「命懸けで償おうとして……案外ナルシストなのね〜自分に酔っちゃって!」
「黙れ!
「なっ………歳のことを言うんじゃないわよっ!!」
破壊の女神を使って自身の新たな願いを叶えようとするベロバの前に、因縁の決着をつける覚悟を決めた仮面ライダーバッファの事……
最期の最後に、バッファが持つ力……ジャマ神に変身した事で形勢が一気に逆転し、見下していたバッファの前に完全敗北するベロバは、驚愕の表情を浮かべながら地面に倒れ伏した。
「ふふ………罪な男ね……こんなに私を……興奮させたのは…アンタが……初めてよ……」
「ハッ!………嬉しくも…何ともないな!」
因縁の決着により致命傷を負った事で、
「いつか……アンタと同じ墓に……入ってやるから───」
こうして、「推し」にして「宿敵」でもある吾妻道長との因縁を象徴するその言葉を最期に、ベロバは完全消滅したのだった……
「仮面ライダーかどうかなんて関係ない……俺達が、この手で世界を守るんだ!」
「思いあがってんじゃねぇぞ………桜井景和!!」
ベロバが消滅した後、とっておきにバットエンドを見せつける為、早速行動に出たケケラは、破壊の女神に
だが、その提案を断固拒否するタイクーン。仕方なくケケラは、人質を殺すようジャマト達に命令したが、そのジャマト達は既に
「気ぃ抜くんじゃねぇぞ!仮面ライダーの人生は……そんな生半可なモンじゃない…!その運命を…覚悟しろ…!」
勝敗の結果は相打ちであり、互いに変身解除させられた。すると、致命傷を負えた自身の身体が消滅すると認知したケケラは、決別した自身の推しである桜井景和に語る………その時……
「アンタに……一つだけ礼を言っとくよ…」
「……あぁ?」
「俺を仮面ライダーにしてくれた事だ……これで俺は……世界の平和を守れる…!」
「──っ!」
その言葉を告げられたケケラは、自身の目を大きく見開いた。今目の前にいる桜井景和は、面と向かって礼を言えるお人好しんの凡人に戻ってしまった。
だが彼のその目は、自身が求めていた
その姿を目にしただけで、ケケラは………
「………は……はは──
ハハハハハハハハハハ!!!!」
ありとあらゆる感情を吐き出したかのように、満面な笑みと共に心から高笑いをあげるケケラ。
「天晴れだ………桜井景和───」
その言葉と共に、まるで燃え尽きたかのように崩れ落ち……最期は置物の姿の時と同じポーズを取りながら、ケケラは完全消滅したのだった……
「理想の不幸」を追い求める少女
「理想の笑い」を追い求めるカエル
最期には、自分達の推しによって倒され、とある別の世界にて消滅した───
はずだった………
XXXXXX
「───ぁ……こ、ここは………ってか眩しっ!?」
とあるビルの屋上でパチリと目を覚ますケケラは、自身の真上にいる太陽のあまりの眩しさに自身の目を守るように顔に手で覆う。やがて何回か瞬きをすると、曇っていた視界がだんだんと慣れてくる。
「ッ!?……おいおい……マジでどう言う事だ……」
その直後、すぐさま自身の身体を触れる。その感触は、確かに存在していた。だが………
「なんで俺は…………
“自分は消滅したはず”と、疑問を抱くケケラ。だが、自身の身体をもう一度よく確認すると、身体中のあっちこっちには傷があった。つまり、この傷ができたのは……あの決着の後であると。
そう思考したケケラはただ座っている訳にもいかず、その場から立ち上がる。少し歩き、屋上から眺める街の景色を見回す。周りの街の雰囲気を見た感じ、2000年代の時代だとすぐに分かった。
「(どう言う事だ………俺は確かに……消滅したはずだ……なのに───)」
「あぁ〜!ようやく目が覚めたのね、お寝坊さん〜」
「……っ!」
すると突如、
「お前………ベロバ……なのか?」
「な〜に?もしかして幽霊だと思った〜ざんね〜ん普通に生きるわよ〜」
そこには、
「………な……だってお前……あの時──」
「
「あ、あぁ………俺も……消滅した……」
どうやら自分が既に消滅していると認識しているベロバに、同じ答えを出すケケラ。ちなみに彼女は、自身の推しとの決着で敗北し、先に消滅した為、ケケラの最期を見れる事はできなかった。だが、そんな彼の姿を目にした彼女は、なんとなく予想ができた。
「………ちなみになんだけど……アンタ自分の推しと対決して負けたんじゃないでしょうね?」
「…………」
──と彼女が語った瞬間、いつの間にか沈黙するケケラ。
「………プッ!……アハハハハ!!!うっそマジで〜w w w」
「あ゛ぁ〜はいはいそうですよ〜大正解だよ………ってか笑いすぎだろ!?」
自身が敗北した原因を彼女にバレてしまった事で、ものすごく不機嫌そうな表情を出すケケラ。そんな彼に対してベロバは、腹を抱えるほど大爆笑している。
「ハハハハハハ!!!………や、やばいw w……お、お腹がw……」
「………そのまま笑って腹を壊して、もう一回消滅してろ……ったく!」
“相変わらず嫌な性格をしているなこのババァ”と内心でそう語るケケラは、懐からスマホ型のデバイス....
