※ 2024年 1月1日…
新年明けまして、おめでとうございます!!!
そして、投稿が遅れて本当にすみませんでした!
去年は色々とありましたが、今年もよろしくお願いします!!!
それでは、新年で久々の投稿です!!!
“1秒でも早く強くなって、姉達を助けたい”と強く願う景和は、早速ケケラに戦いの訓練を頼むが……
『おいおいちょっと待てお前、まさかだと思うが、
──と、一見ふざけている様に見えるが、ケケラが言った通り、全身の状態は酷く、とても訓練できると言う見た目でも無かった。渋々とケケラの言う通りに従うしかない景和は、今は自身の身体の回復を優先するしかなかった。だが、今日だけで色々と不幸が起こり過ぎたせいか、なかなか眠気が来なかった。
だが、これ以上起き続けてはならないと理解したのは、とにかく何とか寝ようと必死に自身の目を閉ざしている。するとその時、ふと離れ離れとなってしまった姉達を思い浮かんでいた。
「………まきねぇちゃん……まいねぇちゃん……」
布団の中に隠れる景和はそう小さく呟くと、少しだけ涙が流れ出てきた。
何日、何ヶ月、何年……どれくらいの別れになるか分からない。もしかしたら、もう一生会えない可能性もあるかも知れない。
“寂しい”と弱音を吐きそうになる……だが、二人を助けるには、あの連中よりも強くなるしかない。
「………………おやすみ───」
──と、この場にいない姉達にそう告げ、自身の目を閉じてから数秒後、そのまま寝落ちてしまったのだった。
「はぁ〜〜〜〜気分最高だぜぇ〜〜〜!!!」
一方、景和が寝静まった頃、部屋の一部であるリビングのソファで寛いでいるケケラは、やけにご機嫌な表情をしながらも、珍しくグラス入りの酒をいつ以上に飲んでいた。そしてその場にいるベロバも、ソファに寛いでおり、彼女も自身の手に持っているコップの入ったジュースをストローで飲みながら、ただケケラの様子を眺めていた。
「ははは!!!今日は宴会だ宴会!!」
「………相変わらず機嫌がいいわよね……ケケラ〜」
「あぁ……今日は今まで以上に気分が最高にいいぜ、ベロバ!ホレ、お前も遠慮するなって!お前の好きそうな菓子もあるし、なんなら他にも買ってあるぞ!!」
「........」
この世界に蘇ってから、いつも以上に機嫌が良かったケケラに対し、“一体何をそんなに喜んでいるんだ…”と言わんばかりな表情をするベロバは、再び声をかける。
「ねぇ〜ケケラ……いつあの坊やに言うのかしら?」
「………あぁ?なんの事だ?」
「あら、もしかして隠すつもりなのかしら───
「………」
「一応言っておくけど、アンタがやっている事がバレバレなのよw……ってかそもそも、関係者じゃないアンタがな〜んであの坊やとそのクズ家族の事をを知っているのかしら?」
“屋敷の中に入ってすらいないのに……”と、疑問を抱く彼女がそう語る。一応ベロバは、この一週間ケケラが何をしていたのかは知っていたが、景和の家族や禪院家をどうやって調べたかは、流石に知らないままだった。
「おいおい勘違いするなよ……あくまでも観察だ……か・ん・さ・つ!」
──と自身の頭を掻くケケラは、懐からスパイダーフォンを取り出す。そしてそのデバイスを目にしたベロバは“へぇ〜なるほど♪”と、何故かすぐに納得したその時……
突如スパイダーフォンが、蜘蛛の様な形をした形状……スパイダーモードへと自動変形したのだった。
※ スパイダーモード……ケケラとベロバが所持しているスマホ型のデバイスが、蜘蛛型の小型ロボットに変形し、単独で攻撃や索敵する事も可能。また、蜘蛛と同じく糸を射出する事も可能であり、何もない上空から可能な限りの物を持ち運んだりする事もできる。
「まっ、ただ彼を観察するだけじゃなくて……他にも面白い物を見つけたんだよな〜」
