展開が重くなりすぎたので書き直しました、ご了承下さい。
【挿絵表示】
世界の地図です。
マレフィキウムとレーゲン自治州の国境、互いの兵士の死体で死屍累々となっている、この地を一人の少女が極東に伝わる太刀を持ち、踏んでいた。
少女はこの戦場に相応しくないほど若かった。しかし少女がここにいる理由は戦争に参加するわけではなく、"目の前にいる《巨大な化物》"を討つためであった。
巨大な化物は計るのに少女の身長で数十は必要なほど巨大で、鹿のような見た目なのだが…其処らじゅうの穴という穴から赤い触手がうじゃうじゃとタコの足のように蠢きながら飛び出ていた。
少女は太刀を構えながら、笑みを浮かべた。その様子に怪物は警戒したのか、少女を捕らえようと触手を伸ばす。しかしその触手は少女に触れることなく、灰となって消滅した。
目の穴を開いて驚く怪物、だがそれと共に沸沸と少女へ怒りが沸いているのも同時に分かった。
再び触手を飛ばす怪物だが、今度は拘束する触手ではなく、明らかに殺意の宿った速さを持った触手であった。
「…参の太刀『霜月』」
少女は太刀を背負う…そして触手が目と鼻の先に来た瞬間…。触手は真っ二つに切り裂かれ、そしてその先にいた怪物は触手のように斬られ綺麗な断面を少女に見せつけた。スプリンクラーの水が火を消火するようにビシャ…と血飛沫が辺りに降り注いだ。
無論、その返り血を浴びた少女だが、怪物を軽蔑しているのか、返り血ではなく怪物の残骸を目を細めて見ていた。
この世界は業に満ちている。…各国の政治家や裏組織は己の利権、利益のため、互いに同じ人であるはずの少年少女らを売買していた。
…この少女もそうだった。世界一貧困な国家…ロストルムのまだ若い売春婦の元に生まれ、愛を受けることなく、すぐ売りに出された。
ただ…唯一幸いだったのは少女を購入したのが当時から現在まで世界に覇を唱える"マレフィキウム王国"の放蕩王子"へルマン"だったことだろう。
へルマンは少女を購入すると、それまで一度も帰国していなかった祖国に戻り。王室に少女を世話するように頼み込んだ。
このときにも少女は幸運にあたった。それはこのマレフィキウム王国の跡継ぎが放蕩王子しかおらず、しかしその放蕩王子は王位継承権を若い頃に放棄していた、だから少女の存在は暗礁に陥った王室の一筋の光だった。
新たに後継者として育てられることになった少女への視線は国民からも義理の親族からも冷たかった。
それはかつて自国民を大量に虐殺した"エニグマ"連邦の残骸であるロストルム出身であったこと、と…マレフィキウムの王族はお世辞にも可憐な者は少なく、近親交配が続いたことで奇形も多かった。そんな王族に突然、可憐な少女が現れれば、少女が嫉妬や憎悪の対象になるも当然だった。
誰かの言葉を借りるなら『人は己にない才能が他人にあると、その他人に嫉妬し仕舞いには憎悪するようになる』というものだ。
しかし少女はこんな環境でありながら立派に育ち、今や国民に大人気の王女殿下になっていた。
そんな少女だが、ひとつ他国の王女と違う点がある。それは古から存在する、怪物"レイズ"を殺す"怪物狩り"という職業の資格を持っていることだ。
この王女兼怪物狩りという少女の立場は世界に変革をもたらした。それというのも世界の怪物狩りは女性であることが理由で政治に関わることが出来ない、だからこれまで最前線で命懸けでレイズを狩る怪物狩りの意見が政府に届くことがなく、助けることが出来なかったのだ。
だから少女はある意味、世界の怪物狩りの希望であった。
しかし、そんな少女に陰りが差した。
かつての祖国、ロストルムとマレフィキウムの支配下であったレーゲン自治州が蜂起したのだ。
このとき、ロストルムは少女が本国出身でかつ真偽不明だが少女が間者であることを世界に公表した。
…数日後に出生の秘密を話そうとしていた少女は、完全に出鼻を挫かれた。…国内では次期女王が他国のスパイであるという流言蜚語が飛び交うことになり、少女も以前のように人前に現れることが出来なくなってしまった。
しかし、それでも少女は怪物狩りの役割を果たすために王女でありながら戦場に出ていた。
少女の名は アリィ=フォルス・マレフィ…後に最初にして最後の世界皇帝となる娘である。
…アリィが治めた時代は"パクス・レージナ"(女帝による平和)と呼ばれた。
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レイズが灰になり、消えるのを見守ってからアリィは後方の拠点に帰還し、返り血を流すためにシャワーを使っていた。シャワーで体を流しながら目の前の鏡を見るアリィ、その身体は傷だらけだった。
「…(僕が過去から目を逸らしていた結果がこの戦争を引き起こした。なら…)」
この戦争がどちらに転ぼうとロストルム出身の裏切り者の処刑は免れないだろうとアリィは自嘲気味に嗤った。
ただ、アリィは後悔はしていても悔いはなかった。
突然…バンッと、頬を打つ音がシャワー室に響いた。アリィが両手で頬を叩いたのだ。