「あ゛ぁ〜笑った笑った〜………って、何してんのよ?」
「何って……DPG運営に連絡するんだよ……まっ、どうぜジットやサマスに文句言われるだろr──」
「………それ、無駄だと思うわよ。」
「あぁ?お前、何を言っt────あれ?」
突如、何か違和感を感じたケケラは、耳に付けていたスパイダーフォンを自身の前に移す。
画面を確認したら、『通信不能』と載ってあった。
「………どう言う事だ?」
通信が繋がらないと疑問を抱くケケラは、仕方なくデザグラにある自身の観戦ルームへの出入り口ようのゲートを開こうとスマホを操作するが……ゲートが現れる様子も無く、加えて運営から与えられたDGPのプレミアム会員を持っているのにも関わらず、画面には『ERROR』と言う文字が表示しているだけだった。
「おいおい………まさかアイツら、とうとう俺達を追い出したってか?」
「まぁ、最初私も思うわよ。一応アンタが目覚める前に確認したけど、
「まぁ、そうだろうと思ったよ。」
「……だけどそれが分からないのよ………どうして消滅したはずの私達は生きているのよ?こんな所でのうのうと生きているなんて……普通に見過ごしてくれたとは思えないけど。」
「言われてみればそうだな………まさか、
グランドエンド……DPGが行われている時代から、未来人であるオーディエンスやサポーターなども撤退すると同時に、
それを思い出したケケラは、運営が自分達はもう用済みだと考え、この時代に置き去りしたと同時に自分達の記憶から消去させるつもりなのかと、思考したが──
「私も最初はそう考えたけど………
「何………というと?」
「考えてみなさいよ〜……そもそも、創世の女神の力を持つギーツがいる限り、グランドエンドが実行できるわけない。それにもしも運営が私達をこの時代に置き去りにするなら……私達を復活させる意味もないわよ。むしろ、普通に早く始末した方がもっと簡単なはずなのに〜」
「それも、そうか……と言うことは……まさかギーツが──「それは絶対にない」……だよな〜」
“ギーツが復活してくれた”とケケラの口から語る前、ベロバが即座に否定する。自分達が消滅する前、今まで敵対していた仮面ライダーギーツの事……浮世英寿が、都合よく復活してくれたとは思ないし、そうさせる必要がある理由もないはずと、主張するベロバ。
「まっ、とりあえず……何で復活したのかは一旦置いといて……俺のやる事は変わらないな!」
──と自身の頭を掻きながら立ち上がるケケラは、その場からどこかへ行こうと歩み始めた。
「……は?ちょっと、どこへ行くのよ?」
「あ〜決まってるだろ………タイクーンの所へ向かうんだよ!」
「………」
早速自身の推しと再会しようと向かっていくケケラの瀬を眺めながら、“絶対に行くと思ったわ…”と予想ができたかの様な表情をするベロバも、自身の推しに会いに行こうと彼女も後を追うのだった。
だがこの時、彼らはまだ何も知らなかった……
⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎
それから数時間後………
「「ハァァァァァァァァ………」」
たまたま見つけた公園のベンチに座っている2人は、ため息を吐きながら、深く頭を抱えていた。
「なぁ………これって……マジでどう言う事だ?」
「知らないわよ………少なくとも、ここは私達が知っている時代……いや、むしろ知っている世界じゃないわね……」
そう答えるベロバは、再びため息を吐く。何故彼らは、まるで疲れているかのような様子をしているのか………それは、彼らが自身の推しを探していた時に遡る───
まず最初に分かった事は、
『桜井………はて?そのようなご家族には心当たりはありませんが……』
『吾妻道長………そんな生徒はいませんが……』
推しの家族に関係がある近所や親族、さらに通っていた小学校なども向かったが、どこも誰も“知らない”と言われ続けていた。ついでに推しが住んでいる自宅へ向かったが、何故か別の人が住んでいた。ちなみにその場に住んでいる者達は、
※ そもそも何故彼らは推しの住所を知っているのか……それは以前推しの事が気になって事前に調べたのであったからである(しかも大半やっている事がただのストーカー)
