愛を謳歌する幸せなアイの話   作:京猫

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トンネルを抜けるとそこはガンダーラだった星野アイ系SS


★スカウト 完了

 

 

「あの、児屋さん…」

「児屋、と呼び捨てでいいよ」

「…児屋パパ」

「うっ、それは…まあ、そうだな。アイがそう呼びたい時はそれで構わない」

「児屋にぃ」

「…それは呼びにくそうだな?」

「冗談だよ、ヤネ君」

「ん、その呼び方もいいね。他にそう呼ぶ人はいないから、特別感がある」

「じゃあ…普段はヤネ君で」

「アイ…」

 

 

 

 

 ――恥ずかしくて、顔を上げられない。

 

 

 

 ヤネ君の生歌を聞いて大暴れをした私は、改めて元のソファに座らされ、彼の胸に顔を擦り付け悶え苦しんでいた。

 

 散々泣いて喚いて、最後は告白紛いのとんでもない要求までして。我儘ここに極まれリといった狼藉を働いた私だけど、ヤネ君はそんな自分勝手な私に、優しく誓いのくちづけをしてくれて…

 

 

 ――あ〜思い出すと顔が! やっぱムリ! 死ぬ!

 

 

 足元では巫言さんが溢れた抹茶ラテを片付けてくれてるけど、私は現状この無限に溢れる羞恥心の対処で謝罪を口にする余裕がない。というかこぼした私が片付けるべきなんだけど――何故かみんなが私をとり囲んで甘やかしてくるのだ。

 

 

 あ、いいのいいの座ってて。何か代わりに飲む? お腹すいた? 疲れてない?

 

 

 正直今までのスレた私ならヘラヘラ笑いながらも内心、煩いいらない放っておいて、なんていう苛立ちを感じていたかもしれない。やな奴だね。けど勿論今はそんなことなくて、むしろ気を遣わせて申し訳無い、という気持ちがちゃんと込み上げてくる。私の心はまた一歩正常に近づいたのだ。いや〜、目出度い目出度い今夜は祝いにお赤飯…い、いや、違う!そ、そうじゃなくて…あ〜どうにも思考は正常じゃないよこれ――

 

「ふふふっ…凄い百面相してるわぁ。いいねぇ、いい表情出てきたよ〜!」

「…おい、無粋な真似するな。大体もう少し2人っきりの世界に浸らせてくれてもいいんじゃないか?」

「いえ、もう試合終了です」

「ロスタイムはないんよー」

 

 ねぇねぇ、みんな冷やかさないでよ、お願い頼むよ。というかヤネ君は何故平気で対処出来るんだ。さっきまではヤネ君だって照れてたはずなのに。あれかな、やっぱ甘くとろけた顔で12才を口説ける精神力があるからかな? それはすんごく強靭な精神力だろうねー、理性に反して。

 

 だってキスされた時、私は正直「あ、食べられる…」と思ったよ。そんな目してたよ。獣だよ。男はみんなオオカミなのよー、だったよ。神聖な儀式のような雰囲気出してたのに目だけは荒ぶっていたよ。荒御魂かな? 怖いよねー。

 

 だけど一番怖いのは、そんなことされてもまるで危機感を覚えない私の心なんだけどね。なんだろう、ヤネ君にはまるで警戒心が働かない。驚きはあっても逃げようとかは思わないんだ。普通は身体が反射的に動くんじゃないかな? 怖いねー。

 

 

 

 

 

 まあそんなこんなでみんながワイワイやっていると、流石に私の気持ちも落ち着いてくる。マネさん…祈織さんに促されて顔を洗ってさっぱりしてきたところで、巫言さんが皆の飲み物を運んできた。

 

 私に出されたのは、はちみつたっぷりな甘口ホットジンジャー。泣き喚いた喉に良いらしい。

 

