エイリアン「みんなでボクの星を救ってほしいのだ!」   作:黒本

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エイリアン「エゴサするのだ」

「オッ、早速各国から色々届いてる〜!日本に行くつったのに耳詰まってるのかな?耳鼻科いけばスポッと耳垢を取り除いてくれるから行くのをお勧めするよ」

 

自分の殻を利用して作った、ノートパソコンの形状をした数世紀先の技術の結晶をカタカタとタイピングしながら、「同郷たる日本に助けを求めているので、現状は貴国の援助は不要であり、なんら問題ありません。お気遣いありがとうございます」という定型文をぶちこみつつ。

あの後、数時間で日本から連絡が届いたので、「よ〜し任せろ〜^^」の勢いで魔力の使い道を複数提示し、与えた。

核すら傷を与えられないバリアの技術と、あらゆる汚れを除去する技術。それから、魔力を流し込むことで意図的に動植物の生育を早める技術を提供した。バリアの技術に関しては、服に織り込むことも可能な為、暗殺対策にもなるだろう。

それと、情報の漏洩対策に、自身の殻を加工して作った電脳体を派遣した。コレでしばらく日本は安全だろう。早速彼らは、水洗式のトイレで流された排泄物を活用して、魔力の運用を始めている。

元日本人のよしみで彼らに好意的な行動をとっているが、日本に好意的な行動をとる理由は他にもある。

 

「神道のような、自然由来の魔力塊の信仰がある国だからこそ、守りを盤石にできる。オマケに、日本はやたらと宗教関連に緩いから、多種多様な地球特有の魔力運用技術を調べるのにもってこいだよね」

 

魔女、シャーマン、ドルイド、陰陽師、巫女等……様々な呼び方が地域毎にあるが、「魔力」を認識して運用してきたその技術の確保も、狙いであった。

 

「特に神、精霊に近いのはありがてぇのよね。彼らの信仰の場を持ち帰れれば、我が星にも彼らが根ざすことができる。信仰すべき存在がいない星はあまりにも救いがないから。

それに私たちの星の神さま達はみんな頑張って戦って、消滅していっちゃったから、せめて神さま達を癒したり、慰めたりする技術だけでも得たいよね」

 

慰霊、という方向での祈りを行うのは日本程度しか思い浮かばなかった。なんせ、死霊を神として祀り上げる逸話がかすかな記憶の中にあったから、尚更。

 

「と、いうのが私が日本を選んだ理由だけれども。まだ質問ある?」

 

『猫かぶってたのはなんだったんだよ』

『かわいいず○だもんボイスのなのだをかえして』

『さりげなくお祈りメールを各国に送ってるの草なんだよな』

 

「私達、音で会話する存在じゃないから機械越しに声を出してるんだよ。ずん○もんを選んだのは無料で聞きやすいからが一番の理由。で、ずんだもんの口調ならインパクトあるかなってのが二番目の理由」

 

並列して、パソコン(もどき)にアクセスして情報を抜くだけ抜こうとしたバカなハッカーのデータを逆に全てばら撒きつつ、配信動画にやってきた日本人が流す高速のチャットから厳選した内容に返事をする。

 

「とはいえ、日本が真っ先に鎖国措置をとったのには驚いたけどね。あまりにも行動が早すぎて笑っちゃった。魔力を使った技術が普及すれば鎖国措置を解除するらしいけど、まぁ年単位の話にはなるよね」

 

『国民の身を守るためだからしゃーなし』

『というか元は勝手に地球までやってきたお前のせいだろ』

『日本に力を与えて軍国主義に戻そうとする外来種を追い出せ!』

 

「……というか、今の日本、外国と争ったりできると思ってるのも驚き。

ねぇ。私が提供した数世代前の技術を使って、他に喧嘩売れる余裕があると思う?私がいるのに?」

 

『うわ脅してきたぞ』

『話が正しいなら外宇宙の存在を撃退するレベルの技術ツリーを持ってるんだもんな……』

『某国から発射されたミサイルを防いだバリアーに除染技術が数世代前の代物とか冗談だろ』

 

「まぁ、星を壊して壊されてがよくある話の戦況だったので……正直、ウチの星が守り切れたのも奇跡みたいなもんというか」

 

『ごめんなさいどうか命だけは許してください』

『それこそ武力に任せて星のもの全てを収穫することすらできる存在……ってコト?!』

『現状伝えられた生育促進の技術もとんでもないしな……。数日で野菜が収穫可能になるとか、どこの牧場物語だよ』

 

「本当は私たちの幼体が殻を作って身を守るための原始的な技術なんだけど、予想通り問題なく働いてよかったよかった。これなら「日本の」食料自給に関しては問題ないでしょ」

 

『政府もある程度は外国に技術開示を行う、とは明言してるし食料問題が改善したも同然』

『こんな悪魔の手を借りるとか死んでもゴメンだわ』

『地球に降り立つなバケモノ!消え失せろ!!』

『違う。みんながこう思ってるわけじゃないんだ。だからどうか、命だけは、お願いします』

 

「……まぁ、こうなることは覚悟の上でここまできたからねぇ。

別に、怒ってないよ。ただ私はンの名前を引き継いだ以上、私の祖星の為に日本と取引をする、それだけだ」

 

『立ち去れ悪魔!』

『おい、お前ら本当にやめろ』

『怪物にくれてやる物なんてない!』

『技術だけ寄越して消え失せろ!!』

『なんでミーチューブの運営は仕事しないんだよ』

 

「日本政府はちゃんと苗木とか色々、用意してくれてるみたいだからね。そこらへんの誠意ある姿勢には敬意を払いたい。私も、それに応じた技術提供を日本に行わせていただきます。

それと、武装艦隊やらなんやらを日本へ送っている一部の国に関してだけど……取引は日本のみ応じるという意向なので、そこら辺勘違いしないでほしいな」

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