面白がっているかのようにケケラが語ると同時に、スパイダーモードの両眼からホログラム映像が現れた。その映像を再生し、映像の中には戦闘の訓練や謎の能力を使って鍛錬を行う者達の姿が映っていた。だがその映像だけでなく、なんと
早速2人はその情報を覗いたが、その情報の内容を目にした2人は、驚きを隠せなかった。
「呪術に呪霊──ってちょっと待って、何これ………」
「………ははは……コイツはたまげたな〜……もう完全に漫画の世界じゃねーか。」
そもそも彼らがいた元の世界では、呪霊どころか呪術に関する物も存在しなかった。実際に呪術師はどの様な力を持っているのか、または呪霊は一体どんな見た目なのかは、この目で見ないと分からないが……“この世界は普通じゃ無い”という事だけは、なんとなく2人は、お互い内心で一致したのであった。。
「まぁ……要するにあれだ!この一家は、呪術の才能を持つ者が優秀で……才能が無い者は、人としての扱いを受けていない様だな……というか、コイツらイカれてるだろ。もしかして他の呪術師もそうなのか〜?」
「そうなんじゃない?……ってか、アンタも相当イカれているけどね?」
「……俺が?なんでだよ?」
「だって〜
──と、その言葉を語ったベロバは、彼女らしい不気味な笑みを見せる。彼女が言った通り、映像の中には景和が屋敷の者達から様々な酷い扱いを受けてのが、映っていた。
雑用を押し付けたり、飯を渡さなかったり、またはわざとらしく暴行を加えたりなど、様々な扱いを受けいられている映像が流れていた。
だが、そんな彼の惨めな扱いを受けているのに、何故かケケラは助けようとしなかった。特に介入しようともせず、ただ眺めているだけだった。正確には最初から助けに入るつもりも無く、ただ彼の出来事を観察をする日々を送り続けているだけだった。
「………まぁ、これも成長の一つってわけなんだよな〜」
「成長………どう言う事?」
「そのまんまの意味だ……
「“そう思ってた”って事は、アンタの計画が失敗したわけ?」
「いや………むしろ大成功以上だったよ!あの夜……アイツの父親に殺されかけた時の絶望感と失態感が最高に素晴らしかった!それに彼の……桜井景和の覚悟を決めた目が、あの時の彼と同じ目をしていた!!まさにあれは、俺が求めていた
感激と共に興奮するケケラは、まるで狂ったかの様に笑い出し始めた。そんな彼の様子を眺めていたベロバも、相変わらず彼女らしいにやけ顔になっているが、彼女にはもう一つの疑問が残されていた。
「……ってかそもそも、あの坊やをどうすんのよ?」
「あぁ〜それはもちろん………俺が育てるんだよ。」
「───は?」
「あの時……俺が消滅し、この世界に蘇った後……色々と考えたんだ。“もしもあの時、俺が幼い頃の推しを見つけ、俺が一から育てれば………俺の望みが叶えられたんじゃないか”……そう思い込んでいた。」
「…………」
「だがっ!今まさにその時が来たんだぁ!!分かるかベロバ、これは偶然じゃない……運命なんだよ!!!」
「…………」
突然と意味不明な事を興奮しながら語り続けるケケラに、思わず“何を言っているんだコイツは…”と言わんばかりな顔をするベロバは、若干ドン引きしている。
「ハハハハ!!!考えただけで笑いが止まらね〜!!!今日は最高に気分がいいぜ!!!」
「…………まぁ、別にアンタの事だし、好きにすれば……」
もはやこれ以上言う事が無いベロバは、適当に返事を返すしかなかった。
翌日、ケケラが二日酔いになったのは、また別のお話………
⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎
それから丁度一週間近く経った頃……
実の父によって身体を傷つけられた景和は、全身に傷や火傷の跡が残っているものの、身体としての機能は、今後運動ができる力を持っていると同じ、ほぼ全回復する事ができた。
そんな時、お見舞いとしてやってきたケケラは、景和にある事を伝えようとする………
