と言うか次のアウトサイダーズの浅倉、もしかしてMOVIEバトロワの地続きの可能性有ります?
前にも言いましたが一応この作品ではアウトサイダーズとは無関係と言うつもりで書いてます。
それはさて置き、また暫く更新出来なくなります。
理想としては年末年始ぐらいまでは。
ご了承下さい。
回転するゾンビブレイカーの刃。
受け止めたベノサーベルの刀身を削り、激しく舞い散る火花。
それを眺めながらD王蛇OZは歓迎の声を漏らす。
「はは、まだやれるのか! お仲間が殺られたのが効いたな?」
「知らないんだな......ギーツは簡単に死ぬ奴じゃない!」
このまま押し込もうと前身するバッファ。
しかしD王蛇は途中でバッファの腹部に蹴りを入れ、鍔迫り合いから解放される。
「そうだ、その調子だ!死ぬ気でかかって来い!ぶっ潰すんじゃない。俺を殺す気でなあ!! はっはっは!」
やはり修羅場を潜り抜けたライダーとの戦いは一級品だ。
ジエンドライダーみたいな雑魚とは比べ物にならない。戦いはこうでなくては。
自分が求めていた戦いに巡り合え、歓喜するD王蛇。
バッファは直ぐにまた斬りかかるが、D王蛇は軽く彼の頭上を飛び越え回り込んだ。
振り返るバッファ。しかし、背後にはもうD王蛇の姿が無い。
あるのは先ほど自分がぶつかった自動車が止まってるだけだ。
窓ガラスは割れてるがボンネットは無事で自分の姿を奇麗に映し出している。
また何処か鏡の中へ逃げ込んだようだ。
再び警戒するバッファだったが.........
突如、彼は背中に斬りつけられた様な激痛を感じた。
直ぐに向き直るが誰も居ない。周囲を見渡している間に今度は横から何かに斬りつけられ転倒する。
攻撃が来たであろう方角を見るが相変わらず誰も居ない。
遂には3度目の見えない攻撃がバッファを襲う。
ダメージは受けたがバッファは攻撃を受ける際、一瞬だけ膨大な熱風を感じ、火の粉が舞っている事に気付いた。
「.......ブーストか!」
バッファの予想通り、D王蛇は鏡の中で再び下半身をブーストフォームに変化させていた。
強力だが瞬発力が有り過ぎて使い辛く感じていたブースト。
運営のトレーニングルームで何度か扱いはしたが自分には合わないと思っていた。
しかしバッファが予想より骨のある奴と認識し、改めて彼相手に試したくなったのだ。
やはり命ある人間相手との戦いは心が躍る。仮想ジャマトとか言うゲームキャラとは訳が違う。
そう言う相手にこそ、持てる力をフル活用したくなるのだ。
オリジンフォームが持つ鏡の中を移動できる能力。そしてブーストよる高速移動。
驚異的な二つの力を兼ね備えたデザイアライダー王蛇・オリジンブーストフォームは、
周囲のあらゆる反射物から現実世界へ出現、目にも止まらぬスピード共にベノサーベルで斬りつける。
鏡の中から超スピードで飛び出し一撃を食らわせたらまた鏡の中へ。この様な一撃離脱戦法を繰り返しながら、確実に追い詰めていった。
(直ぐにトドメを刺さない.....完全に遊んでやがる。ナメやがって!)
バッファの思惑通り、D王蛇OBは完全に楽しんでいた。折角の滾る戦いを一瞬で終わらせるのは面白くない。大分慣れて来た力も楽しむ為にある程度嬲るつもりなのだ。
自分が舐めプされてる事に憤慨するも、バッファは成す術なく攻撃を受け続けた。
周囲には戦いに巻き込まれ横転、乗り捨てられた車の数々。
側にはビルの窓ガラス。反射物が無い場所を見つける事も難しい。
ブーストだけでも脅威だが鏡の中に入る事も出来ず、対抗手段が無い。
ゾンビフォームのボディは至る所に切り傷が付き煙を上げている。
(くそ........何か手は無いのかよ!)
