行き当たりばったり式変異波形生活 inルビコン3   作:非活性コーラルマン

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「第1助手の口述筆記2」

技研都市の片隅、とある研究者の私室に残されたログより。

完成間近の傭兵支援システムに関する記述が残っている。

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私の今の主業務である傭兵支援システムの計画もいよいよ大詰めとなって来た。

コーラルとは別の領域でのルビコンの発展を企図して開発し始めたこのシステムも、もう完成間近になる………


広範的な戦闘情報収集とランクアップに伴うパーツ報酬システムによる傭兵のモチベーションアップを企図したログハント。

強大な力を持つエース級ACパイロットをシミュレータ上で再現し、ログハントなどで集まった戦闘データを元に仮想戦闘を可能とし、かつ特に腕のいいAC乗り達を実績含めて総合的に順位付けすることで、システムを利用するAC乗りが強大なエースを相手に無謀な戦闘をすることを避けやすくしてシステム全般を長く愛用してもらうことも想定に入れたアリーナシステム。


最低限に近いとはいえ、ある程度の実力のあるAC乗りを育成し、単純にシステムの新規顧客を獲得しやすくするための技能教習システム。


その他、広範に渡るパーツ売買や傭兵向けのガレージ提供etc…この星にやってくる傭兵たちに向けて提供できるサービスを詰め込めるだけ詰め込んでみせた夢のようなシステム



ログハントや技能教習報酬として出すパーツなどをを製造する「工場」と、より良い魅力的な報酬を生み出すための設計局システムもつい最近コレに組み込むことに成功した。

アリーナのランカー戦の一部システムや「乗機に左右されない純粋に強いパイロット向けのお遊び要素」など、仮運転時点でのシステム全体の負荷を確認するべくまだ本実装できてない要素は多いが、これが予定通り完成すれば既存の傭兵支援システムの常識を根幹から揺るがす革新的システムになるだろう………








「 オールマインド」、君はその名に恥じない、全ての傭兵たちの心となれるシステムの、その中枢としてこれから生まれるのだ。








ユウヒとセリアとそしてマインドと

 

(えぇ……………こんな光景見せられてもどうすべきか困るんだけど………)

 

 

「ん…………?ちょうど良かった、そこの貴方、宜しければ今すぐ私達と彼女を引き離す手伝いをしていただけませんか?先程から私達の眼の前であーだこーだとうるさいものでして」

 

 

「私からもお願いできない??このまま理由もわからずくっつき生活なんて嫌よ!!!!」

 

 

「初対面の人にいきなりお願いされるって………いやまぁ協力するのは構わないけどこれどうやれば解決するんだろ…………取り敢えず引っ張ってみる?」

 

 

幽体離脱しかかってるけどまだくっついてるという微妙な状況を打破すべく、二人から手伝ってくれと言われる私、特に拒否する理由もないので手伝うのだが、どうやればこの状態を解消できるか全くわからない。

 

 

だがまぁ何もやらないよりはマシだろうと取り敢えず青髪少女の方を引っ張ってみる………………すぽんっ!といい音がしたと思えば特に苦も無く引っこ抜けた。

 

………そしてそのまま私は青髪の少女の下敷きである…………ふぐぁ!

 

 

「ふう……やっと抜けましたか、感謝します、名も知らぬ侵入者さん」

 

 

「案外簡単に抜けたわね、ありがと……えーっと?」

 

 

「ユウヒ、わたしの名前よ、貴方達は?」

 

「セリアよ、改めて助かったわユウヒ」

 

「私達の名はオールマインド、ルビコン3傭兵支援システム中枢オールマインド、以降宜しくお願いします。」

 

 

流れで自己紹介済ませたけど、内心は(やっぱりかー!)と頭を抱えることとなってる。

 

 

 

 

私の眼の前にいる二人の内セリアと名乗った青髪の少女はゲーム本編で唯一その名が言及された「エア以外の変異波形」であり、緑髪の少女であるオールマインドに至っては同作の黒幕の一人に当たる傭兵支援AIである。*1

 

 

 

つまりセリアはともかくオールマインドは完全に原作キーパーソンである。

接触するの早すぎぃ……………どうしろと?