『身体の方はもう大丈夫そうだな……なら、今日から本格的に戦いについて教えてやるよ』
──と、いつもより真剣な表情を見せるケケラは、景和にそう語るのだった。
それから数分後、景和を連れていくケケラは、とある廃工場へ向かった。しかもその廃工場は、約10年以上前から使われなくなっており、以前ケケラが景和の戦いの修行の為に用意した場所でもあった。
いよいよ本格的な戦いの訓練を行う……の前に、まずは今の桜井景和の実力はどれほどなのか確かめようと、ケケラ自ら最初の対戦相手として彼の前に立ち向かおうとする。“まずは、俺に一本取ってみろ”と、景和にそう語るケケラは、受け身を取る体勢となった
そして、ケケラから突然攻撃してみろと言われた景和は、若干困惑するが、先手を取ろうとケケラに向かって自身の拳で攻撃する………
──が、現実的にそう甘くは無かった。
「おいおい……まだ1時間も経っていないのに、いきなり疲れているんじゃねーよ……」
相手からの攻撃をあっさりと避けられ、逆にケケラからの攻撃を受けてしまった景和は、すぐその場に倒れてしまった。それでも反撃しようと立ち向かうが、また避けられたり、やられたりの繰り返し。
「はぁ───はぁ───」
結局、一度もケケラに一本も取る事ができず、息切れをしながら、仰向けな状態で地面に倒れていた。しかもいつの間にか、全身に土や泥で汚れており、傷が癒えたはずの景和の姿は、今じゃ無惨な姿へと一変してしまったのだった。
「(はぁ………分かっていたが、まさかこれほどとはなぁ〜……)」
最初の対戦相手として始めてから1時間近く経過し、今の桜井景和の実力を確かめる事ができたケケラは、地面に倒れている彼を哀れな目で眺めながら、内心で深くため息を吐いていた。
ハッキリ言って、弱すぎる
──と、内心でそう言葉を表すケケラ。
もちろん彼がまだ小学生にもなっていない普通の小さな子供である為、仕方がないとも思っていたが……“まさかここまで弱いのか”と、流石のケケラにとって想定外だったのか、深く頭を抱えていた。
「(てっきり坊主は、ちょっとだけでも稽古とか行なっていたと思っていたが………どうやらそれすらもやらせてくれなかっただろうな……はぁ、コイツは参ったな……)」
そもそも景和がまだ禪院家だった頃、親族どころか、実の父ですら一度も稽古をつけてくれなかった。と言うより、彼が“失敗作”として生まれてしまったせいで、最初から稽古を一度もしてもらっておらず、禪院家の屋敷の者達からしてみれば、ただの雑用係の使い回しとしか見ていないだろう。
「………こりゃ、時間かかるな〜……おい、桜井景和。」
「はぁ、はぁ………な、なn「ほらよ!」……ッ!?」
名を呼ばれた時、突如ケケラが何も言わずに景和に向けて何かを投げ渡した。そして、投げられた“ソレ”を慌てて両手でなんとか受け取った景和は、手に持つ“ソレ”を目にする。
「…………ぼ、木刀?」
「桜井景和、お前の今の実力を確認したが…………
「──ッ」
木刀を投げ渡したケケラが内心で思った事を口に出し、その言葉を耳にした景和は、思わず表情を曇らせた。彼にとってその言葉はとても厳しく、心に傷を付けてしまうだろう。もちろん自身が“弱い”と言う事だけは、以前から自覚していた。だがそれでも、相手から自身が弱いと言われた事に、流石の景和もショックを受けざる得なかった。
そんな時ケケラは、内心で自身の弱さを知った景和を無視するかのように、再び会話を続けようとする。
「まぁ………確かお前は、呪術に関する勉学をしていたっと言ったな……だがな桜井景和───
お前が強くならなければ、一生ただの
「……ッ!」
「それにお前さっき、お姉ちゃん達を助けたいって言ってたが……正直今のお前じゃ、あのクソ一家を撃退する事ができないし、大好きな姉達を助ける事もできないぜ〜」
