程なのに、寝れるわけないでしょ」

「う、噓ォ! ど、どうしてそんな…」

「上に跨ってから散々俺のを滑らしてたからじゃない? 無意識なんだろうけど、アイの方から擦り付けまくってたよ」

「なっ――」

 

 そ、そんな馬鹿な…それじゃまるで私が誘ってるみたいじゃん。待ち切れなくて尻尾振ってるみたいじゃん!

 

「はははっ。状況を理解したようだね」

「んぅ〜。み、認めたくない」

「フフフッ。そうは言ってもねぇ、キミぃ。身体の方は実に正直…ふはっ…マ、マジでこんなセリフが、ははっ…あはは!」

「わ、笑っちゃダメ! ダメなの…」

「ハイハイごめんね。あと、待たせてごめんね。待たせた分…ちゃーんと満足させてあげるからさ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

「――あはァ!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 その後の私は――言うなればまさに享楽の舞踏曲へと身を投じることになったか弱い兎でしかなかった。狂熱のタクトを振るうヤネ君は実に艷やかで。あれ程悪魔的な笑みを浮かべた彼の姿を、私は今の今まで見かけたことさえなかったのだ。

 

 …やってることは神技な筈なのになー。

 

 そしてそんな私がはっきりと意識を取り戻したのは翌朝のシャワータイムになってからで。私の髪を一部かぴかぴにしたヤネ君が、お湯でその該当箇所を丁寧に濯ぎながらキレ散らかしている舞さんに平謝りしている場面だった。

 

 …うん。それは怒られた方がイイネ。

 

 やっぱりね、ヤネ君もたまには怒られた方が良いんだよ。人間だって神様だって失敗はするものだからさ。

 

 女の髪はデリケートでうんぬん、余計な洗髪は髪を痛める原因になってかんぬん。

 

 舞さんの今まで聞いたことない怒声に耳を傾けながら、私は半ば正座に近い膝立ちのままションボリしているヤネ君の頭を優しく撫でた。

 

 

 

 大丈夫、私はヤネ君の全てを受け入れるよ。

 

 

 

 それがきっと、私の愛なんじゃないかと思うんだ。まだまだお子様な今の私じゃ、それを口にはだせないんだけど――ね★

 

 

 

 

 




アイドルだけど毎晩濡れ場にNGありで体当たり挑戦な星野アイ系SS

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