コマンドバックルが大破してしまった以上、バッファにはもうゾンビフォーム以外戦力が残っていない。
模索している内に再び背中から大きな一撃を受け、バッファは前方へ弾き飛ばされた。
うつ伏せで倒れ込むと、目の前に一つのバックルが落ちてる事に気付く。
拾い上げるとそれはウォーターレイズバックルだ。
先ほどベノスネーカーによって溶かされたゾンビライダーの一人が所持してた物が偶然にも溶解を逃れたのだった。
しかしバッファは直ぐに落胆する。
彼の様なベテランの参加者からすれば、この様な小型バックルは初心者向けの所謂"ハズレ"アイテムに分類される弱小武器なのだ。
ましてやアームドウォーターは大量の水が貯水されてる場面以外は鈍器にするしか使い道の無い難儀な仕様である。
「こんなバックルじゃ奴には........ぐあぁっ!」
再び攻撃を受け火花を散らしながら吹き飛ぶバッファ。
またも地面に叩きつけられ顔を上げる。
そこで彼は大きく陥没した地面を発見する。
これはバッファが来る前、ジエンドライダーの一人がレイズチェーンアレイを地面にぶつて出来た物だ。
直径は大体普通自動車一台分、深さは1メートル程だろうか。この穴を作った本人も既に命を落としている。
傍から見ればただの穴。
しかしバッファはそれが妙に気になり、同時に先ほど拾ったウォーターレイズバックルに視線を移した。
「.........................一か八かだ!」
《SET》
《ARMED WATER》
《READY FIGHT !》
そして何かを閃き、ゾンビバックルの隣にウォーターバックルを装着。
バッファの左足にシアンアンダープレートと言う拡張装備が施され、ゾンビブレイカーを左手に持ち替え右手には拡張武装であるレイズウォーターが装備された。
《ZOMBIE STRIKE》
次にバッファは左手のバーサークローを翳し、大量の毒液を穴の中に流し込む。
煙を上げながらも穴の中は毒液が半分程溜まった状態になる。
満タンにすると奴に気づかれると思った。
最後に何時何処から王蛇が現れても良い様に、仰向けでレイズウォーターを構え周囲を警戒する。
一方何処かの鏡の中からD王蛇OBはバッファを捉えていた。
(........次で最後だ)
奴との遊びも終わりだ。そろそろ別の獲物を探したい気分である。
あの調子ならベノサーベルの一突きでも十分始末出来る。
必殺技を使えば使用不可能になるブーストバックルは、他の獲物の元へ一早く到着する為に温存させておきたい。スエルの元まで超スピードで移動し、上手く行けば奴から獲物を奪えるかもしれない。
今更アームドウォーターなど下級武器を装備した理由は不明だが、無駄な足掻きだ。
「......................」
神経を集中し、周囲の警戒を続けるバッファ。
相手が手慣れだとしても、レイズバックルの知識は自分の方が上。
ブーストを使う相手は何度も見て来た。幾ら超スピードとは言え移動する際の音や熱を隠す事は出来ない。鏡の中から出て来るなら出現時にブースト特有の爆音が響く。
何処から飛び出してくるかは解らないが、再び鏡から出て来た時が勝負だ。
「..........さっきは芸が無いとか言ってたな?........教えてやるよ。ゾンビってのはなぁ............」
バッファが呟いた次の瞬間、数メートル先の車の窓ガラスからD王蛇OBが襲い掛かって来た。
鏡から出た瞬間の爆音を聞いた瞬間、バッファはD王蛇に狙いを定め、レイズウォーターの蛇口をひねった。途端にレイズウォーターから長いポンプが飛び出し、先ほど穴に溜め込んだ毒液に差し込まれる。
「死にかけてからが本番なんだよぉ!!!」
トリガーを引くバッファ。途端にレイズウォーターから黒い毒液が噴射された。
外部から水を供給する事で強力な放水を行う水鉄砲・レイズウォーター。