 

 

 

 

「と、言うか私とユウヒってお互い始めて同胞と直接対面したってことでいいのかしら?」

 

 

「確かにそうね、私も他の同胞と出会ったのは初めてになるわね、(そもそも変異波形としては生まれたてだからね) 」

 

 

 

「あの……………ここ私達の中に当たるんですがその…………」

 

 

原作では無かった変異波形同士の邂逅、原作知識と照らし合わせてどう接したものだろうと態度を決めかねる、ついでにオールマインドがここの領有権主張してるけどこっちのが重要と言えるので一旦放置よ放置。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ねぇユウヒ、早速なんだけど、私の同胞である貴方に一つ聞いてみたいことがあるの」

 

 

 

「はい?なんのことです?…………っ!!?」

 

 

 

彼女が私に聞きたいことについては原作を知る身であれば簡単に予測が付く、が直後の行動は予想外であった。

 

 

この次の瞬間、私の頭の中にとある事象に関する情報が一気に流れ込んでくる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ユウヒ、貴方はコーラルリリースについてどう思う?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「いや、何ですかこのアレな情報の濁流は?というかコーラルを宇宙中に拡散とかアナタも外の惨状については知ってる筈ですが、もしや宇宙空間のそこいら中を天然の火薬庫にするつもりですか???却下も却下、大却下です┐(´д`)┌」

 

 

「え?(´゚д゚`)」

 

 

「(´゚ω゚):;*.:;ブフォッ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

その事象とはコーラルリリース*2と呼ばれる現象のことを指すのだが、どうやってかは不明ながらセリアが私に流し込んだコーラルリリースの情報とその是非について私がどう答えようかと思った直後、意図せずそっちにも情報が流れてたのか、何とオールマインドがいきなりコーラルリリースをバッサリと切り捨てたのである。

 

 

私からの回答を期待していたセリアは突然の横殴りに呆然、そして私はこの光景に思わず吹き出しつつ、こう思わずにはいられなかった。

 

 

(いや、よりにもよって貴方がコーラルリリースをバッサリとぶった切るんかい!!!!………とはいえ丁度いいから便乗させてもらいましょうか)

 

 

「実際問題今外で起きてることって人とコーラルが共存するに当たり壁になる部分を端的に示してるしね………条件満たすと場所関係なく大増殖起こすのが無くなるだけでもだいぶ気楽にはなるのだけども……………流石に同胞達に無茶させるわけにもいかないし…………というかそもそもの話をするよ?」

 

 

私はセリアから流し込まれた情報を基に彼女に語りかける。

 

 

「セリア、貴方は……いや、あなたとサムは結論を急ぎすぎているの、コーラルの存在そのものが目下最先端の研究対象である段階で、いきなりコーラルと人の共生云々とか、コーラルリリースだとかの最新の研究を持ち出しても人にもコーラルの方にもそれを広く理解させるのは難しいものなのよ?」

 

 

 

 

セリアから流し込まれた情報の中には、彼女のここに来るまでの簡易的な流れみたいなのもあった。

 

 

 

それを基にするならば、セリアはつい最近かねてからの話相手で理解者でもあったサム・ドルマヤン*3とコーラルリリースについて意見が食い違い、喧嘩別れしたばかりのタイミングでアイビスの火に遭遇、慌てて逃げようとしたところこっちに吸い寄せられて迷い込んだらしいのだ。

 

 

 

「急ぎ…………すぎている?」

 

 

「確かにあなたとサムが考えるように、資源としてコーラルを利用し尽くさんとする状態は共生とは言いづらいわ、一刻も早くこれを是正したいのは山々だけれども、是正の為に必要な過程をすっ飛ばして結果だけいきなり得ようとショートカットを試みても碌な結果にならないものなのよ」

 

 

「 過程?コーラルリリース実行の過程をすっ飛ばそうとはしてないけど………」

 

 

「セリア、それでは駄目なのです、そもそもを忘れてはいけません、話を聞く限りアナタが求めているのはあくまで人とコーラルとの共生、コーラルリリースは目的達成のための手段の一つに過ぎないのです」

 

「・・・・あ…………………」

 

 

オールマインド迫真のアシストがセリアを貫く、真っ先にコーラルリリースについてダイレクトに聞いてくる辺りまさかとは思ったが、やはりコーラルリリースにお熱だったあまりに本来の目的を半ば見失っていたようである。

 

コーラルリリース阻止説得チャンス!畳み掛けるならここしか無い!?