一見煽っているようにも見えるが、実際には事実である。何も返す事ができない景和は、ただ聞く事しかできなかった。だからこそ、あの一家に仕返しができる力を手に入れたいと強く願う景和は、悔しさと共に自身の拳を強く握りながら、その場から立ち上がった。
「ほぉ〜………随分とやる気みたいだな〜」
「………当たり前だ………俺はもっと………強くならなきゃならないんだ!!!」
「そうかそうか……だったらお前を一から……いや──
ゼロから鍛え直してやるよ、桜井景和!!!!」
こうして、ケケラとの本格的な戦闘訓練が始まったのであった……
翌日……
「違う!もう一回!!」
一週間後……
「ぐふっ!!」
「まだ倒れるな!目の前にいる敵はお前を待つ事ができないんだぞ!!!」
一ヶ月後……
「武器の使い方が間違っている!!!」
一年後……
「違う!何回も言わすな!そんなやり方じゃ、ただ死ぬだけだぞ!!!」
「──ッ!!!」
何回、何十回、何百回も、自身が強くなる為に鍛錬し続ける景和。そして、彼の鍛錬をする為の対戦相手として何度も立ち合いしてくれたりするケケラは、様々なアドバイスなども送っている。その間にケケラは、全身に大怪我を負ってしまうほどの厳しい訓練を行えさせたり、時には難問くらいの課題なども送り続けたりもするが、
「ッ───クソ!!!」
訓練を始めてから一度もケケラに一本取れないどころか、勝つ事すらできていない景和は、もう何回目のなのか覚えていないくらい、
「(まだだ………俺はもっと………強くなってやる!!!!)」
もはや彼の頭の中には、自身にとって唯一の家族である姉達を助ける事と、実の父を含め禪院家を確実に潰す事だけの強い信念を持っている事だけしかなかった。たとえ過酷な訓練で全身に怪我をしてしまおうが、犯罪な事だろうが、自分が強くなる為であると、そう自分自身に言い聞かせし続けていた。
「(そうだその目だ……それでいい!!どんな手を使ってでも、俺は全力でお前の約束を叶えさせてやる………だから桜井景和!
景和の願いが叶えられるよう、彼の指導者となる事になったケケラは、自身の願いを叶えて欲しいと内心で彼にそう告げていた。元の世界で叶えられなかった願いを目の前にいる少年に託そうとするケケラは、まるで子供のような期待の目で輝かせながら、いつしか自身の願いが叶えられた日が来るまで、全力で景和に戦いの技術を全て教え込もうと、サポートするのだった。
そして、景和がケケラの元で戦いの訓練を始めてから……
「ハァ……ハァ………ハァ………」
「うっし!………今日の所は、ここまでだな……」
2017年12月24日
いつも通りに訓練を行なっている場所で、今日もケケラに戦いの指導を受けていた景和は、全身に流れる汗と共に息切れしながら、仰向けの状態で地面に倒れていた。
あれから月日が経ち、今年で15となった景和は、身長が伸びたと同時に成長していた。もちろんただ成長しただけで無く、あの日から約9年間の間、ケケラに教え込まれていた戦いの技術を身につけていた。
「いや〜それにしても……あれから8〜9年くらい経ったもんな〜」
「………」
「しかも、あの弱っち坊主が、ここまで強くなるなんて……くぅ〜!これも俺が指導したおかげだな!!」
「………」
「まっ!俺に勝つ事はまだ遠いが……いつかお前はホンモノn「………なぁ、ケケラ」………ん?」
「
「…………あ?」
自慢げに語ろうとした途端、突如景和の口から不機嫌的な言葉が耳に入ったケケラは、思わず反応する。
「俺はアンタに救われ、戦いの方法も教えて貰った恩もあるし………別に何の不満も無い……」
──と語る景和は、訓練用として使っている木刀を強く握り締めがらな、眺めていた。
ケケラが自身を鍛錬してくれたお陰で、対戦として戦える力を身に付ける事ができた。もちろんただ鍛錬するだけでなく、
これらも全てケケラからの指導であり、強くなる為でもあると自分自身にそう言い聞かせ続けながら、今まで姉達の前で見せなかった悪事を働いたかのような行動を起こし続けていた。
