転生悪役令嬢フランチェスカの受難   作:如月SQ

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嬉しかったので少しおまけを投稿します。


●●!●●令嬢フランチェスカ

パチッ……

 

 何かが弾けたような音がして、意識が目覚めた私は、違和感に目を瞬きました。

 直ぐにはそれが理解出来ず、信じられず、何度も瞬き、目を擦り……。

 なおも変わらぬ景色が、それが本当だと告げていました。

 

「目が……見える……?」

 

 私は久々に……えと、いつぶり、でしょうか?

 今何歳でしたっけ……まぁいいですわ!

 何が起こったかわかりませんが、目が見えます!

 

 目を覚ます前には……あれ?何をしてたのでしたっけ……?

 何か、悲しい事がありつつ、喜びの中で眠りについたような……。

 でも今の喜びはその比ではないですわね!目が見えるのですよ、目が!

 この感激を誰に伝えましょうか?ミラはおりませんの?

 そう思って左右を見て、私は困惑してしまいました。

 

「……あれ?ここは何処でしょう……?」

 

 辺りを見渡せばそこは見覚えのない小ぢんまりとした部屋で、2つの窓と2つのドア、暖炉に四人がけの椅子とテーブル。

 そして私は暖炉の前で安楽椅子に座っていて、肩には毛布、膝には編み途中の編み物が置いてありました。

 

「…………?」

 

 私は不思議に思いながらもその編み物に手をかけます。

 すると手が勝手に……と言いますか、どうやればいいかが頭に浮かび、手が自然と動くというのでしょうか。

 今までやった事もない筈の編み物ですのに、すいすいと編み始めてしまいました。

 

 ん……いえ、違いますね、この生活を始めてから覚えたのでしたね。

 私が美しいからと外で働く事を二人が嫌がってそれで……。

 そう、そうですわね。

 

 本格的に寒くなる前に、お二人の、アレン様とサラさんのマフラーを編み終えなければいけません。

 私が愛するお二人に、寒い思いはさせられませんからね。

 

「愛する、二人……」

 

 顔が熱いですわ!

 お二人とも熱烈に愛して下さるから、思い出すだけで照れてしまいます!

 

 時間としてはそろそろ夕方、今はきっとミラが晩御飯を作ってくれてる筈ですわ。

 お二人が帰ってくるまでに、マフラーを完成させるとしましょう。

 

「ふんふんふーん……」

 

 私は安楽椅子に揺られながら、編み物を続けます。

 気付けば鼻唄を……「瞳の中の恋人」のオープニング曲を歌いながら。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「ただいまー」

 

 この声は、サラさんですわね。

 

「お帰りなさいませー」

 

 さて、お帰りのハグをしなければ。

 編み物は……終わりませんでしたね。

 お夕飯の後に続きを致しましょう。

 

 ゆったりと立ち上がり、編み途中のものを安楽椅子の上に置いておきます。

 やがて私が今居る部屋、リビングの扉が開きました。

 

「帰ったよフランさーん!」

 

 現れたのはサラさん、茶髪を肩口まで伸ばした彼女は、満面の笑みを浮かべて私に抱き着いてきました!

 私はそれに応えて、背中に手を回してしっかりと抱き締めます。

 すりすりと猫のように頬擦りしてくるサラさんに、愛おしさで胸がいっぱいですわ……!

 

「んふふ……フランさんいい匂い……」

 

「んんんっ!匂いを嗅がないで下さいまし……!」

 

 すんすんと鼻を鳴らし、耳の後ろを嗅がれるのは、流石に恥ずかしいですわ!

 肩を掴み、問答無用で引き離します。

 

「あーん」

 

 そして、サラさんの顔を改めてマジマジと見つめる事になりなました。

 茶髪に深紅の瞳、垂れ目気味の優しげな目元、なだらかな弧を描く口。

 ……なんだか、初めて見たような気がしますね。

 ゲームでは主人公なだけあってゲーム中にはほとんど出てきませんからね、それに今は学園を去って既に――。

 

「ちゅー」

 

「むぐ!」

 

 そんな事を考えていると、サラさんに頭を抱き寄せられ、キスされてしまいました!