 各自一息入れて、部屋には緩やかな空気が充満する。さて、そういえばこの後どうするんだろうと私がヤネ君に視線を向けると、丁度こちらを見ていた彼は一つ肯いて話し始めた。

 

「さて。いろいろあったが、アイがいいなら途中になっていた…スカウトの説明を再開したい」

「うん、いいよ」

「そうか、ありがと。じゃあまずは――」

 

 

 

 そこから聞いた話をまとめると、大体こんなところかな。

 

 

 

・私の声と…音? が好き。だからヤネ君の作る曲を歌って欲しい。その為に私の身体に最高の調律を施してくれる。これはまあ、自信あるわけじゃないけど了承済みな話。だってヤネ君が望んでくれてるのだから、私はきっと頑張れる。

 

・私から深い愛情と太陽のように輝くカリスマを感じる。そんな旋律が聴こえてくることがある。どっちが強く出るかで瞳の輝きまで変わる。よってアイドルのような立場は最適である。その2つの力が十全に発揮された時、私は完全無欠で究極で、天才的なアイドル様に成れる。…僕の考えた最強のアイドルかな? 施設にそんなこと言う子、いた気がするよ。

 

・日本舞踊家元の珠夜さんが、魅せる身体の使い方等のコツを教えてくれる。ダンスや撮影に必要な基礎技術としてとても有効だとか。

 

・少なくともヤネ君にとって私は既に確かなアイドルなのだから、ヤネ君専用アイドルとしてヤネ君に向かってだけ歌えばいい。何度でも愛してるーって叫んで気持ちを確かめればいい。ファンはたまたまその練習場でアイの正面にいただけ。この勘違いクソ野郎共が、アイを見られるだけ光栄に思えよ。良い夢見せてやるんだから感謝して受けいれろよ。そしていつか俺に、アイが心から愛してると言ってくれればオールハッピーだ!

 

 

 

 ――う、う〜ん。最後は私利私欲が過ぎるね★

 

 

 

「んんっ。ま、まあ…本音を隠して真面目に言うと、アイドルをすることもつまりは一種の芸なわけだ。役者のように演じて当然、嘘で当たり前。聞いたことないかな、人は綺麗な嘘を望んでいる…って」

 

 綺麗な嘘…

 

「この嘘だらけ演技だらけの世の中で、アイのように愛に真摯であろうとするのは凄いことだよ。そんな君を俺は愛してる。そんな君だからこそ、俺も本物の愛を贈りたいと思っている。そんな真摯な君から愛を貰えたら、それは果たしてどれだけ至福なことか…と思っている」

 

 …ちょ、ちょっと。またそんなナチュラルに…

 

「あーつまり嘘とは、必ずしも悪い物ではないってこと。嘘は人を傷つけるだけじゃなく、嘘が人を救うこともある。嘘と嘘から始まった関係が、いずれ真実に到達することさえありえるんだ。――完璧な嘘は、いずれ本当になることだってあるんだよ」

 

 嘘が、本当に…

 

「だから――」

 

 ヤネ君の瞳が金色に輝く。私も目が逸らせずにじっと2人で見つめ合う。今の私はいったいどんな旋律を奏でているのだろうか。どんな輝きを、この瞳に宿しているのだろう――

 

 

 

 

 

 

「君の愛がたとえ嘘の塊であろうとも、俺が本物に変えてみせるよ」

 

 

 

 

 

 

 あっ…私、もう駄目かも。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

★★★

 

 

 

 

 

「でもそのヤネ君呼びは、まるで思春期の学生に戻ったような気分になるなぁ。…まあ別に、学校に思い入れなんて何一つないんだけど」

 

 

 

 取り敢えず何とか仕事の話は一段落して、また一息。今は雑談のお時間である。祈織さんが席を外して、珠夜さんは気付いたら寝ていた。

 