“や、やめてくれ………”
“ま、待て……金なら……いくらでも──”
“し………死にたくない……”
──と、今まで
だが不思議な事に、景和は彼らに対する罪悪感も無く、後悔もしていなかった。むしろ、
だが、それだけでは足りなかった………
「一体いつになったら、
「………」
「強くなる為に訓練だ……って言ってたけど……ただ適当にそこら辺にいるクズどもに喧嘩を吹きかけたりしているだけじゃねーか!それもずっと同じ繰り返し!一体いつまでこんな事を続ければ良いんだ!?」
暴言を吐き出すかのように口にする景和は、今まで内心で隠していた疑問を全てケケラへぶつけてしまった。だが彼の言う通り、今の所彼には、呪術に対抗する力をまだ手に入れていない。
そもそも景和が強くなりたい理由は、あの禪院家の屋敷に残っている姉達を救う為。その為には、あの扇や直哉を含め、一家を完璧に倒せなければならない。だが、いくら身体を鍛えた所で、呪力を一つも持っていない景和が未だに見える事ができていない呪霊や呪力を持つ呪術師達に立ち向かおうすれば、すぐに返り討ちにされてしまうだろう。
だからこそ景和は、禪院家にいた頃に学んでいた呪術に関する知識を思い出し、呪力が無くてもどうにか呪術師に対抗できる力を手に入れる事ができないかと探し、そしてケケラにも相談していた時……
『方法か………よっし!それについて俺に任せろ…お前はいつも通り鍛錬でもしとけばいい……』
──と、すぐに返事を返したケケラが呪力が無くても対抗できる力を見つけくれるまで、日々戦いの鍛錬をしながら、その日が来るまで待ち続けていたが……
「9年だぞ、9年!!もうあれからずっと待っていたけど………全然見つけてないじゃないか!!!」
「………」
「こんなただ身体を鍛えている間に、今もあの屋敷で姉ちゃん達が苦しんでいるかも知れない!なぁ、アンタなら今からでも、武器や軍隊を作って襲撃する事もできるんじゃないのか!?それに、あのクズ共の実体をネットで使って世間に広められる事もできるし……なんなら警察も動いてくr───」
「おい小僧」
「───ッ!!」
突如、自身の言葉を遮られたケケラの方に振り向いた景和は、喋る口を閉じて呼吸をするのを忘れそうになってしまった。
何故なら、今目の前にいるケケラの瞳が、まるで失望や煩わしさを合わせたかのように冷たく、そしてどうしようもなく見えない何かを感じさせていたからである。
「確かにお前の言う通り、ネットとか使えば、あのクソ一家を社会的に殺す事もありだと思う──
だがな………
そんな甘っちょろい考えで実現できる訳ねーだろ、餓鬼が」
「……ッ」
「世間に広められば、警察が動いてくれる………な〜んて、そんな上手い事行けると思っているのか〜?ぶっちゃけ呪術界に関して関係を持っていない俺が言うのもあれなんだが、そもそも世間に広めたってどうせすぐに隠蔽するし、なんなら俺達の居場所を特定してしまう可能性も高い……って、普通に考えればそう思だろ?」
「ッ──」
「確かにお前さんの言う通り、現実的な事なら簡単だが……それでは効果が無い。相手は一般人に見えない強い権力も持っているし、なんなら相手は俺達が未だに知らない力も持っているんだぞ。だからこそ、今のお前は自分の身体を鍛え続けるしか無いんだよ……」
「で、でも……」
「………ケケr…「まっ、いまだに呪力無くても戦える力を見つけていねーのは、事実なんだけどな!ハハハハ!!」……なっ!?ちょ、離せ〜〜〜クソッ!!」
一瞬だけ感心しようとしたが、突如ケケラがいつも通りにふざけた態度を見せつけてしまった事で台無しとなり、難しそうな表情をする景和の頭を掻き始めた。