そんなこんなで探し続けたが、どこにも見つからないと判断し、仕方がなくDPGのスポンサー……
それから結局、何一つ自分達が知る存在が無いと分かり、お互いに連絡を取り合いながら近くの公園に集合した。
「…………なぁベロバ……これって───」
「えぇ……間違いないわ───」
「「(俺/私)達、別の世界にいるかもしれない……」」
──と珍しく2人の口から言葉がハマったのであった。
別の世界にいると言うことは、DPG運営との連絡する手段もない。おそらく、もう自分達の推しとは二度と再会する事は不可能なのかもしれない。そう思考したケケラは自身の視線を上の方へ動かし、ただ青空の方を眺めていた。
「なるほど………要するにこれが
これまで様々な悪行をしてきた……当然の罰が来る事は何となく予想していた。別の世界で蘇るよりかは、むしろ消滅した方がまだマシであるとも考えてしまう。
だが、ここでいくら考えたって自分達の世界へ帰れる方法もないし、未来へ戻れる事もできない。つまり、自分達はこの世界で生きて行くしかないと、ケケラは考えていた。
「───ねぇ、さっきから気になてたんだけど……」
「あぁ?もしかして、推しがいなくてさみs──」
「
突如ベロバの口から出た疑問の言葉に、思わず黙り込むケケラ。おそらくタイクーンとの決着で負けた理由が知りたいんだろうと何となく予想ができたケケラは、その事を語ろうと口を動かす。
「………お前がいなくなってから、色々あったんだよ……」
推しとの決裂、願い、そして対決……などの出来事をを全て彼女に話したケケラ。
「───で、俺が消滅したわけだ………どうだ!感動したか〜!」
「あ゛ぁ〜〜〜ごめん、つまんなさ過ぎてゲームしてたわ〜」
「おい!?」
ケケラの回想が長すぎるせいか、途中で聞き飽きたベロバはいつの間にか携帯ゲームをしていた。
「お前が聞きたいからって、結構感動的なエピソードを作ったんだz「よっしゃ!宝箱ゲット〜」…って、聞けよ!?後、一旦ゲームするのもやめろ!!」
「はいはい〜…………で?」
「………あ?」
「それで、自分の願いが叶ったの?推しがホンモノの仮面ライダーになるのを……」
「いや、なてねーよ……むしろ、俺の願いを完全拒否されちまったよ!」
“おかげで俺の計画は台無しだ!”と、不機嫌そうな表情を見せるケケラだが………
「けど………
叶えられなかった願い、不愉快、そして悔しさもあったが……
それでも、あいつ………桜井景和は………
──と、まるで満足したかのような表情で語るケケラに対し、ベロバは………
「ゲェ〜〜〜〜〜キモチワル〜〜〜」
「き、キモチワルって………おまっ!?」
「な〜にが悪くないだぁ〜あぁ〜キモチワル〜!」
「て、テメェ!俺の回想をバカにするんz「はいはいそれじゃ〜さっさと行くわよ〜」…だから聞けよ!……って、どこへ行くんだよ!?」
「決まってるでしょ……住む場所を探すのよ!言っておくけど、私は貧乏生活をするのは嫌だからね!」
「いやそりゃそうだg「あ、ちなみに金を出すのはアンタだからね〜」……はぁ!?おいちょっと待て、何でそうなるんだ!?」
「何よ?こんな女子にお金を出させようとする大人なんてみっともないわよ〜」
「な〜にが女子だぁ〜どうせ見た目だけで、中身はただのクソババァだろお前〜」
「はぁ〜?今なんて言った〜」
「お〜どうした聞こえないのか〜?ならもう一回言ってやるよ……このクソババァ!」
「な………よくも私の前で行ったわねこのクソカエル!!」
──と、いつの間にか口論する2人は、そのままの状況で不動産会社へ向かっていくのだった。
「ねぇねぇお母さん、あれ何〜」
「しっ!見てはいけません!」
その光景が、公園で訪れている親子に
⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎
お互いの口論が止まったのは不動産会社に到着してからであり、早速住む場所を探し始めようと進める2人。ちなみにその時の2人は“親子関係”であると(内心では超嫌々で)演じながら、一瞬不審な目で見られていた受付の人から何とかその場をやり過ごす事ができた。