しかしバッファが水の代わりに毒液を入れた事により毒の水鉄砲へと変貌したのだ。
最も、強酸性の毒を入れられたレイズウォーター本体は強度が耐えられずトリガーを引いた途端破裂し溶解してしまったが、これで良い。
お陰で毒液が飛散し標的に命中し易くなった。
自分から出た毒なので端正があるバッファには何の影響もない。
「!?」
超スピードで急停止も出来ず、諸に毒液を浴びてしまったD王蛇。
串刺しにしようとしたベノサーベルはバッファの頭の側を霞めた。
バッファを通り越し一度足を止めると、徐々に襲い来る灼熱感に藻掻き苦しんだ。
「......ぉあ....ああ..............があああああああああっ!!」
全身に毒を浴びたD王蛇OB。特に頭部は顔半分まで毒液が付着し煙を上げている。
マスク半分が拉げて爛れ、隙間から流れた毒液が浅倉の皮膚を直接焼くのだった。
予想以上の効果が有った様だ。彼を見て「殺された奴の報いだ」とでも言う様に、バッファが息を切らしながら挑発する。
「どうだ?........容赦なく溶かされる気分は」
「貴っ様あああああぁぁっ!!」
怒り狂い我武者羅にベノサーベルを振り回し襲いくるD王蛇OZ。
しかし幾ら戦闘経験が豊富と言えど我を忘れた形振り構わない攻撃など対処は容易。直ぐに反撃してゾンビブレイカーでD王蛇のボディを斬りつける。
諸に斬られてしまうD王蛇。火花を散らしながら倒れ込む。
何とか直ぐに立ち上がるが斬られた痛みよりもしつこく纏わりついた毒液の方がダメージが大きく真面に動く事も出来ない。
この瞬間を逃すまいと、バッファは攻撃の手を緩めない。
今までのお返しと言わんばかりにゾンビブレイカーでD王蛇を斬りつけていく。
ここでようやくD王蛇はブーストバックルのスロットルを捻った。
イラついて来た。もう必殺技を出し惜しみする意味はない。ここでバッファを仕留めなくてはと判断したのだ。
しかし、何度捻ってもバックルが反応しない。
「......あぁ?」
見るとブーストバックルその物に毒液が付着して煙を上げ溶解している。噴射された毒液を全身に浴びたのだからこう言う事態は当然だった。
アクシデントに見舞われてるD王蛇OBにバッファが助走をつけた飛び蹴りをお見舞いする。
「でやあああ!」
「ぐがぁっ!?」
大きく仰け反ったD王蛇OBは毒の痛みを堪えながら直ぐ近くに乗り捨てられたワゴン車まで足を進める。
一旦鏡の中へ避難しようと言うのだ。
しかし、ゾンビストライクで生み出された巨大なバーサークローが地面から延びD王蛇を弾き飛ばした。
絶対鏡の中へは向かわせないと言うバッファの意思だ。
D王蛇はブーストも使えず、毒液の影響で確実に動きが鈍っている。決めるなら今しかない。
「もうお前に構ってる暇は無い。今ここで終わらせてやる!」
《POISON CHARGE》
ゾンビブレイカーのデッドリーポンプを稼働させ必殺技の準備にかかるバッファ。
対するD王蛇はブーストバックルだったガラクタを乱暴に放り捨て、再度ゾンビバックルを装備。
下半身にゾンビフォームのアーマーが装着され、オリジンゾンビフォームに再変身すると狂った様に笑い出した。
「はは........はははははは........久しぶりだぁ.........こんなにイライラするのはぁ!!」
そしてVバックルレイズバックルのカードデッキを模したボタンを素早く3回連打する。
《OUJA STRIKE》
《FINAL VENT》
背後からベノスネーカーが近づき、駆け出し高くジャンプしたD王蛇OZがトンボ返りする。
その途中、D王蛇OZは空中でゾンビバックルのウェイキングキーを捻った。
《ZOMBIE STRIKE!》
「はああああああああ-----っ!!」
片足を構え、ベノスネーカーから吐き出された黄色い毒液、ゾンビフォームから生み出された黒い毒液を全身に纏い、更には右足のバーサークローから斬撃を放ちながら急降下するD王蛇OZ。
