行き当たりばったり式変異波形生活 inルビコン3 作:非活性コーラルマン
「…………つまり、オールマインドとユウヒは諸々あって私達とは別の世界でコーラルリリースを実行、しかし【人とコーラルが共存する】のでは無く、【人がコーラル、あるいは変異波形に変化する】という結末を見てたから、その記憶のあったユウヒは元からコーラルリリースに反対してた訳ね、しかもその過程でサムを殺すことになったと………」
「ハイ、ソウデス、ジッコウリレキアルンデヤラセルキガナカッタワケデスネ……」
「ただ、話に聞く貴方の正体を元に考えれば反対するのは当たり前、か……というか話に出てた半世紀後のルビコン、3つある道のり全部ろくな結末じゃ無いじゃない!」
「1つ目のルートでは飼い主の遺志を継いだレイヴンがルビコン焼却を完遂、ルビコンは文字通り死の星と化しレイヴンは自分自身以外の全てを失う」
「2つ目のルートではレイヴンが
「最後のルートではレイヴンが我々と協力し、コーラルリリース成立に奔走、最後の最後の土壇場でコーラルリリースを自分の手で引き起こそうとした我々によって排除されかかるもこれを返り討ち、結果変異波形エアとともにコーラルリリースが成立、人間はコーラルと実質的に同一化され、レイヴンはエアと共に終わりのない闘争、その幕開けに飛び込んでゆく…………」
「で、その首謀者がオールマインド、アンタとその【レイヴン】という訳ね?」
「………………ソウデスネ」
石抱き状態のオールマインドと簀巻きにされた状態の私とでセリアの前に並び、諸々の話し合い始める。
【私は、コーラルリリースを首謀し、その過程でサムを手駒に殺させました】
【私はコーラルリリースを実行し、その過程で計画の邪魔をしたサムをブチ殺しました】
因みに、上記の通りで私とオールマインドの首にかけられてる反省札の内容的を鑑みるに、自分を差し置いてゲーム本編で主人公を操作してリリースを実行した当人かつ、コーラルリリースそのものの顛末をある程度知る私と、本来の首謀者であるオールマインドがリリースを否定している、と言う事実。
そしてその過程でサム・ドルマヤン殺害をそれぞれ依頼、実行した事に相当腹が立っているようである。
(いやまぁ随想録見てるからそらそうなるだろうなとは思ったけどね?)
「そ、そろそろこの刑から開放して頂けると嬉しいのですが・・・」
「・・・ルビコニアンの言う共生とはコーラルの抑圧と搾取に過ぎない、アンタ、サムが死んだ時そう言ってるわよね? 」
あっ……それ本編でも思ってたけどドルマヤン当人の本来の悩みに当たるから…………………
「・・・サムに対してずいぶんな物言いよね?石もう1段積んじゃおうかしら★」
「じょ……冗談じゃ…………確かに件の発言は否定しませんが、今の私はその時の私とは別の存在な訳でして……………その失敗履歴を生かすためにもここは何卒…………」
「記憶引き継いだ別人、と言うにはちょっとコレはねぇ…………?ユウヒ、ちょっとコレ見てくれる?」
「うん?どれどれ……………アアッ………早速生産され始めてるACと義体の名前…………ああうん………コレは……そうだね…………」
アップデート後に本格稼働した生産設備で私とセリアに黙ってすぐに生産開始されてるAC、思いっきりトランスクライバー(マインドβ) である。
しかも、本来アーキバス製である筈のパーツまで丸々一式揃えて、今が本編約半世紀前なの忘れてるのかと言わせんばかりの完全再現。
ついでにAIが入り込む用の義体も同時に用意し始めており、仮としてつけられてる名前が「ケイト・マークソン」…………流石に白目を剥きたくなる。
「AI向けの独立傭兵なりきりセット、と言った具合かしら?権限獲得した直後に技研兵器含めてデータとして山のようにある青写真の中から何の迷いも無いように見えるくらいに速攻で一式揃えてる辺り、相当気に入ってたんじゃないの?」
「ウッ…………そ……それは………」
「否定はしないのね………まぁ最も、アップデート後に早速変なことしてるのはユウヒも一緒だけどね」
「しれっと設計システムに入り込んで書き始めてる設計図、いくつか見させてもらったけど、追加弾薬パック、スナイパー、連動ミサイル、肩レーダー、武装スロット複数消費の超大型兵装に新型の重四脚MT、あと………カタナ?なにこれ………というかいくら何でも手を広げ過ぎじゃない?」
「いや、だってどっちかと言うと設計よりも私が分身してマルチタスク出来る事実の確認の方をメインとしてたし……」
「ああ、アナタACを操作してた時、機体操作はともかくコックピット視点だと技研都市捜索が大変だからって、オールマインドのマネして分体を機体の後ろ上方に位置取らせて視点共有してるんだっけ?」