そして2人が決めたのは、少し値段高めのマンションである。特に金額に関しては、スパイダーフォンの中にあるデータ通帳に以前から保管しており、なんと通帳には何十億も超えるくらい残してあった。こうして、別の世界に蘇った2人は、共同生活を始めたのであった。
それから一週間が経ち…………
「えぇ〜っと、一応これで買い物は揃えたな。」
共同生活を始めてから、呑気に寛いでいるベロバに買い出しを(強制的に)任されたケケラは、両手に袋を持ちながら、帰宅している途中であった。ちなみに買い物袋の中に関しては、大本ほぼお菓子しか入っていなかった。
「はぁ……重いなぁ……ってかよく考えたら、アイツ菓子の要求多過ぎだろ!?しかも相変わらず部屋でダラダラしれるし………このままじゃアイツ、本当にh──」
「おい小僧!こっちの掃除も残っているんだぞ!」
“太ってしまうぞ”と口に出そうとした途端、突如怒鳴り声が響く。偶然その声が聞こえた時、“なんだぁ?”と思わず気になったケケラは、見つからないようこっそりとその様子を見ようと向かっていく。
そこで目にしたのは、やたらと大きな屋敷と、その門番で掃除道具を持つ5歳くらいの少年に怒鳴る大の大人がいたのだった…
XXXX
「いいか!今日中にそこらへの落ち葉を掃除しなかったら、お前と
──と、屋敷の門外で掃除道具を持たされている小さな少年に向かって怒鳴っていた坊主の男は、屋敷の中へ戻り去った。一方その場に残した少年は、男の言われた通りのまま、門の前に落ちてある大量の落ち葉を掃除し始める。
「はぁ………はぁ………寒い……」
今の季節は冬となり、少年は落ち葉を掃きながら、冷たくなった手を温かい息を吹きかけている。本当は、すでに自身の掃除当番を終えたはず、しかしついさっきの坊主の男に強制的に追加の掃除を任されてしまった。もしも否定してしまえば、自身の
「はぁ………早く、掃除しないと……じゃないと、ねぇちゃん達の晩飯が無くなるし……それにまた父さんと母さんに怒られる───」
“どうせいつもの事だ……”と、何度も内心でそう自信に言い聞かせながら、掃除を進めるその時──
「よぉ、坊主!何してんだ〜?」
「──っ!?」
突如、少年の目の前に見覚えのない男が立っていた。
「ん?お〜い聞こえているかぁ〜?」
驚きのあまり声が出なくなったのか、ケケラの問いに答えていない少年。だが、ここで何か言い返さないといけないと思ったのか、目の前にいる男に一体何者なのかを恐る恐る尋ねようとする。
「お………おじさん………は、誰……?」
「お、おじさんっ!?」ガーン
少年がそう口にした途端、気を落ち込むかのような表情で唖然とするケケラ。自身の事を“おじさん”を呼ばれている事に相当ショックを受けたのか、その場から思わず足を崩してしまいそうだったが………
「(き、気をしっかり持て俺!思い出せ、桜井景和が記憶を失ったあの日……俺が本体を見せた時、“気持ち悪い”って言われたが……あれより“おじさん”って呼ばれた方がまだマシだ!)」
──と、自身の精神をなんとか持ち堪えながら、地面に倒れる事は無かった。
「あ、あの………大丈夫……ですか?」
「あぁ………それより坊主、名前はなんだ?」
「え………は、はい!僕は───
XXXX
「ぜんいん………けいわ……」
その名を聞けた瞬間、ケケラは驚きを隠せなかった。
ついさっきの坊主の男に雑用係を押し付けられた少年に、興味本心で尋ねようとしたら、まさか自身の推しだった物と同じ名を持つ少年に偶然出会うとは思いもしなかった。
だがそれでも、名前は一緒なものの、苗字は全く別。どうぜ偶然だろうと思ったケケラは、確認する為、再び少年……
「おい坊主!名前は……どういう文字なんだ!?」
「え……な、なんd「いいから教えてくれ!」…は、はい!」
突如名前の字を教えるよう強引に要求してくるケケラの圧の押された圭和は、そこら辺に落ちてあった枝を拾い、地面に自身の名前である『禪院景和』を書き、その名を見せる。
「こ、これが……僕の名前……です。」
「禪院景和……(なるほど………流石に苗字は違っているが、まさか名前が同じだったとは……ただの偶然か?だが、この坊主の見た目はアイツと少し似ているな………)おい坊主、お前家族は?」