「あはっ、私もだよ。学校じゃあなるべく人を避けて、ただじっと時間が経つのを待っているだけ」

「ははっ、…そうか。なら別に無理してまで学校に行かなくてもいいよ。なんなら転校してウチの経営する学校に席を置いておけばいい」

「…いいの? 正直凄く、気が楽になるけど」

「登校するもしないも子の自由、権利だからね。元から義務教育とは、子供の心を守る為の不登校を許容する。まあ親は登校先を用意する義務があるけどね」

「そう、なんだ…」

 

 必要な勉強は俺達だって教えられるしな。ヤネ君はそう言って巫言さんをみる。

 

「はい。小中高の内容なら大丈夫ですよ。正直私も今のアイさんを学校に行かせたくはありません。施設にも二度と返したくありません。アイさんを守れない組織に関わる必要ありませんよ」

 

 巫言さんは憤懣遣る方無いといった様子で口を尖らせている。どうも先程晒してしまった私の境遇に、だいぶ思うところがあったようだ。…正直私としては居場所がないのは自分の性格のせいと思っているから非常に心苦しいのだけど、巫言さんからすれば私の心理状態に気付かない時点で全責任は周りの大人にあるらしい。

 

 いや、先生も施設の人もエスパーじゃないと思うんだけどね…

 

 巫言さんって結構、過激派なんだねぇ。

 

「ああ見えて祈織も激怒してましたよ。学校は…まあ教師は親の代わりという訳ではありませんので、致し方ないところもあります。しかし専門の知識と資格を持ったスタッフがサポートするはずの児童福祉施設は話が別です。今、祈織はウチの家系に連なる弁護士や児童福祉司やら児童心理司やらと、かわるがわるアイさんの居る…居た、児童福祉施設に抗議の電話をしています」

 

 そ、それは…大変な事態になっているのでは? というか厄介保護者案件じゃない、これ? 施設でたまに見かけた、自分の都合で子を預けてるのに文句つけにくる人とたいして変わらない理不尽案件じゃない? 大丈夫なのかな…

 

「後日一応はアイさんと挨拶に向いますが、当然アイさんは帰しません。荷物を回収し、そのまま連れて帰ります」

 

 ――そうなのだ。何でも私は、このまま珠夜さんの養子となるらしいのだ。一体いつ決まったのか分からないんだけど、取り敢えず不満も不安も無いので肯いておいた。

 

 ヤネ君曰く、珠夜さんは子育てという分野においてオンリーワンな存在らしい。下手に一族に任せると私まで大仰な扱いをされかねないし、何よりこれ、珠夜さんたっての希望だったらしいのだ。私もいつかは施設を出ることになったんだろうし、ついでにヤネ君ともちゃんとした繋がりが出来るわけだしで、まさに言うことなし、な提案なわけで。本当に有り難いお話だった。

 

「部屋の準備はどうだって? 舞は何と言っている?」

「元々2部屋ともルームクリーニングは済んでいます。珠夜様のご家族用の部屋は、持ち込み次第で家具をどうするかによると。お子様用の物とか何もないですからね。私達の方は、大丈夫です。アイちゃん用の衣服や生活用品も取り敢えず今日明日の分は揃え終わったとのことで。アイちゃんも自分で選びたい物があるでしょうし、あとはみんなで買いに行けばいいんじゃないか…とのことです。」

「よし。問題なしか」

「はい。…あっ、夕食は外で取って来て欲しいと言ってましたよ。食材は買いに行く暇が無く最低限の物しかないそうで。その分明日の夕飯では腕を振るって、盛大にアイちゃんのお迎えパーティを開きたいと言ってました。張り切ってましたよ」

「おお、それはいいな。楽しみだ。アイ、家に着いたら紹介するが、もう1人…あー俺にはマネージャーが3人いて、その最後の1人となる舞は料理が趣味でレパートリーが豊富なんだ。アイも好き嫌いを伝えた上でいろいろ頼んでみるといいよ」

「う、うん。分かった…」

 

