星の潮流   作:fw187

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銀河侵攻計画

 千里眼《クレアボワイヤンス》を操る超能力者、事件相談員《トラブル・コンサルタント》。

 或いは暴走阻止用に同行の御目付け役、クラッシャー達と連絡を急がねばならぬが。

 次元間通路を繋ぐ前に調整者集団経由、アンドロメダ連邦次元航行監理局からの要請を受信。

 マゼラン星雲の精神寄生人、異種族達の蠢動が銀河辺境星域で確認された。

 今度は身体事20万年の時を超え、侵入者《インベーダー》達の野望を砕いて貰いたい。

 

 惑星ガイア脱走の精神作用能力者、魔術師は難無く惑星テルミナス掌握の偉業を達成。

 暗黒星雲同盟の用いた催眠暗示波形模様、妖波動も新たな敵の前では児戯に類する。

 ザース・アーン率いる科学者達は第三段階の時間移動手段、カイサール転送装置を創造。

 未来に身体を運ぶ実験の対象となり、私は再び時を超えた。

 

 

 暗黒星雲同盟の軍備は削減され、協調路線に転換。

 帝国艦隊の損害も甚大であった為、ヘラクレス男爵領の発言力が増大している。

 外宇宙辺境伯の割拠する銀河外縁、マゼラン星雲側の宙域は事実上の無法地帯。

 偵察艦の激減で監視哨、秘密情報機関の諜報活動に頼らざるを得ぬ。

 

 アーン・アッバス大帝、ジャル・アーン第一皇太子に異世界からの要請を報告。

 侵略者の蠢動を探る為、非人類種族の棲む惑星を偵察中に私は絶句した。

「ほう、成程なあ!

 驚いた、こんな顔だとは思わなかったよ!!

 私は暗黒星雲同盟の総帥に瓜二つの影武者、一介の傭兵でね。

 ショール・カン演じる喜劇役者、銀河辺境を放浪する旅芸人生活を満喫している所さ」

 

 死んだ筈の青色人《ブルー・マン》、卓越した戦術家が微笑。

 旧知の友と再会した風を装い、抱擁して耳元で囁く。

「帝国宇宙軍に残る諜報員、忠実な部下達の連絡で事情を知ったのだがね。

 情報を提供する、私を雇う気は無いか?」

 

 

 私と瓜二つの男は無罪保障の確約を得て、外宇宙辺境の情勢を解説。

 独立心旺盛な冒険家の後継者、伯爵達を黒幕の噂も告げる。

 灰色≪グレイ≫の頭巾、外套≪マント≫を纏う異種族の催眠術師《ヒュプノ》。

 ショール・カン撮影の映像を見た瞬間、想定外の事態が起こった。

 

 小マゼラン星雲発祥の異種族、ハハーン特有の思念波が私を掌握。

 アンドロメダ星雲発祥の透明種族ローリン同様、本能的な嫌悪を掻き立てる。

 ディスラプター作動原理、射程距離等の詳細情報を得られず催眠術師は激昂。

 想像を絶する程に異質な精神的強制力《サイコ・フォース》、闇黒の渦が濃度を増す。

 

 怪物は真実を認めず、深層心理の遮蔽《シールド》と決め付け精神融合状態に移行。

 表層の記憶を探り、心の底まで浸透を試みる。

 魂の奥底で盲目的な怒り、激烈な嫌悪と反感が爆発。

 《何か》が蠢き、潜在能力の引き金を引いた。

 

 

 無形の《気》と《念》が渦巻き、怪物の精神的強制力《サイコ・フォース》を凌駕。

 名状し難い《パワー》が強靭な精神防壁を破り、一気に捻じ伏せる。

 反応の鈍い敵は為す術も無く精神衝撃を喰らい、立場が逆転。

 モーフ達を強引に捻じ伏せた暗示能力者、キタイ・イシバシ級の精神攻撃に屈した。

 

 秘密兵器ディスラプター奪取、首都無血占領を目論む別動隊は銀河中枢星域に侵入。

 私を襲った催眠術師は墓穴を掘り、自業自得の憂き目に遭ったが。

 外宇宙辺境伯爵の宇宙船に数名が乗り、大帝と皇太子を精神的強制力で捕獲。

 中央銀河帝国軍の総攻撃を装い、全恒星王国征服の計画が進行中であった。

 

 侵入者《インベーダー》は無抵抗で暗示命令に従い、記憶の遮蔽を総て撤去。

 マゼラン星雲の奴隷世界、銀河侵攻計画の概要も隠そうとせぬ。

 暗示命令で暗黒星雲同盟の元盟主、外宇宙辺境伯爵の精神支配を解除。

 私と瓜二つの男が顔を歪め、吐き捨てる様に呟く。

 

 

「畜生、なんてこった!

 こんな奴に操られるとは、俺も焼きが回った!!

 感謝するぜ、ゴードン。

 忌々しい、自分が情けないよ」

 

「落ち込む暇は無い、手を貸せ!

 親愛なる我が友、ショール・カン君。

 人類の救世主、ハハーン打倒の鍵となる機会《チャンス》を提供しよう。

 私と同様、最強の暗示能力者《パラ・リーダー》になる気は無いかね?

 

 君は魂の兄弟、精神的双生児《サイキック・ツイン》と云っても過言ではない。

 潜在超能力発揮と顕在化の鍵、精神接触に備え給え」

 青色人《ブルー・マン》は用心深く、思考を偽る事の出来ぬ精神感応状態で確認を要請。

 私の提案を精査の後に野生の勘が閃き、表層の記憶を垣間見る事も望む。

 

「汚いぞ、俺を同じ目に遭わせる心算か!!