 突然の行動に手に力を込めて引き剥がそうとしますが、頭をガッチリ捕まれて動きません!

 

「んむ……ん……」

 

 至近距離で香るサラさんの仄かに汗臭い、けれども甘い香りに頭がクラクラし始め、目が細めた辺りでサラさんの顔は離れていきました。

 んんん……体がポカポカします……。

 

「んふふ、もう、ちょっとキスしただけですぐえっちい顔するんだから……食べちゃおっかな?」

 

「ダメだよサラ」

 

 そこに男の人の声がして、サラさんが動きを止めました。

 

「あら、アレン様、お帰りなさい!」

 

「ただいま、サラ。フラン。今帰ったよ」

 

 にこりと爽やかな笑みを浮かべて此方を見る、金髪の男性……子供の頃に想像していた姿を越えてかっこよく育ったアレン様……。

 

「お、お帰りなさいませ!」

 

 わわ、カッコいいですわ!

 金髪蒼眼で甘いマスクの正統派王子様ですわー!

 大興奮ですわ!

 ……改めてアレン様たら、かっこよく育ちましたわね。

 まるで成長途中を見てなかったような驚きですわ……。

 

 アレン様はそのまま私に近付き、頬に片手を添えて、反対側にキスを落としました。

 そんなキザな動作でもドキッとしちゃうんですから、私も単純ですわ。

 

「今日も綺麗だね、フラン」

 

「もう!口説いても何も出せませんわよ?」

 

「本当の事を言っただけさ」

 

「アレン様!私は?」

 

「サラは今日も可愛いね。小動物みたいで」

 

「愛玩動物扱いですかー?」

 

「む……」

 

 なんだか二人がイチャイチャしてますわ。

 ちょっと不服なので、アレン様のほっぺにキスしてあげます!

 

チュッ

 

「アレン様も今日もカッコいいですわ!」

 

んん、ちょっと大胆すぎましたわ、顔が熱いですわー!

 

「ふっ……いや、フランは完璧だよ。綺麗で可愛くて……君もそう思わないかい?サラ」

 

「じゅる……同感です」

 

「……涎を拭きなさい。それに今日はダメだと言っていただろう?」

 

「むぅ、仕方ない」

 

 私が恥ずかしがって俯いてる間に、二人ともなんだか暖かい目で私を見ていましたわ……。

 なんなんですの……?

 そんな事を話していると、もう一つの扉が開き、私のメイドのミラがそこに立っていました。

 

「皆様お帰りなさいませ。お食事の準備が整いました」

 

 そしてペコリと頭を下げ、言葉を告げるのでした。

 

 

 

 なんとも穏やかな時間です……。

 三人で、ミラを加えた四人で囲む食卓……今日あった事を話して談笑しながら、ごくごく普通の食材で作られた美食に舌鼓をうって。

 

 こんな日々が来るなんて、あの頃は決して……。

 ……あの頃……?

 何の話でしたっけ……。

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 私達がこうして暮らしている理由は、学園の卒業パーティーの時にまで遡ります。

 私はサラさんと親友と呼べるような関係になれて、サラさんは誰とも付き合う様子はなくて。

 安心してアレン様との逢瀬を楽しんでいたり、サラさんと遊んだりしていました。

 

 そうしたらなんと、何故か断罪イベントが起きてしまったのです!

 とはいえ、ゲームではアレン様始めとした七家の方々が主催で起きた断罪イベントとは違い、何故か主催しているのは私を苛めていた方々でしたわ。

 私が取り巻きを作らなかったり、平民であるサラさんを庇ったりしたのが相当気に食わなかったのか、よく嫌がらせをされていました。

 まぁ、幼稚でしたので無視していたのですが……行為はエスカレートし、結果的に卒業パーティーでの暴挙に繋がったようです。

 しかも訴えの内容は逆に私が苛めていた、等という荒唐無稽な話でした。

 ただ、否定する証拠もなかったのが困り物でした……。

 ですがそこでアレン様が私の為に怒って下さったのです!