 私はちょっと気が抜けた声で返事をした。目の前で行われていた会話が、酷く現実感が欠けているような気がしたせいだ。

 

 

 

 ――私が抱える諸事情が、凄いスピードで理解され、対応され、そして解決されていく。

 

 

 

 何だか夢でも見てるような気分だった。だってこれ、1日どころか数時間での出来事なんだよ。私はなんにも、してないんだよ。

 

「じゃあもうちょっと休んだら、たま姉起こして夕食にでも行くか。アイは希望ある?」

「あ、う、うん。…私よく分かんないから、ヤネ君に任せるよ」

「りょーかい。じゃあ…食べやすいイタリアンでいい? それなら何かしら好きな物あるんじゃないかな」

「…うん、それでオッケー★」

「その店、イタリア人の夫婦がやってる家庭料理を出す店でね。コースのように畏まった食事の仕方じゃなくて、デカいテーブルにドンって感じで一気に料理を並べるんだよ。例えばパスタなんかは最小2人分からの注文でね。頼むとデカい木皿にまとめて出してきて、好きにわけな!…って感じ」

「へぇ〜豪快なんだね。楽しそう」

「気のいい夫婦だから、確かに雰囲気も良くて楽しいかもな」

「あ、もしかしてデザートも凄く大きかったり?」

「…確かに。あれはアイじゃ食べ切れない量かも…」

 

 少し気持ちが沈みかけた私の変化に、ヤネ君はすぐさま気付いてくれたようで。幾分軽い口調で話を振ってくれる。柔らかくて優しい声がとても心地よくて…だから私もヤネ君の気持ちに応えるように笑ってみせる。

 

 

 

 しあわせ…って、もしかしてこういうやり取りの事を言うのかな。そうだったら、いいな。

 

 

 

 こんな気持ち、今まで生きてて一度も抱いたことなかった。心の奥がむずむずして、少し気恥ずかしい。でもこのぐらいの恥ずかしさは、今後を考えたら慣れていかないとね★

 

 私は笑顔のまま、ヤネ君に腕を絡ませおねだりをした。

 

 

 

 

 

「ふ〜ん。じゃあ私といつも一緒なはずのヤネ君は〜、もちろん私の好きなデザートを一緒に食べてくれるよね★」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――その、翌朝。

 

 

 

 私はヤネ君の寝室からそっと抜け出して、深呼吸をひとつ。そのままドアに凭れかかって熱る顔を両手で覆った。

 

「さ、流石に恥ずかしぃよ、これぇ…」

 

 あ…しまった、思わず声が漏れてしまった。まだ部屋の中で寝てるはずのヤネ君に聞こえてなければいいんだけど。もし聞かれていたらヤネ君、喜んで私にナチュラルをしてきそうな気がする。それは避けねばならないよ!

 

 私が昨夜、おねだりとして軽く言ってしまった「いつも一緒」という言葉。これはヤネ君が私に側にいてくれとか真顔で言ってくるのを軽くイジっただけなんだけど、これを逆手に取られて私はすんごく恥ずかしい目にあわされたのだ。

 

 

 

 一緒に、お風呂。一緒に、就寝。

 

 

 

 ウソでしょ…と言いたいこの事実。受け入れてしまった私自身を、信じられない。思い返すと悶絶しそう。けど今の私の格好からして、昨夜あったことは事実と認めるしかない訳で…

 

 美味しい夕食を楽しんでからこのマンションに到着した私は、当然お部屋の広さと豪華さに大変驚いた。うわーお風呂とトイレが3つずつある〜みたいな。見たまんまな感想でしかないけど、私は既に少々おネム状態であったのだ。仕方ないよね? だっていろいろあったんだもん。

 

 まあそんな訳で私は出迎えてくれた舞さんに挨拶しながらも、気持ちふわふわ状態で。ヤネ君や珠夜さんや祈織さんや舞さんやらの言うことを素直に受け入れてしまったのだ。

 

 

 

 みんなを代表して舞さん曰く、あら、お風呂はみんな「一緒」に入るものでしよ?