ケケラに頭を掻き回されている事と同時に、まるで自分をまだ子供のような扱いをしている事に気に入らなかった景和は、思わず暴言を吐き、無理やり自身の頭からケケラの手を退かした。そして乱暴ながらも、訓練用の木刀を地面に投げ捨て、そのままどこかへ向かおうと廃工場から出て行こうとする。
「あ?おいおい、どこへ行くんだよ?」
「バイトだ!アンタの話を真面目に聞いていた俺がバカだったよ!!!」
この約9年間の間、ケケラから小遣いを時々貰っていたが、どうしても自分で金を稼げるようにしたいと、最近通うようになった蕎麦屋でバイトを始めたのだった。ちなみに初めて外食をした時、ケケラにオススメされた
「あぁ〜そうだ!ついでに晩飯の買い出しも頼むぜ〜」
「………チッ」
またいつも通り、自身に買い出しを任せようとするケケラに対し、承知と共に思わず舌打ちをする景和。
最近の彼はバイトをするだけで無く、料理なども覚えたらしい。ちなみに彼の料理を食べたケケラとベロバは、とても満足したのか、景和の腕を非常に好評だった。だが、その日からだろうか、最近ほとんどの料理は彼に任せているようにも見えている。
「ちょっ!今俺に対して舌打t……はぁ〜……せめて“行ってきます”って言ってくれればいいのに〜」
「いやアンタがふざけたせいでしょ………ってかそもそも、あの坊主がそんな事を言う訳ないでしょ〜」
「うっせぇ〜な…………って、お前もいたのかよベロバ。」
「何よ?私がここにいたらダメなのかしら?」
「いや、別に〜」
「…………まぁいいわ……それよりどうするの?」
「あぁん?どうするって……何が?」
「呪力が無くても戦える力…………あれからまだ見つけてないんでしょ?」
「………」
ベロバの口から出たその言葉を耳に入れた瞬間、突如自身の声を積もるかのようの黙り込むケケラ。確かに彼女の言う通り、いまだに呪力が無くても戦える力を見つかっていなかった。もちろん適当に探しているのではなく、真面目に探し続けてはいたが………
「もちろん探しているよ………こいつらを造ってくれる企業とかよ……」
──と、スマホをいじりながらそう呟くケケラは、画面に写っているドライバーやバックルなどの変身アイテムを除きながら、内心でかなり悩む程、大きなため息を吐いていた。
以前景和から相談を聞かされた時、ケケラは変身アイテムなどを使えば、呪力が無くても戦えるのではと考え、変身アイテムを開発してくれる者を探し始めた。だが、現実的にそう上手く行かず、以前デザグラのスポンサーだった鞍馬家や晴家なども無く、このような変身アイテムを開発してくれる者はなかなか見つからなかった。
だがその事よりも、未だに大きな問題を抱えていた。
それは、呪術師や呪霊に対抗できる力。
いくら変身アイテムを完成しただけで、呪力を使って戦い者達に勝てる訳ではない。もちろん相手が一般的に普通の人間であれば、勝てる可能性もあるかも知れない。だが、相手が強大な呪術師や呪霊だった場合は、即座に負けてしまうだろう。だからそこケケラは、なんとかその力を探そうと裏であっちこっち探し続けていたが、結局それも見つける事ができなかった。
「………で、どうすんの?」
「うぅ〜…………どうすっかな───
まっ!なんとかなるだろ!」
「………………あっそ」
ついさっきまで深く悩む込んでいたケケラだったが、一瞬ですぐに気持ちを切り替える。そんな彼の場面を目にしたベロバは、もはや何も言い返せないと、無表情のまま適当に返事を返すしかなかった。
⚫︎⚪︎⚫︎⚪︎
それから時刻は、夜中前後となった頃………
「おいおいこれは………どう言う事なんだ?」
「私が知る訳ないでしょ……ってか───
なんでコイツ、ドライバーとバックルを持っているわけ?」
──と、ソファで寝ている黒髪の少年に目を向けるベロバは、そう語っていた。
ちなみに現在2人は、いつも住んでいるマンションにいるのでは無く、少年の住宅であろう研究所らしき場所に立っているのだった。
そもそも何故彼らはその場にいるのか……それは今から丁度2〜3時間くらい前、先に景和が自身の寝室へ向かって寝静まった後の頃………