 腹黒い策謀家め、地獄に墜ちろ!!」

「ハハーン達を睡眠中も抑え込む為、もうひとりの暗示能力者が要るのさ。

 フハハハハ、(半音上がる)ハハハハハハハハ!」

 

「拒絶してやりたいが、対案が無い!

 忌々しい奴め、月の無い晩には気を付けろよ!!」

 頭の回転が速い冒険者は覚悟を決め、精神融合状態と潜在超能力発動を体験。

 我々は加速性能が数倍の宇宙船に乗り、トランター星域に飛ぶ。

 

 

 ハハーン別動隊は皇太子《プリンス》2人、大帝を精神的強制力で掌握。

 ディスラプター搬出、ヤマト艦首装着の真最中であった。

 暗示命令に無抵抗の催眠術師を操り、別動隊の頭数を確認。

 嫌々ながら精神融合状態に移行、思念を凝縮し爆発させる。

 複数の敵を掌握の後、大帝と皇太子達の精神支配を解除。

 デルゴン貴族の催眠術と同様、3人は価値観の異様な逆転を鮮明に記憶していた。

 

「親愛なる皇帝アーン・アッバス陛下、謹んで申し上げます。

 敵の侵攻軍は銀河辺境、ウェラ・スパー宙域に潜伏中。

 暗示能力獲得後、私と盟友は敵を掌握可能となりました。

 マゼラン星雲の奴隷世界を覆し、銀河文明の脅威を取り除かねばなりません。

 ショ-ル・カン恩赦、遠征の指揮官に推薦をお認め下さい」

 

 大帝の表情が強張り、鷹の様に鋭い瞳で私を凝視。

 突然の指名に驚き、影武者《ドッペルゲンガー》も横目で私を窺う。

 

「両マゼラン星雲の星間航行種族は総て、暗愚な暴君の搾取と圧政に喘いでおります。

 奴隷に造り替え服従させる精神的強制力、催眠術の威力は陛下も体験された通り。

 ハハーン共の絶対的権力、支配構造を突き崩す術はありません。

 暗示能力者2名も睡眠中、無防備な時に襲われたら撃退可能の保証は無い。

 人類が従来通り専守防衛に徹すれば、精神的怪物の餌食となるでありましょう。

 

 ウェラ・スパー宙域に潜む敵艦隊、侵攻軍を単独で掌握する事は困難ですが。

 ショ-ル・カン恩赦は敵艦の捕獲、マゼラン星雲解放の鍵となる。

 各恒星王国を含む銀河系人類の中で、彼の上を行く適任者は存在しますか?

 失礼ながら最終兵器ディスラプター奪取、皇帝と皇太子も誘拐の実績が証明しています。

 中央銀河系帝国は寛大なる精神を発揮し、実利を取るべきではありませんか?」

 

 

「そこまで言われてしまえば、気持が良い位だな!

 侵略者共の精神的強制力に抵抗できる者なぞ、1人としておらん!!」

「攻撃は最大の防御、と申します。

 マゼラン星雲の奴隷種族を解放する為、この男を有効に活用致しましょう」

 

 大帝は無言で頷き、ショ-ル・カン恩赦を承認。

 ハハーン共は無抵抗で暗示能力者2名に従い、ウェラ・スパー宙域に超快速の宇宙船で急行。

 反逆を試みず唯々諾々と暗示命令に従い、探知不能の艦隊司令部に計画変更の思考を送る。

 艦隊に残った留守番役、星間航行種族を制御する催眠術師達の実力は偵察班より数段下。

 黒い破壊者《ブラック・デストロイヤー》、ESP波の象徴《シンボル》に瞬殺された。

 

 大マゼラン星雲発祥の獅子頭人身族、比較的小柄な通称グラド達の精神支配を解除《リセット》。

 勇敢な戦士達は事態の急転を喜び、故郷の同族達も解放を望んだ。

 彼等に艦隊の運用を委ね衛星銀河、両マゼラン星雲の詳細な情報を確認。

 帝国打倒に挑んだ戦術家、ショール・カン発案の計画を臨時同盟者と検討する。

 

 大マゼラン星雲の暴君は遠征軍の勝利、艦隊の帰還を微塵も疑わず全くの無防備。

 アルコン帝国製の精神干渉装置に屈した異種族、精神寄生体IVs同様に壊滅した。

 デルゴン貴族を掃討する第二段階レンズマン同様、小マゼラン星雲も急襲。

 ハハーン共は滅び惑星バイカロブ居住種族、バラモス達と協定を結ぶ。

 私の相棒は第二段階デルゴン貴族、ブラック・レンズマン発見の故事を引用。

 暗殺を懸念して凱旋帰還を断り、マゼラン星雲に残留する事となった。

 

 私は銀河系帰還の後、ショール・カン対策を提案。

 非人類種族の精神統一体実現、集団超能力発揮には数世紀を要するやもしれぬが。

 リアンナ姫の従兄弟ナラス・テイン、特異な精神構造の若者も提案に賛同。

 第二銀河帝国初代皇帝の野望、夢を実現する為に各地の異種族を訪れている。

 

(お父様、心象《イメージ》を受け取って!)

 愛娘の思考は瞬時に途切れたが、血の呼び声に疑いの余地は無い。

 マゼラン星雲と銀河系辺境の監視体制を協議中、脳裏に響いた《声》を優先。

 私は皇帝と皇太子達に事情を説明の後、異世界の艦隊勤務者と精神接触に備えた。

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