 

 ヤネ君と舞さん曰く、あら、彼氏彼女は当然「一緒」のベッドでしょ?

 

 …あとどさくさに紛れた舞さん曰く、あら、やっぱり同棲彼女の寝間着はパンツに彼シャツでしょ?

 

 

 

 私も一応は抵抗…した…ような? …気も? するのだ。だけどヤネ君と珠夜さんに両腕を取られ、さも当然のようにお風呂へ連行されてしまった。祈織さんにおかしくないかと尋ねてみたけど、小さい頃からずっと一緒に入っていたし、なおかつ仕える立場の自分は主人のお風呂に付き添うのも当たり前みたいな感覚だ、と言われたのだ。

 

 

 そうなのか…

 

 

 私はふわふわ働かない頭で、そう納得してしまった。まあ施設のお風呂も銭湯みたいに大人数が一緒に使えるタイプだしね…なんて思ってしまったのだ。

 

 

 ――今思うと祈織さん、あれ絶対笑うのを堪えてたよ。妙にすまし顔だな、とは思ったんだよ…

 

 

 おそらく巫言さんが無事だったなら止めてくれたと思うのだけど、彼女は食前酒とやらでかなり酔ってしまったらしくお先にダウン状態だった。マジかぁ…

 

 その後はもう、私には何ともしようがなかった。風呂上がりで余計頭ふわふわな私に下だけ履かせた舞さんが、満を持してヤネ君のシャツを羽織らせる。恋愛漫画好きな舞さんの、願望が叶った瞬間であった。勘弁して…

 

 正直私はもうこの時点で本当に、本当に眠かったのだ。12才だよ私、もう寝る時間だよ私…みたいな思考で頭がいっぱいだった。だから髪を乾かされた私が、ナチュラル・ヤネ君に颯爽とベッドへ連れ込まれても、それは致し方ない出来事だったのである。――もう、知らないっ★

 

 

 

 

 

 そんな感じで、失う物は全て失ったような気がする私だけれど。流石に私のことが大事なヤネ君、どうやら本当にただ一緒に眠っただけ、みたいで…

 

 

 でもこれって私、今後は毎晩ヤネ君の抱き枕になることが確定してしまったんじゃないかな?

 

 

 このままズルズルとご一緒されてしまう予感にまた顔が熱くなる。まあ…本音を言えば別に嫌ではないのだ。ただ、どうも…みんなに振り回されてるこの状況に慣れないのだ。こう…なんて言えばいいんだろ、…主導権? を握られていることに戸惑ってしまう。本来は私がみんなを振り回す側じゃない? みたいな思いが心の奥底から湧いてくるのだ。

 

 

 く、悔しいわけじゃない!

 

 

 どうにも自分らしくない。…それとも本当の私はこうだった…? 両方とも私なの? 片方が嘘で片方が本当? でも嘘が本当になることもあるって言ってたし…  

 

 

 分からないなぁ、私には分からないよ。

 

 

 分かることといえば、これから私はこの恵まれた環境で生きていくということだけだ。戸惑ったり焦ったり、仮に失敗をしたとしても…必ず支えてくれる人達に、私は囲まれている。

 

 そう考えたらとても気が楽になってきた。こうやってまごついているのが、何とも勿体ない気さえしてくる。

 

 

 もっと気の向くままに、その時感じたことを素直に表して。

 

 

 もうこうなったら、やりたいことを思う存分やってしまっても良い気が…してきたんだよ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ――だから私は、そっとこの身を翻して部屋の中に舞い戻る。そして未だぐっすりと眠るヤネ君の懐に、滑り込む様に身を寄せて抱き着いたのであった。

 

 

 いぇい★

 

 

 

 

 

 

 

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