 ただ……結局疑いを拭いきれず、パーティーの後、私の立場は危うい物となっていました。

 

 そして紆余曲折あり……アレン様は王位継承権を放棄して、私を連れて逃げる事を決めました。

 改めてプロポーズされて……喜んでいいやら、悲しんでいいやらでしたわ……。

 結局は、お言葉に甘えてしまいしたが……。

 

 そして、深夜にそのまま夜逃げのような形で逃げる所を、サラさんとミラに見つかり、二人もついてくる事になったのですわ。

 ミラは兎も角、何故サラさんが?と問い掛ければ、熱烈な告白を受けてしまいました。

 照れる私に対し、何故かアレン様はほとんど驚いておらず、穏やかな笑みを浮かべるだけでした。

 結局私の新たな恋人としてサラさんを連れ、身の回りの世話としてミラを連れ、私の至れり尽くせりで、穏やかで、幸せな日々は始まるのでした。

 

 そして今は食事も終え、身も清めました。

 完成したマフラー二本をそれぞれアレン様とサラさんに渡します。

 すると、喜色満面の二人は両頬にキスしてくれました。

 二人は直ぐに私に愛情表現してくれるのですよね、嬉しいのですけど、ちょっと恥ずかしいですわ……!

 そう思って顔を隠すと、二人は更にスキンシップを取ってくるのです……!

 堂々巡りですわ……!

 

 やがて就寝の時間となり、私達三人は、私が真ん中で川の字になって大きなベッドで就寝します。

 二人は私を先に寝かせ、順々に愛を囁き、私にキスをしてから横になるるのです。

 その後は……その、くんずほぐれつと言いますか、美味しく頂かれると言いますか……。

 行為の時間……なのですが、今日は私の手を握って二人とも毛布を被りました。

 

「……あれ?今日は……シないのですか……?」

 

 思わず言ってしまった言葉に、サラさんが反応し、すかさずその手を私の乳房に乗せてきました。

 しかし、それをアレン様はやんわりと止めるのでした。

 

「サラ、ダメだよ。フラン、明日は僕達の大事な式なんだ。僕もサラも君の事を抱きたいのは山々だけど、そうやって誘惑するのは止めて欲しいな」

 

「……?」

 

「わかってないねこれ」

 

 私はきょとんとしてしまいます。大事な式、誘惑?

 ……よく、わかりませんが、なにもしないのでしたら、寝ましょうか……実際、もう瞼が重いのですわ……。

 

「ふわぁ……そう、ですか……でしたら、おやすみ、なさいませ……」

 

 二人とも……暖かいですわ……。

 

「……寝ちゃった。ねえ、アレン様、ちょっとだけ……」

 

「そう言っておきながら、結局朝までするだろう君は……大人しく寝なさい」

 

「ちぇー……おやすみなさーい……」

 

「はい、おやすみ」

 

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 一夜明け、私は朝からミラに着飾られていました。

 お化粧に、何時もよりも気合いの入った編み込み……。

 この家で生活を始めてから、軽くウェーブをかける程度でしたのに。

 

「どうしたんですの今日は?」

 

 思わず問い掛けると、ミラは鏡の前で私の髪を熱心に結いながら、笑みを浮かべました。

 

「今日はお嬢様と、アレハンドロ様ミラ様との結婚式の日でございますから」

 

 それにピシャーンと、まるで雷にうたれたような衝撃を受けました。

 

「えっ……わ、わわわわわ、だから昨日お二人は私を抱いてくださらなかったのですわね……!な、なんで忘れていたのでしょう……!ミ、ミミミラ!」

 

「はい、ミ・ミミミラです」

 

「冗談は良いのですわー!貴女のとびっきりのおめかしをお願いしますわ!」

 