「(いつまでもくよくよしていたらダメだ、今やれることをひたすらやる。その結果がどうであろうと…ね)」
気持ちを切り替えたアリィだったが、ふと胸に目がいった…そこには17とは思えないほどのマシュマロが…ゆっさ、と揺れた。
「はぁ…(なんか年々大きくなってない?そろそろ去年仕立てもらった礼儀服が着れなくなりそうなんだけど…)」
恨めしそうに胸を睨んでいたアリィだった…が突然シャワー室の扉を誰かが開けて入ってきた。アリィは男の汗くさい匂いに気が付いた、警戒しつつ、シャワーを閉め、男に話し掛けた。
「まだ女性使用時間中なんだけど、出てくれないか?」
アリィが男に声を掛けると、男から素頓狂な声が聞こえた。ただ、老人の男の声というよりかは青年の若々しい声であった。
「ええぇっ!!…すみません!寝ぼけてて…へっ?」
青年は焦りながらも謝って出ようするが遠くからアリィとは違う女性の声が背後から近づいていることに気付いた、無論アリィも気付いて、見ず知らずの青年とはいえ変態の軍法違反の印を押され、人生を崩壊させる訳にもいかないので仕方なく初対面の相手と近くの完全個室のシャワーに籠ることにした。
「ほら、これで隠して」
…アリィはたまたま持ってきていた二つの小さなタオルのうち、ひとつを青年に渡して局部を隠させた。
「はぁ…キミ、今度から気を付けなよ」
アリィは青年にジト目で少し怒ったように注意する、青年も反省していたが、同時にアリィの胸のほうをチラチラと何度も見ていた。
…青年の胸への視線に気付いたアリィは少し頬を赤くしてから胸元を隠しながら背を向ける。
「…っ…エッチ」
アリィの言葉に青年は焦ったように背を向けようとしたが、どうやら床がヌメッていたらしく。転んで、アリィも巻き込んで転んでしまった。
「ごっ…むっぐ」
青年はアリィの上に馬乗りになってしまい、すぐ退いて謝ろうとしたがアリィに口を押さえられて、抱き寄せられた。
「…外に誰かいる、一人に見えるようにもっと近づいて」
初対面の相手、しかも美少女に抱かれている青年は逆上せたように真っ赤になっていた。
…突然、個室の外から女性の声で話し掛けられた。
「大丈夫ですか?すごい音しましたけど…」
「あーすまない。転んでしまったんだ、一人で大丈夫だからゆっくりしててくれ」
どうにか乗り切った二人はバレないようにしばらくくっついていた。
しばらくして、外にいた女性が出ていったときにアリィは青年を離したところ、青年はアリィに土下座して謝った。…マレフィキウムでは男女が密着する=そういう関係になることという風習がある。
「今度から気を付けてくれればいいよ、キミもわざとじゃないんだし…それと傷のことは…今度また会えたら教えてあげるよ」
アリィは個室の扉を開きながら言ったあと、シャワー室から出ていった。
※個人的な話なんですが、最近失神しまして起きたら2時間ぐらい経ってたんですよ。
主人公の髪色
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銀
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金
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赤
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白
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プラチナブロンド
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黒
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緑
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翠玉
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紫(好みじゃない)
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水
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青
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茶
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灰
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橙
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桃
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二色系