 

 

「ついでに言えば、ルビコン3の外にも人は沢山住んでいるのでしょう?我々も同胞達も根本的にここルビコン以外の事についてはろくに知らないも同然何だから、共存するにしても何にしても、先にそれらを知っておくのは悪くないんじゃないかしら?」

 

 

「私は………私達はまだまだ知らなくちゃいけないことがいっぱいあるって事ね……………サム、貴方はこれを危惧して……………わかった、コーラルリリースは一旦諦める事にするわ」

 

 

 

説得成功、ヨシッ!!

 

 

 

「ところで聞きたいのですが、ユウヒは人と、コーラルとの共存を図る為に現状の関係を是正しようとする場合、必要な過程があると言いましたよね?」

 

 

「そうそう、私も気になってた、ユウヒ、もしかして貴方にはコーラルリリース以外の人とコーラルの共存に関するプランがあったりするの?」

 

 

と思ってたら痛いところを突かれた。

やっばい、私はコーラルリリースが拙いって事を知ってから取り敢えず口車で説得を試みたのであって、特にこれといった代替プランは用意していないのである!!

 

 

と、取り敢えずこれまでのフロム脳で前から持ってた個人的見解と口車でなんとかするしかない!?

 

 

「具体的なプラン………についてはまだまだ組み上がっては無いのだけど、人とコーラルの共存、その実現の為に必要な過程についてはだいたい組み上がってるわね。」

 

「 必要な過程は主に【知ってもらう】、【自衛力を確保する】、【関わり方をすり合わせる】という3点に 集約される、ってところかしら?、順番的には【 自衛力を確保】してから【関わり方をすり合わせ】てその後に【知ってもらう】形になると思う 」

 

 

「その心は?」

 

 

「今外で起こってる出来事からするに、今後しばらくコーラルが持つ外聞は最悪に近いものになると思う、だから【 知ってもらうの】は少なくともある程度ほとぼりが冷めている必要があるけど、どう考えても時間がかかる」

 

「 そしてなおかつ、私達は今後増えてくるであろうコーラルを憎む存在たちから物理的に身を守る術を得なければいけないわ、脅威から同胞を守るためにも【自衛力の確保】はすぐにでも行わなければいけない」

 

「 【関わり方のすり合わせ】に関しては、セリアとサムの交流からも分かる通り、私達と人間とではあまりにも違いが多すぎるから、それによって生じる物の見方に対する差異を互いに理解した上で、私達が人々に、人々がコーラルに寄り添える環境を作る必要があると考えているわ、どれもこれも具体的に何をすれば?と言われると返答に窮するのだけどもね…………」

 

 

 

「わ………私よりしっかりと色々考えてるのね…………こうして言われるとやらなくちゃいけなさそうなことが山積してる事が分かる…………」

 

 

 

「…………………………ふむふむ、成る程」

 

 

私の話を聞いて思うところがあったのか、orzとなっているセリアを横目にオールマインドは何か思い至ったのか、話を持ちかけてきた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「変異波形セリア、変異波形ユウヒ、各々突然のところ申し訳ありません、貴女方に我々オールマインドから依頼を一つ、発行させて頂きます」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私の変異波形生活の始まりを告げる依頼が、傭兵支援システム…………いや、【 ルビコン3生活支援システム オールマインド】の発行した最初の依頼となった瞬間であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

*1
二人共その正体については諸説ある存在である、双方の関連性すら指摘される事もある

*2
原作オールマインドの最終目標、端的に言うとルビコンだけじゃ足りねぇ!宇宙空間中にコーラル解き放とうぜ!!というもの、複数星系をさらっと焼いたアイビスの火を起こした原因である物質を宇宙中にバラ撒くとか言うトンデモ行為であり、当然というか何と言うか作中これに言及した人の大半から否定的に捉えられてるが、3周目主人公は訳あってヒロイン共々これを実行に移したのである

*3
原作では出番の少ないルビコン地元民のおじいちゃんAC乗り、コーラルと人間との関係性を考えるうえで彼が辿った道のりは考えさせられるものがある














なお、この段階に至ってもユウヒはセリアの下敷きになったままの模様。

ユウヒ達の次の行動

  • セリア依頼、サムとの仲直りin【壁】
  • AM提言、ザイレム浮上+封鎖機構対策
  • ユウヒ提案、ウオッチポイント・デルタへ
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