自分達も寝ようとした途端、突如スパイダーフォンから送られた通知を目にした2人は、ついさっきまでの眠気が一気に覚めたと同時に、驚きを隠せなかった。
すぐさま2人は探知した場所へと向かい、ドライバーを使用した者を探そうとする。その時の彼らは、必死に探そうとする表情をしていた。
そして、目的地である森林へと向かった先……そこで目にしたのは──
流石にここで放置させる訳にはいかないと、急いで黒髪の少年を運び、途中で見つけた倉庫へと向かったケケラ達は、そこが少年の隠れ家だった事に驚愕すると同時に、たまたま見つけたソファへ寝かせる事ができた。
「で?どう言う事なのか……説明してくれるかしらケケラ〜?」
「俺が知りてーよ……って、なんで俺に疑いの目を向けるんだ?」
「あら、惚けるつもりなのかしら〜?見つけていないと言っておきながら、既に開発者を見つけたついでに、私に黙っているなんてね〜!」
「……ま、待て待て待て!一応言っておくが、俺はまだ開発者を見つけてもいないし!そもそもこの坊主だって、俺は全く知らなかったんだぞ!!」
少年をソファへ寝かせた途端、突如ケケラを疑うかのように問い詰めようとするベロバ。そんな彼女に誤解されている事を察知したケケラは、すぐに否定するが、彼の言葉に全く信用できないのか、ベロバはまるで相手を睨むかのような表情で、じっと見つめていた。
「なぁ、信じてくれよ〜俺は本当に何にも知らないんだぞ!」
「あっそ〜……じゃ〜なんでこの子が持っている訳〜?」
「だから俺が知る訳ねーだろ!!」
「惚けるんじゃなわよ!さっさと白状しなさいよ!」
「何度も言わすんじゃねーよ!俺はガチで何にも知らねーっつーの!!!」
──と、いつの間にか口論し合う2人だが、実際にケケラの言う通り、彼は未だに開発者を見つけてもいないし、加えて目の前にいる少年についても、一切何も知らないのも事実である。
「はぁ………とりあえず、アンタが何も知らないって事だけは分かったわ…」
「だからさっきも言っただろって……このばb「あぁん?」……ナンデモアリマセン」
それから、なんとかベロバに誤解を解かれた事で一安心するケケラだが、未だに少年に対する多くの疑問を抱いている。
何故、自分達が知る変身アイテムを持っているのか……
一体どのような方法で、開発したのか……
開発した目的は、一体なんなのか………
「(おいおいマジでどう言うことだ?まさか、開発データを盗まれたのか……だけどいつ、どうやって?それにこのガキが、どうやってこのアイテムを───)………ん、これって──」
少年について思考するケケラが、たまたま見つけた運転免許証を見つける。そしてその免許書を確認したケケラは、静かに驚愕する。
「しかしこの坊や、一体何者かしらn…「
「それがこのガキの名前だとよ。俺達が知るあのエース様と同じ名前なんだってよ。偶然って怖いね〜……何よりコイツ、今年で24歳だってよ〜」
「へぇ〜あっそ───
はぁ!?ちょっと待って24って……だってコイツ、まだ10代にしか見えないけど!?」
「いや、マジみたいだぜ……ほらよ。」
黒髪の少年……黒乃英寿の年齢を聞いてしまったベロバは驚きを隠せず、疑っていた。だが、すぐにケケラは証拠を見せようと、たまたま見つけた免許証を彼女に渡す。
「黒乃英寿……西暦1992年10月23日生まれ…………マジで?」
「あぁ……正直、俺も驚いたよ……」
免許証に載っている英寿の生年月日を確認したベロバは、二度見してしまう程、驚きを隠せなかった。一応念の為にベロバは、ソファで寝ている少年を再度確認しようする。確かに近くで良く確認すれば、服装のサイズが合っていないと思えるくらいぶかぶかで、しかも何故そんなサイズで外に出たのかも理解ができなかった。
「恐らく、コイツを使った事でこの坊主の身体が縮んだかも知れないな〜」
