エイリアン「みんなでボクの星を救ってほしいのだ!」 作:黒本
約束の期日となった。
指定された空港へとワープを行う準備をする。空いている場所へ座標を指定。……ン〜。なんか、プライベートジェットらしきものに爆弾仕掛けてあるのは気のせいだろうか。あれ総理大臣のものくさいんだよなぁ。それをテレポート対象として指定し、艦内へと入れる。うわやっぱり。時限爆弾じゃ〜んウケる〜!!(笑えない)
テレポート時点で魔力を消費して瞬時に凍結を行っている。爆破の心配はない。もしもしポリスメン?なんか、総理が暗殺されそうだったけど大丈夫?文字見た感じ隣の国のものくさいけど。凍らせといたからあげるね。その連絡を受け、手元に氷の塊が落ちてきた公安委員は青ざめて悲鳴をあげた。
暗殺した後に何をするつもりだったのかはわからないので、過去視の千里眼を起動。自身の核に内蔵された「本物の」目でもある機構を利用し、過去を覗き見る。
わぁ。国家複数で私の誘拐計画立ててる。こわ。私を追い出せって色々言いふらして工作してるなって思ってたけどマジでか。流石に怖い。脅威を理解している日本側は歓迎ムードなのに、諸外国がこんな対応取るんすね、ふーん。なんだこの世の終わりは……たまげたなぁ……
日本側に、鎖国策として国境へ人間と、機械類を弾く魔力シールドの常時発生を要望する決意を固めた。物理的に来れないようにしないとダメだよこれ。食料問題、燃料問題は解決されてるしね。
魔力は……国境より外の範囲から使用するように設定すべきだろう。諸外国の魔力量が薄れた、とか言われても知らんぷりである。どのみち元がどれだけ満ち溢れてるかを知らないだろうし。もとより、この地球という星は魔力に満ち溢れた星だが……排泄物からの魔力生成をするように国に求めたのは、星そのものの魔力を使わせないためだ。
だって、魔力って耳障りの良い言葉を使ってるけど、原理は生命エネルギーの搾取だからね。魔力を吸った後の細胞類やら生命は壊死するから。排泄物からの魔力生成は、生成後に残ったカスを堆肥として再利用できるメリットもあるけど、空気中の菌やらなんやらでは飽き足らず、大きな生命体から魔力を吸うとなると、生態系の崩壊は不可避である。
植物だけでなく、生物を呼び込んで生態系を作ろうとしてるのはこれがいちばんの理由なのだ。植物だけでは、また枯渇はいつしか訪れる可能性がある。恒久的な魔力資源が作れる環境は重要なのだ。
だからこそ、私たちは地球の生命と共存という道を歩む必要がある。……ただ、利益等々の理由で私達との共存を拒む人々も居るみたいだが、まぁ予想はできていたし、日本側は歓迎の姿勢で祀り立てようという方針なのでなんら問題はない。
歓迎通り越してる気もするけど。某イラストサイトを覗いたら私の原型R18絵がランキング入りしてて笑った。いいだろ、このボディ。私も気に入ってる。
「では、ワープを行います」
太陽系よりちょっとだけ外側あたりで待機している大型艦から、小型の対外宇宙兵器として、殻と、希少金属を捏ねて作り上げた専用機体に乗り込む。
機体の外見は四脚に浮遊した腕が二本浮いている、異形の人型ロボットである。最後の最後まで粘りやがった元同胞の上位存在を八つ裂きにした相棒である。八つのカメラアイを光らせながら、祖星からなんとかやりくりして持ってきた魔力を利用してワープ。
機体の中から見えたのは、美しい青色だった。
ざわめく人々と、それでも焦らない姿勢を貫く国の代表。ピンと伸ばされた背中からは、国を背負う彼の矜持が感じられる。
そっ、と。灰色の大地を踏んだ。機体の胸元からするり、と外へと出ると、自分が知るものよりずっと力強い風が吹く。
「……はじめまして、私のもう一つの祖国。私は、ヲグィルナ星の第三皇女、「ン」と申します。まずは、私の要請に応え、歓迎してくださった、日本国民に感謝を」
地面を踏み締める。今は夏だからか、非常に暑い。ジリジリとした熱気を足元からほんのりと感じる。
「こちらこそ、初めまして。私は、内閣総理大臣の○○と言います。この度は、我が国に「お戻り」いただいた上、技術の提供をいただき、誠にありがとうございます……」
臆することなく差し出されたその右手に、同じように右手を差し出した。
そして、しっかりと。手は、握られた。
その後、私はしばらくこの日本に滞在することになるので、式典はささっと締め、前世でも乗ったことのないリムジンへと案内された。本来ならここでプライベートジェットに乗り北海道まで移動し、現段階での排泄物の活用に関してを視察する予定であったが、爆発物が設置されていたこと等も相俟って、しばらく指定の場所で宿泊する、という形に落ち着いた。
ワープに使った機体はしばらくそのままでいい、との事だったので、重力固定処理により「絶対に」近寄れないようにした上でその場に置いていった。
「……これはちょっと、個人的なお願いなのですが」
「いかがされましたか?」
「私たちも食事を行うには行うのですが、魔力を吸い取った後の無機物の残り滓しか食べてないので美食を知らない文化でして……。
祖星に私の現状を配信、のようなことができるのですが、その時に本物より劣化したものになりますが、香りや味が見る側も体験できるんですね」
「なんと、そのようなことができるのですね」
「えぇ。美食を知らない皆からは無駄なことを、と反対されたので完全なものにはできませんでしたが。
それでその……、食事の時に、祖星の者達に料理の味などを体感していただくための配信を、行ってもよろしいでしょうか……」
「えぇ、もちろん。どうか、この星の味覚を少しでも、届けて差し上げてください」
飯テロに、美食を知らない戦争下で生きてきた国民がどのような反応をするか、今から楽しみで仕方がない。
命を頂くことをしっかりを知ってもらえると嬉しいのだが……。
そんな想いを乗せながら、リムジンは護衛と共に街の喧騒に埋もれていった。
外国の目的
日本人(大嘘)「エイリアンきえろ!テロしてやる!」
外国「ウワー!大丈夫ですか!(マッチポンプ)うちなら取引歓迎するやで!!」
happy end
転生者ムーヴが「ガチ」と思ってたらできない行動だってはっきりわかんだね