「ち、父と母………それに、姉2人……です」
「(父に母、そして2人の姉………やっぱり偶然か……それにコイツ………)なぁ坊主、もう一つ聞いていいか?」
「は、はい……」
「お前………
「……ッ」
「(やっぱりな……)」
ケケラの口から“いじめ”と言う言葉が出た途端、突如少年は黙り込んだ。そもそもなぜケケラはそのような質問を少年に尋ねたのか……それはついさっき怒鳴っていた坊主の男が少年に対する扱いと、屋敷にいた使用人らしい者達が、コソコソと少年の事を馬鹿にするかのような笑いをしていたのも、一瞬自身の目に入っていた。
「(なんとなく予想してたが……恐らくこの世界にいる禪院景和とその姉達は、親族に酷い扱いを受けているだろな……それに……)お前は、自分の家族が好きか?」
「ね、ねぇちゃんは……好き……大好きです!ち、父と……母は………そ……その──」
「(ビンゴ!どうやらこの坊主は両親よりも自身の姉達の方が、好かんでおるらしいな。つまり、親族どころかこの坊主の両親すらも、あまり恵まれていねーみたいだな………それにさっきの男、“落ちこぼれ姉妹”って言ってたな……もしかして勉強か、それとも運動の才能が無かったからなのか……まぁそちらにしろ、この屋敷は普通じゃないって事だけは、なんと無く想像するがな……)」
少年の様子を見ただけで、この大きな屋敷に住む少年や少年の姉達に対する扱いや、家族関係について様々な考察をするケケラ。
するとその時、ケケラの脳内から何かを閃いた───
「……………なぁ、坊主。」
「は、はい……」
「もしも願いが叶えられる力を手に入れたら、お前はどんな願いを叶えたいんだ?」
「………え?」
突然ケケラの口から尋ねられた“願い”に、思わず疑問の声を上げる景和。もちろんこの質問も単なるケケラの興味であり、なんとなく聞いてみたくなっただけであった。そんな質問を突如尋ねられた少年は、まるで初めて聞かれたかの様な質問をどう答えればいいのか、真剣な表情で悩んでいた。
そして悩んだ末、少年が出した答えは………
「ねぇちゃん達と暮らせる世界が、平和になって欲しい」
「───っ!!!」
少年の口から語られた願いを聞いたケケラは驚きを隠せず、思わず自身の目を見開く。
「………」
「あ、あの…………」
「………ははは──」
「………え?」
「ハハハハハハハハハハ!!!!」
突如、興奮するかのような不気味な笑いを始めるケケラ。そんな彼の反応を目にした景和は、思わず引いてしまいそうになった。そもそも何故彼がそこまで笑っているのかも、全く理解ができない。
「ハハハ………す、すまん!別に馬鹿にしているつもりじゃない……ただ、お前の願いが……実に素晴らしくて……ものすごく感動したんだぜぇ!!!」
「………」
“この人……絶対にやばい人だ……”と表情を出す景和は、ケケラの事を恐れていた。しかし、そんな彼の反応を無視するケケラは、
「ほらよ!」
「うぁ!?………これは?」
「そういえばまだ名乗っていなかったな……俺の名はケケラ!もしも力が欲しいと願いたいなら、俺はお前のサポーターになってやるぜ。もちろんすぐに決めなくていい……だけど気が向いたら、そいつを使って俺を呼んでくれ………じゃーな!!」
──と、そう少年に言い残したケケラは、その場から立ち去って行った。
「……………なんだったんだ………あの人……」
突然の出来事に頭の整理が追いつけない景和は、立ち去って行くケケラの背を眺めるしかなかった………
《おまけ》
「ふぅ〜んなるほど………」
「あぁ………禪院景和……アイツは……間違いなくホンモノの仮面ライダーになる可能性が高い!」
「…………」
「ハハハハ!!!嬉しすぎて笑いが止まらない!!!分かるかベロバ!これは運命だ!!!」
ようやくマンションに帰って来れたケケラは、早速ベロバにこれまでの出来事を語り始める。その様子はまるで自身の推しと再開したかのように、大きく興奮するケケラ。
すると突然、ケケラの肩にベロバの手が“ぽん”と手が置かれる。
「ケケラ…………いい加減に現実を見ろ」
「いやなんで俺をそんな可哀想な目で見るんだ!?」
次回もお楽しみに!