──と考察し始めたケケラが、ついさっきまで倒れていた森林の地面で少年が使っていた黒いバックルとドライバーを手に取り、興味本位で観察していた。
「それにしてもコイツだぜコイツ!そこらへんに捨ててあったガラクタを集めているだけの欠陥品だが………結構完成度は高いな!現代人にしちゃ、なかなかいい出来だと思うけどな!」
「まぁ、確かに……………で、どうするの?」
「どうするって…………え、何が?」
「この坊やよ………少なくとも、私達にとってこの坊やは予想外よ?」
「………」
「もしかしたらなんだけど………この坊やに開発を任せればいいんじゃないのかしら?」
「──っ!!」
ベロバがそう告げた瞬間、ケケラは思わず反応する。
この世界には自分達が持っている変身アイテムを開発できる者がいない。
いくら探したって、今の時代の技術では難しいだろう。
だが、目の前にいる少年……否、元青年だった少年がそのアイテムを開発してしまった。彼らから見れば、そこらへんに置いてあったガラクタを掻き集めて完成したコピー品にしか見えないが、それでもライダーに変身する機能としては良くできていた。恐らくまだ未完成であると思うが、それでも現代人が……それも10代へと戻った少年が開発するとは、流石に予想外だった。
「それに………ただアイテムを開発しているだけじゃないらしいわよ…」
「───おいおいマジかよ……これは偶然か?」
更に驚く事に、黒乃英寿は変身アイテムを開発しただけでなく、呪術に関する研究をしていたようだ。しかも開発した変身アイテムには、呪力に対抗できる様にする力も追加してあった。
「………なぁ、ベロバ……これって──」
「えぇ……間違いないわね……」
顔を動かし、自然にお互いの目を合わせた2人は、内心で今後どうするのか………すぐに答えが出た。
そして………
『つー訳で……開発者を見つけたから、今から引っ越しな!』
「…………は?」
朝起きたら、突然電話越しでケケラに引越しについて語られた時、思わず間抜けな表情をする景和。
それから更に時は進み、黒乃英寿と桜井景和が初めて出会った後の頃───
⚪︎⚫︎⚪︎⚫︎
「──と言うわけで、今日から俺達もここに住ませてもらうぜ。」
「待て待て待て、色々とツッコみたい……まずなんでそうなるんだ?」
「あら?別にいいでしょ〜……お互い協力関係になったし〜♪」
「いいわけねーだろ!何勝手に決めてんだお前!?」
──と、桜井景和について紹介し終えたケケラとベロバに対し、怒鳴り声を上げる英寿。そもそも彼にとって自宅でもあり、研究所でもあるこの場所に住もうとするが、当然英寿はそんな事を一度も聞かされておらず、勝手にここで暮らそうとする彼らに即座に否定するしか無かった。
「おいなんだよ〜せっかくお前さんに設計データを渡したんだから、これくらいなんって事ねぇ〜だろ。」
「このくらいって………っんなくだらない理由で引っ越そうと思っているのか!?つーかなんで俺の家なんだよ……そもそもお前らには、普通に住む場所があるんだろ!?」
「いやなんつーか、こっちの方が住みやすいし……おまけにお前さんと離れたら面倒だしな〜」
「それにこっちにいた方が、お互いの情報を提供したりする事もできるし〜」
「おいお前ら、電話をするという言葉を知っている?」
本気で研究所で暮らそうとするケケラ達に対し、思わず自身の頭を悩ませる英寿。そもそもこの研究所には、自分以外に住んでいる者がいない。もしも今から一緒に生活しようのも、天内と別れてから10年間、人とのコミュニケーションを忘れてしまった英寿にとって苦労するだろう。
その後、結局ケケラ達は、(大半は無理やり)英寿の研究所に泊まる事となった。
「ウソダドンドコドーン!!!!」
アニメ、渋谷編の最終回が本当に色々と良すぎで、感動しました。
続編も楽しみ!!!
それでは、次回もお楽しみに!!