「オールマインドの転写体の真似事が出来ないかやってみたら出来たから、どこまで出来るか?って話なわけだな」
「本体が簀巻きにされてるのを気にせず設計してるのも何かアレね……」
オールマインドが自分のコピーを用いてcomに潜り込んだ本体とは別に輸送機を操作してると知ってからやってみた分身だが、思ったよりもしっかりと活動出来るらしく、今は各設計システムの補助を借りつつ、記憶に残るアニメやゲーム等から使えそうな、転用できそうな兵器等をこちらで再現できないかと試行錯誤している。
私自身はACシリーズは6以外未プレイな物の、前世にいた二人の【親友】はACシリーズをいくつもプレイしてたし、片方に至っては全作プレイ済だったので作品の情報は色々と仕入れているのだ。
ミサイル迎撃システムだのAC用のフレアだのオーバードウェポンだの、この世界にはない要素も多々ある為、それを持ち込めないか、そこが主題となる。
まぁ、細かいところは分体丸投げで私自身は前述の通り、セリアに簀巻きにされながら諸々を白状する羽目になってるわけだが。
「まぁいいわ、いい加減今後について話し合いましょう、取り敢えず3つ、やろうとしてることは決まってるのよね?」
「そうだな、とはいっても各々でやりたいことを出しあっただけではあるが………順繰りに挙げるとしよう」
「因みにどれを優先するかの基準は決まっているので?」
今後について既に挙がっている3つの方針を再確認する中で、不意にオールマインドから疑問が投げかけられた。
「あー、それね、色々と現状を整理してたらわかった事があるから折角だし【コーラルの意思】でも頼りにしようかと思ってるわ」
「………コーラルの意思?」
「………どうしました?優れない顔をしていますが…………やはり【コレ】の設計、製造は無理がありましたか?」
「……………いや、設計自体は順調そのものだ、
ユウヒ達が今後の方針について話初めた頃、オールマインドの本部から少し離れた場所にて稼働しているAC設計局では、とある機体の設計が行われていた。
このAC設計局、アップデート前から稼働可能な状態であったが、つい先程幾つもの役割を用意されて実質フル稼働している所だが、後で名前を決める予定だったのか、神経工学部門等の分野別の設計システムが構築されてる割に設計システムそのものの名前が決まってなかったりする。
その設計局の片隅で1機のACの設計図を眼前に話し合うのはユウヒに似た30代位の女性と、同年代位と思われるオールマインドに似た女性の2人であった。
「難色?どうしてです?、この機体はAI操作のACとしては最高峰の強さを誇った難敵だったと聞いていますが……………?」
「たしかに、本体からもらった情報を基にすればコイツは強い、余りの強さ故に本体の生きていた世界ではアーマード・コアを知っていてコイツを知らない、とは考えにくいと言って良い程印象に残る奴の系譜といえるそうだからな…………」
「コレの量産型に該当する機体の時点で数多のAC乗りにトラウマを植え付けた、とも聞き及んでいます、…………まさか、我々の手に余る代物なので?」
「いや、違う、本体の懸念事項はコイツの量産型該当から続いて縁付けられている【9】についてだ」
「確かにこの機体も9、とは聞いていますが………?」
「端的な話、本体の知る範囲においてアーマード・コアでの【9】は、強者の証と同時に
「縁起、ですか……」
「こればがっかりはなんともな…………そういえば話は変わるんだが、お前の所の本体が用意した義体、アレの名前は大丈夫なのか?今のところお前の名前なのだろう?ケイト」
「元より、我々はあくまでオールマインドであり、ケイト・マークソンは我々が表に出る時に便宜上用いる名です、その名前を使って表に出るのが私だろうが本体だろうがそこは問題ではないのです」
「まぁ、折角ACパイロットとして最前線に赴く役割を私に課したのですから、その役割に関するタスクは私に任せ切ってほしいところではありますね」
「かくいう貴方もコレで宜しいのですか、登録番号TS99、独立傭兵トワイライト・スカイ、異世界のアナタが本体で、ここにいるアナタは分身扱いだそうですが?」
「そんなこと言ったら今仕事してる彼女の分体、どいつもこいつも別世界での彼女らしいからなぁ、私や他の分体達のもつ情報、こちらから意図的に流さないと本体も知れないらしいから、今後の本体の【知らない記憶】に本体が振り回されるだろうと思えば………な?」
「成る程、お互い苦労することになりそうですね…………」
二人の会話は誰に聞かれるでも無く、その側で1機のACの設計図が書き上がっていく。
熾天使、と呼ばれたその名を引き継ぎながら…………
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