本来の王蛇オリジンの必殺技にゾンビフォームのゾンビストライクを兼ね備え強化されたベノクラッシュが炸裂したのだ。
大量の毒液と共に迫り来るD王蛇にバッファは斬りかかる。
《TACTICAL BREAK!》
しかし、ゾンビブレイカーでキックを受け止めぶつかり合う形になってしまう。
「ぐ.....ああっ!」
受け止める暁に大量の毒液を浴びるバッファ。飛散した毒液が全身に付着し、ボディとスーツを徐々に溶解。まるで溶鉱炉にでも入ったかの様な灼熱感と激痛が全身を襲う。
「................負けて.......たまるかよ.......」
それでもバッファは耐え続けた。コイツにだけは絶対に負けてはならない。
少しでも犠牲者を減らす為に。その強固な意志が彼を振るいだたせるのだ。
マスクの右半分が溶解し、満身創痍な道長の顔半分が露わになるが、揺るぎの無い闘志の籠った目でD王蛇を睨みつける。
「命ある限り戦う........お前のその願い......全力で否定してやる......俺なりのやり方でなぁ......」
その時である。
道長の意思に反応したかの様に、バッファのデザイアドライバーが眩い輝きを放つ。
同時にバッファの姿にも変化が起きた。
彼の象徴とも言える角バッファホーンは黄金に輝き始め、背中には足元まで伸びた黄金のマントが出現。
装着されたフィーバーレイズは常にゾンビ限定になり、上下共にゾンビフォームへと変化。
極め付けに、左手にはもう一本のゾンビブレイカーが光と共に出現したのだ。
道長はこの感覚を知っている。
べロバと戦った時と同じだ。
「俺は.........誰かを不幸にする奴をぶっ潰す.........」
キックを受け止めたまま、バッファはスナップを効かせ、炎を纏ったもう一本のゾンビブレイカーで斬りかかる。
「仮面ライダーだああああああっ!!!」
《GOLDEN FEVER VICTORY!!》
その剣先はD王蛇OZのデザイアドライバーを捉え、見事命中する。
一振りで巨大な炎の斬撃も繰り出され、人の皮を被った悪魔は火花を散らしながら吹き飛ばされる。
「ぐおおおああああああぁぁぁぁ—―――――――――――――――――」
◆
(つ.....使えた......ジャマ神の力が......)
膝を付き、乱れた息を整えながら自分の姿を見て、あの力が戻った事を自覚するバッファ。
仮面ライダーバッファ・フィーバーゾンビフォーム(ジャマ神)。
通称「全ての仮面ライダーをぶっ潰す力」
ジャマトグランプリを制し、全ての仮面ライダーを倒す為に道長が望んで手に入れた力が再び発動したのだ。
その効果はあらゆる仮面ライダーに対し絶大な威力を発揮し、これにより道長はデザグラの参加者達から仮面ライダーの力を根絶やしにしたのだ。
発動した原理は道長自身も解らないが、べロバの時と同様少なからず彼の中にまだ力が残っていた事になる。創生の力が願いの強さで力が増幅すると言うのなら、これもある意味似たような物なのかもしれない。が、この際理屈などどうでも良い。
顔を上げて改めて状況を確認する。
目の前には顔半分が爛れた浅倉が仰向けに倒れていた。
側には粉々に砕けたデザイアドライバーとIDコアの残骸が散らばっている。
ライダーの力を完全に失った証拠だ。
苦しみ悶えながらも浅倉は口を開く。
「……お前のやり方……だと?……こんなのがか?……どこまでも………甘ちゃん……だな……はは……ははは…ははは……」
力無く笑ってみせる。
結局自分を殺せない道長に対してもだが、そんな甘ちゃんに敗北した滑稽な自分への嘲笑でもある。
バッファに返答は無い。
凶悪犯にどう思われようと知った事ではないし、今は他に優先事項が有る。
「………タイクーン……ナーゴ………」
直ぐに2人の援護に向かわなければ。