「くす……勿論ですわお嬢様……ご安心下さい、私の持てる限り、全身全霊でお嬢様の魅力を引き出してみせましょう!」

 

「お願いしますわー!」

 

 

 

 

 

「ところでサラ、君も新郎側で良かったのかい?君だって女の子なんだ、ドレスのもう一着くらいは……」

 

「いーの。そこまで私達に余裕ないでしょ?気持ちは嬉しいけどね……その分のお金でフランさん着飾ったほうが、私は嬉しいから。それにお化粧はバッチリして貰ったし、髪も結って貰った。それで充分!」

 

「そうか。なら良い式にしないといけないね」

 

「代わりに新婚初夜は私が最初ね……!」

 

「…………まぁ、仕方ない。そこは譲るよ」

 

 部屋の外、扉の向こうからそんな声が聞こえてきます。

 思わずその扉の方に顔を向けますが、直ぐに背後に立つミラに正面、鏡の方を向けさせられてしまいました。

 

「すみません、お嬢様、もう少し確認させて下さい」

 

 そんな言葉と共に二人の声がした扉は開けられました。

 横目でチラリと確認すると、二人とも純白のタキシードを着ておりました。

 サラさんは茶色の髪をしっかり結ってお化粧もしていて可愛らしいのですが、ビシッとしたタキシードがカッコ良さを引き出してます!

 お化粧は薄めですわね、口紅も薄いピンクですわ。可愛い!

 

 一方でアレン様は自然体ですわね。

 その金色の髪こそある程度整えておられますが……そのままで充分に魅力的ですわー!

 

「お嬢様」

 

「あぅ」

 

 見惚れてしまい頭が勝手に動いていたのか、ミラに再度直されてしまいました……。

 私は今体全体を見渡せる大きな姿見の前で、最終チェックをしている所ですわ。

 純白のウェディングドレス……聞けばミラが作り上げたとか。なんでも出来ますわね、私のメイド……。

 ただ、そのウェディングドレス、肩と胸元が完全に露出しておりますのよ!

 お二人に、はしたなく思われないかしら……。

 チラリと様子を見ると、お二人とも口元を押さえながらも此方をじっと見つめていますわ!それどちらの感情ですのー!?

 

 私の腰まである銀色の髪は見事に編み込まれて、一つに纏まられて右前に垂らされてますわ。

 うなじや肩がこうまで空気に触れてるのは初めてで、少し新鮮です。

 やがて、ミラが確認を終えたようで私の顔にウェディングヴェールをかけてくれます。

 ヴェール越しでもわかる真っ赤な口紅が、髪も含めて白すぎる印象の私に映えているように、見えます……自画自賛かしら……。

 

「……フランさん」

 

 そこでサラさんとアレン様が、直ぐ側まで来ている事に気付きました。

 私は笑みを浮かべてお二人をお迎えします。

 

「惚れ直しました!結婚して下さい!」

 

 突然ひざまついて私に手を差し出すサラさんに、つい笑みが溢れます。

 

「ふふっ……喜んで……」

 

 差し出された手に、右手を差し出してあげると、サラさんはその手首にキスを落としました。

 ふふ、サラさんたら。そもそもこれから結婚式を上げるのに、可愛らしい人ですわ。

 

「サラじゃないが……正直確かに惚れ直したよ。まるで女神が降臨したのかと思った……フラン、綺麗だよ」

 

 アレン様は笑みを浮かべてそう言って下さいます。

 もう、お二人とも褒めすぎですわ……!