デザイアグランプリの性質上、英寿にドライバーを造らせるなど例外が無い限り、例え世界が作り変わってもIDコアを砕かれた浅倉は仮面ライダーの資格を失い2度と変身出来なくなる。
殺された人間達も、ギーツが世界を作り変えればまた戻ってくる筈。
これ以上彼に関わる必要は無いのだ。
直ぐにタイクーン達の元へ向かおうとするバッファ。
「待て…」
「?」
しかし、ここで浅倉に呼び止められる。
「もし.....ギーツが生きてて.....また世界が変わったら……やっぱ消えるのか?……俺の記憶は……」
「その方が、お前には幸せだろ。イライラが消えるならな」
それだけ言って、バッファは若干ふら付きながらも走り去る。
残った浅倉は仰向けのまま呆然と空を眺めた。
デザグラでは退場、失格となった者は消滅と言う形でゲームエリアから除外される。
この体もあと1分も経たずに消え去る事だろう。
「……そうか………消えるのか……また……はは……ははは……」
力無く笑う浅倉。
新しく世界が作り変われば体は元通りにはなるが、その時の自分はデザグラやライダーに関する記憶、そして己が一番叶えたい願いを全て失くしている。
永遠に戦いたいと言う願いの消滅。
それは殺人貴としての浅倉威の完全な死を意味する。
戦いを楽しめる感情。
殴るか殴られるかで味わえる生の実感も、
命の危機を味わうスリルも、
敵の返り血を浴びる快楽も、
全て消えて無くなるのだ。
そんなのは最早自分ではない。
そう言う経験を既に2度は繰り返して居る。
神崎士郎が戦いを終わらせてからの1度目。
コラスのデザロワが終わってからの2度目。
そして今、3度目の記憶消去が始まろうとしている。
最も、スエルの思惑通り世界が破滅すればそれまでなのだが、ギーツは大それた力を持つと聞いた以上また世界が作り変わる可能性もゼロではない。
「……また…戻るのか?………あんな……退屈な日々に……」
ここで闘争心が消え失せた頃の自分を思い返してみる。
ハッキリしている事が1つある。
それは常に自分を支配していたイライラが存在しなかった事。
苛立ちが無かったからこそ、退屈だが特に不自由もなく毎日を暮らせた。
先ほど吐かれたバッファの言葉を思い返す。
ー その方がお前には幸せだろ。イライラが消えるならな ー
あんな何気無い日々が、人間の幸せだとでも言うのか?
「消えた方が………幸せ…だと?……は…はははは………」
本当にお笑いだ。あんな何の刺激の無い日々を、自分は20年間当たり前の様に過ごして来た。
その時自分はどんな感情を抱いていただろうか?
とりあえず飯について考えてみる。
逃亡生活中はインスタント食品を適当に盗み、時には蜥蜴を焼いて食べても十分だった。大腸菌だの食中毒などは二の次である、
王蛇でなくなった日々では、危険を犯さずとも上手い飯にありつけた。
あんな何気無い事も一つの幸せだと言うのか?
…………いや、やっぱり違う。
ふざけるな。何が幸せかは自分で決める。
誰に何と言われようが、血生臭い戦いが出来なければ死ぬも同じだ。
三度熱傷を負ったのか、顔半分は最早感覚が残っていない。
こんな深い傷でさえ世界が変われば跡形も無く消えると言うのか。
本当に何処までも生ぬるく甘ったれたゲームだ。
しかしそれを全力で否定出来る体力も気力も、浅倉には残されていない。
たった今、全身が光を帯び消滅が始まった。
背後で倒れているベノスネーカーにも同様の現象が起き始める。
最後にもう1度、バッファの言葉を思い出す。
ー その方がお前には幸せだろ。イライラが消えるならな ー
黙れ。
戦いこそが俺の全てだ。
最後の最後まで、少しでも足掻きたいが故に
浅倉は崩壊していく右腕を空に掲げ、一言呟いた。
「……………うるせぇ……」
《 Mission failed 》
こうして、浅倉の体は完全に消え去り
ゲームから除外された。
これでバッファvs王蛇編は終了です。