 

「ありがとうございます。お二人とも、お上手ですわね……」

 

「さぁ、お二方、お嬢様の準備が終わりましたから、所定の位置でお待ち下さい」

 

「あ、はーい。それじゃ、フランさん、後でね」

 

「ああ、わかった。フラン、待ってるよ」

 

 二人はそう言ってあっさりと去って行ってしまいます。

 本番は、これからですわね。

 私は改めて姿見の前で自分の姿を確認します。

 

 何処からどう見ても、立派に花嫁さんですわ……。

 

「うふふ……」

 

 前世からの夢が叶いましたわね。素敵なお嫁さん……。

 私は満面の笑みを浮かべ、私を見つめます。

 ヴェールの奥で、私の翠色の瞳が此方を見つめていました。

 ……最悪の、幸せな悪夢ですわ。

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「汝……新郎アレハンドロさん、ミラさん」

 

「あなたは新婦フランチェスカさんを妻とし、病める時も健やかなる時も、悲しみの時も喜びの時も、貧しい時も富める時も」

 

「これを愛し、これを助け、これを慰め、これを敬い、その命のある限り心を尽くすことを誓いますか?」

 

「「誓います」」

 

「では……新婦フランチェスカさん」

 

「あなたは新郎アレハンドロさん、ミラさんを夫とし、病める時も健やかなる時も、悲しみの時も喜びの時も、貧しい時も富める時も」

 

「これを愛し、これを助け、これを慰め、これを敬い、その命のある限り心を尽くすことを誓いますか?」

 

「誓います」

 

「……ここに、お三方を夫婦と認めます。神よ、お三方にどうか祝福を授けたまえ。これからのお三方の道行きが祝福に包まれたものでありますように……」

 

 

 

 

 

「サラさん……」

 

「フランさん!」

 

「アレン様……」

 

「フラン」

 

「私、幸せですわ……」

 

 日の光が降り注ぐ小さな教会で、私達は笑顔を浮かべあいました。

 私達はその日、誓いのキスを交わし、お互いに幸せになる事を誓ったのです。

 ああ……最高の日ですわ……幸せ過ぎて、死んでしまいそうですわ!

 ああ……最悪の気分ですわ……最悪過ぎて、死んでしまいたいですわ……

 

 

――――――――――――――――――――――――――

 

 

 

「……フランチェスカ、君の献身に感謝する。せめて甘い夢を見続けるといい」

『やめて下さい、もう、やめて下さい!』

「君達人間は不思議なもので、望む全てを与えても幸せにならない。だからあえて、あり得た未来の中でも次いで幸せそうな夢を見せているんだ」

『何故そんな事を!私は、私はサラさんと共に、それで納得して、幸せな気持ちのまま死ぬつもりでしたのに!』

「君が可哀想だったからね……でも君の心臓を貰えないと我は本当の意味で復活出来ない。だからせめて苦痛無き死を、幸せな夢を見続けるといい」

『ああ、ああ、なんて酷いのですか……何故わざわざ有り得た可能性を見せるのですか!私は、私達は幸せでしたのに!』

「君の体はここで死ぬけれど、魂はサラ共々私の中で生き続ける。サラも甘い夢を見ている筈さ。皆で幸せになろう」

『そんなの、そんなの幸せじゃない!私とサラの覚悟に対して、貴方は何故そんな事が出来るのですか!私はあんな夢見たくなかった、知りたくなかった!あんな未来が有り得たなんて、知りたくなかった!』

「それじゃ、そろそろ君の心臓を貰おう。もうすぐ死んでしまうよ」

『……!いや!いやぁあ!死にたくない、死にたくない!私だってサラとアレンと幸せになりたかった!この世界で!貴方のせいで私はこうなったのに、目だけじゃなく、全て奪うというの!?貴方は、なんなのですか!?』

「我は魔王。君のおかげで完全なる復活を果たす、世界に平穏をもたらす者。ああ、ありがとうフランチェスカ、君の生は、命は我の糧となるよ」

『いやぁああああ!死にたくない!死にたくない!死にたくない!死にたくない!やめてやめてやめてやめっ』

「おっと、心臓を抜く時に少し痛みを与えてしまったかな?顔が歪んでいる。いけないな……笑顔を作って……よし」

『………………えへへ、サラさん、アレン様……ミラの作るご馳走はほっぺがおちそうですわね』

「うん、幸せそうで良かった。サラ、フランチェスカ。二人に心からの感謝を捧げるよ。ありがとう」

 

 

 




幻想!供物令嬢フランチェスカ
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